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 私の2010年最後の仕事は、25日のジュンコさんのクリスマス・ディナーショウでした。この日、いつものメンツと1年の締めくくりをキッチリ出来たことは、この上ない幸せでありましたね。

 ベースの六川さん、ドラムスの植村くん、ギターの土屋さん、それに私による4リズムにジュンコさんという形で、フル・メンバーでのパフォーマンスではなかったのですが、それでも骨太な感覚は失わずにやれていたと思っております。

 m1.シンプル・ラブ 2.ビューティフル・ミー 3.たそがれマイラブ 4.大人の恋をしましょう 5.地上の星 6.シルエット・ロマンス 7.サファリ・ナイト 8.ペイパームーン 9.愛は時を越えて En.Happy X'mas(War Is Over) (5日富良野、22日登別ではこれにプラス、m5に"季節の中で"が加えられていました)

 時間は60〜70分のステージだったので、ヒット曲代表曲でいっぱいになりました。その中にあっての11月24日リリースの新曲であるm4はバンド的な色合いもじょじょに出てきて、かなり熟れてきたなぁと思います。
 また、m5の"地上の星"はどこでやってもなかなかウケが良いのでした。このスパニッシュ・フュージョン風のジュンコ・バージョンはしばらくやってないと随所にキビシい仕掛けやむずかしいグルーヴ感が合わずに事故が起きたりもするのですが、それでもやりきってしまうと、会場が大いに沸くのでした。緊張感が漂って、各自がより真剣に取り組む感じが伝わるのでしょうか。なんだか、音楽を演奏することのあり方みたいなものを、あらためて気づかされるような気分でした。

 m7,8では沼津のお客さん達、とってもノリノリでした。年齢層が高めの方もやっぱ、くぐってきた時代が重なるのでしょう、自然に体が動いて、手拍子してくれてました。うーむ、やっぱこの辺りのファンク、ディスコ系のビートは強いなぁ。

 そして、本編最後のm9は個人的にもかなり満足できる状態でやれたと思います。この曲がうまくいくと、全体的な印象もずいぶん違うのでした。

 アンコールではジョン・レノンのクリスマス・ソングを。実を言うと、私個人はこの時期、この曲をうんざりするほど演奏しているのですが、それでも、この日の2回目のステージで、何とも熱いものがこみ上げてきて、思わず涙が出そうになりました。曲の深みにあらためて触れた感じですが、ジュンコさんのボーカルが素晴らしく良かったので、それまでにない新鮮さをも同時に感じられたからでした。
 ジョンの曲は難しい、それはバンドがどうの、アレンジがどうのではない、歌がとってもむずかしいからなのです。ジョン・レノンは作家としても凄いですが、それより何より、まずボーカリストとして天才。彼が歌えば、どんな駄作であっても成立してしまう部分もあるのです。それを誤解して、簡単に他の歌手が手を出すとほぼ失敗する。ジョンの曲をキメるためには、ボーカリストにはそれなりの覚悟が必要なのです。そういう点で、ジュンコさんはまさに別格でした。それは我々、バックをつとめる人間にとっても、ものすごく誇らしいことだと強く実感したのでした。

 無事に2ステージを終え、その後我々は沼津のおいしい魚料理と日本酒を堪能して、今年1年の「チーム大橋」の仕事ぶりをねぎらったのでした。いやぁ、今年もよく頑張った。とことん真面目に音楽に取り組まんで、何ができるのかと。年取れば取るほど、どんどんシリアスに対処する姿勢は強くなります。でもそれこそが大事です。そうでなくては、楽しくないし、こうしておいしい酒は飲めません、ハイ。

 というわけで、私は世間一般の皆さんよりも、一足先に仕事納めとなりました。ジュンコさんのファンの皆さんには、今年も本当にお世話になりました。いつも熱い応援をありがとうございました。来年もよりエネルギッシュなステージをめざしてやっていきますので、どうぞよろしくお願いします。
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by harukko45 | 2010-12-27 14:44 | 音楽の仕事

