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第58回グラミー賞

 3年ぶりにグラミー賞をテレビで楽しんだ。何と言っても、ケンドリック・ラマーのような革新的なアーティストのパフォーマンスにはワクワクさせられました。当然、最優秀アルバムも必至と思ってたら、何とテイラー・スウィフトとは。

 とにかく、ケンドリック・ラマーの「To Pimp a Butterfly」は最高にカッコイイ。リリックがすぐに理解出来る英語圏の人には、その内容の深さに共感できるだろうけど、サウンドだけでもスゴイって感じられる傑作と思う。ラマーは2012の前作「Good Kid, M.A.A.D City」も素晴らしい。私にはNas以来の天才ラッパーの登場に思えたっけ。

 ブルーノ・マーズとの「Uptown Funk」で最優秀レコードを獲得したマーク・ロンソンは、アルバム「Uptown Special」もなかなか。エイミー・ワインハウスのプロデューサーとしか認識してなかったけど、自身でもいいアルバムを作ってたことに去年驚いた。

 最優秀ロック・パフォーマンスのアラバマ・シェイクス「Sound & Color」も昨年よく聴いたアルバムの一つ。いわゆるロック系としては、彼らがダントツだった。ガレージ・ブルース・バンドみたいだった彼らが、セカンドでここまで成長するなんてスゴイ!

 そして、14年ぶりの新作「Black Messiah」で完全復活してくれたディアンジェロ、確かに素晴らしい内容なんだけど、やはり、昨年はケンドリック・ラマーが圧倒的でしたなぁ。
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by harukko45 | 2016-02-16 16:21 | 聴いて書く

グラミー賞2013

 毎年楽しみであるグラミー賞の発表が2月11日にあり、朝からテレビ中継に見入っておりました。でもって、今回はある意味で大きな転換点とも言えるイベントだったと感じました。つまり、昨年のアメリカ音楽業界では大きな地殻変動があったのだという証明。
 それが象徴的に表れたのが「最優秀アルバム部門」で、ノミネートされた作品がどれも力作・秀作揃いで、かなり面白い「アルバム・オブ・ジ・イヤー」となりましたわい。
 
 ここ数年のアメリカ音楽の傾向は、R&B/ヒップホップ&ダンス・ミュージック系vsアメリカン・アイドルを含むカントリー・ミュージック系による2分化が顕著だった。しかし昨年は、ずっと低迷していたロックがついに復権のノロシを上げ、大きなヴァイブを生み出すようになった。
 とは言え、今注目される各アーティスト達は、それほど時代性を意識せずに地道に音楽制作してきた人が多く、確実に支持者を増やしてきた彼らのことを、保守的だった業界関係者がついに認めるようになったと言う事かも。

e0093608_1552040.jpg まずは、ザ・ブラック・キーズ(The Black Keys)。彼らは2001年結成なので、もはや10年以上のキャリア。だが、俄然注目されたのは2010年の6thアルバム「Brothers」ぐらいからで、私もここから。これもかなり良いんですが、まだガレージっぽさ、オタクっぽさが強いかも。ところが、昨年出た7作目「El Camino」が文句なしでイイ!1曲目の"Lonely Boy"を聴くだけでもサイコー!PVもサイコー!ブラック・キーズを聴け!



 今回のグラミーでは、この"Lonely Boy"が『最優秀ロックパフォーマンス』『最優秀ロックソング』受賞。「El Camino」が『最優秀ロックアルバム』受賞。でもって、ギターとヴォーカルのダン・オーバックが『最優秀プロデューサー』をも取ってしまった。プロデュースということでは、「El Camino」だけでなく、ニューオーリンズの生けるレジェンド、ドクター・ジョンの最新作「Locked Down」が彼のプロデュースで、これまた良い。だからの受賞だと思うし、ブラック・キーズとドクター・ジョンのコラボでのパフォーマンスも楽しかった。おっと、ドクター・ジョンは『最優秀ブルース・アルバム』を受賞してました!



e0093608_15522853.jpg ブラック・キーズと比較されることの多いにジャック・ホワイト(Jack White)。これまでに、The White Stripes、The Raconteurs、The Dead Weatherとして素晴らしい作品を出し続けて、私は2000年以降の唯一無二の大天才として敬愛しているのだが、そのジャックが、昨年ついに初めての完全ソロ・アルバム「Blunderbuss」をリリース。これが、実にクールな出来で、もう。
 ただし、彼の場合はこれぐらいは軽々やってしまえるので、私には少し期待外れだったことも確か。彼にしては、ちょっと慎重な仕上げだったのでは、とも思う。だが、それでもかなりカッコイイのですがね。
 残念ながら、今回はノミネートのみで終わってしまったものの、授賞式でのパフォーマンスは圧倒的に凄くて、2010年以降のロックにおいても、彼の存在は最重要であること証明したのでした。ジャック・ホワイトを聴け!



