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 先週末に、水越けいこさんの新作レコーディングへの打ち合わせがあり、来月5日からスタジオ入りして作業が始まる事になりました。
 今回は生リズムでの録りとなり、5,6曲のオケを取り終える予定です。すでにほぼ仕上がっている3曲をプラスすると、フルアルバムに近いボリュームになるようです。

 すでに、ライブで披露している曲もありますが、すべてけいこさん書き下ろしの新曲での構成ですから、ファンのみならず、制作に関わる私もワクワクする感じであります。

 今週はけいこさんから送られてくる曲をアレンジする作業に集中することになると思います。この後のレコーディング現場のご報告などは、随時お届けしたいと思います。

 また、そのレコーディング後には「Spring Tour 2011」の初日、渋谷DESEOに向けてのリハも始まります。こちらのセット・リストはまだわからないのですが、メンバーはこれまでよりも増えて、久々の基本4リズムにブラス系も加わる構想のようです。

 それと昨日は、サカイレイコさんの南青山マンダラでのライブに向けてのリハがありました。こちらはあともう1回のリハを経て、来月10日が本番です。ちょうど、水越さんのレコーディングとリハとにつながってきますが、忙しくさせてもらうことの幸せをありがたく思って、頑張らなくては。

 レイコさんは、今回の震災で岩手に住む親族が被災されたのでした。幸い命はご無事でしたが、津波で家は壊されたそうです。実際に被災地の様子も見てきた彼女は、そんな中でも自分を失わずに、よりバリバリと多方面で活動している姿を見せてくれています。レイコさんはとても頼もしく、常に前向きであることが素晴らしい。オジさんの方が元気づけられている感じです。
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by harukko45 | 2011-04-26 14:04 | 音楽の仕事

 先週末の4日に名古屋、6日に東京広尾にて、水越けいこさんのバースデイをお祝いしてのイベントがありました。
 普段のライブ・ツアーとはちがって、よりアット・ホームでリラックスした感じの内容で、ファンの皆さんとも直接お話できる機会も持てたことは、とっても良かったなぁと思っております。私にとっては、このブログにコメントを寄せてくれている方々とお会い出来たのも楽しかったですし、「ブログ、チェックしてますよ」って声をかけてくれた方も何人かいらして、ほんとうれしかったです。

 ライブの方は、事前にリハしたものもありましたが、あまり煮詰めることをせず、セッションぽいムードで気楽な感じにしたいということで、多少フラフラしていたところもありましたが、その分身近で聞いてもらおうという意図は伝わったかな、と思っております。
 とは言え、けいこさんのレパートリーはどの曲も緊張感を呼び起こすものが多いので、結局は完全にリラックスした感覚にはならないわけですが。

 で、会場の皆さんからリクエストを募って、その中からけいこさんが「やりたい」曲を選ぶというコーナーでは、じょじょに「けいこさんの考えている曲を皆で当てる」という形に変容していったのが面白かったですね。まぁ、それにしても、ファンの皆さんの超「通」ぶりが凄い。いわゆるシングル曲や代表曲みたいなものではなく、アルバムのすみずみまで聴きこんだ中からの「渋め」のリクエストばかりだったから、ほんとに驚きましたよ。皆さんの思い入れの深さがよーく分かった感じでしたね。

 それから、ギターの田口くんによるけいこさんへのプレゼント曲、彼の郷土の先輩である吉幾三さんの「雪國」での熱唱も、なかなかのウケで、面白かったです。演歌なんだから、力技で演奏しちゃいけないんだけど、ついついガンガンいっちゃって。まぁ、その辺のムチャぶりが良かったかな、なんて。これもパーティっぽいひとこまでした。

 後半の"雪の子守唄""You Are My Life""ワインナイト""蒼い涙"はちょっとだけ、普段のライブっぽい感じで締めたのですが、私個人的にはかなり久しぶりにやった"You Are My Life"が感動しました。ある意味、レイ君への深い思いから生まれたこの曲が、けいこさんの音楽に新たな色をもたらしたとも言える気がして、それが"この夜に"や"蒼い涙"のような普遍的なテーマへの広がり見せる最近の楽曲につながっているように感じます。
 曲の良さをうまく引き出した徳武弘文さんのアレンジも光ります。そういえば、"二人"でのアコギも徳武さんなのですが、これも久々にCDを聞き返して、彼の名人芸に唸りました。さすがです。

 さて、楽しいパーティ・ライブも終了、お越し下さった皆さんには厚くお礼申し上げますし、今後もどうぞよろしくお願いします。
 次は4月のツアーとなりますね。楽しい再会を心待ちにしたいと思います。
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by harukko45 | 2011-02-08 14:22 | 音楽の仕事