 昨日は、ジュンコさんがTBSラジオに19時から生出演、私とギターの土屋さんとでバックをつとめ、3曲演奏してきました。久々のラジオも楽しいもんです。何しろ「生」っていうのが、シビレますよ。
 
 赤坂のTBSのラジオ7スタはとっても小さなところなのですが、そこにキーボードとアコギを持ち込んで、パーソナリティの土井敏之アナウンサーを目の前でジュンコさんが歌うということに。ミュージシャン側はヘッドフォンでモニターしながらですが、同じ部屋にいる土井さんはそのままなので、ジュンコさんの生声のみが聞こえているって状況という不思議な感じ。

 それと、放送中にtwitterでいろいろコメントが入ってくるのが面白かったです。すぐの反響だけに実にリアリティがありますなぁ。

 曲は「シルエット・ロマンス」に始まり、新曲の「大人の恋をしましょう」、そして一足早いクリスマス・プレゼントということで「White Chirstmas」をやりました。何とも、リラックスした状況でやれて出来も良かったようです。
 時間は30分ほどでしたが、なかなか楽しい仕事でありました。
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by harukko45 | 2010-12-10 18:33 | 音楽の仕事

 12月4日から2泊3日で北海道の富良野に行き、ジュンコさんのクリスマス・ディナーショウで演奏してきました。富良野に雪はありませんでした、びっくり。やはり今年は最後まで異常気象なのでしょうか。これじゃ、スキー場がオープンできないとのことでした。

 なので、「ホワイト・クリスマス」ということになりませんでしたが、それでも会場のお客さん達はずいぶん盛り上がってくれました。ステージ上ではあまり客席の雰囲気がつかみきれなかったのですが、我々が思っていた以上に楽しんでいただけたようなので、まずは良かったという感じです。

 とは言え、個人的には反省点が多く、正直ちょっと大人げない演奏だった気がします。50過ぎても未だに落ち着きがない自分のプレイに落胆してしまいました。このところ、ちょっといい気になっていた感じもします。
 もう一度、気を引き締め直さないといけません。

 ジュンコさんとは今年はあとふたつ、9日のラジオと25日のディナーショウです。しっかりせねば。
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by harukko45 | 2010-12-07 06:21 | 音楽の仕事

 去る23日におこなわれた歌姫コンサートの後半、「第2部」についてです。

 約15分間の休憩後に「第2部」のスタートです。歌姫4番手は我らが大橋純子さんの登場です。やっとホームグラウンドに戻った感じなのですが、これが、意外に緊張しました。何と言うか、ホームに帰った途端に気が緩んでしまうということもあるわけで、ジュンコさんのバッキングをする以上、絶対に恥をかかせるわけには行かないのですから。

 m12.シンプル・ラブ
 とは言え、やはりこの曲のイントロが始まると個人的には全く持って自然体な面持ちでプレイに専念できた感じです。後半開始にふさわしいムードがあって、会場の手拍子も気持ちいいもんでした。

 m13.たそがれマイ・ラブ
 ボサノバ風アレンジによるこの曲も、すっかり定着してきている感じ。メロディの良さがより生かされて広がりもある演奏になっていると思います。

 m14.シルエット・ロマンス
 なんだか、すごく良かったように思えました。こうやって、いろいろな方々の曲を並べて演奏してみると、この曲の持っている強いエネルギーみたいものをすごく感じてしまいました。いつものように土屋さんのアコギとの二人だけのバッキングですが、とても新鮮に思えたし、全体にある豊かな表情がすばらしいなと思いました。それは、ジュンコさんのボーカルに尽きるわけで、私は力を抜いて合わせて行けばとても気持ちよくなれるのでした。

 m15.大人の恋をしましょう
 さて、ジュンコさんの新曲で、この日が初披露でした。テンポが微妙で、リハではまだまだピタっとキメるのが難しかったのですが、本番ではうまくいったようでした。全体にはシンプルな構成で、素直に流れるゆったりした3連のビートが命の曲ですので、あまり作為的なアプローチは全く必要がなく、ただただ心地よい時間を楽しめるように心がけたのでした。

