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 タケさんのライブの翌日12日の朝、私と土屋さんは次なる現場、松崎しげるさんと大橋純子さんのジョイント・ディナーショウのために大阪・伊丹に向かった。ちょうど1週間前の室蘭でちょうど同じこのお二人のディナーショウを皮切りに、ずっと仕事ヅケだった我々はこの日の仕事で一段落ということになるのだった。始まりと終わりが同じ仕事というのがおもしろいね。

 さて、こうしてライブが続いていると、たとえ疲れていても、演奏自体の調子はなかなか良いもので、指はよく動くし、気持ちもゆったりとしてるし、1拍の長さもしっかりとらえられてるし、かなりのものである。ヘヘヘ、自分で感心してりゃ、世話ないか。

 また、特別に感情移入を深めようというつもりではないのだが、例えば"シルエット・ロマンス"なんか、松崎バンドのユッコさんにストリングスを手伝ってもらって、後は私とオッサンでやるので、昨日から変わってない状況で、ジュンコさんの唄に合わせて、自然と気持ちが高まってくる感じだった。オッサンがいいソロをして、ジュンコさんが2コーラス目を唄いだす瞬間は、やっていて「タマらん!」気分で、思わず悶えてしまう瞬間。改めて「やっぱ、いい曲じゃん。」って思うのだった。
 そういえば、オッサンは現在、来生さんの30周年記念のツアー中でもあったね。何かと「かぶる」感じがおもしろいなぁ。

 それと、松崎さんのサービス精神とプロ意識は本当に素晴らしいし、頭が下がる。お客さんをとことん楽しませようって気持ちはとっても立派だと思う。それは、MCで会場を大爆笑させることや、客席におりていくことだけじゃなく、常に最後にやる"愛のメモリー"での汗だくの大熱唱にも現れていて、毎回同じように演奏しているのに、こちらも毎回感動してしまうのだった。
 松崎さんとパインツリーの面々は今回から、この"愛のメモリー"のアレンジを35周年記念の新作バージョンに切り替えて、CDのチェコ・フィルによる豊なオーケストレイションをバンドで再現していて、なかなか新鮮だった。
 ジュンコさんサイドの"シルエット・ロマンス"が音数少なくやったのと好対照になってお互いのカラーが際立ち、ショウに大きなハイライトを作ったと思う。
Photographs/松崎しげる2005

 ところで、"愛のメモリー"、作曲の馬飼野康二さんは天才肌の職人と言える。天才っていう部分と職人って部分は実際には相反するところがあるんだけど、馬飼野さんはその両方を見事に両立させちゃう作曲・編曲をやってのけている。岩崎宏美さんの"万華鏡"や西条秀樹さんの"傷だらけのローラ"とかも、ゲセワさやイタズラっぽさを随所にちりばめながら、それでいて全体では洗練された音に出来上がってるんだよなぁ。
けっこう感心してしまうのでありました。
 数ある馬飼野さんのヒット曲でも、"愛のメモリー"のメロディは最高作といっていいと思う。
 はっきり言って、これほど「さあ、感動しろ!」って最初から最後まで主張していて、その意図がバレバレな曲なのに、まんまと聴き手を巻き込んで、見事に「感動」させられるというのは、やはりプロの仕事として恐れ入るのであった。こういう才能って「悪魔的」とも感じられる部分で、私のようなアレンジャーの末席に座る者に嫉妬心を起こさせるものでもある。
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by harukko45 | 2005-12-16 03:46 | 音楽の仕事

 23日の新潟・イタリア軒での松崎さんとのジョイントが終わってから、一週間がすぎてしまった。ジュンコさんとの仕事はこの日で最後だったのだが、その後バタバタと立て込んでしまって、26日まであたふたと過ごしてしまい、27日から休みと思ったら、カゼをひいてしまった。とにかく、24日から26日にかけて、カゼをこじらせている人だらけのなかにいたから、しかたないかな。というわけで、今年中に今年のレポートを終わらせなくてはと、少々賞味期限切れっぽいが、まずは新潟から。

 イタリア軒は3年ぶりで、前回来たときもジョイント・ショウ。たしか、大雪でむっちゃ寒かったのだが、今回はまるで雪なし。であるのに、我々は前日の22日に新潟入り。私は仕事の関係で、夜遅くに合流したが、他のみなさんはもうすでに飲みまくりの大盛り上がり。まあね、前日入りっていうのは楽なんだけど、やることは飲むぐらいしかないので、けっこう後々後悔するようなことになるのだが、わかっちゃいるけどやめられないミュージシャンの性(さが)よ!私はジュンコさん命令により、みんなに追いつくべく「駆けつけ3杯」を実行。いやいや、急いで5杯や7杯はいきましたでしょうか?挙げ句の果てに、松崎バンド・メンバーと一緒にもう一軒はしごして、まだまだ懲りない私とオッサンはラーメンまで食べに行ってしまった!バッカヤロー。テメエの年齢考えて行動しましょう、そろそろね。あ〜、でも飲んだ後のラーメンって至福の喜びだよね〜。

 でもって、本番日。朝なんと9時からサウンドチェックとはなんたるスケジュール。当然、役に立たないにきまってる。でも、意外と身体の力が抜けてて良いのかも、なんて強がり言ってもダメなものはダメ!午後の本番まで部屋で静かに待機であった。

