ウィーン2007(7日目)part1
2007年 01月 29日
正直、音楽のみが目的である観光客ゆえの傍若無人の振る舞いに、多くの熱心な信者の方達は不愉快だったろうが、言葉がわからなくても、音楽の素晴らしさと教会のもつ厳粛な雰囲気が相まって、とても感動を受けたのだった。極めて有能な作曲家がいると、宗教的なものも人種民族を越えてしまうのだろう。
ミサが終わると、皆が散会する際にオルガニストがソロで演奏するのだが、これがなかなか弾きまくってくれて面白かった(演奏のみならず、音色の切り替え、鍵盤の弾き分け、ペダルの調整、足によるスイッチング等大忙し!)。曲はわからないけど、ちゃんとした感動的な曲です。なので、音楽好きは結局帰らずに最後までそばで聴いているのでした。そして、終わると聴いていた人々がささやかながら拍手を。奏者は軽く会釈をするって具合でした。
とても晴れやかな気持ちで外に出ると、ケルントナー通りをブラスバンドの音が聞こえてきて、それがどんどんこちらに向かってくるのでした。それはかなりの人数の楽団と行列で、皆チロル風の民族衣装を着て行進しているのでした。ワクワクさせられるオーケストラ、荘厳なオルガンに続く、この突然のブラスバンドの強烈な行進曲の響きはまるで、マーラーの交響曲をそのまま地で行くって感じでした。
つられて、一緒についていくとその一団はシュテファンス・ドームに入っていきました。そして、再びミサが始まったのでした。今度はブラス・オーケストラによる演奏で取り仕切られるのでした。さすがにダブルヘッダーはきついので引き上げましたが、なかなか面白いものをみせてもらいました。
さて、そして向かったのはウィーンで最も有名なコンディトライ、デーメル"Demel"です。いよいよ今回もきてしまいました。旅も終盤、クライマックスを演出する重要な要素となるデーメルのケーキというわけです。とりあえず、トリュッフェル・トルテとアプフェルシュトゥルーデルを持ち帰りましたが、とにかくお店に入っただけで、うれしくなるような華やかさと立派さです。これだけで、美味しさがわかるというもの、気持ちをウキウキさせてくれるのでした。おまけに対応してくれた女性が可愛らしかった。うーむ、まだ食べてないけどこれだけでも、やっぱりデーメルが一番!ってことになってしまうのでした。
で、食べました。さすがです。アプフェルシュトゥルーデルは日本支店の2倍以上の大きさですが、大変上品でありながら濃厚な美味しさで、いくらでもいただける名菓です。ご飯代わりにもなりますね。トリュッフェル・トルテはいわゆるトリフ・チョコレート・ケーキですが、これも絶品。とても甘いですが、それがうんざりするようなたぐいではなく、ギリギリのあやうさのところで、ちゃんと踏みとどまっています。そこが貴族的ともいえる感じに仕上がっていると思いますね。本当にうまかった。これは日本支店にはないね。