e0093608_1610936.jpg ジャック・ホワイトの新・新バンド/The Dead Weatherのデビュー・アルバムは今年7月にリリースされておりましたが、私は最近購入いたしました。

 現役若手ロック・ミュージシャンの中で唯一愛しているジャックが、ホワイト・ストライプス、ラカンターズに続いてまたまたニュー・プロジェクトを結成したとのニュースには正直、一瞬ひきました。だって、ホワイト・ストライプスとラカンターズだけでも十二分に凄いんだから、そのままでいいじゃん、と思ったからですが、この一瞬の「?」により私は前にラカンターズを過小評価するという間違いを犯しておるわけで、天才ジャックのやることはこっちの感性などを遥かに越えているはず。

 というわけで、2ヶ月遅れで買ってすぐにまんまとハマっております。ジャックの才能とその進化のスピードに、オジさんとしてはちょっとついていけてない部分もあるのですが、彼のやっている音楽そのものは相変わらず最高です。ここ数年、毎年違ったフォーマットでアルバムを発表している(2005,2007/White Stripes, 2006,2008/The Raconteurs, 2009/The Dead Weather)のは、彼の仕事の異常なる早さ(ほぼ2週間ほどでアルバムを仕上げてしまう)によるのですが、それにしてもその質が非常に高いのに驚かされますし、それはファンとしては大いなる喜びでしょう。

 また、どのアルバムにも一貫してあるアナログへのこだわり、ブルーズやカントリー、60〜70年代のロックへの造詣の深さには毎回感心させられますし、「普通にアンプにギターを繋いで、普通にギターを演奏して、普通に歌を歌ったら、あんなおぞましいキラキラとした音は出ない」という発言に代表される、現代のポップスの過剰なマスタリングへのアンチテーゼも首尾一貫しておるのです。

 さて、今回のDead Weatherにおいては、ギターよりも主にドラマーとして参加しているのですが、これがまたなかなかで、これはもう天性のものとしか言いようがありませんな。

e0093608_1840041.jpg それと、カヴァーとしてボブ・ディランの"New Pony"をやっていて、個人的には驚きと喜びの選曲(White Stripesでのバカラック、パティ・ペイジに比べれば比較的普通か?)。ディランの1978年リリース"Street Regal"は大好きなアルバムなのですが、一般的な評価ではダサーいジャケット写真のせいもあってか、あまりかんばしいものではなかったと記憶しています。しかし、ジャックはちゃんとその良さをわかっているというか、素晴らしくカッコよくカヴァーしてくれました。
 でもって、久々に"Street Regal"を引っ張りだして聴いてみると、これがまたまたやっぱ良い!

 ホワイト・ストライプスの"Icky Thump"、ラカンターズの"Consoler Of The Lonely"もヘビーローテイションに復帰です。ロック最高!
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by harukko45 | 2009-09-19 18:42 | 聴いて書く

 21世紀になって、私の好きなロック・バンドはホワイト・ストライプスだけだったのだが、その唯一絶対の位置を脅かしかねない存在が登場した。

e0093608_238219.jpg "The Raconteurs/Consolers Of The Lonely"、これ、まじに凄くないっすか?聴いた人いたら、ご賛同願えるかしら? 私にとっては、かなりのヤバさでヘビー・ローテーション化しているアルバムであります。

 で、ホワイト・ストライプスの強力なライバルとなったこのラカンターズのボーカリスト、ギタリスト、キーボーディスト、ソングライター、ミキサー、プロデューサーは、なんとあのジャック・ホワイトなのだった!!!

 ああ、結局、ジャックのライバルはジャックだったのか!

 昨年、ストライプスの"Icky Thump"がリリースされた時のブログでは、「いくらジャック・ホワイトが天才であっても、何から何まで素晴らしいわけじゃない。私はRaconteursにおけるジャックは、ただの余暇だと思っている。」と書いたが、今回のセカンド・アルバムを聞き、それが全くの間違いであり、全面的に訂正しなくてはならなくなった。ラカンターズのデビュー時に、ジャック自身はインタビューで、「このバンドは、ただのサイドワークじゃない!」と強く語っていたことを思うと、私はジャックに深く謝罪しなくてはいけません。

 ジャック君、ごめんなさい。君のことは本当に「天才」だと思っておりましたが、これほどまで凄いとは予想だにしませんでした。私の浅はかさを深く反省いたしますです。

 とは言え、やはりラカンターズのファーストは、それほどでもなかったよ。それが、セカンドで途方もなく高い世界に行ってしまうなんて、驚き以外の何もないよ。でも、もちろんうれしい驚きであることは間違いない。

