2013年 01月 11日
ジョン・レノン スーパー・ライヴ2012の詳細(10)
宮田和弥さんと奥田民生さんのコラボで Come Together、奥田さんとの Girl
ジュンスカとユニコーンは、80年代後半から90年代に日本のロックシーンを牽引した両雄。そのメイン・アクター同士の共演というのは実にワクワクした。ただ、リハはあっという間に終わるだろうな、と予測していた。二人ともベテランだし気心知れた仲、四の五の言わずにパッとやって、「後は本番で」ってなるのは目に見えてた。
で、その通りになった。奥田さんがスタジオに着くや否や、宮田さんとの簡単な打ち合わせがあって、すぐに宮田さんがカウント。後はみんな知ってる"Come Together"である。1回やってみて、歌い分けの確認をし、先発をどちらにするかをジャンケンで決めて、さあ、もう一度。ということで「本番よろしく」。あっという間にコラボ・コーナーのリハは終了した。

宮田さんは、ライブでのジョンの熱さを再現したくて、あえてこのテイクを指定してきたようだ。我々もそのことは容易に理解出来たし、コンサートの後半部であることからもバッチリな提案だった。それに、宮田・奥田両名とも、キーが上がってもサビを問題なく歌い切ってくれていた。
間奏、エンディングでは宮田さん曰く「奥田君の唸るエピフォンソロ」が本当にサイコーで、大いに盛り上がった。スタジオ版はクールの極みみたいでシビレるが、なるほど、ライブではこっちの方が燃えるわい。ジョンは正しい。
宮田和弥さんを送り出し、一人奥田さんが残って、もう1曲。「みんな盛り上がってくれたのに、次はすごく暗い曲。Cマイナーですから、こんな響き。」と自らCmのコードを鳴らして、会場大爆笑。「なので、座って聴いてください」という流れから、"Girl"。

ここから、ビートルズ対ビーチ・ボーイズ(ブライアン・ウィルソン)のハイ・レベルなアルバム対決が始まるわけだ。

さらに彼が"Woman"を発表した際に、「ビートルズ時代に作った"Girl"の1980年版だよ」と語っていること。そうなると、"Woman"のフェミニスト・ジョンにはますます裏がありそうな気配だな、うーん面白い。
と、いろいろと話は広がってしまうが、とにかく、この曲は何回やっても楽しくて楽しくてしょうがない。演奏される楽器は少ないが、全てに意味があるので、緊張感はピンと保たれる。「tit,tit」コーラスは途中で息切れして苦しいが、それでも幸せを感じる。そこから解放されて「グァ〜ア〜ル」とハモるところなどは、まさに失神ものの気持ちよさだ。わずか2分半程度でありながら、極めて充足した気分で満たされ、なおかつ中毒性もある、とんでもない曲だった。
(11)に続く。