 前回からの続きで、水越けいこさんのツアー「秋冬コレクション」についてです。

m10.Scaborough Fair〜m11.Yesterday〜m12.スマイル・フォー・ミー(京都、大阪、東京2部)
 オリジナル曲を一気に9曲やった後に、ちょっと箸休め的(?)にカバー曲をということで、懐かしめの曲が選ばれました。m10では、サイモン&ガーファンクルをもとにして、バッキング・ボーカルをベースの内田くんが頑張ってくれました。どういうわけか、彼がしっかりコピーしてきてくれたので、そのままお願いしてしまったわけで、実際にはなかなか大変そうでしたが、よくこなしてくれました。
 m11はビートルズのおなじみの雰囲気で、アコギとストリングスという形でやりました。
 
 m12はザ・タイガースの隠れた名曲で、曲を作ったのはビージーズ。1969年のリリースでGSブームがそろそろ下火になってきた頃のヒットであったようです。実は私もタイガースの大ファンではあったのですが、小学生の頃であり、正直、私がちゃんと把握して聴いていたのは68年の"シー・シー・シー"ぐらいまでだったので、この曲のことは全く知りませんでした。
 しかし、さすがは野球とGSともにタイガース・ファンであるけいこさん、ちゃんと現役で聴いているし、裏エピソードにもくわしかったのでした。例えば、ロンドンで録音され、イギリスでもリリースされた事や、終盤で半音転調するサビがジュリーには高すぎて無理だったので、その時たまたま遊びにきていた中尾ミエさんが代わりに歌った、なんて事を教えてもらいました。

 でもって、あらためてちゃんと聴いてみると、なるほど60年代後半のビージーズ・サウンド満載で、実に面白い仕上がりでした。やはり、タイガースの作品群は名曲揃いであります。

 さて、東京の1部のみ、このコーナーは全て変更になりました。

m10.ブルーライト・ヨコハマ〜m11.街の灯り〜m12.夏の日の思い出
 こちらは何と昭和歌謡のオンパレード、それもずいぶん通っぽい選曲ですなぁ。まぁ、m10は近い世代ならば、ほとんどの人が知っている大ヒットだけど、堺正章さんのm11と、日野てる子さんのm12はかなりの上級者コースでしたね。

 私はGS時代のスパイダースも、タイガース同様大好きでしたけど、マチャアキがソロになってからのヒット曲"街の灯り"については、あまり記憶がありませんでした。でも、これは73年のTVドラマ「時間ですよ」の挿入歌だったんですね。だったら、たぶん番組観ながら絶対聴いていたはずです。あの当時「時間ですよ」は子供にとっては「マスト」で観る番組でしたから。
 それにしても、この頃のマチャアキ、歌うまいです。私は、GS時代にジャズ喫茶と呼ばれていた新宿(池袋か銀座だったかも?)ACB(アシベ)に、解散直前のスパイダースを見に行って感激した経験があり、彼らはまさに私のアイドルでした。

 "夏の日の思い出"にいたっては全く知りませんでした。日野てる子さんの記憶は、いつも黒髪にハイビスカスをさしているハワイアンを歌う美人というものでしたが、この曲は65年にリリースされてミリオン・セラーになった曲だったのですね。それに、日野さんは2008年に癌で他界されていたのでした。
 で、初めて聴かせていただいたこの曲、すっごく参りました。日野てる子さんってこんなにも色っぽい歌声だったのかと思いましたし、曲自体のインパクトにもすごくやられてしまいました。返す返す失礼の極みでありました。
 うー、昭和歌謡恐るべし。何と幅の広く、奥行きの深い世界だったのかと、あらためて知るのでした。

 そして、けいこさんはこういう曲がまたうまくはまりますなぁ。このあたりの曲をビシっとカヴァーする企画も面白いのでは?なんて、思ったりもします。

m13.最後は愛して〜m14.カーニバルの終わりに〜m15.Love Song For You〜m16.ブルースカイロンリー

 ライブ終盤は再びオリジナルに戻り、ノリのある曲を続けたわけですが、m13と14は16ビートでラテンの色合いも濃いので、ここでも打ち込みを使う事にしました。一応、ビシっと2曲つなげて盛り上げようとの腹積もりでしたが、何と1部の方では私が"カーニバル..."のクリックを聞き逃し、すっかり見失ってしまいました。これでは、グチャグチャになるので(その時点でグチャっとなってますが)、恥ずかしながらもう一度やり直しになりました。全くの大ドジをお詫びします。

 ただし、復活してからは気合い3倍で集中しました。もちろん、2部では大成功でした。

 81年の「Jiggle」収録の"Love Songs For You"は佐藤準さんの大掛かりなアレンジが凝っている曲であり、本来ならばリズム・セクションやハードなギターを加えて派手にやりたいわけですが、今回はそうも行かず、それでも11月の時は比較的オリジナルに近いイメージで強引にやっていました。
 が、年が明けて、気分が変わったとでも言いますか、もっと素直に曲自体のみで聞いてもらおうと思い直したのでした。元々、ステージで歌っているけいこさん自身そのものを表している曲だけに、骨格だけで勝負しても十分に伝わるし、小さい編成なりにメリハリをつければバラード的な解釈でもいけるのではないかと思いました。

 とは言え、サトジュンさんのアレンジはすでに曲と一体化しているほど印象的で、よく作られているので、フレーズ自体をカットせずに、プレイする意識を変えることで、うまくまとめたかったのでした。前半では"生きがい"、後半では"Love Songs For You"をメイン曲として聞かせたかったからです。
 結果、けいこさんのリードで会場の皆さんもサビを歌ってくれたりするシーンが自然と生まれて、これはなかなかうれしいハプニングであり、ステージから見ていても感動させてもらいました。本当にありがたかったです。

 そして、だめ押しでm16は、文句なく全員盛り上がってくれました。私は個人的には手が痛くなる曲です。もちろん、演奏中は気がつかないんですが、これはそうとう鼻息が荒くなっている証拠です。