 しかし、こういった場合、酒がぬけてくるころの本番で、自分が実にシャッキリとしてくるのを実感できるわけで、これはこれで楽しめるのである。(ホントカヨ!)内容に関しては、所々予定調和に陥りそうな演奏を、覚醒直後の過激なモードで、ひねくりたおしたり、こねくりまわしたり。とはいっても、演奏家サイドでしかわからないようなことだと思うけど、そんなことでバンドのノリが活発になることも多いのだ。

 そして、またまた終わってからも大宴会。こりゃ、すごかった。ベースのショウチャン、いくらビール好きとは言え、飲んだ飲んだ!大ジョッキ10杯!当然、「別人」が登場して、大変な盛り上がり。(別人ですので、明日の朝にはこの時の記憶は全く残っておらず、ただ気持ち悪いだけになってしまうのだった。あ〜、これぞ悲劇のハムレット。)この日は、ケンさんに小言をかましておりました。この「別人」の被害者は松崎バンドのみなさんのみならず、松崎さんご当人、ジュンコさんにも広がっており、その威力はとどまること知りません。でも、こちらも怖い物見たさで、ついつい彼に飲ませちゃうんだよね。悪いんだから、もう。

 さてその後、やっぱり懲りない私は、またラーメン食いに行っちゃった。でも、この夜はジュンコさん、ケンさん、ツッチーに、オザワという構成。で、ラーメンを堪能しながら、ちょっと今年を振り返ったりした。全体的には演奏する機会が減って残念な年ではあったが、その中身はますます充実してきたことは間違いなかった。とくに、最近の2本(伊達と下関)のショウの熱がまだお互い残っていて、心の満足度はかなり高いのだ。きびしい時代の流れではあっても結局、真摯に音楽に関わっていくことこそが最終的な喜びにつながることを強く感じ入った2002年だったと思う。

 さて、今年もいろいろご声援いただき、皆様には深く感謝しております。来年も新たなアイデアを我々も出し合って、盛り上がっていこうと思いますので、またまたヨロシクお願いたてまつりまする〜。なんだか、尻切れトンボな感じ(?)だけど、暮れも押し詰まって、みんな忙しいと思うので、こんなところで失礼します。それでは皆様、良いお年を!
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by harukko45 | 2002-12-30 00:00 | 音楽の仕事

 12月9日に北海道から帰って、翌10日には岐阜・大垣に向かった。松崎さんとのジョイント・ショウのためである。メンバーは私とオッサンのみ。前回のフル・バンドでの演奏の興奮がさめないものの、体力面では少し下降気味。ここは一つ気力で乗り切ろうというわけ。

 このジョイント・ショウでは実際に演奏する曲は少なくなるのだが、ステージ途中で引っ込み、次の出番まで待つのは集中力の持続がむずかしく、かえって出ずっぱりで演奏している方が楽だったりする。結局、ミュージシャンは演奏してなきゃ価値の少ない人種(?)だから、あんまり休ませちゃいけないのであった。

 とは言うものの、このショウは(前にも書いたが、)内容的には充実していて、お客さんには満足度が高いと思われる。現に、今回の大垣市のホテルは3年前にも訪れていて、今年アンコールを頂いて、再演することになったのだ。二人の素晴らしい唄と楽しい演出があれば、これは当然とも言えるかな。

 そうそう、箱根での照明問題、スタッフが検討してくれて、少し明るくなった。よかったよかった。すぐに対応してくれて感謝でありました。終演後は、松崎バンドのメンバーとも久々の飲んで、楽しい時間を過ごしたのだった。(彼らは次の日広島に早出だったのだが、僕らにつきあってくれたのか、随分遅くまで盛り上がったんだな、これが。)

 さて、17日。この日、下関において私達ジュンコ・バンドは、ここ最近でのベストな演奏、ステージを繰り広げることになったのである。そういった予感は一週間前の伊達でのステージからあったのだが、ゴトウさんの復帰で、サウンド面・精神面両方でパーフェクトな状態を確立できたのだ。もし、これをライヴ・レコーディングしていたら・・なんて思うほど、パフォーマンスの内容が高みに達していたといえる。

 特に、2回目のステージは各曲のテンポ、グルーヴ、ニュアンス、どれをとっても文句のつけようがなかった。演奏する我々もそれを自覚していたし、ものすごく楽しんでいた。もちろん、お客さんたちの反応の熱さもビシビシと感じられたし、アンコールの‘Happy X'mas’での会場中が一つになった一体感には感動してしまった。この曲では、最前列にいらした男性(ビートルズ世代と思われる?)がサビを一緒に唄っていたのが実に印象的だった。あういう姿を見た時こそ、我々も演奏する喜びを感じる瞬間でもある。

 この日、終演後にCDがたいへん売れたのだそうだ。ライヴの良さがそのまま反映された結果、証明といえるだろうか。今、全体として不況の音楽業界において、こうやってコツコツ良いライブを聴いてもらい楽しんでもらうことこそが、セールスに結びつく基本であり最善なのだ、と実感するのだった。

