タグ:水越けいこ ( 84 ) タグの人気記事

(1)からの続き。

 m8.クリスマス・イブ〜9.Joy To The World

 アコギにプロデューサーである森さんを迎えての後半戦。まずは、クリスマスにちなんだカヴァーを2曲。m8は、山下達郎さんによる定番曲で、説明不要でしょう。ここからは男性陣がバック・コーラスで参加しました。で、これはどちらかというと、次曲へのオーバーチュアって感じ。日本語訳では「もろびとこぞりて」となるクリスマス・キャロル"Joy To The World!! the Lord is come"は、スフィアン・スティーヴンス(Sufjan Stevens)によるバージョンを参考にしてまとめたもので、発案は森さんによる。スフィアンは、幻想的なサウンド・メイクをして注目されるアメリカのフォーク・シンガーで、彼のバージョンは本当に素敵な仕上がりで、大いに刺激になった。
 

 基本的にボーカルは2声でOKなのだが、これに、けいこさんがもう一つ違うハーモニーをつけ、ソロ部分も加えた構成にして、水越バージョンとなったのでした。

 m10.Africa〜11.32階のBar〜12.Can't You

 今回は比較的しっとりと落ち着いた曲が多かったセットだったので、この辺で少しノリのある曲を。
e0093608_19405861.jpg 82年リリースの「Vibration」から2曲続けて。"Africa"はファンの皆さんにも人気のようで、大いに盛り上がってくれました。私はリズム・キープに忙しいので、コーラスはもっぱら森さんにお任せ。
 "32階のBar"はなかなかムーディな曲で、個人的には結構好きです。いかにも、高層ビルの高級バーな感じは、ねらった「下世話さ」があって良い。こういうのは、昭和っぽいと思うし、今の時代じゃ歌詞にできないんだろうなぁ。

e0093608_074836.jpg 84年の「Ten」に収録された"Can't You"は初めて演奏しました。ファンの方々にはこれまでにこの曲をライブで聴いている人はいるかしら?とりあえず、リズム・セクションがとっても欲しくなる曲ですが、そこを会場の皆さんの手拍子に助けられての演奏となりました。それと、サビでの追っかけコーラスが印象的なので、これは男性二人で頑張ってみました。ただし、会場にいた方はよくおわかりでしょうが、けいこさんが英語詞の部分をあちらこちらに飛ばすので(?)、こちらは対応するのに四苦八苦、けいこさんのあまりのブッ飛び方に、東京ではついに追いつけず、思わず大笑いしてしまいました。まいった、まいった。とは言え、かなり楽しく盛り上がってしまいました。

e0093608_2253452.jpg m13.Beautiful Days

 80年「Love Time」のラストに置かれたこの名曲は、コンサートの最後にも実にふさわしい曲でしょう。伴奏する方も自然にしていれば、曲が良い方向に導いてくれるのでした。何度やっても感動しますし、この曲に無事に辿り着けたことに感謝したい気分になります。

 En1.About Me〜2.モノクローム

 暖かいアンコールに応えて、来年いよいよリリースされることになるニューアルバムからの2曲。共に私がアレンジしたものですが、個人的にもとても気に入っているし、思い入れも強い作品です。けいこさんも私も同年代のミュージシャンとして、お互いに経てきた時間のおかげで、いろいろな余分なものが取れ、今はとても素直に音楽に取り組めている状態であることを表せた内容ではないかと思っています。
 この2曲はトラックダウンを残すのみとなっています。私も早くCDとしてパッケージされるのを楽しみにしています。

e0093608_1125865.jpg En3.Full Moon
 
 コンサートの最後は、静かで美しい"Full Moon"。もちろん、「I'm Fine」でのTOTOのバックが素晴らしかったですが、今回、ピアノのみでやったのも、実に気持ちよかったです。また、あらためて曲自体の美しさに触れた感じでしたし、エンディングに置いたセンスに脱帽です。

 さて、というわけで、今年の水越さんとのライブはこれで終了です。2012年はあまりご一緒できなかったけど、来年はまたいろいろとコラボできると思います。そして、何より、待ちに待ったニューアルバムは、本当に本当にリリースされます。きっと、来年はそういった意味でも華やかな年になるのではないかと思うし、是非ともそうしたいものです。
 いつも暖かく応援してくださるファンに方々に、あらためて感謝の気持ちをお伝えします。本当にありがとうございました。そして、来年もどうぞよろしくお願いします。
[PR]
by harukko45 | 2012-12-19 00:58 | 音楽の仕事

 15、16日は水越けいこさんのクリスマスコンサート2012があり、大阪と東京で演奏しました。両日ともアット・ホームなムードの中で、お酒と食事を交えてのライブであり、リラックスして楽しみながらも、適度な緊張感もあって、ステージと客席との一体感がとても心地よく感じられたコンサートになりました。
 まずは、お越しくださった皆さんの真摯で大人な態度に感謝です。けいこさんのファンクラブが長く、ちゃんと続いているのは、やはり、ファンのみんなの素晴らしさにつきるでしょうね。だからこそ、その愛情に応えるべく、パフォーマンスもビシっとやり遂げねばならない責任を強く感じるのでした。
 とは言え、最終的には相変わらずナチュラルなけいこさんのノリに私もお客さんも完全に巻き込まれて、全てはハッピーな気分に収まるのですから、本当にすごいことです。

 では、いつものようにセットメニューにそって振り返ります。

 m1.Ave Maria〜2.この夜に

 クリスマスコンサートと銘打っていることから、そのテーマに沿った曲が何曲か選ばれました。m1はフランツ・シューベルトの超有名曲ですが、元々は宗教曲ではなく、「湖上の美人」という歌曲集の中の《エレンの歌 第3番》が正式名。くわしくはウィキペディアをご覧ください。まぁ、とにかく、シューベルトの美しい旋律と素晴らしい和声によって、世俗曲として書かれたものが、宗教的な意味合いまでも含むほど大きな存在になったということ。
 ただし今回、 キーをFまで上げて(オリジナルはB♭)、響きが変わったので、マエストロが書いた譜面ではなく、ポップス調にコード・ネームで弾いていく感じにしました。でも、シューベルトへの敬意は忘れないように心がけました。
 けいこさんは、ファルセットを使った歌で、普段とは違ったアプローチをトライして、より厳かで凛とした演出をしていたのでした。始まりとしてはとても効果的だった思います。

e0093608_23502384.jpg そして、ほぼ間を置かずにm2へ。この曲は、けいこさんの作品の中でも、一番「祈り」を感じさせるものと言えるでしょう。詞の内容も、最後には普遍的な愛へと導かれるものとなります。この曲のボーカルは、前曲とはうってかわって、低い音でずっとコントロールしていくむずかしさがあるのと、今回はピアノだけの伴奏だったので、全体に静謐な趣きをキープしながら、内に秘めた熱い思いをじょじょに表していくようにしました。でも、実際にはライブの臨場感の心地よさから、二人でいろいろと出し引きしたり、自由に会話した感じになり、とても楽しいオープニングになりました。

 m3.一人にさせて〜4.Hold Me Tight

 1990年の「Sepia」のm3、1982年の「Vibration」のm4は、隠れるようにひっそりとアルバムに収められた曲とのことで、2曲をつなげるように演奏しました。なるほど詞の内容も、共に許されない愛がテーマなんですが、曲自体の印象は全く違います。

