水越けいこ/ディナークルーズ2006

 昨夜は東京湾をクルージングする船上での水越けいこさんのディナーショウだった。私としては、一昨日のような失敗を繰り返さないような演奏を心掛けなくてはならない。
 で、この日の私のテーマは「マケレレになる」こと。現サッカー日本代表監督、オシムさんが語ったコメントの一つに「私にアピールしようとプレイをする選手はいらない。必要なのは、人(あるいはチーム)のために走り、ある時は人のためにファウルをしてでも守り、ある時は人のためにゴールに向かって攻め上がれる選手。そういう選手を日本ではたくさん作らなくてはならない。例えて言えば、チェルシーのマケレレのような。」

 ということで、本日から心にマケレレの名札を刻み込んで、ステージに向かうワダハルでありました。

 m1.In The Stars
 スタジオ盤のテイクは非常にゆるい流れの中で、隙間の多い個性的なサウンドと、けいこさんの中では珍しい妙なコード展開による難曲。でも、もともとジャズぽいビートとムードなので、今回のオープニングには最適だった。それに、私のピアノだけだったのが逆に分かりやすい感じになったのでは。けいこさんのゆったりとした(あるいは、オットリとした)ボーカルの良さが生きたと思う。
 私も間奏からメロに戻る辺りがとてもうまく出来た。レイドバック気味のノリと船の適度な揺れのマッチングがすごく効果的だったんじゃないかな。

m2.海潮音(みしおね)
 去年出した曲で、私がアレンジさせてもらった。なので、よくわかっているのだが、ピアノだけでやるのはちと寂しすぎる感はあるかな。当初は、もっと大げさな弾き方で盛り上げていたが、ちょっとやり過ぎていた感じだったので、極めてシンプルにまとめてみた。それで正解だったと思う。歌とのバランスはとても良かったが、割と即興的に弾いていたので、最後のまとめにちと不満が残る。

m3.夏草の道
 曲自体はけいこさんらしい8ビートのポップ・チューンなのだが、スタジオ・テイクはライブでは再現不可能な間奏とエンディングになっており、今やるのは少し抵抗があるので、今回用にリ・アレンジした。とは言え、これも私一人なのだから、その場で少しずつ変更していき、本番でもAメロのバッキングをホール&オーツ風の8分刻みに瞬時に変えた。それで、全体のメリハリがはっきりして、なかなかいい判断だったと思う。
 けいこさんに「詞の内容が生きたアレンジになった」と言っていただき、私上機嫌。

 さて、ここからヴァイオリンの下川美帆さんを迎えて3人で。
m4.恋しくて
 ビギンのヒット曲のカバー。ほとんどオリジナルのムードでやってみた。ま、私が一番自由度が高いけど、ここは「マケレレ精神」で、お二人をしっかりと支えなくては! けいこさんの歌声って今風に言えば「癒し系」の典型じゃないかな。こういうゆるさがすごく似合うのだった。
 そして、ミホちゃんがまたいい音色を出してくれました。フレーズのニュアンスも素晴らしかった。いつもだと、少しチャチャをいれてしまいそうですが、ここはしっかりバックに回ってお二人の美女をフューチャーいたしました。

m5.The End Of The World
 そのまま続けてスタンダード曲へ。これも極めて有名な曲なので、シンプルに徹する。ピアノとヴァイオリンのマッチングは伝統的に悪い訳がない。

m6.15の頃
 伊藤薫さんらしいキュンとさせる詞とメロ、それにけいこさんの声でほぼ完璧なので、バックは常に控えめに。スタジオ・テイクはコーラス・ワークが凝っているので、適度にカットしてスリムにしたバージョンでやった。

m7.踊り子
 来ました!踊り子ね。けいこさんの詞がいいんだよね。それをあの声で聴くとタマラんわけだな。それと、佐藤準さんによる極めてヤンチャなアレンジがしびれるのだった。最近のJ-POPにはこういうアレンジする人はいないな。やっぱり昭和の音楽は面白いよ!それに比べれば今は皆「保守的で優等生的」。
 ニューオリンズ風とビートルズ風と歌謡曲風が入り交じって、ジャグ・バンドにラグタイム・ピアノからアナログ・シンセまで登場し、変拍子も使ってエンディングを盛り上げる。それでいて、ちゃんとジャパニーズ・ポップスの世界でまとめられている。
 全体にどのジャンルの音を持って来ても、すべて「インチキ臭く」処理するのが素晴らしいのだった。
 なので、敬意を表して、ほぼ忠実に再現するよう頑張ったね、たった2人で!ちょっと危なっかしいところもあったけど、お客さんの盛り上がった手拍子にも助けられて、すごく楽しかったよ!