グラミーでのパフォーマンスはコチラ

e0093608_15522548.jpg 3人目は唯一のブラック系である、フランク・オーシャン(Frank Ocean)。彼のデビュー・アルバムである「channel ORANGE」は本当に素晴らしい。だが、実は2011年のミックステープである「Nostalgia, Ultra」も良くって、個人的にはこちらの方が大好き。



 とは言え、今回賞賛されている「Orange」もきっとブラック・ミュージックの歴史に残る作品。とにかく、このところ「マッチョ」ばかりが売りだった気配のR&Bの流れを大きく変える力を持っている。彼の繊細で幻想的な世界は、ジャンルの垣根を越えてしまう豊さと深みがある。それに、何と言っても聴いていて「気持ちがいい」。
 今回は主要3部門を含む6部門にノミネートされる快挙だったけど、残念ながら『最優秀アーバン・コンテポラリー』『最優秀ラップ/ソング・コラボレーション』の2つのみの受賞だったのが「?」。

e0093608_15521351.jpg フランク・オーシャン同様に6部門のノミネートだったファン.(Fun.)は、『最優秀ソング』と『最優秀新人』を受賞。これで、アルバムも取ったらオジサンは怒っちゃうけど、まぁ、そうはならず。
 彼らは2008年の結成ながら、それまで個々にキャリアを積んできた人達で、最優秀新人賞と"We Are Young"で最優秀ソングを獲得した時のスピーチが「僕らは実は若くはないんだ。12年間音楽活動をしている。ファンのみんなのおかげでやってきました」。頑張ってやってきたことが見事に報われたのでした。
 ポップで親しみやすいメロディだし、歌もパワフルでウマイし、曲全体がミュージカルっぽい作りなのが特徴。どことなくクイーン風かな。アルバム「Some Nights」は楽しいし、元気いっぱいで良いんだけど、長く聴いていると疲れので、評価は微妙。ただ、ロックとしては久々に売れに売れて「ニッケルバック以来の歴史的快挙」とか「ロックバンドではコールドプレー以来」ということだから、受賞は当然か。



e0093608_15522243.jpg でもって、『最優秀アルバム』を受賞したのは、マムフォード&サンズ(Mumford & Sons)の「Babel」。これはかなり意外。昨年のアデルに続いて、またしてもイギリス勢とは。
 ただ、彼らはイギリスのバンドなのに、やっているのはアメリカのブルーグラス、カントリー&フォークをベースにしているし、ライブでのパフォーマンスもなかなか素晴らしいんですなぁ。そこら辺がアメリカでも熱狂的に受け入れられているのでしょう。
e0093608_19264080.jpg 何しろドブロ・ギターの神様で、あのUnion Stationのメンバーであるジェリー・ダグラスさんのアルバムにも呼ばれるぐらいだし、ライブでも共演してるし。
 私としてはちょっと力が入りすぎに見えるのと、「実はものすごくナイーブです」的ムードが、ちょっと引くんですけどね。

 でも、結局のところ売り上げが凄くて、全米チャートに6曲もランク・インし、ビートルズに並んじゃったんだから、これはもうかないません。ザ・ルミニアーズ(The Lumineers)なんかと共に、こういうバンドがまさにトレンドでもあるのでしょう。エコ志向というか、ナチュラル志向というか。



e0093608_18461319.jpg 「アルバム・オブ・ジ・イヤー」にはノミネートされてなかったけど、出来れば新人賞をあげたかったのは、アラバマ・シェイクス(Alabama Shakes)。彼らのデビュー・アルバム「Boys And Girls」は結構聴いてますし、大好き。ボーカルのBrittany Howardがサイコー。グラミーでは、ザ・バンドのリヴォン・ヘルム・トリビュートで、名曲"The Weight"をエルトン・ジョンやメイヴィス・ステイプルズとともに、堂々たる歌で聴かせてくれた。
 まだまだ、伸びしろのあるバンドだから、新人賞なんかで終わる感じじゃない。だから、結果オーライかも。アラバマ・シェイクスを聴け!