 細かく一曲ずつフォローすることはしないが(だって、全部が良かったから)、特にオープニングの‘This Christmas’におけるドラム、ベースの素晴らしいグルーヴ感は絶賛したい。また、‘You're So Beautiful’のサックス・ソロは見事にハイライトを作ったし、それを受けたジュンコさんのボーカルの美しさをなんと表現すべきかわからない。また、‘Beautiful Me’でのバンドの一体感はこの上ない幸せを私にもたらせてくれた。そして、‘Happy X'mas’は、ジュンコさんにつきる。ジョン・レノンの個性的な世界を見事に自分のものとして仕上げてしまった、その実力にはまたまた脱帽なのである。

 終演後は忘年会、この日が今年最後のジュンコさん単独でのステージだったからだ。こんなに良い状態でステージが出来るのに、それを発表する環境がむずかしいという現在の状況に、くやしさ・歯がゆさを感じるものの、それを上回る充実感が、私達を満たしていたことは言うまでもない。というわけで、またまた大盛り上がりの下関の夜でありました。(毎度のことでアイスミマセン。)

 次は、23日。新潟にて松崎さんとのジョイントである。では、また。テテテンテンテンっと。
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by harukko45 | 2002-12-21 00:00 | 音楽の仕事

 実を言うと、このところ寝不足が続いている。現在、六川正彦さん(ロクさん)のプロデュースによる「ロコス・レーベル」で、日本が誇る名スティール・ギター奏者、尾崎孝さんの初リーダー・アルバムを制作中で、私はアレンジ・プログラミング(全体のコンセプトが打ち込みベースのサウンドにスティール・ギターを生かす、というもの)で参加しているのだが、これが大詰めを迎えつつあるのと、それとは別件でのレコーディング(これまた、ロクさんプロデュース。彼は最近、非常にガンバッテおります!)があったりと、忙しいのは有り難いことだが、少々お疲れモードになってきていたのだ。

 ジュンコさんとの夕張訪問で、一瞬リフレッシュさせてもらったものの、帰ってくればまたまたコンピューターとにらめっこする生活に逆戻り。結局、連日明け方まで作業しての日々である。(注:この尾崎氏のアルバムには、サックスのゴトウさん、ギターのオッサン、ドラムとアレンジでウエちゃん、そしてもちろんベースでロクさんと、ジュンコ・ファミリーが大挙参加しているのだ。)まあ、何事も生みの苦しみはつきものであるのは、じゅうじゅう承知しているから、ただ頑張るのみなのだ。

 かたや、オッサンも12月9日の「ジョン・レノン・トリビュート・コンサート」のリハーサルが連日おそくまで続いており、彼もまた寝不足であった。そして5日、箱根・富士屋ホテルでの「大橋純子・松崎しげるジョイント・ディナーショウ」で再会することに。この日、入り時間は午前11時。夜型人間には少々微妙な時刻であるが、お互いA型特有の「几帳面で真面目。人にやさしく、自分にきびしい。美を尊び、調和を重んじる。正義感が強いが、辛抱する精神力を併せ持つ。」(くどいよ!)という性格ゆえ、オッサンは10時に、私は10時半には現地に到着していた。普段なら当然の行いではあるが、さすがに今は「もうちょっと寝てればよかった!」が本心。ふたりとも顔がドロドロって感じ。

 とは言え、先週の夕張での出来事を思いだして、いろいろ語っていくうちに元気になっていった。特に思い返されるのは、ジュンコさんのおじさんの実に豪快な話の数々。「毎日、マグロと晩酌は欠かさない。それもトロ!おかげで痛風になっちまった。でも、今でも焼酎を毎晩ひとビン近く空けてしまう。」(でも全然変わらない。すごく強い!)「初めて行った海釣りで、大きなタラを釣り上げて、まわりのベテランから嫉妬された。」「と、思ったら2回目の時は、もっと強い引きがあったので、船頭さんにも助けてもらったが、残念ながら逃げられてしまった。船頭さん曰く、あれだけの力はマグロ(!)に違いないと言う。」(もし上げていたら、すごい高値がついたかも。)などなど、あまりにもたくさんあるので書ききれないのだが、こうやって思い返すだけでウキウキした気分になってしまう。私とオッサンは、そうやって大笑いしながら、その時間を楽しんだのだった。

 さて、そうこうしているうちに、松崎バンドの皆さんも勢揃いし、リハ開始。久しぶりのジョイント・ショウで、はじめは多少ギクシャクしたが、じょじょに調整をつけていった。ただ、本番。今回から、照明のプランニングがかわっていて、前回の時とは違うムードを演出しているのだが、私も初体験(多分?)だった、紺のライト。これにはまいった。全体にバンド・サイドは暗めに作られているのだが、そこに紺のライトが照らされはじめると、一瞬何も見えなくなるような錯覚におちいるのだ。照明的に暗天な状態でも、普段はなにげに見えるものなのだが、紺が強くなると私の場合、鍵盤の白と黒が消えていくように見えたのだ。聞くと、オッサンもベースのショウちゃんもフレットや譜面が見えなくなった、それで一瞬、音を見失ったと言う。ん〜、やっぱね。ここのところは少し改善してもらいたいな。すぐにはスティービー・ワンダーやホセ・フェリシアーノにはなれませんから。

 でも、そんな不満はあったものの、いつもながら汗ビッショリで熱唱する松崎さんの‘愛のメモリー’や、アンコールの‘Endless Love’におけるジュンコさんの実にかわいらしくて愛らしい声(ほんとにヤラレル、これには!)を聴けば、すべては吹き飛んでしまうのだった。あ〜、音楽の力とは素晴らしく、またおそろしくもある。