 11月の関西では"カーニバルの終わりに"ではなく、これまた「I'm Fine」から"愛するミュージック"がm14として入っていました。この曲も、少し強引にハードなギターをフィーチャアしてやってみましたが、正直、中途半端だったかもしれません。なので、最終的に東京の形になったことで、セットメニューがすっきりとまとまったと感じました。

m17.Love Letter
 一応、"Love Songs For You"をメインにと目論んでいたのですが、今回のライブ、特に東京2回のステージでの一番の発見は、この曲でした。
 83年の「KAREN-NA-Kiss」に収録されて、前から良い曲だとは思ってましたが、実際にやっていて、これほど気持ちの良かった経験は初めてでした。ようやく、我々がこの曲をうまくやれるようになったということなのでしょう。別段、何かを意識したり、やり方を変えたわけではないですが、単純に皆の気持ちが一つになった感じでした。後は、曲そのものが我々を引っ張って行ってくれたのでした。

En1.ほほにキスして(東京2部のみ)〜2.Too Far Away〜3.蒼い涙 Double En.この夜に

 どの会場でも暖かい拍手をいただき、ありがとうございました。アンコールでやった曲はそれぞれの会場でいろいろと楽しんでいただけたと思うし、我々もその場その場でワクワクさせられました。

 さて、これで2010年のライブハウス・ツアーは無事に終了です。しかし、2011年、早くも来月頭にはけいこさんのバースデイ・イベントが名古屋・東京であり、4月には新たなスプリング・ツアーが決定しました。それに、どうやら長く待たれたレコーディングが始まることになりそうです。これはこれは、今年の水越けいこさんはさらに勢力的な動きになりそうです。ファンの皆さんも大いに期待してくださいませ。私も大いに期待していますよ。

 何はともかく、いつも応援してくださり、本当にありがとうございます。そして、どうぞ今年もよろしくお願いします。
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by harukko45 | 2011-01-13 03:07 | 音楽の仕事

 今年初仕事は、水越けいこさんのライブハウス・ツアー「秋冬コレクション」の最終日、渋谷エッグマンでの2回公演でした。正月明けで、何かとシャキッとしない時期での仕事であり、このメニューでの本番は昨年の11月頭以来だったので、ちょっとタフな内容でしたが、それでもいつも暖かいファンの皆さんがたくさん集まってくれたおかげで、何とかやり遂げられたのでは、と思っております。お越し下さった皆さんには厚くお礼申し上げます。

 諸々の部分ではいろいろと反省しなくてはいけないものもあり、今後への課題を残しましたが、それでも堅実に1年を通してライブをやり続けた事は、ここ数年の活動の中ではとても画期的ことだったし、けいこさんにとって大変素晴らしいことであったと言えるでしょう。

 それと、何度も同じ土地を巡りながらも、常に新鮮さを失わなかったのは、けいこさんがメニューをかなり大胆に入れ替えて、リスクを恐れずにいろいろな曲にトライをしてきたことで、ミュージシャン側も緊張感を維持してのぞめたからだと思います。

 さて、今回のセットメニューを振り返ります。基本的には昨年11月のメニューがベースですが、東京ではオリジナル曲を2曲入れ替え、1部のみオープニング曲と、中盤のカバー・コーナーの3曲を入れ替えました。

m1.Moonlight and Sweet Night
 TOTOがバックをつとめた82年の「I'm Fine」は、大村雅朗さんのアレンジも良いのですが、やはりこの当時絶好調の勢いだったTOTOのメンバーの好演奏が興味深いわけで、バンドとしてのサウンドというより、L.A.の一流スタジオ・ミュージシャンとしての確かな仕事ぶりがとても光るのでありました。
 特にジェフ・ポーカロとデビッド・ハンゲイトのリズム・セクションはさすがの印象。今聴いても随所にしびれます。
 デビット・ペイチ、スティーブ・ポーカロのキーボード陣も実に「らしい」感じで良いですが、70年代後半から80年代前半にさんざん聴いたサウンドで、いかにも「AOR」なのが少しだけ抵抗感も。それは、ルカサーのギターにも言えるのですが。とは言え、演奏としては文句ない出来。やはり、一時代を築いたミュージシャン達には敬意を払いたいと思います。
 
 ただ、それまでのけいこさんの音楽からすると、少し明るすぎる部分もあるようにも思います。初期のアルバムにある独特な「くらっ」とする影の部分がTOTOによって抑えられたとも言えるかもしれません。

 そんな中で、アルバムの1曲目を飾ったこの曲は、曲の持つ哀感が勝っており、アレンジもオールディズっぽい3連バラードであるので、TOTOもさりげないバッキングでけいこさんのボーカルにピタっとハマっている好トラックではないでしょうか。ここでも、ポーカロの愛のあるドラミングが素敵。ペイチのアコピとエレピもまさに彼のタッチが感じ取れて、実に良いです。

 で、エンディングがトニックに解決せずに、そのまま次の曲につながるようになっているのが良かったので、今回のステージで生かさせてもらいました。

m2.If Without You
 91年の「Humane」の1曲目であるこの曲の最初のコードがm1の最後のコードと一緒なので、前曲の余韻の中で、イントロのアルペジオをギターで弾いてもらう事にしました。この流れは良かったと思います。CDでは後半の男性コーラスが印象的にボーカルにからむので、我々も頑張ってみました。