 たぶん、今年のロック部門は早くもこのアルバムで私は終了です。ですから、2年連続でベスト・ロック・アルバムはジャック・ホワイトで決定です。
 正直、これを聴いていると、もう60年代末から70年代初期のロック黄金期のアルバムを聴く必要がないように感じます。ツェッペリンもストーンズも当分、確実にいらんですね、私の場合。
 こういうロックを現代でも創造できるんだ、スンバらしい!! ジャック愛は永遠。
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by harukko45 | 2008-04-19 02:41 | 聴いて書く

 ロック部門はもうずいぶん前からベストは決まってしまっていた。このブログをよくご存知の方にはうんざりの名前でしょうが、そうです、ホワイト・ストライプスの"Icky Thump"ですよ!

e0093608_1313286.jpg 申し訳ないが、私の場合、ジャック・ホワイトの新作が出て、よっぽど彼がへくらない限り、ロックの新作はそれ以上いらないのでした。彼以外はみんな「予定調和」でしょう。それほど、ロックという音楽は「ちんまり」したものになってしまいました、私には。もちろん、60年代70年代(一部80年代も含む?)のロック、これを今のロックと分けて、「クラシック・ロック」(もちろん、質の高いもの、イケてるものがクラシック・ロック、イケてないものはただのオールド・ロック)と呼ぶわけですが、ここのジャンルに含まれる音楽は全く別ものであり、その価値は燦然と輝いております、ハイ。また、その頃から活躍しているベテラン達も未だに素晴らしいパフォーマンスを繰り広げている状況では、興味はそちらに向いてしまうのはしかたないのでした(特にボブ・ディランのカッコよさったら!!)。

 というわけで、私が若手の中で、唯一支持するジャック・ホワイトですが、この"Icky Thump"を聞いて、その内容に圧倒され、「私の目に耳に狂いはなかった、ジャックを信じてよかった」ということが確認された段階で、それまで買った若手ロック系の新譜は「聞く価値なし」となり全部売り払ってしまいました。
 このアルバムがリリースされた直後の興奮状態の文章に、言いたいことは書いてしまったので繰り返しませんが、今現在も何から何まで大好きなアルバムであることは変わりません。
ジャック愛は永遠。

e0093608_234472.jpg なので、全く別な流れからの選出で、フランスのクラブ・ミュージック界期待の星から、今やマエストロとも言えるエール(Air)の"Pocket Symphony"も本年度のベスト・アルバムとしたいと思います。いやー、よく聞いたわ、これも。で、かなりこのサウンドに影響受けました。ただ、自分でやってもここまで知的な雰囲気にはならんなぁ。まぁ、それで良いんですけど。

e0093608_24396.jpg そもそもは、2006年にリリースされた同じフランスの女優であるシャルロット・ゲンズブールの新譜"5:55"を今年になって聞き、すっかり感銘を受けて、その曲を提供していたのが彼等であり、プロデュースが同じ「あの」ナイジェル・ゴドリッチだったので、買ったわけです。

 で、どこがいいのかというと、とにかく聞いてて快適だ、に尽きる。じゃ、ただの「癒し系」やら「ヒーリング」ものなのかというと、ナイジェルがプロデュースしていて、そんな毒にも薬にもならん音におさまる訳がないのでして。
 私は、正直言って、この2作でナイジェル・ゴドリッチを見直しました。で、今じゃ、あんだけ苦手だったレディオヘッドも聞けるようになりましたし、ポール・マッカートニーの「Chaos...」も再評価すべきかもと思いかけています(うー、だがポールの場合、今の新譜の楽しさを聞くと、やっぱ、こっちじゃないのって気持ちもねぇ)。

 それと、ピアノやアコースティック・ギターなどの生楽器が主役であり、テクノ・ハウス臭をあまり感じないのが、私にはうれしい。それに、これらの楽器の音がいい。全体のサウンド面での仕上がりが新しい。だから、ナイジェルは凄いんだって、今頃わかったか、恐れ入りました!ってところですね。
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by harukko45 | 2007-12-24 02:22 | 聴いて書く

 The White Stripesの新譜"Icky Thump"については、興奮しすぎてハチャメチャな文章のまま、このブログで紹介してしまったが、その後もますますのめり込んだままの日々である。
 先日は、このアルバムについて1曲1曲云々するのは意味ない、的なことを書いているが、特に1曲、唯一のカバー曲であるm4"Conquest"に関してはどうしても書き加えたくなった。

