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保田圭&矢口真里コンサート2010(4)

前回(3)からの続きです。

 コンサート終盤です。
 m7.モーニング娘。メドレー(LOVEマシーン~そうだ!We're Alive~ハッピーサマーウェディング~ザ・ピース~恋のダンスサイト~恋愛レボリューション21~LOVEマシーン)

 言わずもがな、解説不要のヒット曲メドレー。今回は特にダンス系のイケイケ路線で構成されました。どの曲のどこを選ぶかの原案はお二人からあり、私がつないでいくうちに、各曲の歌以外のオイシイ部分をちょっとずつ加えさせてもらいました。最後は"レボリューション"で終わる予定でしたが、やはり"LOVEマシーン"で締めたほうが盛り上がると判断しました。

 いろいろリハ中も流れが良くなるように変更して行きましたが、トータル・タイムは10分以上になってしまいました。かなり内容は濃いのですが、実際やってみるとあっという間に過ぎ去る印象でした。それは、楽曲の出来が良い、それに尽きるでしょう。今聞いても、いや、今聞いてみるとより、この当時の曲がよく仕上がっているのがわかるというものです。
 
 つんく♂&ダンス☆マンによるこれらの曲は、まさに20世紀末から21世紀初頭のJ-Popを代表する傑作集でしょう。オリコンのチャートだけを見ても、LOVEマシーン(1位)恋のダンスサイト(2位)ハッピーサマーウェディング(1位)恋愛レボリューション21(2位)ザ・ピース(1位)そうだ!We're Alive(1位)という堂々たる成績。

 で、その中味については、まず1999年の"LOVEマシーン"が大傑作。つんく氏が「音楽の神が降りて来て作った」と言うのも納得したくなるほど完成度が高い。とにかく、アイドルがどうのこうのなど気にせずに、とことんやりたい事をやり切って、商業的にも大成功したモー娘。初の曲だ。
 一つの曲として見ると、個人的には"抱いてHold On Me"の方が上と思うが、他の要素(ダンス振り付け、PV、モー娘。としてのキャラとその世界観の確立、等々。)を含めた総合点でダントツにトップとなることは間違いない。
 我々の世代にはこの曲はショッキング・ブルーの"ヴィーナス"が下敷きになっているのがわかるが、元曲を巧妙にパクってヒネりながら、全然レベルの違うサイケ・ディスコともいうべきポップ・チューンに仕立て上げたのが素晴らしい。「特上の労働歌」との評価も面白い。

 続く2000年の"恋のダンスサイト"はドイツのジンギスカーンが元ネタなのだが、ここまでとことんメチャクチャしてくれりゃ、文句ない。ただ、"LOVEマシーン"の方が品があったかな。で今回は、やぐっちゃんの「セクシービーム!」からのサビと後半のガヤガヤをいただきました。「あー、なんだ。動物園みたい。」が聞きたくて最後までつきあう、私。

 同じく2000年の"ハッピーサマーウェディング"では、クレイジーキャッツ的なコミック・ソングの要素が強くなった。ただ萩原哲晶先生ほど過激に突っ込めなかったのは、アイドルとしての限界があるかも。でも、中澤さんのセリフにはやっぱシビレます。で、そのバックに流れる仕掛けはかなりイケテルので、最初インストだけでやっていたのですが、やぐっちゃんが最終日のリハでセリフをつけてくれました。オジサン、感動しました。(これが結婚式での花嫁の父の心境だったのか?)

 20世紀最後を飾る"恋愛レボリューション21"は、これまた傑作でしょう。インチキ臭さとカッコ良さがうまく同居してて、MFSBやE,W&FをパクってのB級狙いなのに、それをトコトンやったらワン・アンド・オンリーの世界が出来ちゃったって感じ。これはモー娘。しかない世界。つんく氏のプロデュースだけでなく、メンバー達の個性が曲を引き上げていると思います。
 なので、少なくとも1コーラスはやらないと申し訳ない。

 21世紀に入っての"ザ・ピース"もなかなかカッコイイです。始まりのシュプレヒコールの部分はモー娘。のガヤ史上で最高の出来ではないでしょうか。ただ、曲としては"レボリューション"の続編的でもありますなぁ。なので、ちょっと評価下がるか?