グラミーでの"The Weight"はコチラ
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by harukko45 | 2013-02-14 19:32 | 聴いて書く

第54回グラミー賞

 今年のグラミー賞授賞式は、前日のウィットニー・ヒューストンの突然の死が全体を覆うような感じでした。特にR&B系のアーティスト達にはショックと悲しみが、少なからずパフォーマンスに影響を与えていたのかも。WOWOWの放送でゲストとして登場したパティ・オースティンが、そういった若いアーティスト達に激を飛ばすようなシーンがあったのは印象的でしたなぁ。
 WOWOWの特設スタジオに登場したゲストの中では、パティの他にもシンディ・ローパーがなかなかの毒舌で面白かった。特にラストのポール・マッカートニーらによるアビイロード・メドレーでのパフォーマンスで、6人の男性ギタリストがソロを回しまくるシーンを、「男、男、男、男...」これじゃまるで性差別よ、なんて言ってたし。この二人のオバサマの歯に衣着せぬ元気な発言に個人的には大いに盛り上がっちゃいました。

 とは言え、各パフォーマンス、今年はなかなか見所が多く、これはこれでかなり楽しめました。

 まずは、オープニングのブルース・スプリングスティーン、さすがです。サックスのクラレンス・クレモンズが昨年亡くなったのが、ほんとにさみしいが、それでもスプリングスティーンは立派に健在ぶりを示した。

 一昨年から大ブレイク中のブルーノ・マーズは、正直ヒットした曲がどれも好きになれない感じだったのだが、今回の50(60?)年代風に決めたパフォーマンスは楽しかった。まぁ、曲自体はたいしたことないんだけど、ノリの良さで飽きさせなかった。後半はジェームス・ブラウンになり切ったりしてたのもなかなかでした。

 今年1月に亡くなったエタ・ジェイムズへのトリビュートで、アリシア・キーズとボニー・レイットの競演。うー、スライドが聴けなかったのは残念だったが、ボニー・レイットがやっぱり素敵だった。(シンディ・ローパーが「なぜ彼女にスライドを弾かせないの!」とお怒りでした/ちなみに、これはポールのパフォーマンスの時ですが。)

 クリス・ブラウン、ダンスは頑張ってましたが、興味なし。
 ジェイソン・アルディーンとケリー・クラークソンのデュエットも、フムフムなるほどって感じ。ヒップホップ・ダンス系vsカントリー系という2大勢力による図式は今年も顕著な特色でした。その谷間でロックは沈む。

 フー・ファイターズ、実は数日前に彼らの自伝映画と言える「Back And Forth」を観て、何とも興味が再び沸いてきていたので、けっこう期待してました。前から結構好きではあるんだけど、ここ数年はちょっと遠ざかっていたわけで。まぁ、とにかくガンバッテる!って感じがするバンドで、憎めません。なんだかんだ言ってもデイヴ・グロールの男気あるリーダーシップなしでは、ここまで来てないでしょう。

 リアーナとコールドプレイ、こちらは興味なし。コールドプレイも、ずっと売れ続けてすごいとは思うけど、どうにも彼らへの熱はすっかり冷めてしまった。そういえば、リアーナとクリス・ブラウンは元恋人で、暴行事件起こして破局したんだっけ。それでも、両方をステージに上げちゃうアメリカの芸能界はすごい。

 ビーチ・ボーイズ50周年再結成へのトリビュート。マルーン5なんか引っ込め!フォスター・ザ・ピープルは許す。そして、本家ビーチ・ボーイズの登場での"Good Vibration"には、いろんなことを全て抜きにして、感動です。メンバーはみんな化石のように固まってたけど。ダリアン・サハナジャをはじめとするブライアン・ウィルソンのバックバンドの面々が支えていたので、パフォーマンス的には安心して楽しめた。

 ブライアンの後に、ポール・マッカートニー。これも因縁付けかな。ポールははっきり言って怪物的な部分があるので、永遠に若いのでしょう。新譜のアメリカン・スタンダード集に合わせたパフォーマンスは、あまり好みじゃなかったけど、相変わらずレベルの高さは十分示しました。

 テイラー・スウィフト。いやぁ、やっぱ好きですし、このところ一段と美しくなりました。こういうパフォーマンスを常にコンサートでやっているんだったら、きっと楽しい。それから、彼女を紹介するために「前座」として歌ったザ・シヴィル・ウォーズ、かなり良かった。注目したい。

