2012年 01月 11日
プラハにて、チェコ・ビール探訪(2)
「2番目に美味い店〜ウ・ピンカスー(U Pinkasu)」

「ティグラ」に比べると、全体にまろやかな印象だった。ガチっとしたボディを感じさせた「ティグラ」のインパクトには負けるが、確かに、こちらも相当に美味い。
しかしながら、料理は、私たちにはいまひとつだった。なので、もし次回訪れるなら、「ティグラ」に午後3時に行けない時に、ここのレストラン・サイドではなく、ピヴィニッチェの方でビールのみ注文するとしたい。ただし、こちらも常連客らしい「いかつい」男達がテーブルをほぼ制圧していることを覚悟しなくてはならないだろう。それでも、観光客が入れる可能性はかなりある。とは言え、雰囲気は「ティグラ」にはかなわない。
「ブドヴァイゼル・ブドヴァルが飲める人気店〜ウ・メドヴィドクー(
U Medvidku)」

メドヴィドクーは食事のメニューも豊富で、味も上々。それに、他に比べて値段が安い。なので、地元の人々にも人気のようで、毎日混んでいた。私達は午後2時ごろ、偶然にもタイミング良く、5分ほどの待ちで席に着けたが、我々の後ろにはかなりの行列が出来ていた。
初めて飲むブドヴァルは、実にまろやかで飲みやすかった。街歩きでノドがかわいていたので、潤すにはもってこいだった。全体に軽やかな印象だが、バランスの良さが光る。いわゆる、コクがあるのにキレがあるって感じで、美味しい。
プラズドロイが壮年期の男らしさとすれば、ブドヴァルは青春時代と言えるか。プラズドロイが4番バッターで、ブドヴァルはイチローのようなトップバッターと表現されている方もいたっけ。うまく言い当ててらっしゃる。
とは言え、達人達のブログでは、醸造所のあるブジェヨヴィツェで飲む美味さにはかなわず、プラハでのブドヴァルはダメだと言う方もいた。私にとっては、これでも十分美味かったが、いつか機会があったら訪れてみたいものだと思う。
さて、ブドヴァイゼル・ブドヴァル(Budweiser Budvar)はアメリカのバドワイザーを販売するアンハイザー・ブッシュ社との間で商標登録の争いを各国でおこなっている。バドワイザーというビールは、チェコのチェスケー・ブジェヨヴィツェのビールに感動したアメリカ人、アドルファス・ブッシュがビール酵母をアメリカに持ち帰り、セントルイスで製造販売をはじめて、その名前を無許可で借用したもの。よって、ブドヴァルとはまったく関係がない。
しかしながら、どう見たってブッシュ側の身勝手さが見て取れる。アメリカでの商標登録の権利を盾に、本家・ブドヴァイゼルを北米市場から追い出し、チェコの工場さえも買い占めようとするとは、実に恩知らず。勝手に商標登録して問題をおこすなんて、今の中国とかわらない。
まぁ、味に関していえば、チェコのをまねたのだから同系なのだが、ブドヴァルの美味しさを知ってしまった以上、もはやバドワイザーをすすんで飲む事はないだろう。