 そしてショウ終了後、私達は家路についた。0時を過ぎての帰宅。長い一日でしたけど、お疲れさんでした。次は、3日後再び北海道、伊達市にてフル・バンドによるショウである。乞うご期待あれ!テテテンテンっと。
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by harukko45 | 2002-12-06 00:00 | 音楽の仕事

以下は、夢の話。

 症例(1) ベーシスト:平尾氏 Part 1

 「僕は、何処かの仕事場に来ていたんだけど、そこはガラス張りの部屋だった。

 マツ(松崎しげるさん)の仕事なのは、わかってる。なぜなら、その部屋の屋根もガラスで、上が見えていて、そこにはステージがあり、(バンド仲間の)ユッコもトクちゃんもそっちにいるのが見えたからだ。

 当然、僕はベースをかかえ、よりによって、アンプまで持って、ステージに向かわなければならない。だって、もうリハが始まっている。他のメンバーの準備はもう万端のように見えた。とにかく、急いで行かなければならないのだ。

 僕のいる部屋はステージの一回下なのだから、階段を上がれば、すぐそこはステージのはず、僕は登り口を探した。ところが、行けども行けども、見つからない。どうしたって、そこにたどり着かない。みんなは、上にいるのに、ガラス越しにみえているのに。

 もう、随分な時間、この部屋からの抜け道を求めて、歩き続けているが、結局、絶対にそこにはたどり着かない様な気がしてきた。

 ベースとアンプを持って歩き回って、僕はもうへとへとなのに、上では僕がいなくても平然とリハが始まっている様子に見えた。こんなに、焦ってるのに、一生懸命歩いてるのに、どうして登り口が見つからないんだ!」

 症例(2) ドラマー:黒沢氏 Part 1

 「オレはよう、どういうわけかよう、月にいるんだな。そんでよう、空をみっとよ、お、あっちに地球がみえんじゃんか!へ〜、ここはほんとに月だな、って思ってうれしくなっちまってよ。

 そんで、そのへんぶらぶらしたわけよ。そしたらさ、信号とかちゃんとあって、車も走ってんよ。ひえ〜、おんもしれぇ〜って思ってさ、そのうちパトカーがいるのに気づいたのよ。そいつは近くに停車してたんだな、そこでオレは考えたわけよ。

 オレのいる地球じゃ、例えば湘南の車なら、「湘南33 へ 1818」とかナンバーなんだからよ。ここ月でも、「月xxx〜〜」てなってんのかな〜って。

 そんなこと考えてたら、無性にどういうナンバーなのか知りたくなってよ、そのパトカーに近づいてったわけよ。そんで、そおっと、ナンバー・プレートのぞいてみたらよ、なんとよ。

 「月44 け 5963」だってよ。やっぱ、そうなんだ、それでオレはメッチャ盛り上がって、すげ〜え、うれしくなっちゃった!。」

 症例(3) ベーシスト:平尾氏 Part 2

 「この日の仕事は、そのステージに早く着いたもの順に、自分の場所を決めて良いということになっていたのだ。だから、早く着かなきゃいい場所をとられちゃうのに、やっぱり最後だった。

 結局、他のみんなはセット終了していて、あいているのはステージ中央だけだった。しかたなく、僕は重たいアンプを、やっとこさ、舞台ど真ん中に置いて、音がでるようにした。譜面台に譜面を置いて、さあ、準備が整ったと思った瞬間、いきなり、曲が始まった。

 あ、この曲知ってる、確かこのあいだのリハでやった曲じゃないか。とっても良い曲だったのを覚えている。え〜と、題名は、そう‘電車の歌’だ。

 それで、僕はその曲の譜面を出そうとしたが、なんと、そこにあった譜面は布で出来ていて、それも全部つながっていたのだった。めくっても、めくってもだらだらと続いて、いっこうに‘電車の歌’が現れない。まるで、これじゃ勧進帳じゃないか!

 他のメンバーは余裕で演奏していて、僕には冷たい態度に思えた。それでも、曲は進んでいるから、僕は必死で譜面をめくった。

 ついに‘電車の歌’の部分を見つけて、よし、演奏できるぞと思って、譜面を見ると・・・

 何と、そこには五線と音符が書いてなく、あろうことか『線路』がかいてあったのだ。みんなの譜面も『線路』になっていた。みんなは『線路』を見ながら演奏していたのだ。僕はどうやって演奏したらいいのか、途方にくれた。」

 症例(4) ドラマー:黒沢氏 Part 2

 「オレだってよ、楽器の夢、みたぜ。それもよ、す〜んげぇ〜ドラムセットだぜ。

 とにかくよ、オレはスタジオにいたわけよ。そんで、そこにあるドラムセットをとりあえず見に行く訳よね。

 そしたらよ、そのドラムがなんだかすげぇ〜んで、びっくらこいちまったわけよ。なぜかって、だってよ、ハイハットにモーターが付いてんだぜ!すごくない?