 ケイティ・ペリーは、元夫へのあてつけパフォーマンスだったそうだが、まぁ、元々期待してないので、どうでも良かったです。

e0093608_22172871.jpg アデル。2年前の素朴な感じも好きだったけど、今回は文句なしの6冠制覇。始まる前から「アデル・ナイト」を予想していた人は多かったし、まさにその通りになった。パティ・オースティンからも大絶賛のコメント(WOWOWでのインタビュー)だったし、「今まさにイノベーションを起こしているのよ」とまで言わせたのだから、凄い。ただし、喉の手術を受けた直後ということについて、パティは「発声が悪いから」と一喝。「オペラの発声を習うべき」とも発言していたのが、興味深かった。

 とは言え、「Adele 21」が良い出来なのは間違いない。なぜ、このアルバムが去年こんなにも売れたのかについての分析は、ミュージック・マガジンの1月号での長谷川街蔵さんの記事が面白かった。
 簡単に言うと、リベラルと保守に分断されたアメリカでは、ポップミュージックの世界も、ヒップホップ〜R&B〜ダンス系とカントリー〜アメリカン・アイドル系に分断されてしまっており、そのリスナーの壁を飛び越えたのが、イギリス人ボーカリストだったということ。どちらかの陣営のみターゲットにしたアーティスト達は知名度や露出度の割に売り上げには結びつかなかった。

 それに、派手な仕掛けやダンス中心のパフォーマンス(どうせクチパクだし)も、そろそろ飽きました。そこに、彼女のように、「歌のみ」で勝負してきたのは圧巻だった。

 グレン・キャンベルへのトリビュート。この日、一番感動した!バンド・ペリーとブレイク・シェルトンもすごく良かったですし、最後に迎えた御大グレン・キャンベルがなんと素晴らしかったことか!"Rhinestone Cowboy"に涙ですよ、涙。

 ジェニファー・ハドソンのウィットニー・ヒューストン・トリビュート。突然の悲報を受けて急遽行われたパフォーマンスだったろうが、よく頑張っていたと思うし、大役を見事につとめた。歌った"I Will Always Love You"はドリー・パートンのバージョンの方が好きだし、ピアノが一瞬違うコードに行ってドキっとしたが、それでも思わず聴きながら熱いものがこみ上げる瞬間があった。
 ウィットニー・ヒューストンは素晴らしいボーカリストだったし、本来ならクイーンとしてもっと長く君臨することのできる人だったと思う。

 トニー・ベネットとキャリー・アンダーウッドは、ピアノの方がうまくて素敵でした。「アメリカン・アイドル」出身のキャリー・アンダーウッドもこういうスタンダードがうまいことがよくわかりました。

 クリス・ブラウン&デイヴィット・グエッタ、フー・ファイターズ&デッドマウ5。これは企画だおれ。まぁ、こんなもんでしょう。無理して、若向きにしなくてもいいのでは。メジャーでやっても面白みはない。

 ニッキー・ミナージュ。演劇的な部分は面白かったけど、全体としては「なんだかなぁ」でした。

 そして、アデルが6冠達成した後に、大ラスは再びポール・マッカートニーで、自身のバンドを引き連れての「アビーロードBサイド・メドレー」の「ポール部分」ラスト3曲。これは、ビーチボーイズの"グッド・バイブレーション"と同じで、まず、なんだかんだ言ったって、圧倒的に音楽レベルが高いってこと。でもって、結局、これらの偉大な楽曲を越えるようなものをポップミュージックは未だに作れていないって結論。
 60年代に魔法のようなポップスを作った、かつての(今も)スター達は、ついに70才へ。正直、この日の出来はそんなに良くはなかったし、スプリングスティーンやジョー・ウォルシュ、デイヴ・グロールを加えてのいかにもグラミーっぽい演出がダサかった。でも、"The End"の抗し難い素晴らしさに、文句なんて誰が言えるかってこと。

 などなど、と要らぬ御託を並べながらも、大いに楽しんだ今年のグラミーでした。
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by harukko45 | 2012-02-14 23:11 | 聴いて書く

第53回グラミー賞

 このところは、リハーサルとライブが続いて、ブログ更新する余裕がありませんでしたが、今日から暇になりましたので、ぼちぼちアップしていこうかと思っております。

 まずは今日午前中に放送された「第53回グラミー賞」の感想を簡単に。まぁ、正直、アメリカを中心としたポピュラー・ミュージックはすでにかつてのような強い影響力を持っているとは言い難いのですが、それでもやはりグラミーぐらいはチェックしておるのです。
 