 しかし、ダンス☆マン編曲の最後のシングルとなった"そうだ!We're Alive"には、これまでの全てを5分間にぶち込んでしまえ的面白さがあります。やりすぎ覚悟でやりつくしたダンス☆マン氏に敬意を表したい。それでいて、今までディスコ一辺倒だったのが、ここに来てファンクっぽいトライもあるのが新鮮でした。なので、ここではつんく氏より、ダンス☆マン氏のエネルギーが勝っているのではないかと思います。

 などと、それぞれの曲にはファンの人々もいろいろ思い入れがあるでしょうから、私の独断による雑感はこれぐらいに。とにかく、おいしい要素がたくさんありすぎて、カットしてしまうのがつらかったのをご理解ください。それでも、このメドレーを会場の皆さんがかなり喜んでくれたのが、ステージにもよく伝わって、こちらもますます燃えることになりました。

 それにしても、当時の振り付け通りのハードなダンスを再現しながら、他のメンバーのパートもすべて歌うヤスダ&ヤグチは素晴らしい。ドラムのナオちゃんはあまりのハードな動きをしている二人を見て、少しテンポを抑えたくなった、と言ってました(でも実際にはイケイケでしたけど)。
 すべてを再現するにはもっと人数が必要にちがいないですが、今回はボーカリスト2人、バンド4人でもよくまとめられたなと感じています。
 だからってわけじゃないけど、完全に燃え尽きました。それに、最後のステージでは手が痛くなった。ベースのロクさんも「手がちぎれそう!」と唸ってましたよ。皆、よく頑張った。Nice work!

 m8.君に届け
 本編最後は圭ちゃん、やぐっちゃんの初共作にして、今後とも大事に歌われて行くであろう曲。彼女達が思い入れ強くするのがよくわかるほどの佳曲に仕上がってきました。
 今回はレコーディング用にアレンジされて、スタジオ版では生のストリングスが実に効果的にダビングされて、スケールの大きなバラードになっています。特に作曲担当で、アレンジャーさんとの関わりも強かった圭ちゃんが、細部にわたってこだわりを見せていました。ですから我々は、今回のアレンジメントを出来る限り忠実に再現すべく心がけたのでした。

 前のメドレーで、息が上がった状態だったでしょうが、思い入れが強い分、この曲での気持ちの入った二人の歌いっぷりは毎回本当に良かったです。

 En.サマーナイトタウン
 当初、セットメニューではアンコールは考えられていませんでした。メドレーがどうなるかわからなかったし、トータルの時間を考えて、"君に届け"がアンコールになる可能性もあったからです。

 しかし、これだけの内容になったのだから、絶対にアンコールは必要、なけりゃおかしい、ということになり、急遽"サマーナイトタウン"の再演となりました。もう少しリハに余裕があれば、別の曲を用意する事もできたかもしれませんが、今回はそこまでいけませんでした。ちょっと残念であり、反省でもあります。
 ただ、今回の内容なら、今後いくらでも発展可能であり、どこでやっても恥ずかしくないコンサートになると確信しています。MCでお二人が思わずしゃべった「全国ツアーがやりたい」っていう思いが是非実現できるようにと、私も強く願っているのでした。

 さて、長々とここまで読んでいただいた方には厚くお礼申し上げます。また、各会場で一緒に盛り上がってくれた方々にも心よりお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
 私としても、楽しくやりがいのある仕事に関わる事が出来て、うれしさで一杯でした。この後は、夏から秋に向けて安倍なつみさんとのライブ・ツアーが控えています。今回の熱さを忘れずに、なっちの方でも全力で頑張りたいと思いますので、どうぞよろしくです。
Commented by けな。 at 2010-06-05 02:15 x
ライブお疲れさまでした♪ そして、詳細な解説ありがとうございます。

