村田めぐみ/大阪フラミンゴ・ジ・アルーシャ
2009年 11月 09日
ですので、パフォーマンス全般でいろいろと物足りない部分も多いです。それが残念にも思いますが、だからといって、村っちの持っている多様な才能をステージで表現できなかったということではなく、もっと彼女の特異性というか、個性的な魅力を生かすための「何か」をバンド・スタッフ全員で見つけ出す時間があったらなぁ、と感じたのでした。それが十分できなかったのがちょっと悔やまれることなのでした。
ただ、内容的にも音楽的にも試みようとしたことは面白いものばかり、やっている一人としては大いに楽しめたことは間違いないです。
一応セットリストを。
m1.Poison m2.木枯らしに抱かれて〜m3.未来予想図 村為Vol.1(堕天使メチョリーナのオールナイトニッポン) m4.ALICE〜m5.Butterfly 村為Vol.2(メチョリーナの懺悔堂)m6.青春アミーゴ(with 岡田唯)m7.DIAMONDS(岡田唯ソロ)m8.DAKARA〜m9.電話待ってます〜m10.青春・オン・ザ・ロード
(東京公演ではm6,7の代わりに"PROMISE to PROMISE")
村田さんの場合は、自ら脚本を書いて、自ら演じ語る部分が重要な要素となるので、音楽だけでどうのこうのというわけにはいかないのですが、布袋寅泰のm1の妙なミスマッチ感に始まり、逆に「不思議系」でピッタリとはまったMy Little Lover(m4)や木村カエラ(m5)あたりは60年代のサイケ色を強調して実に楽しかったし、「マジ?」って思うような大黒摩季(m8)はこちらも「ニセモノ」色を意識したインチキ・ユーロ・ビート風になったのも面白かった。
また、小泉今日子のm2はなかなかの佳曲でしたし、ドリカムのバラード(m3)でもボーカル部分でかなり健闘していたと思いました。
それと、私は彼女の声はすごく良いと思いました。最初不安を感じながらの時は何とも頼りなかったのですが、じょじょに曲をつかんで自信を持ってくると、スパーンと抜けてくる歌声が実に魅力的なのでした。
また、大阪ではゲストとして岡田唯さんが登場して"青春アミーゴ"と"DIAMONDS"の2曲に参加してくれましたが、歌以上に存在自体がなかなかスゴいですなぁ。この人も本当にただ者じゃないね、かなりの大物です。この先がますます楽しみなキャラです。
終盤は前述のDAKARAに続いて、メロンのオリジナル曲である2曲。m9はおなじみのつんく氏の作で、彼らしいせつない系メロ満載の曲ですが、より注目はアレンジの船山基紀先生の存在。船山さんと言えば、70年代の歌謡ポップス界を代表する編曲家であり、ヒット曲を多数手がけてらっしゃる方。
でもって、どういう流れでこの曲のアレンジを受け持たれたのかはわからないが、つんく氏達からすればリスペクトの対象であることは確かで、ある意味思いっきり狙って「70年代歌謡」の世界に挑戦したとも言えるか?
とにかく、この曲の場合はアレンジがこれでもかってぐらい「仕掛け」だらけで、それもかなり「くさめ」なので、まさに「あの時代」の雰囲気なわけです。個人的にはかつての歌謡曲の世界はとても好きなので、けっこう頑張っちゃいました。でも、シンセなんかでそのまま再現するのはつまらなかったので、思いっきりピアノだけに徹して、全ての印象的な部分を出来るだけ弾き倒したって感じでした。CDでは大谷さんが歌っている追っかけ部分は私とタマちゃんでやったので、まるで「ピンキーとキラーズ」みたいでしたなぁ。会場の皆さんも一気にボルテージが上がって、一緒に歌ってくれましたっけ。
ラストのm10はコレクターズとメロン記念日のコラボによる作品で、なかなかの佳曲です。これはそのまま普通にやるだけで気持ちのいいアレンジで、我々としても自然に演奏できました。ただし、加藤ひさし氏によると思われるハモ・パートはなかなか重要なので、これも私とタマちゃんで頑張ってみました。
それにしても、CDでは柴田さんがリードなんですが、今回の村田さんもすごくマッチしていたと思いますし、スタッフの間でも好評でした。
というわけで、盛りだくさんの中身による「毒演会」4ステージを無事に終えることができましたが、今後は「村為」コーナーと音楽の部分との融合化を是非計って行ってほしいな、と思います。そうやって、ライブ全体を「村為」ワールドとしてのテーマを持って演出・選曲・表現していったら、もっともっと面白いものに仕上がっていくのではないかな。
そんなことが、彼女なら出来そうな気がします。普通のショウで仕切ってしまうには惜しいですね。今後に是非とも期待したいと思います。
それと、六本木と大阪で会場に来てくれた皆さんに感謝感謝です。大阪では我々バンドも見送ってくれて本当にありがとうございました。また再会したいものです。