e0093608_1837214.jpg 小島良喜さんアレンジの"一人にさせて"は、あまり飾り気のない表情のシンプルな仕上がりで、90年代風ナチュラル志向と言える感じ。それゆえに、寂しさや悲しさを抱えていても、芯の強い女性の悟ったような爽やかさがあります。

e0093608_198352.jpg 一方の佐藤準さんアレンジの"Hold Me Tight"は、82年当時の明るさや派手さが十分あって、危険な恋の内容もどこか楽しげで、「不倫は文化」的匂いが漂います。だから、アルバムの影でひっそりと、って割には存在感が強いです。
 個人的には、サトジュンさんの方向性は大好きなので、大いに共感して演奏しちゃいます。ゴスペル風のイントロから、ファンクっぽいAメロ、レゲエ風のサビ、メロディアスなハーモニカの間奏と、聴く者を飽きさせない構成が楽しい。エンディングで、ガラっとバラード風になるところも、ちょっとしたストーリー性を持たせている感じで面白い。
 本当ならバンドで再現したい楽曲ですが、今回のようにピアノだけでやり倒すっていうのも、秘かに燃えるものがありました。けいこさんのナチュラルな「ヘンさ」とサトジュンさんの「やんちゃ」がうまく合体していて、実に印象的な1曲だと思います。

 m5.Feeling Blue〜6.You〜振り向いてほほえんだら

 このコーナーでは、ファンの方からの支持が多く、ライブでもよく取り上げられているおなじみの曲達。

e0093608_10325790.jpge0093608_14393442.jpg m5は、1stアルバムからの代表作ですが、スタジオ版との大きな違いは、テンポがかなり遅くなっていること。タイトルの"Blue"に導かれて、よりスローなオールド・ジャズやブルーズっぽいムードになっています。けいこさんの歌もいい渋さがあって、今の感じはとても好きですねぇ。
 81年の「Jiggle」からのm6は、「くー、たまらん」的な佳曲ですし、大村雅朗さんのアレンジもさすがです。ライブでも、曲中での強弱がとても生かされるので、演奏効果の高い作品と言えるでしょう。

e0093608_2310161.jpg 87年の「Proportion」からのm7も、演奏効果が高い部分が多く、ライブでも映える楽曲。今回は前半部分のラストとして、きっちりと貢献した感じ。クリスマスというテーマにも合うロマンティックなファンタジーってムードがあるんですなぁ。

(2)に続く。
[PR]
by harukko45 | 2012-12-18 15:23 | 音楽の仕事

9月も過ぎて

 なんと、早10月。先月は一度もブログを更新しなかった。このところ、どうも筆が進まない感じで、ズルズルと書かないでいるうちに、1ヶ月があっと言う間に過ぎてしまったわい。

 だからといって意欲がなくなったわけではなく、音楽の仕事に関しては、バラエティに富んだものがつづき、話題はいろいろあったので、それらが終わった直後に書いておけば良かっただけだった、いやはや。

 とりあえず、先月あったライブに関して、日記もどきで簡単にまとめておこうと思います。まずは1日、濱田"Peco"美和子さんの目黒ブルースアレイでのライブ。3月のライブと同じメンバーでのパフォーマンスで、実力者(ギター土方隆行さん、ベース六川正彦さん、パーカッション玉木正昭さん、ドラムス濱田直哉さん)が揃ったバンドなので、安心感と同時に即興的な刺激もあり、実に楽しかったし、個人的には、これまでに参加したペコ・ライブ中で、一番落ち着いて演奏出来た感じ。今回もシンセを多用して、ポップなサウンド・メイクを目指したが、かなり満足いく内容になったと思う。10月もライブがあるので、これまた楽しみだ。

 続いて5日、北海道洞爺湖での大橋純子さんとのライブ。これは、企業主催のイベントで、一般のお客さん向けではなかったが、ザ・ウィンザーホテル洞爺の会場を使っての豪華な内容だった。この時の編成は、ドラムス植村くん、ギター土屋さんに私という3人編成で、私がシンセ・ベースを弾く形。7月の秋田でのFM公開録音での演奏がなかなか良かったので、この編成でのパフォーマンスにもだいぶ自信が出てきたのだが、今回は自分自身が準備不足であったことは否めない。やはり、普段通りの演奏とは気分も役割も楽器のシステムも違うので、かなりしっかり対処しておかなくてはならなかった。なので、私は随所に危なっかしい状態だったが、いつもながら頼りになる仲間に助けられて、何とかしのいだ感じか。
 このところ、自分が好調に感じていて、少し油断もあったかもしれない。

 そして、22日には、ボーカリストとして数々のスタジオ・ワークやライブで活躍する今井マサキさんが主催するミュージック・スクール、クレッセミュージックのライブがあった。これは、クレッセで学んでいる生徒さん達の発表会とも言えるもので、そこに講師であるボーカリストの皆さんがバック・コーラスをつけて披露するというもの。コーラスを担当する方々は、これまた一流揃いで、いろいろな音楽現場で活躍中の方々ばかりでありましたなぁ。
 で、そのバックに私と、六川さん、濱田くんに、ギターの弓木英梨乃さんがつとめたのだった。

 まぁとにかく、出演した人数も多かったし、曲目も20曲以上と多く、そのジャンルも多種多様だったので、譜面を起こして曲を知るだけでも大変。バンドで合わせられたのが本番前日のみだったので、じっくり練ることは不可能で、あとは各自の集中力で乗り切るって感じかな。もちろん、百戦錬磨の皆さんなので、いろいろありながらも、きっちりゴールを果たしたのでした。
 メインで歌う生徒さん達には、いろいろな世代・背景を持つ方がいて、これもまた実に興味深いのだが、中には、しっかりとプロになることを見据えた人も多く、もうすでにかなりの実力と才能を備えているのに驚かされた。
 それと、普段やっていないような曲を演奏するのも、すごく楽しかった。個人的にはエスペランサ・スポルディングの「I Know You Know」とか、ローリン・ヒルで有名になったゴスペル「His Eye Is On The Sparrow」、富田ラボの「香りと影」あたりにはすごく刺激を受けたし、コブクロやJuJuなど、近々のJ・ポップに触れることが出来たのも有意義だった。また、生徒さん作のオリジナル・ソングでの挑戦には、こちらもより期待に応えたいという気持ちになった。

 さて、29日は、水越けいこさんとの久々のライブ。場所は江古田のマーキーで、これは伝説の老舗ライブハウス。なにせ、1978年オープンで30年以上も日本の音楽を見届けてきたわけですから、これだけでシビレます。

 私は、水越さんとは約1年ぶりの再会。それでも、すでに体にしみ込んでいる曲も多かったので、久しぶりのリハでも、すぐにしっくり行く感じで安心した。とは言え、本番はやはり少し緊張感があり、「32階のBAR」なんかはガチガチでした。でも、会場の雰囲気があったかかったおかげで、じょじょにリラックスでき、どんどんと楽しい時間を味わうことが出来たのでした。特に1回目は、内容的にはかなり満足いくものになり、実に幸せな気分となった。2回目は、少しリラックスしすぎのミスもあったし、調子にのりすぎた部分も個人的にはあったので、ちょっと悔いが残ったが、いつも以上に、けいこさんのホンワカしたムードが全開だったから、すべてはOKだった気がする。

 メニューについて言うと、「32階のBAR」から「東京が好き」までの流れがすごく良くて、実に気持ちがいいんだけど、同時に、シビレる瞬間の連続でもある。後半では、「雨の休日」が変化球ですごく面白く、続く「生きがい」への流れにはうれしくなる。ここで、和田は調子こいてしまうのだ。
 アンコールでの「葡萄棚の下で」は、けいこさんのレパートリーの中でも最難関の楽曲の一つで、それゆえに深みもある曲。この日もやっぱり難しくて、まだまだなのだが、それでもだいぶ良い感じにはなってきている気がする。