m8.二人
 これは最近のけいこさんの名バラードの一つ。私がアレンジして、六川さんや徳武さんと録ったのがスタジオ盤だ。ま、アレンジャー権限により、ほぼそのままやっておりました。

m9.ほほにキスして
 本編最後は、初期のヒット曲を楽しくお贈りしたが、けいこさんのアコギを入れて3人でやったのはなかなか変わったサウンドで新鮮だった。音が足りないとこが良いわけで、妙なバランスになって面白かったのだ。

En.A boy
 けいこさんの新曲で、まだCDで発表はしてないけど、そのうちお披露目するかな?私にはとっても好きな1曲で、ご子息への深い愛情がこもった名曲だと思う。私も気持ちを込めてアレンジさせてもらった。ライブではピアノだけでやったけど、いいエンディングになったと思う。途中、けいこさんはサビに入り損ねたけど、そこはバンドじゃないからお互いにうまく合わせられた。

 さて、私としても「マケレレ精神」で良いパフォーマンスに貢献出来たと思うが、それをより自らの血と肉にするべく今後も続けられるようにしたいと思う。
 そして、水越さんの音楽の豊かさ優しさにも感動したステージだった。
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Commented by b at 2006-08-17 09:16 x
和田さんの昨日の演奏よかったですよ!
かっこ良かったなぁ〜
Commented by harukko45 at 2006-08-17 21:30
bさん、はじめまして。昨日会場にいらしたんですね。楽しんでいただけたようで、うれしいです。またこちらにも遊びにきてください。
Commented by けいこおいかけ at 2006-08-18 16:18 x
和田さんはじめまして。
やはり、プロの方がそれもステージで演奏された方のコメントは素晴らしいですね。「踊り子」とってもファンキーで面白くて元気が出る曲です。
ずっとけいこさんにリクエストし続けていたけど、やっと解禁?した。
けいこさん完全復活ですね。これからも良い(酔い)アレンジで面白いけいこさんのバックアップを宜しく。
ところで、ステージ上からお客さんを見てどうでした?テーブルにぽつんぽつんと一人で座る中年親父たち・・・。面白くもあり不気味でもあったのでは・・・。でもそういうファンにけいこさんも支えられているんですよね。
ま・・僕もその中の一人ですが・・・。
Commented by harukko45 at 2006-08-18 23:59
けいこおいかけさん、コメントありがとうございます。そして当日お出でくださり感謝感謝です。「踊り子」一番力入った曲でした。楽しんでいただけてとってもうれしいです。ほんとにけいこさんの曲には面白いだけじゃなく意欲的なトライをしてあるアレンジがいろいろあって楽しいですね。でも、それもけいこさんの「あの声」があればこそ、なんだけど。
それと、僕もかなりの中年親父ですけど、結局のところ我々中年世代は今の日本の中でも随一の「音楽好き」なんですね。今の若い方は音楽よりも楽しい事があるらしい。それに、けいこさんのような美人ならファンになるのも当然でしょう。
是非とも、これからも皆さんで支えてくださいませ、よろしくです。
Commented by けいこおいかけ at 2006-09-13 12:49 x
沖縄にダイビングに行っている間(7月のけいこさんのライブで行ったときは台風3号の影響で潜れなかったのでそのリベンジで)
TETOから素敵なプレゼントがありました。
A boy とってもシンプルなアレンジで
とてもいい感じに仕上がっていましたね。
流石はるひこさんです。
このままでもCD発売できますよね。
Commented by harukko45 at 2006-09-13 21:32
けいこおいかけさん、(A) boy(正式には"a"が入るのか僕もわからないのですが)気に入ってもらえたようで、うれしいです。来月は金沢の方でライブがありますので、頑張ってきます。
Commented by けいこ at 2006-09-14 08:19 x
tetoから送られてきたジャケットにはaが入っていませんでした。
金沢ですかぁ・・・行きたいけどなぁ・・夏に遊びすぎて
仕事が溜まってます。
でもなんとかするかもしれませんね。
Commented by harukko45 at 2006-09-14 13:45
なるほど、英語的には何らかの冠詞がついた方がいいのでしょうが、正式タイトルは"boy"ということですね。仕事もお忙しそうですが、けいこさんも頑張ってください。これからもよろしくです。
by harukko45 | 2006-08-17 05:01 | 音楽の仕事 | Comments(8)

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