こういった音楽的な詳細を読ませていただくと、「がっつり踊る」ライブであったが故に「音楽を楽しむ」部分を犠牲にせざるを得なかったことに対して、もったいないことをしたという気分になりますね(苦笑)

「Happy」の楽曲が仕上がったのは、そんなにギリギリだったんですね。圭ちゃんが作る初めての明るい曲としてこういうメロディーが出てきたことは、自分の頭の中には無かったので驚きでした。

「モーニング娘。メドレー」は、トータル10分以上もあったとは信じられない位あっという間でした。私も眼鏡をふっ飛ばすぐらい盛り上がりました(笑)

「君に届け」は、実は聴いていて感覚的に何か足りない感じがしていたのですが、レコーディング用のアレンジではストリングスが入っているということなので、きっとその部分なのかなという気がします。(自分がしっかり聴けていない部分もあったのかもしれませんが。)この辺りはCDが発売されるのを待ちたいです。
Commented by けな。 at 2010-06-05 02:16 x
(長くなってすいません。上の続きです。)

夏~秋のなっちコン、今のところ2回位は足を運べる予定です。今回の圭ちゃん&矢口さんのライブが、私がこれまでなっちコンに対して持っていた違和感を自分の中で消化するきっかけを与えてくれた気がしています。そういう意味で、気持ちを新たに今年のなっちコンを楽しみにしています。

そして、圭ちゃん&矢口さんの方でも、次のバンマス和田さんのライブが行われる機会を心待ちにしています♪

長文失礼いたしました。
Commented by konta at 2010-06-05 02:29 x
コメントご無沙汰しておりました。
ライブお疲れ様でした。
今回の内容を読んで、もしツアー等が開催されるなら、ぜひ参加したいと思いました。
和田さんもこれからもよろしくお願いします。
Commented by まめたにまめこ at 2010-06-07 21:59 x
お疲れ様でした。
私は大阪2公演を参戦させて頂きました。
もう楽しくて、楽しくて!!
こうやってバンドさんの感想だったり
リハの話だったりを聞くと更に感慨深いです。
楽しいライブ本当にありがとうございました。
Commented by にいたん at 2010-06-08 18:01 x
コメント遅くなりましたが、いつもこうやって振り返っていただき、ありがとうございます。

和田さんのコメントを読んでいると、あの場面はそうだったんだ~というのが結び付いて、とてもスッキリします。

今年の夏もなっちと一緒にやるんですね!

またどこかでお会い出来そうな予感です。

そちらも楽しみにしていますね!
Commented by ネオ at 2010-06-08 23:30 x
今年もなっちのツアーを一緒にやるという事で楽しみに全国駆け巡れそうです♪
Commented by harukko45 at 2010-06-11 11:56
一括レスで失礼します。
 けな。さん、お久しぶりです。「がっつり踊れるライブ」を目指したので、皆さんが盛り上がってくれて良かったです。あなたが言われるように「やり手側の意思」が重要で、それが果敢なトライでもあり、アーティストとしての成長にもつながるのだと思います。確かにヤスダ&ヤグチのお二人は今回のライブで一歩踏み込んだと思います。なっちコンもご期待に応えるように頑張ります。

 kontaさん、お久しぶりです。いつもありがとう。ツアーが是非開催を私も願っています。こちらこそ、これからもよろしくです。

 まめたにまめこさん、初めまして。大阪参戦ありがとうございました!楽しくて、楽しくて、と言ってもらえるのが最大の喜びです。これからも遊びにきてください。

 にいたんさん、いつもありがとうございます。夏のなっちも頑張りますので、どこかでお会いできるのを楽しみにしたいです。

 ネオさん、お久しぶりです。また今年もよろしくお願いします。内容は全然まだわかってないので、どのようになりますか。私もワクワクです。
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by harukko45 | 2010-06-04 23:16 | 音楽の仕事 | Comments(7)

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる


by harukko45