 ひと踏みすると、シャシャシャシャシャって16分打ってくれるんだぜ。やった!すげぇ〜、なんて喜んでたらよ、おやおや、バスドラもなんか変わってることに気が付いたのさ。

 へへへ、なんと、そこにもモーターが付いてたわけよ!で、どうなるって?わかんだろう。ひと踏みしたら、ドドドドドドドって鳴るんだよ!これが笑わずにいられますかってぇの!

 ようするにオレは、意図も簡単に超ハイテク・ドラマーに変身しちまって、楽勝でドドドドシャシャシャシャシャ、で、シンバル、バシャンバシャンと出来る訳よ。な、すげ〜ぇだろう!そんでもって、ディープ・パープルなんかとジャムっちゃうのよ。あ〜、おもしろかったぜ。」


 フロイトは、「夢は実生活で抑圧された願望の現れである。」とし、幼児期に根ざす深い欲望が反映されており、また、夢の中に出てくる物体の性的な意味合いを非常に重視しました。一方、ユングは、全ての夢の中に性的なメッセージが隠されているわけではないと主張し、我々の心の奥底にある希望や望みを表現するものであるから、夢に現れる事によって無意識の願望がはっきりし、実現が容易になると考えました。さらに具体的に、夢は自分自身に対する重要なメッセージであり、それを無視する事は自己にとって損失であると述べています。

 ともかく、松崎バンドのリズム・セクションのお二人のご協力に厚く御礼申し上げます。それでは、この辺で。
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by harukko45 | 2001-12-15 00:00 | 日々のあれこれ

 12月8日は、夕方には飛騨高山のホテルに入った。明日のスケジュールを考えれば、前日入りの方が楽なはずなのだが、結局、

 夕食 � 高山の郷土料理店 � 旨そうな日本酒多数 � 飲んだことない<超辛口・久壽玉>がお薦め � んじゃ、飲むべ � 最初は1合とっくりでチビチビ � そのうち2合たのんでグビグビ � つまみもうまいぞ、そんでもってガバガバ � ついにドロドロにもかかわらず � 「もうちょっと飲みましょう。」 � ジュンコさんの部屋で、久々の「クラブ・ジュンコ」 � 普段飲み馴れないウィスキーを「ストレートが一番!」とか講釈して、グイグイ � 深夜に寝床につくも � 早朝、あまりの喉の乾きに目が覚め � 「水、水!」とベッドから這い出して、冷蔵庫のポカリスウェットをがぶ飲み � その後はうたた寝程度しかできず � 身体絶不調でリハを迎える � とにかく、体力復活のため、サウンドチェック前に用意された弁当を胃袋に詰め込んで、人生の勝負に臨む!(大げさか?わかる人にはわかるよね。) � そのことしか頭にないので、寝起きのまま楽屋に入っていた私 � タマちゃんに「ワダさん、超ゴキゲンなネ・グ・セ!」と指摘されるも � 「はあ〜、そうでっか。」しか返答できず � 気違い博士の実験失敗による爆発事故後の頭状態にもかかわらず � 「そろそろ、チェックのお時間です。」と無情の声 � こころなしか、身体が前に傾きながらステージに向かうのだった。

 いつまでたっても全然学習しない私(ケンさんも!)を、神様はなかなか許してはくれなかったが、なんとかどうにか、リハをこなしたのだった。しかし、こういう時こそ、酒がぬけてからの喜び、人生における至福の瞬間、あ〜生きててよかった、を感じたりもするわけで・・・・、はあ、やっぱり、何も学習してないって、みんなに言われても、このノーテンキさじゃ、返す言葉もないわな。

 さて、このようなどうしようもない状態にあったにもかかわらず、2回あったショウの内容はすこぶる楽しいものだった。

 やはり、音楽の神様ミューズは、我らをお見捨てにはならなかった。それに、オリュンポスの神である「ディオニュソス」はぶどう酒と芸術の神、ディオニュソスととも行動する「パーン」は牧羊神。草笛を吹くのが上手である事からも、酒と音楽は関連があるわけよ。ギリシャ神で、ディオニュソスとともによく名前がでるのが「アポロ」、彼は太陽の神としてスター扱いされるが、同時に予言、音楽と牧羊、弓の神でもあるのだ。だから、どうした?まあ、そうなんだけど。
 話のついでに、「アポロ的」と「ディオニュソス的」について、「アポロ」は太陽=予言=合理性を意味し、「ディオニュソス」は酒=陶酔=非合理性を意味する。前者は論理、分析的な方法、証拠に基づき冷静に判断することを好み、後者は直観、感情により傾いている。音楽で言えば、アポロ的なものは、知性的、明晰で古典的で秩序を重んじる表現、ディオニュソス的なものは、本能的で奔放、暗黒の力(デーモニッシュ、悪魔的な)を持ったような表現。もっと平たく言って、クールにキチっと決めるやつと、ドロドロにブハーっといくやつ、ということ。

 音楽は常にこの二つの要素で成り立っていて、素晴らしいアーティストはこれを絶妙なバランスで溶け合わせていくのだけど、現代はこのバランス感覚が崩れ、とかく「アポロ的」な傾向に傾いているのだ。それは、録音・再生技術、テレビ・ラジオなどメディアの発展により、ミュージシャン、アーティスト達が自分の表現を後で客観的にチェックするようになったからに他ならない。また、社会全体もより西欧的合理性を重視していることによって、その場限りの陶酔より、ある種の秩序ある安定感をどうしても求めてしまうのだ。だから、確かに全体の完成度は上がったが、人間の生命に内在する本能的なもの、ロマンチックなもの、感情はあまり解放されずにくすぶりつづけ、完璧だったがオモロナイ、などということが頻繁におきるようになった。それは詰まるところ、音楽の存在そのものの危機さえ心配される事態になりかねないのではと感じているのだ。