 個人的に考えても年齢を重ねた結果、こういうバラードが楽に演奏できるようになったのだなぁ、とも思っている今日この頃って感じです。

 m16.夏をあきらめて
 ジュンコさんが研ナオコさんを紹介して退場、そして最後に登場した歌姫の1曲目はおなじみ桑田圭祐さん作曲の大ヒット・ナンバー。

 ここから4曲は研さんのバンドの方々(アコギの古池さん、ヴァイオリンの三宅さん、ピアノの久米さん)が加わり、また全体の仕切りも古池さんにお任せしたので、私を含めた「歌姫バンド」はサポートに徹しておりました。
 研さんのようなタイプの音楽では、自由にやることよりも、アレンジされたものをきっちりやりこなすことの方が重要。譜面もしっかり書かれたものばかりなので、我々としては、ここまでとはまた違う神経を使うことになります。私は主にストリングスを中心にしたシンセ担当でしたが、ヴァイオリンと合わせて行くので、油断してはいられません。

 m17.愛燦燦
 言わずと知れた、小椋佳さんの詞・曲による美空ひばりさんの有名曲。研さんはしっかり自分のものにして歌われていました。

 m18.愚図
 ここで、宇崎竜童さんが登場。宇崎さんが研さんに提供したヒット曲を、1コーラス目を宇崎さんが弾き語りで歌い、2コーラス目からはバンドとともに研さんが歌うという構成。
 ここでも、宇崎・阿木コンビの独特の世界が広がりますなぁ。研さんも素晴らしいのですが、ここでは宇崎さんの歌の深みにも持ってかれました。

 m19.弥生
 さぁ、そして研さんのラスト・ナンバーで本編最後の曲でもある"弥生"はこれまた宇崎・阿木コンビによるもので、10分を越える大作。ここには、阿木さんが関わってらっしゃるアマチュア・コーラスの方々35(?)名が加わった。ストーリーのある内容の歌詞であり、そこに「かごめかごめ」「竹田の子守唄」「さくらさくら」といった日本歌曲がはさまれている。
 
 とにかく、こういう曲では間違いはシャレになりません。バンド・サイドは譜面とにらめっこしながら、高い集中力でのぞんでおりましたが、何とか無事にやりこなせたのでした。

 En1.恋のバカンス
 アンコールはまずは研さんとジュンコさんによる、再びザ・ピーナッツの名曲カヴァー。それも、「恋のフーガ」以上の出来とも思えるこの曲は、日本歌謡曲史上に残る大傑作でしょう。宮川先生の素晴らしいお仕事ぶりに最大級の敬意を払いたいと思います。
 宮川先生のアレンジはある意味「豪放なる気持ちよさ」と言えるような活力に満ちていて、聞いていてほんとに元気になる。それにジャズの強烈なスウィング感を見事に歌謡曲に導入したのも、素晴らしい功績です。

 この曲はいろいろと掘り下げれば掘り下げるほど、面白さに富んだ内容で、話はつきません。コード使いの巧みさ、イントロのベース・ラインの過激さ、Bメロでのリンゴ追分もどきの展開、ボーカルのハモの強引さ、間奏とエンディングでの計算づくのハチャメチャなスウィングなどなど。
 とにかく、それら全てが重なって、ほんとにサイコーなのでした。

 En2.見上げてごらん夜の星を
 コンサート最後は出演者全員、バンドも全員で、坂本九さんの代表作であるこの名曲。どういうわけか、ジョイント部分では昭和歌謡の世界が強くなりましたが、これはこれで面白かったです。
 永六輔・詞、いずみたく・曲によるあまりにも有名な作品に、なにやらコメントする必要もないですが、オリジナルのオーケストレイションをコピーするのはなかなか楽しいひと時でした。ですので、実際には研さんのバンドのメンバーにも手伝ってもらい、三宅さんのヴァイオリンや後藤さんのフルートなんかを生かさせてもらいました。
 私はシンセのストリングスで厚みを出しながら、なんやかんやと指揮するかんじでした。なにしろ、エンディングのMCのタイミングと曲の終わりを合わせなければならなかったので、いやはや。