 それから、いつもながら暖かいファンの皆さんには、本当に心より感謝したいと思います。ご無沙汰してたのに、声をかけていただいたり、お土産をいただいたりと、あらためて感動させられました。今後も出来る限り、けいこさんのサポートをしていきたいですし、のびのびになっているニュー・アルバムの完成も頑張りたいと思います。
[PR]
by harukko45 | 2012-10-01 11:49 | 音楽の仕事

 18日は岩本町のエッグマン東京イーストにて、水越けいこさんのクリスマス・ライブがあり、昼夜2回公演、それぞれ2時間弱のステージでした。共に、たくさんのファンの方々が詰めかけてくれて、本年最後にふさわしく、盛り上がったラスト・イベントとなりました。まずは、ファンの方々に感謝感謝であります。

 けいこさんとは10月の秋ツアー以来でしたが、この間に事務所移籍という出来事があったりして、ご本人はいろいろと精神的に大変だったことと思います。なので、いつものツアーの時のように、セット・リストを入念に煮詰めてから、リハーサルを行うという時間が、今回はあまり作れませんでした。バック・メンバーである私とギターの田口くんのスケジュールも合わずに、全員で最終形を合わせるのが、本番直前になってしまった曲もあり、ちょっと不安な始まりになってしまいました。
 そういったことで、昼の部では、ところどころ危なっかしい部分が露呈してしまう状況があり、これについては残念な気分でしたし、今後に向けて反省をしなければいけないでしょう。
 ですから、このところのライブでは、実に積極的に参加してくれるようになったファンのみんなの熱さに大いに助けられて、何とか昼の部をやり切ったようにも感じました。

 それで、昼の部終了後に、気になった部分をスタッフとともに検討して、変更を加えたのが夜の部となりました。
 こちらも、ぶっつけ本番的な要素はありましたが、それでも、流れがずいぶん良くなり、集中も高まって、みんなが納得できるものになったと思っています。もちろん、これを最初からお見せ出来ていれば最高だったのですが、それでも、何とかより良いものを作ろうとした前向きの姿勢は、けいこさんを始め我々全員に息づいていたことはお伝えしておこうと思います。

 さて、で、そのセットリストです。

 昼の部: Overture/ A Day〜m1.In The Stars〜2.愛を聞かせて 3.a sonnet〜4.ペルシャン・ブルー 5.幸せの昼下がり〜6.ワインナイト〜7.Dear Summer Time 8.きよしこの夜(Silent Night) 9.もろびとこぞりて(Joy To The World) 10.夏草の道〜11.モナムール 12.Loving You En1.心の扉〜2.この夜に En3.Imagine 4.Merry X'mas with You

 夜の部: Overture/ A Day〜m1.Feeling Blue〜2.愛を聞かせて 3.幸せの昼下がり〜4.モナムール〜5.夏草の道 6.a sonnet〜7.ペルシャン・ブルー 8.きよしこの夜(Silent Night) 9.もろびとこぞりて(Joy To The World) 10.Dear Summer Time〜11.ワインナイト 12.ビューティフル・デイズ En1.心の扉〜2.ほほにキスして 3.Too Far Away En4.Imagine〜5.Merry X'mas with You

 ここでは、夜の部にそって書いて行きます。

 オーバーチュアとして使われたのはけいこさんの1stアルバムの1曲目である、佐藤準さん作曲のインスト"A Day"、今聴いてもなかなかカッコいいです。それに、これから「水越けいこ」がスタートするって気持ちが十分伝わってくるのでした。

 m1.Feeling Blue
e0093608_10325790.jpg ここは「Lady」の曲順通りに"Feeling Blue"となりました。ファンの方々にとっては、ごくごく自然な流れと言えるでしょう。我々にとってもそうです。アルバムの曲順というのは、どなたにも最も慣れ親しんだ流れなので、全く抵抗なく入っていけるのでした。
 ファーストを代表する曲で、竜真知子&水越けいこコンビによる完成度の高さが光ります。佐藤準さんのアレンジはどこかしらにロックぽさが感じられるので、そういう部分を拾いだして強調したくなります。なので、ライブの方がブルージーな印象がするかもしれません。
e0093608_1149691.jpg 昼の部では、"In The Stars"でしたが、これはこれで、なかなかシブい始まりでした。それにしても、やっぱり変な曲ですね。でも、けいこさんにはピタっと似合うわけで、90年代特有のアンニュイさと、音数の少ないザックリ感が面白いのでした。

 m2.愛を聞かせて
e0093608_22414119.jpg そういった意味では、94年の「The Sketch of a Woman」も、同傾向のサウンドを持ったアルバムと言えるでしょう。その中で、シンプルなボサノバ・ビートにのせて、コード使いが凝っている"愛を聞かせて"はシブいけど、演奏しているとなかなか楽しい楽曲です。スルメみたいに、やればやるほど味が出るって感じで、好きです。

 m3.幸せな昼下がり
e0093608_2253452.jpg 1980年の「Love Time」は個人的に"踊り子"と"移る季節(とき)に"がお気に入りなのですが、この2曲にはさまれた"幸せな昼下がり"は今までノーマークでした。ですから、今回初めて演奏しました。曲自体はとっても愛らしいカップルの幸せなひと時の話で、あったかい気分になるのですが、船山基紀さんのアレンジによる間奏に罠が一杯で、演奏している方はなかなかリラックスできません、まったく。
 なので、そのかわりと言っては変ですが、妖しげなイントロとエンディングのフレーズをちょっとフレンチ・ポップスやピンクパンサーっぽいイメージで強調しちゃいました。エンディングはフェイド・アウトとリットまでしてしまいましたよ。

 m4.モナムール〜5.夏草の道
e0093608_2310161.jpge0093608_23125888.jpg 続いて、小島良喜さんアレンジによる「変な曲」シリーズ。これは、前の"幸せな昼下がり"のエンディングのおどけた感じを受けての流れとしました。正直言えば、個人的には80年代後半の音楽は、自分がやってきたことも含めて、今聴くと「?」という部分が随所に聴かれます。たぶん、「今だったら、こうはならなかった」と、たくさんの制作者が思っているのではないかと、勝手に想像します。それは、アレンジがどうのと言うのではなく、あの時代、あの空気感、シンセとエフェクトを多用したサウンド、マシン的なビート感、それらが全て、今聴くと、ちょっと困ってしまう。
 ただ、元の曲自体は好きです。特に"モナムール"はすごく魅力的ですし、"夏草の道"もよりシンプルなロック・チューンとして、もっと生かしたいなと感じています。今回はまだ、ちゃんとした意図を持った形には仕上げられませんでしたが、楽曲はライブでも映えるものなので、今後への宿題としたいと思います。

 m6.a sonnet〜7.ペルシャン・ブルー
 ただし、同じ「Proportion」収録ながら、この"a sonnet"には、文句の付けようがありません。逆にライブでは完全に再現できないもどかしさを感じました。もし機会があれば、ストリングスやハープなどの室内楽的な方向性でまとめて、よりナチュラルな世界を表現してみたいです。

e0093608_23502384.jpg 続けた私のアレンジによる"ペルシャン・ブルー"が打ち込みのオケを使ったのは、対比させる意味合いではありませんでしたが、"a sonnet"で打ち込みを積極的に使ってみても良かったかもしれません。
 私は97年の"Above"で、初めてけいこさんのアルバム・アレンジを担当させてもらったので、この辺りの楽曲にはいろいろ思い入れも深いですし、アルバム全体も結構気に入っています。