 東京での1部のみ、m1は"むらさきのシーン"になりましたが、個人的にはすごく好きな曲だし、詞もアレンジも前向きな幸せ感に満ちているのが良いです。収録されている「Jiggle」が81年で、「I'm Fine」の前作にあたるのですが、今聴くと、「Jiggle」での大村さんのアレンジはすでに次作を予感させるようなムードがありますなぁ。

m3.My Guy~4.移る季節(とき)に~5.秋想
 この3曲は秋のムードを意識して、一つの流れとして演奏しました。特にm4とm5は詞の中にも「秋」という言葉が出てくるのでした。

 m3はCDでは、かなりまったりとしたイメージで、全体に抑え込んだような演奏でした。でも、我々はちょっとハネ気味の演奏になってしまいました。私のピアノがそうなってしまったからですけど。演奏している方はこういうのはなかなか楽しいのですが、あまりうれしくなりすぎると曲の印象が変わってしまうので、危険です。本番ではそういう傾向が少しありました。

 でも、続く2曲は詞・曲・アレンジそれぞれに独特な強さがあるので、どっぷりその世界に入り込めるのでした。いわゆる「く~たまらん」ってやつです。それゆえに、演奏側にはこだわりたい部分が増えて、緊張感を呼び起こす内容です。そこが喜びでもあるのですが。東京での"秋想"はちょっと固くなっちまったなぁ、名曲だけに悔やまれます。

m6.TOUCH ME in the memory~7.星の子守唄~8.モナムール~9.生きがい
 けいこさんの代表作とたぶん多くの人がうなずくであろうと、勝手に思っているのですが、やっぱり「Aquarius」は名作でしょう。m6はその中でも人気曲なので、ライブでも定番・鉄板曲です。 

 で、続くm7もやはりライブではよくやっていたのですが、主にけいこさんのギターによる弾き語りでの形が多く、バンドでオリジナルの形をやるのはほとんどなかったと思います。なので、ちょっとテンポ感とか、全体の把握がもう一つであったと感じています。ただ、オリジナル・バージョンの持っているイメージは確かに「冬」って気分で、星と雪とがからんでくるムードです。おお、そういえば伊藤薫さんは"雪の子守唄"も作ってましたっけ。

 m8に関しては、先日のクリスマス・コンサートの時に書きましたが、今、結構好きな曲です。87年の「PROPORTION」はこの当時の打ち込みやシンセを強調したサウンドが、ちょっと気になる部分で、今だともっと骨太なリズム面を強調したくなります。今回、ドラムなしの3人編成のバンドでも、ライブで力強くやるのは正解だったように感じます。

 m9の"生きがい"は再び「I'm Fine」からで、このアルバムでのベスト・トラックだと思います。昨年の11月のライブでは諸事情あって、生でかなり強引にやってましたが、東京では打ち込みを使って、全体のグルーヴ感をまとめることにしました。スタジオ版では何と言ってもジェフ・ポーカロの16ビートがかっこ良く、特にタム一発でどっしりしたノリを作ってしまうところなど、しびれます。
 で、今回の打ち込みを作る際には、このタムの部分だけジャストよりも重めに打ったりしてみました。グルーヴ面での土台を打ち込んだ事で、実際の演奏では無駄な力が抜けて、とてもスムースに行ったと思いましたし、曲の良さを殺さずに出来たと思います。私は何度も出てくるイントロのフレーズからサビに入るところがすごく気持ちよくって、思わずニヤニヤしてしまうのでした。

 ちなみに、11月のライブでは"星の子守唄"ではなく、m7に"モナムール"でm8には"グッバイ・ダイアリー"をやりましたが、前半のピークを"生きがい"に持って行きたかったので、流れとしては東京の方が良かったと感じました。

 だいぶ長くなったので、後半戦は(2)へ続く。
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by harukko45 | 2011-01-12 14:40 | 音楽の仕事

水越けいこ/X'MAS CONCERT

 昨日は水越けいこさんとの今年最後のライブ、「クリスマス・コンサート2010」を東京の野方区民ホールにてをおこなってきました。

 NPO団体の主催イベントということもあり、どことなくホノボノとしたムードの中、けいこさんのオリジナルにクリスマス・ソングを交えた構成で、約80分ほどの内容でした。

 m1.アヴェ・マリア(シューベルト) m2.モナムール m3.カーニバルの終わりに m4.Boy m5.ほほにキスして m6.We Wish You A Merry Christmas m7.クリスマス・イヴ m8.Love Letter m9.ブルースカイロンリー m10.この夜に m11.蒼い涙 En.Too Far Away

 m1,6,7のクリスマスにちなんだカヴァー以外はほとんど、この1年のライブで取り上げてきた曲で、私とギターの田口くんともども比較的落ち着いた気分でのぞめたのでした。
 唯一、かなり久々に登場した「カーニバルの終わりに」は冬場らしからぬラテン調の曲で、仕掛けも満載で16分音符ビシビシのアレンジでした。正直、二人だけではリズム面で雰囲気が出そうもなかったので、打ち込みのビートを加えてやってみましたが、なかなか楽しいし、結構ライブ向けな曲だと思いました。

 その前にやった「モナムール」も実はへんてこりんなアレンジの曲なのですが、意外にライブでは映える感じで、私個人的にも最近お気に入りの曲。これは打ち込みなしでやりましたが、二人だけでもかなりグルーヴィだったと思います。この辺は田口くんと私が長く培ってきたコンビネーションの良さと言えるかもしれません。