 ということで、いろいろバタバタするところもありましたが、全体としてはすごくウマく言った感じで、終演後の打ち上げでもお褒めの言葉をずいぶんいただきました。まずは、良かった良かった。
 それでも、皆さんヘトヘトでした。いやぁ、ほんとにバンドの皆さんおつかれさまでした。バンマスとしても、ひとりひとりに感謝感謝大感謝の気持ちで一杯です。頼りになるいい仲間を仕事が出来て、何と幸せなことでしょう。
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by harukko45 | 2010-11-26 23:52 | 音楽の仕事

 先月になってしまいましたが、9月29日に松崎しげるさんと大橋純子さんによるジョイント・コンサートがあり、東京・蒲田にある大田区民ホールで演奏してきました。

 で、今回のメニューはこのジョイント・コンサートのフル・バージョンで、過去を振り返ってみると、何と2008年の6月以来でありました。そりゃ、いろんな部分がアヤシくなっているに決まってる。というわけで、本番前のリハではかなりドタバタしておりましたが、さすが百戦錬磨の松崎さん、ジュンコさん、そしてバンドの面々(松崎さんのバックバンド、パインツリーのメンバーに私とギターの土屋さんがチーム大橋から参戦)は本番になると、ピシっと落ち着き払って(?)見事にやり遂げてしまうのでした。
 でもほんと、自分で言うのもなんですが、久々だったのに、すごくいいステージだなって、思いました。

 個人的には夏のクラブサーキット以来の"シルエット・ロマンス"はかなり入り込めました。それと、あくまでシンプルにやることってあらためて大事だな、なんて感じたりもしました。

 それと、20分間にわたる"映画音楽メドレー"はかなり集中力のいる大作ですが、前やった時同様に、実に楽しかったです。やっぱ曲とアレンジが良いと飽きないのでした。

 とは言え、この日はなかなかの長丁場だっただけに、体はヘトヘトになりました。気候も突然涼しくなったせいもあったか、ちょっと体調を崩したかもしれません。とにかく、帰宅した途端にバタンキューで寝込んだ次第です、やれやれ。
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by harukko45 | 2010-10-02 00:00 | 音楽の仕事

詳細(2)からの続き

m6.たそがれマイラブ 7.ビューティフル・ミー(東京のみ) 8.シルエット・ロマンス 9.シンプル・ラブ 10.サファリ・ナイト 11.ペイパー・ムーン(東京最終日のみ)

 ステージ後半はジュンコさんのオリジナル・レパートリーの連続。これらのおなじみの曲達にはあらためて付け加えることはないわけで、もはや我々には血肉と変わらないほど、体にしみ込んだ世界。ひょっとしたら目つぶってても、あるいは眠ってても出来る?そういう問題じゃないか。

 とは言え、個人的にはm6とm7は、今回とても出来映えが良かったように思えたし、曲への思い入れも深まったように感じました。というか、もっと単純に「好きだ」ということ。
 またある意味、そういった特別な意識がなくてもm8以降の曲には、有無を言わせぬ絶対性が存在していて、例えばローリング・ストーンズが「サティスファクション」「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」「ブラウン・シュガー」らを演奏するのに近いのでは。
 また、いつもはオープニングでやることの多かったm9を、今回このポジションで演奏するのはとても新鮮でしたし、この曲の持つインパクトの強さを再確認したのでした。

m12.愛は時を越えて

 そういった流れで、この曲もジュンコさんの中では格段に大きな存在となってきた一つと言えるでしょう。それも、「Terra2」での大山泰樹さんのピアノ・ダビング・バージョンをベースにして、じょじょにバンドが加わっていくライブ・アレンジになってから、ステージのハイライトとなる大事なレパートリーとなりました。
 もちろん、アレンジだけでなく、本来持っていた歌詞の深みが時代とリンクしてきたこと。歌うジュンコさんが何より共感を強く抱いていることで、当初は大げさに思えた曲が今はすごくしっくりと来るようになったのでした。

 そういったこちらの思いは、やはり聴いている方にも素直に伝わるもので、どの会場、どのステージでもこの曲が終わった時の拍手は熱かった。私自身も精一杯集中してのぞんでいる曲なので、やはり客席からの大きな反応があるのはとてもうれしいことでした。