 もちろん、それはストライプスのパフォーマンスが素晴らしいからなのだが、このアレンジはアメリカを代表する大歌手であるパティ・ペイジのバージョンのカバーなのだった。
 ジャック・ホワイトはかつてよりただのパンク小僧ではないことは十分承知していたし、カントリー女性歌手の重鎮ロレッタ・リンのプロデュースをしてグラミーを取ってしまう程の男だから、アメリカ音楽の伝統にもきっちりアクセスできる能力を兼ね備えていた。

 彼らの出世作と言える"Elephant"でのバカラックの"I Just Don't Know What To Do With Myself"や、ライブでもよくやっていたドリー・パートンの"Jolene"(日本ではオリビア・ニュートン・ジョンのヒットの方が有名か)といい、ジャックの選曲・アレンジのセンスには思わず唸らされていた私だが、今回の"Conquest"でとどめを刺された。あのパティ・ペイジまで料理してしまうとは!

 そこで、驚いた私はパティのオリジナル版を早速聞き直したところ、これが見事にマリアッチ・アレンジでイントロの輝かしいトランペットといい、全体の構成・キーもそのままであった。パティ・ペイジの美しく深みのある歌声と同じキーのまま、キレまくったようにシャウトして自らの世界に持って行ってしまうジャックの素晴らしさ、かっこいい!
 と同時に、このパティ・ペイジのオリジナル版の素晴らしさにも感動した。ジャックがこれを取り上げたのはジョークでも何でもなく、極めて真面目に、そして偉大なるパティへの敬意も込めてのことだろう。この辺に彼の伝統継承主義者的な側面を感じるのだった。

 それにしても、パティ・ペイジ! 私は4,5年前にボーカリストの川内マキさんに薫陶ご教授いただいて「アメリカ黄金時代の音楽」を勉強させてもらったのだが、その中でも別格のボーカリストであると認識させられた1人が彼女である。それまでほとんど聞いたことのなかったパティや、これまた別格のパッツィ・クラインが、未だにアメリカのミュージシャン・アーティストから敬意を集める理由が、その時わかったのだった。

 それ以来、パティ・ペイジは私の音楽ライブラリーの中でも重要なものとなった。まだ、聞いた事のない方にはベスト盤で良いので是非聞いていただきたい。「癒し系」などと言われる最近のフニャフニャで線の細いボーカルなどバカバカしく感じるほど、豊かで深く、そして気品にあふれる彼女の歌声を聞かないのはもったいないことだ。
 
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by harukko45 | 2007-07-04 17:01 | 聴いて書く

The White Stripes/Icky Thump

e0093608_213182.jpg まずは万歳三唱、バンザイ!バンザイ!!バンザイ!!!
 さて、いくらジャック・ホワイトが天才であっても、何から何まで素晴らしいわけじゃない。私はRaconteursにおけるジャックは、ただの余暇だと思っている。ロレッタ・リンをプロデュースした時とは違った。そして、あくまで彼の才能はホワイト・ストライプスでこそ発揮される、と信じていた。

 そして、ここに来て2年ぶりの新譜の登場とは。そして、そして、各方面から聞こえてくる評判、それも大絶賛の評判。そして、そして、そしてYouTubeでタイトル曲"Icky Thump"を見てしまった私。

 まずは、このビデオをチェックした段階で、Fall Out BoyもWolfmotherもFratellisも吹っ飛んでしまった。
 で、このアルバムを本日聴くことにより、私の今年のロック部門は終了かもしれない。(いや、オジーの新譜だけは買っておこう、ザック・ワイルドだし...)

 とにかく、これはちょっと、ただじゃすまないアルバムを作ってきたぞ、ジャック・ホワイト!

 何という自由度!それでいて、ロックの、ブルーズの真髄はしっかりとつかんでいて、軟弱な方向転換などしない。それは、デビュー以来、一貫した姿勢ではあるが、ここに来ての進化は私の予想を遥かに越える段階に入った。