 今年の受賞はかなりサプライズだったようですが、私自身はその手に興味がどんどん薄れてきているので、最優秀アルバムのアーケイド・ファイアも、最優秀レコードと最優秀楽曲など5部門受賞のレディ・アンテベラムも、あまりピンと来ませんでした、残念ながら。

 そんな中では最優秀新人を受賞したエスペランサ・スポルディング、これまた大きなサプライズだったようですが、こういう人にスポットをちゃんと当てるあたりは、さすがグラミーと感心しました。彼女の「Chamber Music Society」、なかなかのアルバムですし、すごい才能の持ち主ですが、ノラ・ジョーンズのような感覚を期待してはいけませんね。内容はかなり教養の高い音楽です。うー、これも1回聞けばいいかな。

 パフォーマンスではまずオープニングでやった、現在がんで療養中のアレサ・フランクリンへのトリビュートがなかなかの聞き物で、ぐぐっとテレビに引き込まれましたね。マルティナ・マクブライド、ヨランダ・アダムス、クリスティーナ・アギレラ、ジェニファー・ハドソン、フローレンス・ウェルチのボーカル、皆さん素晴らしかったし、選曲がよく、それをメドレーにしたアレンジも良かった。

 ボブ・ディランと競演したマムフォード&サンズ、アヴェット・ブラザーズともになかなか面白かったのだが、肝心のディランは、まぁ登場しただけでオッケーという感じ。ご本人はけっこう楽しそうだったけど。
 亡くなったソロモン・バーグへのトリビュートで登場したミック・ジャガーは、年齢を感じさせない動きで頑張っておりましたが、正直、それがかえって「痛い」感じも。

 バーブラ・ストライサンドは、声がすっかり衰えて、かつてのような圧倒的な歌唱ではなかったものの、心に強く響くパフォーマンスでした。今回一番感動した。「Ever Green」、曲も最高ですな。

 比較的若手の方では、ノラ・ジョーンズ、ジョン・メイヤー、キース・アーバンによる「ジョリーン」が良かった。これはドリー・パートンへのトリビュートでしたが、何と言ってもキース・アーバンのギターがうまい!
 それと、ミランダ・ランバートが良かったです。若手の中では一番共感できたかも。

 レディー・ガガは昨年の方が面白かった。ブルーノ・マーズ、ケイティ・ペリー、ジャスティン・ビーバー、あとは、リアーナに復活したエミネム...等々、すみません、興味沸きませんでした。

 さて、フィナーレで最優秀アルバムを受賞したアーケイド・ファイアは予定にない、自らの判断でのアンコール演奏には驚いた。バーブラ・ストライサイドとクリス・クリストファーソンという「スター誕生」コンビがエンディングの挨拶をしているのも無視しての演奏というのは、喜びの爆発とは言え、ちょっといただけなかった。

 で、全体的な印象としては、ポピュラー音楽の博物館化がかなり急激に進行しているように思ったこと。正直、若いアーティスト達に壁を打ち破り、時代を突き動かしていくようなエネルギーをあまり感じることができなかったし、方やリスペクトされているベテラン達も、かなり年齢が気になる状態が顕著だったからだ。
 こうなってくると、アメリカ音楽もエンターテインメントとしての楽しみよりも、「学問」的な内容に移り変わっていくように感じるのだった。
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by harukko45 | 2011-02-14 22:29 | 聴いて書く

グラミー賞

 第52回のグラミー賞、なかなか面白かったです。今年は何やらショウの演出家が代わったそうで、そのせいか、全体に良いパフォーマンスが多かったし、見せ方にも驚きがあった気がします。

 で、非常に顕著に感じる事は、「ヒップホップ・ソウル系」と「カントリー系」の二大勢力が今のアメリカン・ミュージックってことでしょうか。

 最多の6部門を獲得したビヨンセは正直、最後の「アルバム・オブ・ジ・イヤー」を獲れなかったが痛いのでは?つまり、数はもらったけど、肝心なものはテイラー・スウィフトに持ってかれた、って感じ。
 個人的な思いとしても、確かにビヨンセはここ近年で最も素晴らしいボーカリストの一人だとは思うけど、そのパフォーマンスが何か今ひとつガツンと来ないんですね。だから、レディー・ガガ(特に後半のエルトン・ジョンとのコラボは良かった)や、水に浸かったあげくにシルク・ド・ソレイユばりにぐるぐる回されたP!nkとかの方が印象に強く残っちゃったのでした。