En1.Cry Me A River(東京のみ)
 
 1955年にジュリー・ロンドンによってヒットしたスタンダードの名曲。当初はエラ・フィッツジェラルドが歌う予定だったが、制作側に却下されてしまったという。作詞・曲のアーサー・ハミルトンにしてみれば、一度は落胆したものの、その後に自分と離婚したばかりのジュリーに歌わすことで、とんでもない大きなヒットになったのだから、世の中とは実に面白いもんだ。

 ジュリー・ロンドンのバージョンは、ギターが名手バーニー・ケッセルで、あとはウッド・ベースのレイ・レザーウッドのみというシンプルなバックがサイコー。ここでのバーニー・ケッセルが好サポートで、ジュリー・ロンドンのボーカルもまさに「クー、たまらん!」の極致ですなぁ。

 歌詞は痛い。
「今になって、あなたは、寂しくて一晩中泣いたですって?
それなら、川のように涙を流して泣きなさい
私もあなたのために川のように泣かされたんだから

私を裏切って捨てたことを今はすまなかったと言うのね
それなら、川のようにたくさんお泣きなさい
私だって、あなたのために川のように泣かされたんだからね

私は気が狂うほどあなたに夢中だったわ 
なのに、あなたは涙ひとつ見せなかった
私はあなたが言ったことを何もかもすべて覚えているわ
あなたは恋なんてバカらしいとか、私たちは終わったんだとか言ったわ

それなのに、今さら愛してるですって?
それじゃあ、愛してるってことを証明するために
さあ、私のために川ができるぐらいに泣くといいんだわ!
いい気味だ!泣け泣けっ!
私もあなたのために、さんざん泣かされたんだからね!」

 というわけで、そういった痛みをじゅうじゅう知る人間3名でバックをつとめました。ご覧になった方はよくおわかりかな?

 さて、ちなみにこの曲をのちにエラもカヴァーしておりますし、最近ではダイアナ・クラールも歌っておりますが、このようなジャズ畑の名歌手達は、ちょっと慣れすぎちゃってて、今一つジュリー・ロンドンほどのリアリティがないのです。かなりウマいのは確かなんですが。

 そこいくと、エアロスミスのスティーブン・タイラーとか、ジェフ・ベックのバンドで歌っているイメルダ・メイあたりの方がピンとくる感じ。
 そして、我らがジュンコさんも、安易にジャズを気取るわけではなく、まさに正攻法の歌い回し。でも、メロディをあまり崩さずにキリっと歌い上げる方が、絶対にグっとくるし、歌詞の世界をイメージしやすい。それでいて、誰の真似でもない歌いっぷりはさすがでした。会場からもずいぶん声がかかってましたね。

En2.Ride On Time

 というわけで、ステージ最後は全員で山下達郎さんのこの曲。最後もパーっとノリノリで終わりたい、そういう意図で、昨年に引き続き選曲されました。

 実はこの曲、ジュンコさんには少しキーが低く、今一つご自身ではスカっと抜けてこない感じだったらしいのです。それで、リハーサルでは半音上げてやったりもしてみました。すると、確かにキーを上げるとジュンコさんらしい世界が出てきて、明るいサウンドになったのですが、これはこれでもろもろ問題があり、結局元に戻りました。ただ、一度そういったことを全員で経験したことは大きかった。それにより、ジュンコさんがのぞんでいるサウンドを具体的に理解できるようになったのでした。まぁ、それは理屈ではうまく言えない部分ですが。

 なので、この曲もヤマタツさんの世界から、ジュンコさんの世界に変化してきたと言えるでしょう。音符上は比較的CDに忠実にやっているのですが、やはり表情は昨年よりもアグレッシヴになったのではと思います。それにしても、エンディング近くでのジュンコさんのフェイクはいつもすごかった。ここまでやられたら、燃えるしかないでしょう。
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by harukko45 | 2010-08-17 22:46 | 音楽の仕事