 ところで、昼の部では、m3から5のセクションと、m6から7のセクションが逆になっていましたし、"モナムール""夏草"ではなく、"ワインナイト""Dear Summer Time"でした。

 m8.きよしこの夜〜9.もろびとこぞりて
 クリスマスにちなんで、クリスマス・ソングをやったのですが、今回は思いっきり原点に戻った感じでしたねぇ。私はけいこさんのように、教会の日曜学校での経験はなく、この手の曲を子供の頃に歌ったことがないので、日本語でキチっとやるのは、なかなか楽しかったです。"もろびとこぞりて"はけいこさんのハモ・パートの方が大変でしたね。我々男性陣はウィーン少年合唱団のイメージ(?)で、精一杯「けがれの無い心」を思い浮かべて歌いました。

 m10.Dear Summer Time〜11.ワインナイト
e0093608_1125865.jpge0093608_11154334.jpg ライブ後半は、8ビートを強調した2曲で。"Dear Summer Time"はTotoとのコラボでおなじみの「I'm Fine」から、"ワインナイト"は85年の「Actress」から。
 どちらもファンの一人として、好きなアルバム2枚です。共に、リラックスして聴いていられるのが良いのです。特に「Actress」はもっと高く評価してよいのではと思います。いい意味での「ゲセワさ」があります。それがプロの仕事の証明でもあると思います。

 m12.Beautiful Days
e0093608_0273037.jpge0093608_2253452.jpg 本編最後にやった"Beautiful Days"はかなり久しぶりにやったのですが、今回、その良さを再認識させられましたし、一番感動しました。素晴らしい曲だと思います。もっと何度も登場しても良かったと思ったほどです。
 昼でやった"Loving You "も同傾向の作品で、こちらもエンディングに相応しい内容でした。なので、ここでの選曲はどちらもしっかりとした意図を感じて、やっている方も気持ちがよかったですし、とても満足感がありました。

 En1.心の扉〜2.ほほにキスして〜3.Too Far Away
 アンコールに応えて、今回はちょっとヒネリ技(?)、ヒット曲"ほほキス"のB面をやるというアイデアは面白かったのですが、やっぱりA面もやらなきゃ収まらない。というわけで、こういう形に。定番・鉄板の"Too Far Away"は夜のみで、昼は「Above」から"この夜に"でした。

 En4.Imagine〜5.Merry X'mas With You
 ダブル・アンコールに応えて、まずはけいこさんが弾き語りで、ジョン・レノンの"Imagine"をさりげなく歌いはじめました。私と田口くんは最初参加しない予定でしたが、何となく加わってみたら、そういうことになりました。結果、じょじょに盛り上がる感じで良かったようです。

 そして、今回のためにけいこさんが書き下ろした、出来立てホヤホヤの新曲"Merry X'mas With You"が大ラス、覚えやすいメロディのサビを会場の皆さんと繰り返して、楽しくエンディングとさせてもらいました。

 というわけで、今年最後の水越けいこさんのライブも無事に終えることができました。2011年も冬・春・秋、そしてクリスマスと、ずいぶん勢力的にライブをやってきましたし、レコーディングも始まりました。3月の大震災があったものの、けいこさんとしてはよく頑張った一年ではなかったかと思いますし、私自身もバックをずっと担当させてもらって、大いに刺激を受けた一年でした。
 また、ファンの皆さんとも、より身近になれた気がしますし、一体感のある楽しい時間を何度も共有できるようになってきたと思っています。
 今年一年のたくさんの応援に深く深く感謝したいと思います。本当にありがとうございました。そして、来年もまた。
[PR]
by harukko45 | 2011-12-24 00:40 | 音楽の仕事

詳細(4)からの続き。

 1部/En1.哀しくて

e0093608_11154334.jpg アンコールに応えての1曲目は80年代らしいロック・チューン。会場も盛大な手拍子で盛り上げてくれました。大阪や東京の1日目では、手拍子の音量が大きくて、こちらの方が煽られてしまいそうでした。
 とは言え、やっぱり「Actress」の曲は明るさがあっていいですな。詞はタイトル通り哀しいのだけど、この時代は常に前向き。この頃のよかった部分を、もう少し思い出した方が良いかもしれませんね、今の日本人は。そして、80年代を体験できなかった若い人達に、外向きな明るさとその喜びをちゃんと伝えないといけないです。

 2部/En1.生きがい

e0093608_1125865.jpg 2部では"哀しくて"ではなく、「I'm Fine」からの秀作である"生きがい"をやりました。これも、けいこさんの代表作といえる1品で、TOTOとの相性もピッタリで実に良い仕上がりでした。大村雅朗さんのアレンジが十分に彼らの演奏を意識していて、かたや、演奏するTOTOもそれに応えて、最上のプレイを提供していると思います。
 特に、ジェフ・ポーカロ!素晴らしいです。で、たぶん、クリックなどは使わずに自然なテンポ感でレコーディングされたものと思います。だから、すごくグルーヴィで気持ちいいのです。例えば、イントロでのタム1発で、全体のテンポをコントロールするところなど、思わず「Yeah !」と叫びたくなります。

 今回のライブでは、二人だけの人力のみで貫きました。正直、スタジオ・テイクの再現は無理です。ですが、共感できるミュージシャンだけで、その曲に込められた思いを伝えることは十分に出来たと感じています。それにしても、いつやっても楽しく、ワクワクさせられ、歌詞のやさしさにもキュンとして、癒される名曲です。

 けいこさんの「I'm Fine」はTOTOがバンドとしての頂点に立つ「Toto IV」の制作と重なる時期だったとのことで、セッションの合間などに、新曲の練習もさかんにやっていたとのことです。まさに、上り調子の彼らとの幸せな出会いは、けいこさんにとっても素晴らしい思い出となったことでしょう。

 En2.Woman

e0093608_1149691.jpg 1991年の「Humane」は全編にバンドっぽい仕上げで、ザックリ感を強調したアルバム。全体的に抑えた歌と演奏は、地味目でシブいですが、ライブでやると意外に面白い部分が出てくる曲が入ってます。たぶんに、アレンジャー中心の制作というよりも、ミュージシャンのその場のセッションに委ねた感じなので、元々ライブぽいからでしょう。
 今回の3人でのパフォーマンスは、それぞれの場所で変化していき、演奏する側としても大いに楽しかったです。

 En3.Too Far Away

e0093608_1202840.jpg 代表曲で名曲である"Too Far Away"に説明不要ですが、今回はこれまでとは違ったアプローチをしながら、ツアーを回ってきました。大きく変えたわけではありませんが、微妙にその変化がいい結果をもたらしていたかなと思っています。
 でもある時、あまりにも全員がドーンと、曲の世界に浸りすぎて重くなってしまったことがあり、ちょっとやり過ぎだったと反省して、すぐに話し合って修正しました。

 Double_En.ほほにキスして

e0093608_1271932.jpg ダブル・アンコールに応えて、大ヒット曲で最後は盛り上がりました。東京の大ラス公演ではこの前に"哀しくて"もやりました。大サービスです、なんて。せっかく、小道具仕込んでくれたんだから、こちらもお返ししなきゃって気分でしたから。