 参った。
 
 今回はどの曲がどうの、って感じじゃない。ある意味トータル性を持って、各曲が有機的に結びついているように思う。なので、緊張感を伴った一つの強い意識が全編を貫いていて、最初聴き始めた時、ちょっと先が怖くなって、いったん止めてしまった。
 が、二度目に聴いた時は、一気に全曲にのめり込んだ。が、同時にこれはヤバイと感じた。そして、今はもっと聴かないとちゃんと理解できない感じになってきた。
 60年代末にザ・バンドが"Music From Big Pink"でブルーズの未来を見せたが、ホワイト・ストライプスの"Icky Thump"はそのさらなる未来を感じさせる、と言ったら言い過ぎか?うー、わからん。
 何でそんなに、めんどうな言い回しになるかというと、このストライプスは「好き嫌い」を越えるレベルに達していると思ったからだ。つまり、この音楽は「必要」だ、ということ。

 こういう天才を生み出し、きちっと評価するアメリカの音楽界の凄さをまざまざと思い知る。ジャック・ホワイトは何度でも言うが、現代のポップ・ミュージックの世界で活躍する唯一の天才だ。と同時に、唯一のブルーズとロックンロールの遺産を受け継ぐ正統なる伝統主義者でもある。

 ふー、参った。何回このアルバムをリピートして聴いてることか。非常に常習性が高い。
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by harukko45 | 2007-06-23 03:15 | 聴いて書く

コールドマウンテン

 今夜は「コールドマウンテン」をこれまた今頃観た。一応、感動文芸大作との評判で、アカデミーにもずいぶんノミネートされてた。が、私はただホワイト・ストライプスのジャック・ホワイトが出ているので観てみたかったのだった。

 内容は、まあ悪くはなかったけど、正直もうちょっとリアリティのある仕上げはできなかったものか(そうじゃないなら、もっとロマンティックに)と思う。どうも、設定に無理を感じて、深く共感できないまま進んでいく純愛ものだった。そして予想通りジュード・ロウが死んで、やっぱりね。

 それとリアリズムに徹せられないハリウッド映画は、余計なエピローグをつけて「希望」を演出する。これは本当にいただけない。でも、アメリカものだからしかたないか。と思ったら、失礼イギリス、イタリア、ルーマニア合作だって。監督は確かにイギリス人だ。で、撮影がルーマニアとは!これは驚き。ルーマニアに古きアメリカを再現するとはね。そのせいかどうかはともかく、映像は美しかった。撮影監督の仕事は素晴らしいと思った。

e0093608_181392.jpg とにかく、「21世紀の”風と共に去りぬ”」は言い過ぎではないか。ビビアン・リーとクラーク・ゲーブルの異様なほどの濃さに比べたら、ニコール・キッドマンとジュード・ロウでは物足りない。
 同じように「戦争で引き裂かれる愛」をテーマにしたものなら、イタリアの「ひまわり」の方が数倍感動する。ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニの方が、ずっとロマンティックであり、同時にリアリティがあった。音楽もヘンリー・マンシーニで素晴らしかったし。
 
 で、お目当てのジャック・ホワイトは後半にかなり情けない役で登場。ミュージシャン役で歌うのはいいとして、演技の方はいただけなかったね。これじゃ、レニー・ゼルウィガーに手玉にされてしまうよ。
 でも、その失恋の痛手が今年の新作"Get Behind Me Satan"に実を結んだんだから、音楽ファンには最高の演技だったと言えるかも。
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by harukko45 | 2005-11-19 03:50 | 映画・TV

 サンテック・シティの「Tower Records」はHMVにおされて(?)、ずいぶんと規模を縮小したねぇ。ところが、ここでロレッタ・リンの「Van Lear Rose」発見。ま、日本でも手に入るだろうけど、こういうタイミングで出会うことが大事ね。

 これはロレッタの2004年の最新作で、今年のグラミーの最優秀カントリーアルバムだ。プロデュースはあの(!)天才ジャック・ホワイトであります。70歳のロレッタ・リンと29歳のジャック・ホワイト、これが最高のコラボになっちまった!
 マダム・ロレッタのボーカルはなんと素晴らしいのでしょう!!ぜんぜんオバアチャンじゃありません。実に生き生きと若々しい歌声にやられます。もっと早く買っておくべきでした。

 ジャックもカントリーの女王に臆せず堂々たるもの、と同時に「ちゃんと」したプロの仕事ぶりに感心したし、こりゃまさにイマ、最先端のカントリーロックじゃん。
 ジャックはいつものようにこのアルバムも8トラックレコーダーを使って、12日間で完成させたそうじゃないか。かっこいいー!!
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by harukko45 | 2005-11-03 22:41 | 聴いて書く


 ホワイト・ストライプス(The White Stripes)のプロデューサー、コンポーザーでボーカル、ギターを主にベース、ピアノなどの楽器をこなすジャック・ホワイトは久々に登場した「Genius」だ。「Mad」でもあり、「Demon」とも言えるか。とにかく最高に「Cool」だ。彼以上にかっこいいことをやっているミュージシャンは今世界中探してもいないのではないかな。