詳細(1)からの続き。

m2.あの日に帰りたい 3.真夏の果実 4.時代(東京のみ)5.Love Love Love

 最近、これらの「Terra」「Terra2」の収録曲を聴きなおしてみたら、ライブでやっているものとずいぶん違うので驚きました。誤解を恐れずに言えば、ライブの方がそれぞれの曲への愛情が深いように思いました。それは当たり前といえば当たり前のことかも。アルバム・リリース当時はスタジオ・バージョンをできるだけ再現しようと試みるわけですが、本番を重ねるうちにライブ・バンドのメンバーそれぞれの解釈に深みが出てきて、気がついてみるといろいろ細かい部分でのニュアンスが変わっているのでした。

 例えば、m2の土屋さんのアコギによるボサノヴァの刻みは、それだけでムードがあるし、後藤さんのフルートと私のシンセとのコンビネーションはかなり絶妙で、歌のじゃまをせずに実に効果的。そうそう、イントロの口笛はヒロコちゃんも加わって後藤さんとのダブルになったので、より広がりが出た。
 m3のイントロのフレーズはCDのギターよりも後藤さんのソプラノ・サックスの方がビューティフル。ここでも土屋さんのアコギがおいしいニュアンスをふりまいている。これに私のピアノがネトネトとからまってキラキラ感が出ている。サビでの盛り上げと哀愁感はバンド全員の曲への共感度の高さからくるもの。
 1年前にリハーサルした時はこれとは全く違う感じで、正直つまらなかったのですが、今回もう一度トライしてみたところ、各自がそれぞれニュートラルな気分で曲をとらえることができたのでした。
 個人的にはCDの楽器編成やサウンドの方向性は全く気にしないで、「サザンの曲」ということだけ頭に入れてプレイしただけ。でもそれが、バンド独自の色彩を生み出すきっかけだったように思います。

 そして、曲自体の良さはやはりピカ一。さすが桑田佳祐さんだと納得。ライブでやるとますます実感します。お客さんの内面に訴えかける何かを持っているに違いない。
 ジュンコさんはこの曲での息つぎが非常に大変で、ずっと苦しい、と言ってました。だが、そのきつい状況を最後まで崩れずにキープ出来る事がすごい。そうでなくては、桑田圭祐の世界を自分のものには出来ない。歌を聴いている我々はジュンコさんがそんな状態だとは露知らず、ゆったりとメロディを楽しませてもらっていたのでした。

 さて今、サザンのオリジナルを聴いてみると、バンド名義にはなっているが、結局は小林武史氏のシステマティックな打ち込み(ある意味、1990年当時風の)が全面に響き渡っていて、たぶん桑田さんのボーカルでなければフルコーラスもたないのでは。
 今回我々は、より柔らかくニュアンス豊富なバンド・サウンドに、豊かなジュンコさんのボーカルがのった事で、曲本来の素晴らしさを引き出す事に成功したと思っています。
 ちなみに、ジュンコさんの声のおいしい部分を生かすために、「Terra2」のアレンジではサビで転調しているですが、慣れるとこれがいいフックになっていて、今ではこれなしでは物足りなくなりました。サビのキュンとした感じがより強調されていると思います。

 m4とm5はライブではかなり回数をやっているもので、ずいぶん熟れた感じになっていて、スタジオ・バージョンに比べ格段にグルーヴィだと思います。これぞまさにライブならでは楽しさでしょう。
 もちろん、ドラムとベースのコンビネーションの良さですが、私と土屋さんをふくめたリズム隊のからみが、実に程よい感じになってきているのが楽しいのでした。

 ここで忘れてはいけないことが。ドラムのウエちゃんは、m5のエンディングでのアカペラ・コーラスに新たなボイシング・パートを考えてくれ、それを東京の最終日にトライしました。これが、見事にマッチ。彼の参加により、スタジオ・バージョンのコーラス・アレンジは女性陣と男性陣が離れている感じだったのですが、そこをきれいに埋めてくれたのでした。
 それと、私にロクさんにウエちゃんの3人は時にやりすぎになりそうなぐらい自由になってますなぁ。まぁ、我々がやると「Fake Jazz」ってところかな?自分でいうのも何ですが、かなり面白いです。