 あと、m8の「Love Letter」も良いです。ある意味、この3曲はいかにも80年代な雰囲気があって、今やると新鮮なのかもしれません。それに、シンプルに二人でバックをやっているので、今まで隠れていた曲の核心が明解に見えてきて、その良さが分かるようになった気もしています。

 さて、カヴァー曲では、何と言っても冒頭にプレリュード的にやった「アヴェ・マリア」。もちろん、数ある「アヴェ・マリア」の中でも最も内容・人気ともに高いシューベルト曲ですが、これは元来、イギリスの詩人ウォルター・スコットの「湖上の美人」に曲をつけた歌曲集の中の1曲である「エレンの歌 第3番」で、詩の内容は"湖上の美人"ことエレンが湖畔の聖母像に向かい、父の罪が許されることを願って祈るというもの。ですから、実際には世俗曲でありながら、いつのまにか宗教音楽であるかのような誤解を受けているのでした。

 しかし、これもシューベルトのあまりにも美しいメロディと素晴らしいバックの和声の効果が、実に気高く感動的なのですから、当然とも言えるのでした。
 今風に言うと、いわゆるコードの使い方が強力にオシャレでイカしている、わけです。だからこそ、現代でも全く古くさくなく、ポップス系のアーティスト達もたくさんカヴァーしているのもうなづけるのでした。

 また、これに対比するように配置されたm10の「この夜に」は、けいこさんによる祈りの曲と言えるでしょう。始めはある恋の出会いへの感謝ですが、最後にはもっと大きな愛に捧げるような広がりを持っている内容です。このところのライブでは、かなりシンプルにやっていたのですが、元々のスケールの大きさを再現したくなり、スタジオ・テイクに入っていたオケをシンクさせてやってみました。まさに、クリスマス・シーズンにぴったりくる感じだったと思っているのですが。

 さてさて、このコンサートで2010年の水越けいこさんのライブは終了。今年は、本当にかなり勢力的にライブ活動をおこなったのではないでしょうか。バンドとのライブ・ツアーだけでなく、いろいろな形で多くの歌う機会を持たれたことは、とても有意義だったと思います。この流れは来年も続きます。何と言っても年明け早々に「秋・冬コレクション・ツアー」の東京公演です。私の仕事初めもこのライブとなります。

 何はともかく、今年一年、いろいろと応援してくださったファンの皆様には、あらためてお礼を言います。そして、来年もどうぞよろしく。地道な活動ではありますが、じわじわと水越けいこさんの音楽が盛り上がっていくようにこれからも頑張りたいと思っております。
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by harukko45 | 2010-12-23 23:51 | 音楽の仕事

水越けいこ/大阪FanJ

 昨夜は、水越けいこさんのライブ「秋冬コレクション」の2日目、大阪のFanJでした。今年に入ってこの京都・大阪FanJは3回目になるので、スタッフとも気心知れた間柄にありつつありますね。

 それと、一昨日の初日を何とか乗り切ったことで、ステージ・メンバーの間も少しリラックスした感じが生まれてきて、ムードはとっても良かったです。

 で、前日にちょっと混乱した曲をリハーサルでつめることが出来たので、本番でも実にスムースな流れがあり、個人的にも前半はとても気持ちよくやれておりましたし、楽しかったのでした。
 ところが、ちょうど中盤のカヴァー曲コーナーで、私の演奏していたキーボードがエラーしはじめ、音がホールドしてしまうというトラブルに見舞われました。演奏中に発生して、バラードだったので、ひどくがっくりきました。その後も、何度かエラーが起き、たびたび神経を逆撫でされる感覚になり、なかなか集中しづらい状況になってしまったのが、残念でたまりません。
 順調に進んでいれば、すごく満足できる中味になりそうだったのに。

 今回は、移動の都合で自分の器材を持ち込めず、現地でのレンタルとなったのですが、どうも相性が良くなかったのでしょうか、ついてなかったな。

 とは言え、そういった中でけいこさんはとてもマイペースで、バタバタせずにステージをこなしていたのが、ありがたかった。さすがです。
 そして、若手二人のミュージシャン達も前日よりもアグレッシブなプレイを随所に聴かせてくれ、大いに助かりました。初日は危ういところを私が防波堤のように支える感じだったのが、今回は助けてもらったというわけです。

 そんな皆の協力のおかげもあって、京都に引き続き大阪でもダブル・アンコールをいただき、感謝感謝の夜となりました。私としては、悔いが残るものの、これもまた良い思い出ともなりそうなひと時と言えたでしょう。
 そして、その後は2日間のお疲れさま宴会で楽しんだのでした。

 さて、今回のライブはちょっと間をおいて、来年1月早々に東京公演があります。いろんな意味で内容がより熟した形にして、東京公演を成功させたいと思っております。
 京都、大阪にお越し下さったファンの皆さん、本当にありがとうございました。また、よろしくです。
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by harukko45 | 2010-11-07 18:23 | 音楽の仕事

水越けいこ/京都FanJ

 昨夜は、水越けいこさんとのライブ「秋冬コレクション」の初日、京都FanJにて演奏してきました。このところ、ずっと自宅で譜面書きやら他の仕事の準備にてんてこ舞いだったので、それらから開放されて、思いっきり演奏できたのは、ほんとに楽しかった。やっぱり、私はライブで演奏するのが一番好き。
これに勝てるものはないです。

