大橋純子/ホテル沼津キャッスル
2010年 12月 27日
ベースの六川さん、ドラムスの植村くん、ギターの土屋さん、それに私による4リズムにジュンコさんという形で、フル・メンバーでのパフォーマンスではなかったのですが、それでも骨太な感覚は失わずにやれていたと思っております。
m1.シンプル・ラブ 2.ビューティフル・ミー 3.たそがれマイラブ 4.大人の恋をしましょう 5.地上の星 6.シルエット・ロマンス 7.サファリ・ナイト 8.ペイパームーン 9.愛は時を越えて En.Happy X'mas(War Is Over) (5日富良野、22日登別ではこれにプラス、m5に"季節の中で"が加えられていました)
時間は60〜70分のステージだったので、ヒット曲代表曲でいっぱいになりました。その中にあっての11月24日リリースの新曲であるm4はバンド的な色合いもじょじょに出てきて、かなり熟れてきたなぁと思います。
また、m5の"地上の星"はどこでやってもなかなかウケが良いのでした。このスパニッシュ・フュージョン風のジュンコ・バージョンはしばらくやってないと随所にキビシい仕掛けやむずかしいグルーヴ感が合わずに事故が起きたりもするのですが、それでもやりきってしまうと、会場が大いに沸くのでした。緊張感が漂って、各自がより真剣に取り組む感じが伝わるのでしょうか。なんだか、音楽を演奏することのあり方みたいなものを、あらためて気づかされるような気分でした。
m7,8では沼津のお客さん達、とってもノリノリでした。年齢層が高めの方もやっぱ、くぐってきた時代が重なるのでしょう、自然に体が動いて、手拍子してくれてました。うーむ、やっぱこの辺りのファンク、ディスコ系のビートは強いなぁ。
そして、本編最後のm9は個人的にもかなり満足できる状態でやれたと思います。この曲がうまくいくと、全体的な印象もずいぶん違うのでした。
アンコールではジョン・レノンのクリスマス・ソングを。実を言うと、私個人はこの時期、この曲をうんざりするほど演奏しているのですが、それでも、この日の2回目のステージで、何とも熱いものがこみ上げてきて、思わず涙が出そうになりました。曲の深みにあらためて触れた感じですが、ジュンコさんのボーカルが素晴らしく良かったので、それまでにない新鮮さをも同時に感じられたからでした。
ジョンの曲は難しい、それはバンドがどうの、アレンジがどうのではない、歌がとってもむずかしいからなのです。ジョン・レノンは作家としても凄いですが、それより何より、まずボーカリストとして天才。彼が歌えば、どんな駄作であっても成立してしまう部分もあるのです。それを誤解して、簡単に他の歌手が手を出すとほぼ失敗する。ジョンの曲をキメるためには、ボーカリストにはそれなりの覚悟が必要なのです。そういう点で、ジュンコさんはまさに別格でした。それは我々、バックをつとめる人間にとっても、ものすごく誇らしいことだと強く実感したのでした。
無事に2ステージを終え、その後我々は沼津のおいしい魚料理と日本酒を堪能して、今年1年の「チーム大橋」の仕事ぶりをねぎらったのでした。いやぁ、今年もよく頑張った。とことん真面目に音楽に取り組まんで、何ができるのかと。年取れば取るほど、どんどんシリアスに対処する姿勢は強くなります。でもそれこそが大事です。そうでなくては、楽しくないし、こうしておいしい酒は飲めません、ハイ。
というわけで、私は世間一般の皆さんよりも、一足先に仕事納めとなりました。ジュンコさんのファンの皆さんには、今年も本当にお世話になりました。いつも熱い応援をありがとうございました。来年もよりエネルギッシュなステージをめざしてやっていきますので、どうぞよろしくお願いします。