 とにかく、"ほほキス"での一糸乱れぬ手拍子、毎回ありがとうございます。ここで、ライトセーバー、ガンガンに振ってもらっても良かったんですけどね。また、作戦練っておいてください。

 というわけで、長々と続いた詳細もこれで終了です。ツアーはまた来年ですが、けいこさんにはニューアルバムの作業再開が待っています。本当にいい出来になりそうなので、大いに期待していてください。まだ、予定はでないですが、私も早い再開を期待している一人です。また、その節には随時ご報告したいと思います。

 それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。そして、各会場にお越し下さったファンの皆さんにも、心よりお礼を申し上げます。ありがとうございました。
[PR]
by harukko45 | 2011-10-20 00:00 | 音楽の仕事

詳細(3)からの続き。

 後半戦突入で、ちょっと懐かしめの曲を3曲続けて。

 m11.星ものがたり

e0093608_95036.jpg 「Heart」のオープニング曲ですが、かなりレアな印象です。それは私がライブでやっていなかったからだと思います。「Herat」では川上了さんがアレンジを5曲("星ものがたり"、"シーサイドメモリー"、"水彩画"、"エアーメイル"、"渚・ヨコスカ")やっていて、ある一つのムード(フォーク歌謡的路線)を作っています。
 全体としてはコンサバな感じで、音楽的な冒険は次作以降になるのですが、それでも、このアルバムの持つ「手堅さ」は捨て難い。特に年齢が進むと、こういった「余計なことはしない」ことが魅力的に思えるようになりました。

 佐藤準さんの"ほほキス"と"歌って死ねるなら"が、逆に異色に感じるのが面白いです(だからこそ、アルバムの中で光っているとも)。

 m12.TOUCH ME in the memory

e0093608_10171994.jpg もうおなじみの代表曲。ライブでも定番曲なので、あまり付け加えることはありません。あえて言えば、もしもう一人ギターがいたら、それも12弦を使えたら、より良かったかな、ってところです。もちろん、リズム隊もいてくれれば最高ですが。
 それにしても、スタジオ・テイクのドラムスは林立夫さんなのでしょうか、アコギは吉川忠英さんか笛吹利明さんか、エレキのソロは鈴木茂さんかな。とにかく、みんないい演奏してますね。この頃の日本スタジオ・ミュージシャンの実力、ほんとに素晴らしいです。

 m13.しあわせをありがとう

e0093608_10325790.jpg けいこさんのデビュー曲の登場です。完全に伊藤薫さんの世界ですね。個人的にはファースト・アルバムは何と言っても"渚にかえって..."と"地図"、次に"Feelin' Blue"と"海と少年"となるんですが、この曲もじょじょに好きになってきました。
 とにかく、イントロはスタジオ・テイク通りだと、何だか弾きづらかったのですが、ちょっと「ブワーっ」て感じ弾き倒してしまえばいいということが、今回わかりました。その方が、自分の気持ちにも合うのでした。なので、歌に入ってからも楽しめるようになりました。シンちゃんのスリー・フィンガーのアプローチもオリジナルにないもので、効果的で好きです。

 いよいよ、本編最後の2曲。

 m14.コスモス

 これは、未発表曲ですが、ファンクラブのイベントで歌われたものとのことです。その時は、ファンの皆さんがコーラスをやったそうで、なかなか面白い企画だったのですね。
 で、私がもらったデモ・テープはけいこさんのピアノの弾き語りで、そのイントロの素朴さが良かったので、そのままもらいました。
 そのかわり、歌に入ってからは、普通のロッカ・バラード風ではなく、少しAOR風の3連ノリでやることにしました。もし、リズム隊をつけるとしたら、EW&FやTOTOあたりのL.Aぽいニュアンスになったかもしれません。正式にスタジオでレコーディングしてみたいです。

 m15.Sing A Song

e0093608_1058418.jpg 1部の最初が「Actress」からの"Shampoo"だったので、最後も同じアルバムから。これは意図したことか、偶然か。アレンジも同じ長沢ヒロさんですし。曲自体はライブで映える、ラストに相応しい内容です。
 オリジナルは、思いっきりR&B/ゴスペル調で、なかなかシブい仕上がり。ただ、今回はラストなので、自然と少しテンポ上げになり、ノリやすい感じなりました。バックのコーラスもシンちゃんと頑張ってみましたし、けいこさんが歌い終わってからのインスト部分も、ライブを重ねるたびに、どんどん盛り上がってしまいました。

 まさに、弾き倒してスカっと終わるって感じでした。

 続く。
[PR]
by harukko45 | 2011-10-19 00:10 | 音楽の仕事

詳細(2)の続き。

 m7.気分は5月の風のように

 アルバム「Like You !」にはいろんな曲が揃ってます。ロック、ラテン、ボサ・ロックと来て、フォーク・カントリー系もなんなく入ってきますし、しっとりと哀感漂う曲から、明るいポップ・チューンまで、ジャンル・表情ともに多彩です。"気分は5月...”は、その中でも特に、詞が聴き手をウキウキさせる、何とも愛らしい曲です。シンプルな仕上がりですが、細かいところにまで気が利いていて、飽きません。
 今回はシンちゃんのギターとけいこさんだけでの、フォーク・デュオ・ユニットって感じが楽しかったですね。間奏では、会場の手拍子も音楽の一部って気分が、まさに5月でした。

 m8.あなたがいたら

e0093608_6421936.jpg 楽しかった恋の思い出も、夏を過ぎると、こんなにも寂しい気分になってしまうのですね。けいこさんがボソボソって言う感じで歌い、メロディはポツポツ途切れる作りだから、ますます悲しくなる。
 「Dramatically」の中でも、最も映画的な印象を残す曲じゃないでしょうか。特に、今回のライブのように、フォーク・デュオ・スタイルだと、哀しさがより際立つ感じでした。

 1部/m9は日替わりで、けいこさんが弾き語りで歌いました。"Feeling Blue"、"32階のBar"、"移る季節に"などなど、でしたか。"ゆれて二人"もあったか。すみません、記憶が曖昧です。

 m10.渚・ヨコスカ

e0093608_7214571.jpg けいこさんのみの弾き語りで、もう1曲。ここら辺から1部の方では、2ndアルバム「Heart」からの曲が続きました。
 1st「Lady」では伊藤薫さんが8曲(けいこさんとの共作1曲)書いていて、ある意味Co-プロデューサー的な立場だったと想像できます。「Heart」では、けいこさんの曲が増え、伊藤さん作は5曲ですが、それでも全体の印象は伊藤薫さんの影響下にあると思います。

 伊藤薫さんの曲は、フォーク歌謡っぽい部分があって、プロ作家らしい「つかみ」を持っています。それが、聴いた時に感じる気持ちのいい安定感と、分かりやすさにつながっていると思います。しかし、歌詞の方は意外に「青臭い」部分がいかにも「男」。いつまでも夢や理想を語りたがる、大人になれない「永遠の青年」っぽいのです。"歌って死ねるなら"、"少年"、"ヨーソロ"、"Too Far Away"...。でもそれが、聴き手を何とも懐かしい気持ちにさせてくれるのでした。
 そこら辺が、目に涙を浮かべながらも、心にグサっとナイフを刺すこともいとわない、けいこさんとの違いでは。
 
 m11.Hiroshi

 「Heart」の頃、けいこさん自身は曲作りにおいて、自分らしさをまだ確立できなかったようですが、この曲はすごく印象的です。ピアノとアコギだけのアレンジもアルバム最後にふさわしい感じです。そして、次の「Aquarius」につながる期待感がちゃんとこめられていると思います。だから、この曲のエンディング後に、"生まれ変わる為に"のイントロが頭で鳴っちゃうのです。