 ただし、今回はいつもの相方、ギターの田口くんが出来なかったので、お初のミュージシャンお二人に手伝ってもらいました。ベースに内田悟くん、ギターに山口和也くん。ともに私とは20歳以上年下でしたが、よく付き合ってくれております。
 とはいえ、各自のスケジュールが合わず、リハーサルを充分とれなかったので、ところどころで危うい部分があったのですが、それでも何とか初日を終えることができたのでした。

 もちろん、かなりスリリングなシーンはあったので、この後しっかりチェックしなくてはいけませんが、それでも最後にはダブル・アンコールをいただけるとは本当に有り難かったです。ファンの皆さんの熱い思いに感動です。

 で、今日は大阪でのライブ。初日を越えられたので、今夜はもう少しリラックスした表情になるでしょうか。とにかくいい緊張感を保ちながら、大いに楽しみたいと思います。それでは。
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by harukko45 | 2010-11-06 14:06 | 音楽の仕事

詳細(1)のつづき。

 水越けいこさんのツアーで、大阪と東京の昼のみ、別のセットでやったのですが、ほとんどをファンの方のリクエストに応えるというもので、事前に集計されたリクエストを元に、けいこさんが選曲した形になりました。また、大阪と東京では前半の部分で少し違っていて、大阪では7曲けいこさんのみでの弾き語り、東京では弾き語り3曲に、ギターの田口君が加わって4曲ということになりました。曲自体も2曲入れ替えがありましたし、順番の変更もところどころあり、大阪でやってみて感じた問題点を東京で修正という流れになりました。

 大阪のセットメニューは、
m1.水彩画 2.ヨーソロ 3.渚にかえって 4.ロードショー(古時計) 5.僕にまかせてください(クラフト) 6.移る季節に 7.あなたに聞こえるように

 東京のセットメニューは、
m1.水彩画 2.ヨーソロ 3.愛を聞かせて 4.シーサイドメモリー 5.僕にまかせてください 6.渚にかえって 7.あなたに聞こえるように
 
 これらの曲には私は参加しなかったので、楽屋から聴いていたわけですが、自分の中で惹かれるのは圧倒的に"渚にかえって"です。とてもシンプルに昔風のAABA形式で書かれた曲なのですが、何と言ってもメロディがいい。Bメロは思わず口ずさんでしまいます。
 名人の船山基紀さんがアレンジですが、イントロが最高に良いんですね。全体的にはちょっとエグい部分もありますが、やはりさすがインパクトのある仕上がりです。昭和のアレンジャーは皆個性が強いです。

m8.Feeling Blue 9.My Love 10.少し前、恋だった 11.土壁のMaroc 12.海と少年 

 私が加わって、いつもの形となりました。サトジュンさんのアレンジが光るm8、9は、どちらもオリジナルにあるおいしい部分は出来るだけ拾い上げるようにしました。特に"My Love"は今聴いても新鮮ですし、かっこいいです。かなり好きです。

 m10は出来ればバンド・スタイルでやりたい曲で、二人だけだともう一つ踏み込めない感じです。ちょっともったいない感じになったかもしれません。
 逆にm11は思いっきり遊んでしまいました。具体的には、オリジナルよりも16分ぽいニュアンスをピアノの左手で強調したのと、田口くんに少しフュージョン風のトライをしてもらいました。意外にうまくいったと思っています。

 m12は、伊藤薫さんが詞で、けいこさんが曲という共作なのが興味深いですし、小笠原寛さんのアレンジもそつなくて心地よい名曲でしょう。なので、バックでどうのこうのいじくり回す必要はありません。

m13.そしてetc... 14.インスピレーション

 m13は詳細(1)の方で書いているので、m14について。オリジナルにあるイントロのリズムをサンプリングしてループにしました。ここでのサトジュンさんのアレンジは初期のスティーリー・ダン風にも思え、やはりなかなか面白いです。この方は、いろいろとアイデアが豊富だなと感心します。

 m15以降はメイン・セットと同じで、新曲を3曲、アンコールを3曲聴いていただきました。このセットはメイン・セットに比べると、もう少し細かい部分を煮詰めたかったという悔いもありますが、それでもこれだけの楽曲をファンの方にお聴かせできたのは、大胆な試みだったし、かなり楽しんでもらえたのではないかと思っています。

 さて、7月16日の横浜Baysisから8月16日のシンフォニー・クルーズまでの1ヶ月間はある意味水越けいこさんにどっぷりつかる1ヶ月とも言えましたが、次回の秋ツアーでもより深く「けいこワールド」を探求したいと思っておりますので、乞うご期待です。
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by harukko45 | 2010-08-21 23:58 | 音楽の仕事