詳細(3)へ続く
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by harukko45 | 2010-08-17 18:57 | 音楽の仕事

 先月の1日、名古屋ブルーノートを皮切りに大阪、東京で全10ステージをこなしてきた大橋純子さんのクラブサーキット2010をセットメニューにそって振り返ってみたいと思います。
 
 2007年から昨年までは、どちらかと言えば2枚のカヴァー・アルバム「Terra」「Terra2」からの曲を中心にしたセットでしたが、そろそろ何か変化を求めたい気分がジュンコさん側にあり、「オープニングからノリのいい曲をつなげて、メドレー風に攻めていっては?」というプロデューサー佐藤健さんの提案でした。
 バンドメンバーも揃ってのミーティングで、その提案にすぐ反応したのがベースの六川さんで、彼は「直感とノリ」が売りなだけに、結構ピタっと来る答えをすぐに見つけるんです。

 で、「昔やってたバンドのレパートリーで、オープニングにバッチリの曲がある」と強力アピール。そのバンドとはギターの土屋さんも加わっていたもので、やっていたのは"ベイエリア・ファンクの雄"Tower Of Powerの曲だと言う事。
 しかし、曲のタイトルもわからないし音源もない。この辺が直感派の典型?

 ということで、どちらかと言えば実務派になるであろう私が、ロクさんとオッサンの情報を元にネット検索。残念ながらTower Of Powerのオリジナル・アルバムには収録されていない曲らしいので、その後どういう検索をするかがまさに「センス」として重要でしてね。

 まぁ、どうでもいい事でしたが、とにかくその曲はソウル・シンガーの吉田英樹さんのブログ「吉田英樹の音楽コラム」に紹介されていて、音まで聞けるのでした。(1972年「Lights Out:San Francisco〜Bay Area FUNK #3」に収録)くわしい事は是非、吉田さんのブログで見ていただきたいと思いますが、その"Loves To Do It"はまさにTower Of Powerのユニークなグルーヴ満載でチョーカッコイイ。これで、オープニングはキマリ!そんな気分でした。

 ただし、実際にやってみると、やはりかなり凝っていた。8分と16分のシンコペーションが入り組んだファンキーなリフは印象的ですが、これをグルーヴィに聞かせなきゃダメだし、サブドミナントに展開する部分ではビートが裏表にひっくり返るようになっていて、変拍子のようにも聞こえる。譜面に書いてみれば、なるほどちゃんと考えられている構造なんだけど、それを体得するのには練習が必要。でも、バンドとしては燃えますし、楽しい。正直、ここ数年のライブでは味わっていないワクワク感がありました。

 さて、オープニングはメドレーにしようというアイデアにそって、いろいろな曲が候補に上がりましたが、「ソウルの女王」「レディ・ソウル」ことAretha Franklinの"Chain Of Fools"はソウル・クラシックとしても超有名曲であるし、ジュンコさんがアマチュア時代にも歌っていた経験があるということで決定。Don Covayの曲ですが、まさに全盛期のアレサとそのバンド、アトランティック・レコードの製作陣、ミキサーのトム・ダウドと、言う事なしの大傑作ですな。

 そして、Stevie Wonderの"My Cherie Amor"もあまりにも有名な大傑作。甘くて切ないメロディ、考え抜かれていておシャレなコード使いとアレンジ。「これ以上、何を望もうか?」
 スティービー自身は、この曲以後の傑作アルバム群が何と言っても圧巻なわけですが、今回はちょっと前の時期の大ヒット曲をチョイス。諸先輩の言う通り、確かに、この時期のリラックスしたスティービーは今聞くと新鮮に感じます。

 ちなみに"Chain Of Fools"1967年、"My Cheris Amor"は1969年のヒットで、厳密には70年代の音楽ではないですが、60年代後半から70年代前半までがソウル/ファンク・ミュージックの黄金期であることは間違いないし、70年代後半はファンクよりもディスコ、AORへシフトしていき、ストリートではHip-Hopへと移って行くわけで、この時期(60年代後半~70年代前半)をひとまとめにするのは自然だったと思います。