 今回は、私のピアノだけでしたが、ちょうどセットの折り返し点として、ピッタリの構成・選曲でした。

 2部では、m9〜11までが「TV主題歌シリーズ」に入れ替わりました。

 2部/m9.再会の街で

 1994年のTBS-TV系月曜ドラマスペシャル浅見光彦シリーズのテーマソングで、詞も曲もけいこさんではなく、この時はシンガーとしてのみの参加なのですね。もちろん、今回初めてやりましたし、通常のアルバムの中には収録されていないので、私もYouTubeで検索しました。ちゃんとアップされているのが凄いです。それも、映像付きで。驚きました。
 アレンジの十川知司さんは、今も多忙なアレンジャーで、私は「ジョン・レノン・スーパーライヴ」で何回かご一緒しました。柔和な性格の方ですが、プレイの方ではするどいタッチで、いろいろなアイデアを持った人でした。

 全体的には爽やかで、洗練された曲調ですが、サビが終わるはずの部分で、再び繰り返すようになっているのが、気分的にむずかしかったです。ちょっと自然に行かないのです。けいこさんによると、TV側の要望(たぶん時間やらテロップとの関係)で、後からサビを長くすることになったとのことです。
 音楽的には、私が「終わり」と感じた部分が正解だったようです。まぁ、TVというのは、常にそういうものなのです。

 m10.街

 次は、1984年のフジTV系金曜劇場「愛は不倫のとき」の主題歌でした。これは、けいこさんと伊藤薫さんの共作なので、こちらとしてはホームに帰ってきた感じで、実に落ち着きます。で、お二人の作風らしいサビが、なかなか気持ちがいい。
 アレンジは萩田光雄さんで、やはりさすがツボを心得た仕上がりと思います。特に、エンディングでのピアノのフレーズが、絵がなくても本編へのいざないっぽいムードがありますよ。それとも「提供は」みたいなMCが入って、CMでしょうか。

 m11.TOO YOUNG ワンスモア

 このコーナー最後は、1990年のテレビ東京系「旅は風船」のテーマ・ソングです。この曲が3曲の中では一番好きです。サビでハモを付ける時の喜びは計り知れません(?大げさな!)。本当に旅に出たくなるような曲で、映像にもうまくハマったと想像できますね。
 ただし、エンディングはアレンジャーの坂下秀美さんの色が出たかも。ちょっと、不思議な感じです。でも、今回はカットせずにフルでお届けしました。

 続く。
[PR]
by harukko45 | 2011-10-18 09:16 | 音楽の仕事

詳細(1)からの続き。

 m4.東京が好き〜5.秋想

e0093608_162143100.jpg 79年の「Aquarius」は、たぶん多くのけいこさんファンからの高い支持を得ている傑作にちがいない。このアルバムは佳曲揃いなのと、それが大きな流れの中で一つになっている印象があり、プロデュース側に意図があったかどうかはわからないが、トータル・アルバム的なまとまりがあるのです。
 また、アレンジを担当した佐藤準さんと大村雅朗さんという、能力の高い二人がうまく個性を出し合って、けいこさんを生かし切ったことが大きい。その二人への曲の割り振りが絶妙で、結果、実にいいバランスが保たれているのが素晴らしいのでした。

 ゆえに、このアルバムに収録された曲の良さを本当に感じるには、それぞれを単独に聴くのではなく、「Aquarius」として続けて聴くことが一番だと思う。

 2008年夏にシンフォニー・クルーズでのコンサートで、アルバムの順番通りでの「Aquarius」全曲ライブを敢行しましたが、良いアルバムであれば、その順番通りに再現することは演奏している方も気持ちがいい。あの時は時間の都合もあり、一部メドレーにしてフルではできなかった曲があったものの、ほぼ全てをやり切ったことで、個人的には大きな満足感があったのをおぼえています。(その時のレポはコチラ

 で、今回のツアーでも、アルバムの2、3曲目である2曲を続けてやったことは、一つのムードを持ったコーナーができて、とても良かったと思いました。ここでの哀感とか寂寥感っていうか、まさにそれが、けいこさんならでは「泣き」であって、聴き手も弾き手も「くー、たまらん」となるわけです。ここら辺に深くハマり込む人は、生涯けいこさんの音楽を聴き続けることになるのでしょう。

 曲についての私の考えは上記のシンフォニー・クルーズ時のレポにも書いてあるので、そちらもみて欲しいですが、久しぶりにこの2曲を続けると、サトジュンさん(東京が好き)と大村さん(秋想)のアレンジが、二人なのに一人のような一体感があることに気づきます。それに、イントロから間奏、エンディングまで、ビシっと考えて作り込まれていることに感心するのでした。
 この2曲にミュージシャン側のアドリブなんて必要ないでしょう。間奏で、どんなにいいソロをやったとしても、ここで書かれたもの以上に効果的になるとは思えないのです。
 だから、ある意味「クラシック」として扱いたい気分になるし、その方が思い入れも深まるのでした。正直、それが過ぎて、演奏が固くなったり、ミスタッチにもつながった部分もあったので、何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし」、これは反省しなきゃいけない。

 とは言え、この2曲つながりはやはり気持ちよかったです。特に、"東京"のエンディングから、拍手の中、"秋想"のイントロを弾き始めた瞬間に、会場中に凛としたムードが漂うのが、個人的にはしびれるわけですよ、うんうん。

 m5.My Love

e0093608_9321461.jpg ここからは私は引っ込んで、田口君のギターとけいこさんによるコーナー。今回はギターをフィーチャアする(もう一人ギタリストを加える)というアイデアがあったので、2本のアコギによる演奏もあり得たわけ。でも、シンちゃんは、たった一人でもこの難曲をやり切ってくれました。さすがです。

 そもそも、「Like You !」でのサトジュンさんのアレンジは、ただのボサノヴァでは収まらない、いろんなアイデアが盛り込まれていて、本当に面白い出来だと思いますが、実際に演奏する時には、各部分のニュアンスやビート感の切り替えが必要で、意外に難しいのです。おまけに、今回は一人なので、間奏はギターでバッキングしながら、口笛でメロディを吹くということになったので、まさに獅子奮迅の大活躍でありました。

 でもって、迎えた最終ステージ。おもむろに始まって、順調に進んでいたので、楽屋にいた私はいつものように、「どれどれ」って感じでカーテン越しに客席方向を覗いてみたわけですな。フムフム、みんな気持ち良さそうに聞き入っているな、と思った瞬間、何とも言えぬ異様な光景を目撃。よくお見かけするファンの方の手には、青く(白く?)光るペンライトのような小道具(ライトセーバーみたいでもありましたなぁ)が。それを、リズムに合わせて、振ってんじゃないの。エッ、エッエーッ!と驚いた私は、一緒に部屋にいた森社長に報告しました。

 「ファンの人が、ついに、し、仕込みましたぜ!」

 で、二人で再び覗き込むと、一人だけじゃない、何人もの方々が、振ってる振ってる。まぁ、何たることでしょうね、かつて、そう、私が初めてけいこさんのライブの受け持った頃は、皆、神妙に、物音一つ立てずに、じーっと聴いていたっていうのに。拍手だって、最後の締めの音がなり終わるまで待ってからだったし。
 まぁ、あの頃はあの頃で、「本当に楽しんでいるのか」なんて、逆に心配するぐらいの深刻さ、というか真面目さだったですけど。