 水越けいこさんとのSummer Tourは横浜、名古屋、京都、大阪、東京のライブハウスで7ステージ行いました。そのうち5回やったメイン・セットについて書いていこうと思います。

m1.波に寄せて m2.ふり向けばloneliness

 春のツアーでは終盤でやっていましたが、今回はのっけに登場のm1に関しては前にも書いているので繰り返しませんが、とにかく傑作で詞・曲・アレンジがまさに「海」。こういう曲がオープニングだと、自分の気持ちも引き締まります。
 続けて、85年の「Actress」よりm2を。イントロのフレーズからして爽やかで、80年代のポップ色満載。萩田光雄さんのアレンジが洗練されていて随所においしいし、竜真知子さんの詞もいわゆる「プロ」っぽい仕上げで、全体に完成度が高いです。
 でも、今はもうちょっとザックリやりたい感じ。どんなにポップにしても、どこかしら切なさや儚さが残るのがけいこさんの世界。バックも二人だけなので、よりはっきりと哀感が出るように心がけました。

m3.boy m4.15の頃 m5.あ・な・た・に

 このコーナーの3曲は一つの流れとしてまとめてあります。どの曲も詞のテーマは違っていますが、どこか主人公がみな達観しているところがあり、サウンドもそのムードに合わせて静謐で宗教的な感触になっています。m5はそれでも、少し感情的に高ぶってきますが、やはり最後は「許し」になっていくと思います。この3曲のコーナーはとても好きですね。

m6.エアーメイル m7.TOUCH ME in the memory m8.Loneliness And Blue

 前のコーナーが一つのまとまりであったなら、このコーナーはもっと踏み込んで一つの曲として聞いてもらおうと考え、全てフルコーラスなのですが、メドレーのようにつなげました。実は、この3曲はコード進行がとてもよく似ているのです。なので、けいこさんの曲をあまりよく知らない人は、曲が変わったのがわからないかもしれません。10分の曲をやっていたみたいに。でも、それがこちらの意図です。
 3曲は収録されたアルバムも違うし、当然作られた背景も違うのに、つながって聴くことにより、どこか音楽的に一本の糸で結ばれた兄弟のように感じていただけたら良いな、と、そんな事を考えていました。
 そうすると、歌詞の流れにも意味ありげなストーリーが見えてくるようにも思うのですが、どうでしょう。

m9.ペルシャン・ブルー m10.海潮音

 この2曲は私がアレンジとプログラミングしてレコーディングされたもので、当時のデータを使って打ち込みのオケを再現しました。どちらもエスニック風、ワールドミュージック風な素材なので、自然につなげることができました。また、m6"エアーメイル"にて「ベイルート」という言葉が詞の世界の重要なキイになっていたので、中東風のm9への流れも悪くなかったと思います。

m11.飛べるかもしれない m12.そしてetc... m13.月のかけら m14.ブルースカイロンリー

 ミディアム・テンポからロックンロールまで、後半はノリのいい曲が並びましたが、どれも一癖も二癖もある曲ばかりで、簡単にはいきません。特にm12は映画のストーリーを音にしたような曲で、けいこさん風に言うと「絵本をめくるような感じ」を具体化したアレンジが印象的な曲。佐藤準さんのヤンチャさと言うか、彼の天才ぶりがよく出てる1曲ではないでしょうか。
 スタジオ・バージョンの出来はかなり凝っているので、これを全て再現するのは不可能ですが、出来るだけのことはやらねば申し訳ない。なので、頑張りました。が、個人的には反省も多いです。とは言え、この曲の素晴らしさを貶めることはなかったと思っています。

 でもって、つづくm13,14とイケイケで、8分音符を刻み続けるので、もうヘトヘトになりました。

m15.モノクローム m16.会えたあと m17.蒼い涙

 春のツアーで、これらのまっさらな新曲をやったところ、なかなか好評だったので、今回も本編最後で取り上げられました。今のけいこさん、未来のけいこさんを聴いてもらうというのは面白いです。これからもどんどん新曲をやりたいですね。

En1.しあわせをありがとう 2.ほほにキスして 3.Too Far Away

 けいこさんのデビュー曲、"しあわせをありがとう"を私は初めて演奏しました。ご本人は未だにちょっと違和感を感じながらの部分もあるようです。なるほど、確かにちょっと「作られた」雰囲気はしますが、けっして悪くはないです。
 その後もシングルは伊藤薫さんの曲が続きますが、"めぐり逢いすれ違い""ほほにキスして"という流れの方に、当時の製作陣の苦心が見えると思います。

 そして、伊藤薫さんとけいこさんのコンビでの最高傑作は文句なく"Too Far Away"。この曲で終わることで、すべてをやり切ったという気持ちになるのでした。

 とは言え、京都、大阪、東京とダブル・アンコールをいただき、"ブルースカイロンリー"や"インスピレーション"を聴いてもらいました。ほんと、これで完全にとことん出し切りました。

詳細(2)
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by harukko45 | 2010-08-19 23:43 | 音楽の仕事

 今日からは、水越けいこさんとの夏のライブ・ツアーをまとめて振り返ります。セットは3種類あり、順番は逆になりますが、まずは16日あった東京ベイクルーズ/シンフォニー船上でのショウから書くことにします。

 日の出桟橋から出航するシンフォニー号でのディナーショウはけいこさんにとっては毎年恒例となっているイベントの一つ。普通のライブとは違った環境でのパフォーマンスはいろいろ難しい部分も多いのですが、それはそれなりに楽しんでしまうのが、ベテラン・ミュージシャンの強み?
 とにかく、こちらには生ピアノが常設されているのが、楽しみの一つです。それと、「揺れ」ね。今年はけっこう揺れました。あんなに晴れ渡っていても、海上は波が高かったのかも。本番前のリハーサルでは、生ピの足をしっかり固定していなかったらしく、演奏中にズズズっと動いてしまうハプニングがありました。その時は私はエレピの方で演奏していたのですが、突然横で大きなピアノが動いたので驚きました。幸い、ステージ奥へ移動したのでたいしたことはなかったですが。

