久々にJazzにはまり(3)
2011年 03月 06日
でも、好きですよ、ジャッキー・マクリーン。この方のプレイは、情熱的で説得力があるのです。ちょっと力みすぎたり、ピッチが悪い時もあるけど、不思議と聴いているうちに応援したくなる感じなのだ。
で、まずHMVのジャズ担当者の方が推薦するのは59年10月録音のブルーノート「Swing,Swang,Swingin'」。これは私、聴いたことありませんでした。YouTubeにも2曲ぐらいしかなかったので、TSUTAYAでレンタルしてきました。なるほど、なかなかの好盤ではありますな。ワンホーン・カルテットで、スタンダードばかりを気持ちよく流すという感じで、リラックスして楽しく聴けました。確かにマクリーン入門には最適でしょうし、おしゃれにジャズを聴きたい感覚にはピッタリかも。
が、実を言うと私は、60年代になってからのハードなマクリーンの方が好みですなぁ。
特に昔、かなり聴いたアルバムがこちらの67年12月録音の「Demon's Dance」。上の「Swing...」のいかにもジャズィーなジャケットとは全く別物のオドロオドロしさ。マクリーンはこの2枚のアルバムの間に、どんどん変化をとげて、いわゆるモードやらフリーやらという「ジャズ来るべきもの」へ果敢に挑戦していったのでした。その辺の過程をたどるのも個人的にはなかなか楽しいのですが、とにかく、その結論として示されたのが「Demon's Dance」だったのでは、と思うのでした。
彼は再びオーソドックスなプレイに戻ってきました。だが、ここでの彼はもはやただの「くぐもった」「泣きの」プレイヤーではありません。いろんなものを昇華しきって堂々たる姿になったマクリーンにホレボレします。ジャック・ディジョネットのドラムもかっこいい。
さて、マクリーンは、サイドメンとしても多くの名作に参加していることでも有名。
ソニー・クラークの「Cool Struttin'」やチャールス・ミンガスの「直立猿人」、マル・ウォルドロンの「Left Alone」が定番ってとこでしょう。(そのまんま、HMVでも推薦されてます。個人的にはミンガス以外はそれほど好きじゃないですが、ジャケットがいいからここにも飾っておきます。)
もちろんこれらも良いですが、私としては今回いろいろ聞き返したところ、フレディ・レッドの60年ブルーノートの「The Music from the Connection」、「Shades of Redd」を推したいです。
フレディ・レッドはピアニストでありますが、それよりも作曲家として素晴らしい才能をみせております。彼自身は、その後不遇のようでしたが、ブルーノートに残されたこの2枚は素晴らしい名作であることに間違いないです。(もう一枚の「Redd's Blues」はオクラ入りだったが、復刻された。これも悪くない)
内容はどれも典型的なハードバップですが、それぞれの曲がしっかり練られているので、そこらのジャズとはちょっと違う、って感じ。
とにかく、リーダーがちゃんとしているので、一つのドラマを見るかのようにアルバムを聴けるのでした。特に「The Conection」は演劇の為に書かれた音楽だけに当然と言えば当然なのですが。
ここでのジャッキー・マクリーンは実に生き生きとしたプレイで、彼の生涯のベスト5に入ると言っても良いのでは。
ある意味、「Cool Struttin'」と聴き比べても面白いかも。