 それが、ここ数年のライブ・ツアーの成果でしょうか、ファンの方達もリラックスして、一緒になってライブに参加してくれるほど、積極的になってくれたことは大いに喜びたいと思いますよ、ほんとに。まぁ、そのセンスはどうなのか、ということは置いといて(?)。

 いいじゃないですか、ステージ側からだけの一方通行じゃなく、双方向からのやりとりこそが、ライブってもんです。それが、より高く、より深く、お互いを愛し合える環境に導くんですからね。特に大ラスに何かを仕込むっていうのは、気が利いてて楽しいじゃないですか。

 それにしても、ステージ上の二人はかなりヤラレたようですな。詞がかなり小悪魔的、ちょっと悪女的な、あぶない系の恋物語なので、そこにライトセーバーとのギャップで動揺したのでしょう。確かにアヤシイ感じだったなぁ。してやったりです、ファンの皆様。そのぐらいインパクトがなくちゃ、ダメです。
 演出効果としては、ギリギリ・セーフ?、いや、完全にアウトだな、ガハハ。でも、それで今回はOKです。予定調和じゃ面白くありません。

 私は、今回の皆様の行動を高く評価したいと思いますし、これまで数年に渡って、ライブに関わってきた一人として、深く感謝したいと思いますぞ。
[PR]
by harukko45 | 2011-10-17 19:00 | 音楽の仕事

 去る10月9日、10日の2日間は水越けいこさんのオータム・ツアー2011の東京公演で、大ラスでもありました。場所は、神田岩本町の「エッグマン・東京イースト」で、渋谷にあるエッグマンとは姉妹店と言えるのでしょうが、渋谷とはうってかわっての、こちらはとてもアット・ホームな作りで、まるでけいこさんが自宅に招いてのパーティ・ライブっぽいムードもありました。

 そういえば、キャロル・キングが2004年に「Living Room Tour」と称して、ピアノとアコギ2本でのコンサート・ツアーをやってましたっけ(コチラ)。彼女の場合は、オープニングから「私のリヴィング・ルームにようこそ」って歌ってたけど、我々は、そういったことを特別意識してたわけじゃないんだけど、ツアーしながら各会場を回って行くうちに、ファンの皆さんや会場のスタッフとの間に、和気あいあいとしたムードがじょじょに生まれてきて、すっかり和んだ空気が出来上がったって感じでしょうか。

 ちなみに、当初はギターをもう一人入れた編成もアイデアとしてありましたが、今回は断念。そのかわり、ある意味「原点回帰」的な気持ちを持てたことでは、私と田口くんとけいこさんという3人ユニットで貫いたことが良かったと思っています。最低限度の人とサウンドで頑張ってみると、いろいろと音楽的な部分で見えてくることも大きいのでした。それは、今後にたくさん役立つことになるでしょう。

 さて、コンサートは二つのパターンがあり、それぞれの核みたいな部分は一緒ですが、7曲ほど入れ替えた内容となりました。1部は横浜、名古屋、大阪/昼、東京/昼、2部は京都、大阪/夜、東京/夜でやりました。

 で、セット・リストにそって、曲やら演奏のことを独断的にこれから語るのですが、1部と2部を並行して進めていくことにします。

 1部/m1.Shampoo 
e0093608_7275087.jpg 85年の「Actress」からの曲で、長沢ヒロさんのアレンジによるアルバムのサウンドは、80年代の明るい空気感にあふれてます。だから、恋の終わりがテーマでも、比較的前向きに受け止めている感じの仕上がりです。
 基本的には、ニューオーリンズ・ジャズやスウィング時代のビッグ・バンド・ジャズと、70年代のマンハッタン・トランスファーあたりがベースになっているわけでしょうが、こういう曲は、今やっても、どんな編成でやっても、意外にすんなりまとまります。そもそも、これを最初に作った時点で、レトロなイメージがあったわけだから、その後の時代性みたいなものにあまり影響されないのでしょう。
 個人的にはとっても忙しいですけど、うまく決まれば、すごく楽しく、燃える曲とも言えます。ただし、あんまり気持ちが前のめりになっていると、リラックスしたジャズ感覚が薄れてしまいます。その辺はいい加減に大人にならなくちゃね。

 ところで、「Actress」に含まれる曲は、比較的ライブで取り上げられることが多い気がします。今回も4曲がピックアップされていますし、私の過去の記憶でも、"シンガポール"以外の全曲を演奏したことがあります。確かにアルバム自体の出来が良いと思うし、初期の代表作よりも、肩の力を抜いて楽しめる、いい意味での「軽やかさ」があると思います。

 m2.Bayside Court

e0093608_86281.jpg 82年の「I'm Fine」は、何と言ってもTOTOが全面的にバックを担当したことで、大きな価値を持つアルバムなんですが、この"Bayside Court"に関しては、スティーブ・ルカサーが「ブルーズは弾けない」と辞退したという曲。かわりに登場したのがダン・ファーガソン氏で、彼はこの時期L.Aのスタジオ・ミュージシャンとして売れっ子の一人。TOTOのメンバーとは70年代初期から交流があったみたい。
 例えば、73年のソニー&シェールのライブ・アルバムでのクレジットには、ジェフ・ポーカロ(Ds)、デイビット・ハンゲイト(B)、デイビット・ペイチ(Key)にギターがディーン・パークスとダン・ファーガソンとなっております。(これは、ジェフ・ポーカロのファン・サイトで見つけたもので、私も初めて知りましたし、アルバムも未聴です。この時、ジェフは19才。)

 で、この曲でのダン・ファーガソンのアコギ、実にいいっすね。それに、けいこさんのボーカルもいいんですね。また、歌詞が戦後間もない昭和のイメージで、「メイドの仕事は辛いだけよ」にやられるわけよ。ただし、青い目のMrs.が登場したり、ダンスパーティも出てくるから、日本に限定せずに、アメリカ南部の黒人女性達も想起できる。とは言え、けいこさんの声と節回しが、すっごく「日本」を感じさせるので、そこにいかにもアメリカ的なブルーズとのミックスがほんとに面白い仕上がりだと思うのでした。

 田口くんは若いくせに、オジサン臭いブルーズ系のロックが得意ですから、この手の曲は水を得た魚ですな。もう一人、ギターがいればスライドのソロも再現できたでしょうね。これは、またの機会に。

 m3.ナタリー

e0093608_97212.jpg 89年の「Dramatically」に収録された"ナタリー"はスタジオ・テイクの感じをいい意味で裏切って、今のけいこさんと、今回の2人編成のバックにうまく合わせられたかな、と秘かに喜んでいる1曲です。
 元々の森園勝敏さんのアレンジは、思いっきり「The Police」的で、エフェクティブなギター満載なわけで、まぁ、小さな編成でやる時には、こういうロック・サウンドが一番困るんですが、キーをぐっと下げて、全体に抑えめなムードにしてみたら、なかなか良くなったと感じました。それと、ディレイの効いたエレキがやっていたパターンは、アレンジの芯になる部分だったので、それをあえてピアノでやったのも正解だったようです。