 とはいえ、やはりミュージシャンとはもともと「ディオニュソス的」傾向の強い輩が多く、時にすべてに反発するように、できあがった造形をぶち壊していく瞬間がある。特にライブにおいてはそうだろう。レコーディングにおいても、そういった傾向がじょじょに復活するかもしれない。聴き手の人々も、今の音楽はおもしろくない、と感じている人は多いだろう。具体的な方法論など今は提案できないが、この現状を打破する道をなんとか探っていきたいものだ。

 なんと、自分が大酒していたことの弁解をくどくどと書き続けて、支離滅裂になってしまったわい、反省反省、どうぞお許しを。この日のショウの内容について書く余白がなくなってしまったが、それはそれは、素晴らしく楽しい物だった、とお伝えしておきます。高山のお客さん達からもたくさんの拍手・喝采を頂いたのでした。そんなわけで、是非一度、「松崎しげる&大橋純子」のジョイント・コンサートをみなさんも体験して欲しい。そして、二人のそれぞれのライブも訪れてみてください。きっと、忘れていた何かがあるはずです。

 さて、飲むことばっかで恐縮だが、松崎さんとのジョイントもこれが今年最後だったので、当然終わってから居酒屋にくりだして宴会となった。ショウが成功したせいもあり、話もはずんで、おおいに飲んで騒いだ。そして、ホテルに向かったのは明け方の4時近かった。

 次回は16日、沖縄だ。それでは、この辺で。
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by harukko45 | 2001-12-11 00:00 | 音楽の仕事

 12月5日、山形から帰京した私とタマちゃんは、いったん家に戻り、夜の9時に横浜文化体育館に入った。これから、明日の「松崎しげる&大橋純子コンサート」のサウンド・チェックをおこなうためだ。

 会場にはいると、もうすでに楽器もセットされ、準備が整っていた。この現場は松崎しげるさんのコンサート・スタッフにジュンコさん側から、私とタマちゃんに舞台監督のハヤシカワさんが加わるのである。内容は、松崎さん、ジュンコさんそれぞれのコーナーと二人でデュエットするコーナーがあり、なかなか楽しいコンサートなのだ。この企画自体、もう4年前から各地でおこなっており、スタッフもミュージシャン、アーティストもみんな馴れていて、仲も良く、和気あいあいとしたムードがある。だから、仕事も手際よく、チェックもすぐに終了した。

 でも、なんでこんな夜遅くに、サウンド・チェックするかというと、明日の本番は午前11時から一回目で、そのリハーサルはなんと朝8時からなのだ!だから、舞台の仕込み等は前日の夜とあいなったわけである。普通のミュージシャン時間で考えると、午前中は使い物にならないので、今回の仕事は、私達にとって地獄の時間割なのである。そして、横浜でありながら、ミュージシャン全員、近くのホテルに宿泊することになった。

 とは言え、久々に松崎バンドのみなさんとの再会、やっぱり飲みにいくわけよ!松崎バンドは、リーダーのサトウさん(キーボード)、クロさん(ドラムス)、ショウちゃん(ベース)、ミッチャン(ギター)、ユッコさん(キーボード)、トクさん(サックス、キーボード、パーカッション)、サッチャン(バイオリン)の7人。みんな気のいい人達で、私とタマちゃんもすぐに仲良くなり、会うたびに宴会してしまうのだった。

 この日も明日のことなど何のその、1時半ぐらいまで居酒屋で盛り上がった。この人達は話好きだし、話題も豊富で、いつも楽しい夜になる。特にベースのショウちゃんは、酒がすすむと、別の人格が登場し、その場を多いに盛り上げて、これまでにも数々の伝説を生み出してきた。もちろん、ここでもハイテンションで語りまくり、みんなで大笑いなのだ。この後、私は寝床についたが、ショウちゃんとトクさん、ユッコさんは、部屋で飲み続けて、4時までだって!次の朝、8時にやっぱりショウちゃんは起きられませんでした。もちろん、酔いがまだ残ってたでしょうね。

 しかし、苦しみの早朝リハを乗り越え、本番の11時にはシャキっとするもんです。さすがプロだね!

 さて、オープニングのインスト‘The Winter Games’から、‘愛のセレブレイション’で、まずはジュンコさんが登場、Aメロ前半を歌うと、それに応えるように松崎さんが登場、そして、サビでは二人でハモっていく。この贅沢な組合せ、それに二人にピッタリな選曲、もちろん素晴らしい歌、ま、文句のつけようがありませんな。これで、いつもつかみはオッケー!その後、松崎さんの軽妙なトークで、すっかり会場のお客さんはニコニコになってしまうのです。ジュンコさんもなかなかいいツッコミを随所にいれて、息がぴったりだ。あら、夫婦漫才でっか?こっちも笑わしてもらってます。

 そして、ジュンコさんコーナー。‘シンプル・ラブ’‘たそがれマイラブ’‘シルエット・ロマンス’をやったが、‘シンプル・ラブ’で、松崎バンドに手伝ってもらい、‘たそがれマイラブ’はタマちゃんと二人、‘シルエット・ロマンス’はユッコさんが加わって、三人でバックをつとめる。だから、またそれぞれの曲がいつもとは違ったバージョンとなるのである。

 続いて、松崎さんとジュンコさんで50年代の懐かしのアメリカン・ポップスを歌いまくる‘オールディーズ・メドレー’。誰でも聴いたことのある名曲が後から後から登場して、実に楽しいのだ。アレンジも良くて、エンターテイメント精神あふれる素晴らしい一品に仕上がっている。これは、いっつもバカ受けなのです。超オススメよ!