 それと、毎年ヒヤヒヤするのが、乗船時刻に間に合うかどうか。それは車で移動する者に限りますが、交通渋滞やら道を間違えたりで、一昨年は私が出航3分前にドキドキ・ヒヤヒヤのセーフ、昨年はけいこさん自身が危うく船を見送るかもでしたが、さて今年は...?何と全員30分前には集合。さすが、教訓をちゃんと生かしております。

m1.Too Far Away

 いつもならステージ後半、あるいはアンコールでのポジションが定番の代表曲をいきなりとはね。こちらも驚きました。で、けいこさんが登場するタイミングを考えて、普段はカットしているストリングスによる小さなプレリュード的な部分を久々に付け加えました。ピアノだけでやるとちょっと寂しい感じでしたが、フレーズ自体はきれいです。
 オープニングでの"Too Far Away"は重いかと心配しましたが、やはりやってみると「静かな船出」のようなムードになるもんです。名曲はどこにおいても良し。

 続いては、けいこさんの感じる「朝・昼・夜」の印象をオリジナル曲で綴るという構成、まずは朝のイメージで。

m2.朝焼けのメモランダム m3.葡萄棚の下で

 1982年の「Ten」に収録されたm2は初めて演奏しました。詞を聞いていると、いろいろと想像を膨らましてしまいますが、演奏中はなかなかそういう余裕のない難曲でした。ドラム・ベースがいれば、なんてことなく淡々と進んで行く感じですが、いかんせんピアノとアコギだけですから、集中してリズムを供給せねば。ポリス風のフレーズをAメロでずっとキープしながらなので、コード感は薄く、曖昧なムードが漂うのですが、それが面白みでもありました。

 87年の「アネモネ」からのm3は、けいこさんのレパートリーの中でも最も「ヘンな曲」の候補に上げられるのでは。私は大好きです。ここでの矢野誠さんのアレンジには参ります。全く困ってしまうほど、どうってことないのに、どうしようもなく惹かれる部分が微妙に見え隠れするのです。
 ただ、それを再現したいというわけではなく、けいこさんと矢野さんが作っている微妙なムードをこちらも味わいたいと願うのでした。
 具体的にはフォーク風だった頃のキース・ジャレットだったり、現代ならノラ・ジョーンズのカントリー指向("Sunrise"あたりの)とか。
 とにかく、いろいろとやりたい事は浮かびますが、まだまだです。もっと面白く出来そう。

m4.花曇り m5.Feel So Blue

 昼のイメージで選ばれた2曲。89年の「Dramatically」からのm4は2年前のツアーでも取り上げられていましたが、前回はカットしていた部分、イントロのアヤシい入り方と、間奏とエンディングでの変拍子にトライしてみました。何度もやっているうちに結構くせになりそうな曲です。「花曇」というのは春の季語で、日本らしい繊細な表現の言葉ですね。薄くぼんやりと曇った空模様というテーマはなかなか面白い。

 82年の「Vibration」からのm5は曲もアレンジもまさに80年代風なムードでした。サビが特にそうなのですが、明るくパっと盛り上がる雰囲気にならないのは、歌詞のせいなのかもしれません。かなり詞の世界に引っ張られる感じです。

m6.窓景色 m7.Full Moon
 
 夜のイメージでの2曲。81年の「Jiggle」からのm6は曲としてすごく良いと思いますし、私としてはけいこさんの弾き語り(もしくは田口くんとのデュオ)でのライブの印象がすごく強いのです。なので、オリジナルのアレンジはいまだにピンとこないのでした。
 というわけで、田口くんのギターを中心にしっとりとやってみました。この曲とけいこさんの歌はそのまま今の時代にしっくりはまりそうに思うので、もっといいやり方を見いだせればいいな、と思う次第です。坂本冬美さんとビリー・バンバンの「また君に恋してる」の例を見るまでもなく、こういう曲ってもっと聞きたくなるのでは。

 m7は82年のTOTOバージョンと97年のDr.Kバージョンがあるのですが、今回は両方を混ぜた感じになりました。とても洗練された曲なので、どのようにやっても印象的になります。悲しい恋の終わりなのに、曲を聞いたあとは不思議に爽快な気持ちになっているのでした。

m8.海潮音 m9.蒼い涙

 本編最後は最近の作品を2曲。この前までやっていたツアーのいい感触をそのまま持ってきた感じです。特に8.15の終戦記念日の翌日だっただけに、m9で締めくくるのは良かったと思います。

En1.ほほにキスして 2.この夜に

 アンコールに応えての2曲は、おなじみのヒット曲で盛り上がってから、久しぶりの"この夜に"でした。これは、なかなか楽しかった。静かにジワジワと高まっていくゴスペル風の曲ですが、内容は濃いのでした。詞の内容も最近のけいこさんらしい前向きさと真摯な世界観があって、とてもいいエンディングになりました。
 終わってから、スタンディング・オベイションをしてくれている方々もいらして、こちらも感動しましたし、心からありがたく思います。

 本当に良い夜になりました。

 
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by harukko45 | 2010-08-19 00:26 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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