 さて、2部ではオープニングの3曲がごっそり入れ替わりました。

 2部/m1.ブルースカイロンリー〜2.カーニバルの終りに

e0093608_9321461.jpg 1部のジャズ&ブルーズ系の始まりとはうってかわって、いきなりの"ブルースカイロンリー"はファンの方々も「おっ」と思ったのでは。おまけに、アルバム「Like You !」と同じ順番で"カーニバルの終わりに"につなげたのだから、「おいおいちょっと出番が早いんじゃないの?」と思った方もいるかも。私もそう思いましたし。
 とは言え、この「Like You !」は良いアルバムです。「Aquarius」にも負けない内容の傑作ではないでしょうか。その「Aquarius」で自信をつけた、けいこさんの曲作りと歌が何より良いのです。このアルバムでは伊藤薫さんの曲がなく、すべてけいこさんのオリジナルとなった最初の作品であることも興味深いです。そして、それをうまく生かしたアレンジャーの佐藤準さんの力も大いに讃えたいですね。
 このアルバムでは全て彼のアレンジなので、そういった意味では、サトジュンさんの個性的な仕事ぶりも十二分に楽しめるのです。

 "ブルースカイロンリー"は一見(聴)ごく普通のロックンロールなのですが、さすがサトジュンさんはSmoky Medicineですわ。随所にいろいろ凝っているんです。それに、89年のインタビュー記事では「レオン・ラッセルやジョー・コッカーが今でも好き」って言ってますからね。曲全体のグルーヴ感がかっこいいんです。とにかく、ちゃんとロックンロールしてるって仕上がりが、いいなぁと思うわけです。

 "カーニバルの終わりに"もかなり充実した出来です。こんどはラテンですが、「ブラジル」と「キューバ」の混じった感じに、フュージョンぽいアプローチでタイトにキメルっていうのが、この当時の日本のポップ・ミュージックの特徴でもありました。
 で、スタジオ・テイクはブラス、ストリングス、パーカッション、シンセに、コーラスと実に豪華で完璧なのですが、これを二人でやるなんて、ヒメよ、何とごむたいな。
 去年やった時には、打ち込み使いましたっけ。でも、今回は意地でも人力でやり倒すことにしました。結構、燃えるんですね、こういう時。

 それと、元のアレンジがしっかりしていると、その骨組み部分だけをピックアップするだけでも、ちゃんと成立するものです。要は、どこを取り出して、どこをカットするかの見極めさえ間違わなければ、「良い物は良い」ということになると思います。ただし、この曲はおいしいとこだらけなので、だいたい聞こえてくるフレーズや仕掛けはそのまま弾くってことになりましたけど。
 パーカッションもなしで、よくやるわ、とも冷やかされそうですが、それでもかなりイケてたと思います。多少荒っぽい方が、面白かった時もありましたしね。
 
 m3.ふりむけばLoneliness

 再び、「Actress」より。アレンジは萩田光雄さんで、ツボを心得た名人ならではの出来です。面白いのは、A・Bメロに入っているシンセのアルペジオは、さりげなくて控えめなバランスなのですが、意外に効いているのです。どうやら、この音はけいこさんの持っていたシンセだそうで、「これじゃないとダメ」と、わざわざ選んだあたりがニクい。

 曲は、けいこさんらしい「泣き」が魅力ですが、やはり「Actress」の持つ軽やかさが、適度に毒抜きしているのでした。これが、時代の空気感も一緒にパッキングしているレコードの楽しさ、面白さです。
 ただし、これは前の時にも書きましたが、今ならもっと哀感を強調したいなと思う部分も。特に二人だけのバックでやるので、そういった思い入れはより強くアピールしてもいいかと感じています。
 
 続く。
[PR]
by harukko45 | 2011-10-14 10:55 | 音楽の仕事

 水越けいこさんの「Autumn Tour 2011」の名古屋ムジカ、京都Fanj、大阪Fanjでの4ステージを無事終えて、一昨日夜に帰宅しました。ここ数年、こつこつと続けてきたツアーで、会場も同じでしたので、もうすっかりスタッフの皆さんとも顔見知りとなりました。おかげで、どこも演奏に集中できる環境を整えてくれて、とても心地よく過ごせたことが、本当にありがたかったです。

 とは言え、3カ所それぞれに違った特性があり、我々のパフォーマンスも、3日間それぞれに違った内容に変化するのが面白い、とも言えます。

 名古屋ムジカは、店長自らが陣頭指揮で入り込んでくれながら、全体に和やかなムードで、一番アット・ホームな感じです。そのおかげか、明らかに動員が増えてきた感じでした。お客さんの反応も、より強くなってきたと感じています。また、他のシンガーの方とも知り合うきっかけがあり、今回も、その方々のご好意で、K・Yairiブランドで有名なヤイリ・ギターの工場に伺うことができました。また、実際に案内してくださった副社長さんが、けいこさんのファンであって、ライブにも来てくださっていたというのが、偶然とは思えない縁でしたなぁ。

 私はギター・メーカーについて、ほとんど門外漢だったので、このヤイリ・ギターがいかに素晴らしいメーカーなのかを今回初めて知りました。いやぁ、日本のものづくりって、やっぱ、こんなにも素晴らしいのかと、あらためて実感させてもらいましたよ。
 岐阜県可児市にある製造工場では、20〜30名の職人さんだけによる、すべて手作業でのギター作りがおこなわれており、一括した大量生産などではありません。
 で、その丁寧で、こだわりを貫いた高い技術を実際に見させてもらうと、実際には弾かない私でさえ、これからのギターの扱いが変わるような気持ちになります。

 ちなみに、ヤイリ・ギターは日本よりも欧米での評価がたかく、ポール・マッカートニーから、亡きジェリー・ガルシアや、デイビット・クロスビー&スティーブン・スティルス、リッチー・ブラックモアやイングウェイ・マルムスティーンら、数多くのミュージシャンが愛用しているのです。これも正直驚きでした。
 日本でも長渕剛さん、桑田圭祐さん、BEGINら、多くのミュージシャンが使っていたんだな。で、もちろん、我らが水越さんもですね。それから、松崎しげるさんの写真も飾ってありました。これも、うれしかった。

 2日目の京都Fanjは、ライブハウスというよりも、小ホールなみの規模とステージの広さを持っている会場で、何より音響が良い。PAを通した音も実にクリアで良いとのことだが、我々ステージ上の人間としては、ステージでのミニター環境が心地よいことが一番ありがたい。
 とは言え、特殊で高級な設備とかがあるわけではなく、ハコ自体の「鳴り」の良さと、スタッフの力が全てだと思う。
 で、音響がよく、それに暖かく包まれていると、こちらの表現にゆとりが生まれるのです。具体的に、けいこさんの音楽では、「弱音」をうまく生かせるようになり、無理なく自然にダイナミクスをつけることが出来るのでした。だから、前回の大編成バンドの時も、今回のギター&ピアノのみでも、ミュージシャン側の出来が共に良く、満足感も大きいのでした。

 3日目の大阪Fanjは、一番ライブハウスらしいライブハウスで、熱気ムンムンした感じが、演奏する前から会場にあるわけで、やはり、そういうムードに影響されます。それに、2ステージとなるので、当然体力勝負になるのでした。
 個人的には、ここのデジタル・ピアノは少々扱いが難しい(というか、「大雑把な反応」の)楽器なので、どうしても繊細な曲では、普段通りに行かずにストレスになるのですが、その分、イケイケ調になると、力でねじ伏せる感じになって、それはそれで気持ちいい。
 お客さんも、大阪では特に盛り上がりたいって気分が強くなるのかも。なので、そういう部分をうまく取り入れることも大事かもしれません。

 というわけで、残すは東京2days。個人的な反省点もふくめ、もう一度気持ちを新たにして、モチベーションを上げて行きたいと思います。
[PR]
by harukko45 | 2011-10-04 16:06 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31