Queen+Paul RogersをTVで観た
2005年 11月 08日
とは言え、意外といい内容に思わずに最後まで飽きずに見入ってしまった。実は私は、クイーンをほとんど知らない。もちろん、ヒット曲は聞いているがアルバムを買って聞き込んだことがない。だから、クイーンのファンには申し訳ないが、興味があるのはポール・ロジャースの方なのだ。
なんてったって、「Free」「Bad Company」のポール・ロジャースだ。歌が最高にいいのだ。特にフリーはバンドとしても70年代前半のブリティッシュ・ロックの中でも強力にかっこいいことをやっていた。でも、今聴く方がその素晴らしさをより理解できるような気がするし、このサウンドは2005年にピタッとくるのは私だけだろうか?
「Queen+Paul Rogers」は最近日本に来ていて、コンサートがあったようだな。この放送のような内容なら観に行ってもかなり楽しめただろうね。ただし、私の意識はポール・ロジャースに釘付けだったろうけど。
正直、クイーンの二人の老け具合(ブライアン58、ロジャー56)に比べて、今年55歳のポールの若々しいこと(ちょっと尾崎紀世彦さんみたい)!! 肝心のボーカルも衰えを知らない。フレディ・マーキュリーのような毒気はないけど、彼のブルージー、ソウルフルな歌い回しが私にはかえって好ましくて、よく知らなかったクイーンの曲も新鮮に楽しめた。
ただし、ポールのレパートリーである”All Right Now"と“Can't Get Enough"はまあまあじゃないかな。クイーンにはブルージーさや即興的なアプローチは似合わない感じ。それでも、ブライアン・メイがこんなに自由にギターを弾きまくっているのって、フレディ時代にもあったのかな? くわしい人がいたら教えてほしいけど、クイーンというバンド全体が「様式美」「人工美」の極みだっただけに、印象が違ったのもおもしろかった。
逆に言えば、フレディ時代の「巨大なバンドのメンバー」という圧力から解放されて、一人のミュージシャンに立ち返った気分なのだろうか。何となく、彼のプレイは前よりノビノビしているように感じ、ギタリストとしての才能の素晴らしさを再認識させてもらった。
でも、やっぱりポール・ロジャースが素敵なのだ! だから、フリーを聴きまくろうと思っている。
とにかく、今は再びフリーにぞっこん。こういう風にバンドのサウンドがわき上がってくるようにレコーディングされているのが、本当に素晴らしいです。