 私は彼にすっかりやられてしまっていて、MacのiTunesのライブラリにはホワイト・ストライプスの全アルバム5枚が収録されている。

 米デトロイト出身のジャックとメグ(Drs)・ホワイト姉弟によるホワイト・ストライプスは99年にデビューしていたのだが、私はそうとう遅れて、2004年の正月にウィーンで初めて聴いた。その時滞在していたホテルのテレビでMTVを見ていて、そこで毎日オン・エアされていた。その時の曲は2003年のアルバム“Elephant”の中の‘The Hardest Button To Button’だったのだが、とにかくかっこよかった。 その後、グラミー賞2004でのライヴ・アクトで完全にノックアウトされた。ホントにギターとドラムだけで演奏していた。この時は今時のロックを聴いて、今時のロック・ミュージシャンを見て「カッコイイ!!」と思ったことが自分でも驚きであり、そうとう興奮した。ついに久々の「本物!!!」が現れたのか!!!!

 彼らの4作目の“Elephant”はたぶんロック史上に残る大傑作だと思うが、ジャック・ホワイトという男はデビューの段階でもうすっかり出来上がっていたことを最近、過去の作品をすべて聴くことで理解することができた。他の普通の若手バンドのようにデビューは勢いと情熱にまかせて突っ走って、じょじょに成長して傑作を…云々というレベルではない。ジャックのギターとボーカルはインディーズ時代のファースト、セカンドから最高に良いのだ!これも驚いた。彼らは「ガレージ・ロックの雄」「ロックンロール・ルネッサンスの旗手」などと他のバンドと一緒くたにされがちだが、とんでもないことだ。彼らは最初からワン・アンド・オンリーのやり方でこれぞ「ロックの真髄」というものをがっちりつかみ取っている、まったくもって奇跡的な存在だと思う。

 あの偉大なるジェフ・ベックもジャック・ホワイトのギターを大絶賛している。いやーほんとに良いのだ、この男のギターは。そしてボーカルはロバート・プラントとジャニス・ジョプリンが乗り移ったか?!と思うような素晴らしさ。だから、たった二人だけの演奏なのに、これはレッド・ツェッペリンか?と思うような瞬間がある。そして新しい!今であって、決して70年代のレプリカではない。
(左/ライブDVD"Under Blackpool Lights")

“Elephant”はロンドンのスタジオで8トラック・レコーダーで録音された、それも10日間で。制作費は80万円(!)しかかかっていない。ジャック曰く「ProToolsはクソ!だ。」そうだ。だから、彼らはコンピューター関係の機材を一切使わない。ちなみにインディーズ時代の1,2枚目はジャック自身の部屋でレコーディングしたそうだ。にもかかわらず、どのアルバムを聴いてもチープさ(それも今時のわざとらしい古くささ)など感じない。それどころか、骨太で爆発的でなおかつ繊細なのだ。

 そしてこの6月に待望の5作目“Get Behind Me Satan”がリリースされた。すぐに買った。
 今回は驚くことにエレキ・ギターをベースにした曲は3曲しかない!えー、ほんと?どうして?不安を感じながら聴き始めると、とんでもない。素晴らしい出来じゃないか!!とにかく曲がいい。ジャックのコンポーザー、プロデューサーとしての才能は爆発しまくっている。マリンバやピアノの使い方が最高であり、ギターが聞こえなくても要はジャック・ホワイトが演奏していれば、それで最高なのだということを知ることとなった。これまでより、多彩に楽器を使い分けることでアレンジの幅が広がったし。それでいて空間を生かしたシンプルで力強いサウンドは全く変わっていなかった。再び大傑作の登場なのだ!

 全ての曲が必聴で、このバンドの場合何から何まで良いので、細かいところをくどくど言うのはやめておこう。もし興味があったらぜひ聴いてほしいし、もう知ってる人は私とともに彼らを聴く喜びを神様に感謝しましょう。そうそう、彼らは見た目もよい。最近のこきたない小僧ロックとはこういうところも違う。ロックはルックスも大事でしょう。ロックはかっこよくなくちゃだめなのだ。とにかく、ジャック・ホワイトならびにホワイト・ストライプスはもはや歴史上の存在だと確信する。次回もロックで。
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by harukko45 | 2005-07-30 15:22 | 聴いて書く

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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