 多いに盛り上がったところで、ジュンコ・チームはそでに引っ込み、これからは松崎さんのコーナーとなる。松崎さんは常に全力投球、お客さんを喜ばし、感動させるその歌いっぷり、汗びっしょりのステージングには毎回頭が下がる。ほんとに素晴らしいエンターティナーであり、プロ中のプロだ。たぶん、誰でも彼の生のステージを体験すれば、必ずや感動するに違いない。果たして現在の日本の音楽界で、真っ当なライブができるヴォーカリスト、アーティストが何人いるだろうか?この、お寒い日本の現状で、松崎しげるさんは数少ない本物の歌手・エンターティナーであると断言できる。

 映画音楽のメドレーに始まり、‘愛の8日間’‘抜け殻’と熱唱が続くが、この間、松崎バンドはとても的確にサポートしていく。歌を中心に余計なことはせず、それでいてゴージャスな効果も忘れていない。ピアノのサトウさんは実に安定したプレイぶりで、常に歌い手の立場に立っていて、これなら歌手の人は歌いやすいだろうなと、いつも感心させられる。

 このコーナーの最後は大ヒット曲‘愛のメモリー’だ。とにかく名曲、名唱である。かつての日本の作曲家は素晴らしい曲を残している。今の作家連中はたるんでいる。過去の先達にもっと敬意をはらい、勉強すべきだ。でなければ、J-POPなど未来はないだろう。

 ところで、この曲を私はいつも舞台の袖で聴いているのだが、曲自体の良さを楽しむだけでなく、別の楽しみもあるのだ。それは、トクさんのシンセによるブラスのパートの男らしいプレイぶり(タマちゃん曰く)を聴くこと。つまり、彼は一拍のとらえかたが長く、ギリギリまで弾いて、その切り際がスパっと未練がないのである。そこがイキなのだ。また、おもにストリングスのパートを弾いているユッコさんの表情がたまらなく色っぽい(これもタマちゃん曰く)ので、これもしかと聞き逃さず、いや、見逃さないようにするのである。いや〜、今回も堪能しましたぞ。また、新たにユッコさんが書き加えた間奏が、良い出来でなかなかの仕上がりになっていたのにも感心した。

 アンコールでのクリスマス・ソング・メドレーでは、全員のコーラスも充実していて素晴らしかった。そして、ジュンコ・チームも加わって、ラストは‘エンドレス・ラブ’。ダイアナ・ロスとライオネル・リッチーでお馴染みの曲。この曲はジュンコさんにピッタリなのだ。彼女のかわいらしさがすごく良く出ていて、歌声が愛おしいのである。それを、松崎さんがしっかりと支えていて、私など演奏しながら結構、感動してしまった。イヤ〜、ホント音楽っていいもんですね。

 さて、次回は9日に飛騨高山にて、松崎さんとのジョイント2日目である。私は今日ジュンコさんとともに前日乗りで、現地に入る。松崎チームは金沢のショウを終えて、バス移動してくるらしい。また楽しい夜が続きますな。それでは、この辺で。
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by harukko45 | 2001-12-08 00:00 | 音楽の仕事

 12月4日、大橋純子クリスマス・ツアーの初日、山形グランドホテルでのディナーショウである。

 新幹線で山形到着後、リハーサルに臨むのだが、いわゆるディナーショウの場合、リハ前に昼食、一回目のショウの後に夕食、そして二回目のショウ、その後打ち上げ(ま、平たく言えば飲み会ね。)、次の日の出発前に朝食がそれぞれホテル内のレストランでとれることが多く、つまり、食っちゃ演奏し、食っちゃ演奏するの繰り返し、ひとつ間違えるとミュージシャン・ブロイラー状態になる可能性もあるのである。

 12月のツアーで太ってしまい、そのまま忘年会・新年会を迎えて、出っ張った腹の所在に困るということも考えられる私のような中年ミュージシャンには、危険なシリーズであるが、例えば、いつも食が細く、栄養の偏りが気になるウエちゃんのような人には、逆に充実した日々になりうるわけである。

 そんなわけで、一階のコーヒー・ショップで充実したランチ・コースをたいらげた我々は、満腹でリハーサルを開始した。すると、順調にチェックが進むと思いきや、PAシステムの右スピーカーの音が出ないトラブル発生、その直後、私の弾くキーボードが故障してしまった。これには、ジュンコさんも不安げであったが、彼女の「いろいろなトラブルを乗り切って、初日を成功させましょう!」の一言にスタッフが応えて、本番前には問題をクリアし、無事に予定通りショウを始めることができたのだった。

