歌姫コンサート〜燃える秋「第2部」
2010年 11月 26日
約15分間の休憩後に「第2部」のスタートです。歌姫4番手は我らが大橋純子さんの登場です。やっとホームグラウンドに戻った感じなのですが、これが、意外に緊張しました。何と言うか、ホームに帰った途端に気が緩んでしまうということもあるわけで、ジュンコさんのバッキングをする以上、絶対に恥をかかせるわけには行かないのですから。
m12.シンプル・ラブ
とは言え、やはりこの曲のイントロが始まると個人的には全く持って自然体な面持ちでプレイに専念できた感じです。後半開始にふさわしいムードがあって、会場の手拍子も気持ちいいもんでした。
m13.たそがれマイ・ラブ
ボサノバ風アレンジによるこの曲も、すっかり定着してきている感じ。メロディの良さがより生かされて広がりもある演奏になっていると思います。
m14.シルエット・ロマンス
なんだか、すごく良かったように思えました。こうやって、いろいろな方々の曲を並べて演奏してみると、この曲の持っている強いエネルギーみたいものをすごく感じてしまいました。いつものように土屋さんのアコギとの二人だけのバッキングですが、とても新鮮に思えたし、全体にある豊かな表情がすばらしいなと思いました。それは、ジュンコさんのボーカルに尽きるわけで、私は力を抜いて合わせて行けばとても気持ちよくなれるのでした。
m15.大人の恋をしましょう
さて、ジュンコさんの新曲で、この日が初披露でした。テンポが微妙で、リハではまだまだピタっとキメるのが難しかったのですが、本番ではうまくいったようでした。全体にはシンプルな構成で、素直に流れるゆったりした3連のビートが命の曲ですので、あまり作為的なアプローチは全く必要がなく、ただただ心地よい時間を楽しめるように心がけたのでした。
個人的に考えても年齢を重ねた結果、こういうバラードが楽に演奏できるようになったのだなぁ、とも思っている今日この頃って感じです。
m16.夏をあきらめて
ジュンコさんが研ナオコさんを紹介して退場、そして最後に登場した歌姫の1曲目はおなじみ桑田圭祐さん作曲の大ヒット・ナンバー。
ここから4曲は研さんのバンドの方々(アコギの古池さん、ヴァイオリンの三宅さん、ピアノの久米さん)が加わり、また全体の仕切りも古池さんにお任せしたので、私を含めた「歌姫バンド」はサポートに徹しておりました。
研さんのようなタイプの音楽では、自由にやることよりも、アレンジされたものをきっちりやりこなすことの方が重要。譜面もしっかり書かれたものばかりなので、我々としては、ここまでとはまた違う神経を使うことになります。私は主にストリングスを中心にしたシンセ担当でしたが、ヴァイオリンと合わせて行くので、油断してはいられません。
m17.愛燦燦
言わずと知れた、小椋佳さんの詞・曲による美空ひばりさんの有名曲。研さんはしっかり自分のものにして歌われていました。
m18.愚図
ここで、宇崎竜童さんが登場。宇崎さんが研さんに提供したヒット曲を、1コーラス目を宇崎さんが弾き語りで歌い、2コーラス目からはバンドとともに研さんが歌うという構成。
ここでも、宇崎・阿木コンビの独特の世界が広がりますなぁ。研さんも素晴らしいのですが、ここでは宇崎さんの歌の深みにも持ってかれました。
m19.弥生
さぁ、そして研さんのラスト・ナンバーで本編最後の曲でもある"弥生"はこれまた宇崎・阿木コンビによるもので、10分を越える大作。ここには、阿木さんが関わってらっしゃるアマチュア・コーラスの方々35(?)名が加わった。ストーリーのある内容の歌詞であり、そこに「かごめかごめ」「竹田の子守唄」「さくらさくら」といった日本歌曲がはさまれている。
とにかく、こういう曲では間違いはシャレになりません。バンド・サイドは譜面とにらめっこしながら、高い集中力でのぞんでおりましたが、何とか無事にやりこなせたのでした。
En1.恋のバカンス
アンコールはまずは研さんとジュンコさんによる、再びザ・ピーナッツの名曲カヴァー。それも、「恋のフーガ」以上の出来とも思えるこの曲は、日本歌謡曲史上に残る大傑作でしょう。宮川先生の素晴らしいお仕事ぶりに最大級の敬意を払いたいと思います。
宮川先生のアレンジはある意味「豪放なる気持ちよさ」と言えるような活力に満ちていて、聞いていてほんとに元気になる。それにジャズの強烈なスウィング感を見事に歌謡曲に導入したのも、素晴らしい功績です。
この曲はいろいろと掘り下げれば掘り下げるほど、面白さに富んだ内容で、話はつきません。コード使いの巧みさ、イントロのベース・ラインの過激さ、Bメロでのリンゴ追分もどきの展開、ボーカルのハモの強引さ、間奏とエンディングでの計算づくのハチャメチャなスウィングなどなど。
とにかく、それら全てが重なって、ほんとにサイコーなのでした。
En2.見上げてごらん夜の星を
コンサート最後は出演者全員、バンドも全員で、坂本九さんの代表作であるこの名曲。どういうわけか、ジョイント部分では昭和歌謡の世界が強くなりましたが、これはこれで面白かったです。
永六輔・詞、いずみたく・曲によるあまりにも有名な作品に、なにやらコメントする必要もないですが、オリジナルのオーケストレイションをコピーするのはなかなか楽しいひと時でした。ですので、実際には研さんのバンドのメンバーにも手伝ってもらい、三宅さんのヴァイオリンや後藤さんのフルートなんかを生かさせてもらいました。
私はシンセのストリングスで厚みを出しながら、なんやかんやと指揮するかんじでした。なにしろ、エンディングのMCのタイミングと曲の終わりを合わせなければならなかったので、いやはや。
ということで、いろいろバタバタするところもありましたが、全体としてはすごくウマく言った感じで、終演後の打ち上げでもお褒めの言葉をずいぶんいただきました。まずは、良かった良かった。
それでも、皆さんヘトヘトでした。いやぁ、ほんとにバンドの皆さんおつかれさまでした。バンマスとしても、ひとりひとりに感謝感謝大感謝の気持ちで一杯です。頼りになるいい仲間を仕事が出来て、何と幸せなことでしょう。