 さて、このメドレーを洋楽もので固めるのも良かったでしょうが、ここにジュンコさんのオリジナルを入れて、ちょっとした意味合いをつけたいというのもとても共感できました。で、ジュンコさんが久々に聞いた自らのデビュー曲が、今の時代感覚に合っている気がするとのことでした。
 なるほど、なかにし礼さんの歌詞と井上大輔さんのメロディの強烈さ、そして萩田光雄さんのアレンジがこの当時(74年頃)のソウル・ミュージックのニュアンスをうまく取り入れているではありませんか。これなら、スムースにメドレーの中に組み込めそうでした。

m1.メドレー:Loves To Do It~Chain Of Fools~My Cherie Amor~鍵はかえして

 もちろん他にも候補曲はありましたが、最終的にはケンさん&ジュンコさんが4曲を決定して、リハにのぞみました。メドレー全体の流れは最初から変わりませんでしたが、曲のつなぎやテンポ・グルーヴ感についてはいろいろとトライしましたし、ラストの"鍵はかえして"が今っぽくキマるように少しアレンジの変更もありました。
 で、最後にケンさんから「4曲をすべて同じテンポでやってみよう」とのアイデアで、このメドレーはすべてOKになりました。具体的には"My Cherie Amor"は少し早くして、"鍵はかえして"でもノリを止めないようにする感じです。

 実際のステージでは、突然のギターリフからの始まりにお客さん達は意表をつかれた感じでしたが、じょじょにノリだしてくれる方々も多かった。アレサの曲はまだ取っ付きにくくても、"My Cherie Amor"あたりでは一緒に口ずさんでいる様子もあり、とどめの"鍵はかえして"では、昔からのファンの方は拍手喝采、初めて聞く方は「ほほー、これがデビューだったのか!」というリアクションと言えるでしょうか。そういった反応も各会場面白かったですが、何より我々ステージ側が心から楽しめていたことは確か。それで、いつも以上にリラックスした入り方が出来たのも良かったと思います。

 調子に乗って長くなったので、(2)へ続く。
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by harukko45 | 2010-08-15 16:06 | 音楽の仕事

大橋純子/STB139第二夜

 昨夜で大橋純子さんのクラブサーキット2010が終了しました。六本木スイートベイジルでの2日目で、ツアーの大ラス公演でありました。28日のステージがなかなか良かったので、29日もいっちょ盛り上がろうと全員で気持ちを高めてステージにのぞみました。
 
 で、私個人としては、体も神経もすっかりヘロヘロになりましたね。そういえば、昨年のビルボード東京での2日目もそんな感じでしたっけ。
 振り返ってみると、ツアー全般、それぞれのステージではいろいろな事がありましたけど、とにかく無事に全ての行程はこなす事が出来たし、それも高いレベルをキープしながら、それでも「モア・ベター」を目指す気持ちが全員にあったことが素晴らしかったと思います。最後のステージでも、新たにトライしたことがありましたし。

 ある意味、音楽ってその場でパっと消えてしまうのが、逆に素敵なんでしょう。と、ちょっと感傷的にもなってしまうのでした。

 東京2日間、スイートベイジルにお越し下さった皆様には、心よりお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
 セット・メニューの詳細等はまた後日にアップしたいと思います。
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by harukko45 | 2010-07-30 01:22 | 音楽の仕事

大橋純子/STB139第一夜

 大橋純子さんのクラブサーキット2010もいよいよ大詰め、東京公演となりました。今年は昨年のビルボード東京から、再び六本木スイートベイジルに戻っての2日間。その第一夜のステージを無事終えて帰ってきました。大阪でのライブから2週間ほどあいてしまったので、メンバー各自それぞれ多少不安に感じながら、リハではしっかり確認をしておりました。
 で、本番はいい緊張感を保ちながら、なかなか良い内容だったのではないかな、と思っております。今日お越し下さったたくさんのジュンコ・ファンの皆様に感謝感謝であります。そして、明日はいよいよ大ラス、悔いを残さずやり切りたいと思います。
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by harukko45 | 2010-07-28 23:45 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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