 一回目は18時スタート、今回用意したオープニングは、70年代の偉大なソウル・シンガー、ダニー・ハサウェイの‘This Christmas’である。まずはピアノのイントロに続いて、ジュンコさんがしっとりと歌い上げ、ドラムのフィルをきっかけに全員でグルーヴィに展開するのだが、ここらあたりが初回はプレッシャーのかかる所、ウエちゃんも少々緊張気味に始まったが、曲が進むにつれ、ご機嫌なビートを刻みはじめた。どんなツアーでも、初日は適度な緊張感が全体にあって、それが演奏をしまったものにする。結果、演奏サイドは多少不満が残っても、実際にはいい内容だったということになるのだ。

 さて、この‘This Christmas’、とにかくメロディーがいいよね。思わず口ずさんでしまうのよ。また、コードの展開もいかしてるし、曲の合間にちょくちょく登場するリフのアレンジもなかなかおもしろいのだ。ダニー・ハサウェイのことは、よくご存じの方も多いと思うが、簡単にふりかえると、彼は、ゴスペルを原点にしながら、大学でピアノと音楽理論を専攻したソウル界きっての知性派で、60年代にはアレンジャーとして活躍、その後1970年にアルバム“Everything Is Everything”でデビュー、その後“Roberta Flack&Donny Hathaway”“Live”“Extension Of A Man”といった傑作を生み、まさに「ニューソウル」の旗手として、マーヴィン・ゲイやカーティス・メイフィールド、スティービー・ワンダーとともに並び称される人物だったが、その後突然シーンから遠ざかり、79年に自殺という形でこの世を去った。あまりにも早すぎる死によって、彼の活動期間はわずかだったが、その影響を受けたミュージシャンは数多いのである。こんな事を考えると、演奏中も少し複雑な気持ちにもなる瞬間がある。

 ステージに戻ろう。‘This Christmas’のエンディングから、続いて‘シンプル・ラブ’となる。ここって、結構ショウの構成上、一番の肝ね。つまり、この曲から「Welcome to the Junko world」っていうわけ。それに、日米の70年代ニューソウルの名曲を続けてお送りしちゃうっていう仕掛けなのだ!ちなみに、今回の構成、マネージャーのツチダさんが言い出しっぺ。なかなかやりますな!

 このワクワクした楽しい二曲で、会場も一気にクリスマス・ムードとなりましたぞ。ここからは、ムーディなコーナー。‘たそがれマイラブ’‘You're So Beautiful’‘シルエット・ロマンス’と、ジュンコさんが三つの愛の形を、それぞれ違った表情で綴っていく。歌だけで表現する愛のストーリーとでもいうとこか。バックも控えめに繊細さを大切に演奏していくのだった。

 後半戦は‘A Way’‘サファリ・ナイト’‘ペーパー・ムーン’である。前のコーナーで、神経を使った我々は、ここで一気に解放された気分となり、真っ赤に燃え上がっていくのである!みなさん、手拍子をどうぞ!盛り上がっていこう!‘ペーパー・ムーン’前の「タマちゃんショウ」も相変わらずバカ受けです。何度やっても‘ペーパー・ムーン’は怒濤のパフォーマンスとあいなるのであった。そして、本編の最後は‘愛は時を越えて’である。お馴染みのこの曲も、このごろの世の中の空気感の中で演奏すると、特別な意味あいを感じずにはいられなかった。ふと会場を見ると、なんとこの曲にあわせてチーク・ダンスを踊っているカップルがいた。いや〜、素晴らしい光景じゃありませんか!山形のお客さんのセンスのいいこと!我々もとっても幸せな気分になりましたよ。

 こうして、充実した一回目を終えた私達は、8階のレストランで夕食をとることに。ここでもまた充実した「ステーキ・コース」をいただいたのであった。オードブルを口に運んだ瞬間、「あ〜、ワイン飲みてぇ〜。」と思ったが、ま、ここは我慢我慢、二回目に備えなくては。ところが、あまり食欲がないと言っていたゴトウさんが、食事が始まるや一気にコース料理を食い上げ、「いや〜、火がついた。」などと発するや、女性コーラス陣の残した物も全て平らげるという荒技をみせた。一体この人は、何なのでしょう?マッタク!

 充実した精神と充実した肉体(満タンの胃袋)を獲得した我らに怖い物なし!今日の我々には一分のスキもなし!これで二回目が悪いわけ無し!

 その通り!リラックスしたみんなの演奏は、実に生き生きしたものだった。終演後、録音されたDATでチェックすると、同じ曲でも全然表情が違う。全体の完成度は一回目がよいが、二回目の自由で活発なムードも捨てがたい。そうして、盛大な拍手に迎えられて、アンコールは‘My Love’だ。ところが、ここでジュンコさん、突然歌詞がとんでしまいました。おまけに笑いはじめてしまいました。これには、ステージ上も会場もバカ受け状態。逆にメッチャ盛り上がってしまうなんて!おもろいこっちゃ。やり直した‘My Love’は、お客さんへの素晴らしいクリスマス・プレゼントになったはず。

 さあ、「若さと美貌」が売りのジュンコさん率いる、(ゴトウさん曰く)「バカさと貧乏」のジュンコ・バンドはこれからもまだまだいきまっせ!まずは初日大成功に乾杯であります。
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by harukko45 | 2001-12-07 00:00 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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