 そんでもって、賞レースのライバルとなったテイラー・スウィフトは、緊張からかピッチなんかはあやしいところがあったものの、何とも心地よい歌声と曲のムードが予想以上に好印象。しかし、2曲目に登場してコラボしたスティービー・ニックスのあまりの変貌ぶりには驚いた驚いた!御年61歳か、いやぁフリートウッド・マックが一番売れた70年代後半、そしてソロとして活躍した80年代初頭の「妖精」イメージは全くありませんでしたなぁ。
 なので、しばし唖然として見ておりましたが、妖精ならぬ妖怪(失礼!)のような彼女に負けないテイラーちゃん、なかなかやりますよ。

 同じくカントリー系では、最優秀新人となったザック・ブラウン・バンド、こいつらはウマイ!年間200回のライブをこなして来たという実力はホンモノだわな。これはライブでウケるでしょう。途中で、レオン・ラッセルが加わってのコラボでしたが、正直レオンさんはおまけでしたね。彼らだけでガツンとやってほしかったかと。とは言え、イイッ!

 ヒップホップ系では、ブラック・アイド・ピーズが実績通りの貫禄を見せたけど、まぁ予定調和とも。それはエミネムらにも言える。ただ、この時のドラマーのパフォーマンスは面白かったけど。

 それよりも、何と言っても悲惨だったのはロック系。まずはグリーン・デイのミュージカル?まぁ、勝手にどうぞって感じか。もういい加減パンク風の売りはやめて欲しい。
 スペシャル的な扱いだったボン・ジョヴィは今回の中で最も場違いで、地味ーな内容でした。とにかく、1曲目のイントロだけで、サウンドもアレンジも「古くさっ!」と思ったよ。

 そこ行くとジェフ・ベックはレス・ポールへのトリビュートとして登場で、さすがに颯爽としたプレイを聴かせてくれたのだが、企画としては面白かったけど、いかんせん"How High The Moon"1曲だけであっさりとした内容だったので、ちょっとガッカリ。

 マイケル・ジャクソンへのトリビュートも、同じくあっさりめで、期待したほどでは。映像を3Dで見れたら、もっと凄かったのかもしれないが。

 おっと、忘れるところだった。マックスウェルの復活はめでたい。彼こそ、現代のマーヴィン・ゲイ、彼のボーカルも作り出すサウンドも実にユニークだし、すっごく惹かれる。あまり長く休憩しないで、もっとコンスタントに制作していってほしいです。
 パフォーマンスではオリジナルの後に、ロバータ・フラックが登場して、まぁオキマリとも言える「Where Is Love?」のデュエットとなり、確かにロバータへの敬意はわかるけど、ザック・ブラウンと同じく、彼だけで構成してほしかったと感じた。でも、今後に期待したいアーティストです。

 というわけで、出来不出来はあるものの、いろいろ盛りだくさんで、全体としては例年以上に楽しかった今年のグラミーでした。
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by harukko45 | 2010-02-01 23:34 | 聴いて書く

グラミー賞

 ここ数年の中では、けっこう面白かった方ではないかな。全体的にパフォーマンスで楽しめたものが多かったのが良かったです。

 フランク・シナトラ(映像)とアリシア・キーズのデュエット(さすがアリシアだけど、ちょっとニュアンスつけすぎかも、この手はナタリー・コールがやっぱいいかなぁ)に始まって、

 シルク・ドゥ・ソレイユらによるビートルズへのトリビュート・ライブ(黒人少年のアカペラとゴスペル隊による"Let It Be"が新鮮)、

 キャリー・アンダーウッド(どうしちゃったんでしょうか、ブリトニー・スピアーズになるつもりか、つまんない)、

 おっと懐かしいザ・タイムが再結成してリアーナと競演(タイムの軽快なノリがプリンス全盛時を思い起こさせて楽しかった)、

 カニエとダフト・パンクのコラボ(まぁまぁ。ダフト・パンクは好きだけど、カニエは私には別段どうもねぇ)、

 ファーギーの歌にジョン・レジェンドがピアノで伴奏(ジョンはちゃんと弾いてたのかなぁ?でも好きだからいいや。ファーギーの"Finally"は年間ビルボード・チャートNO.1だったはずだけど、グラミーは何もあげないの?)、

 ティナ・ターナーとビヨンセという骨盤系の競演(ティナはやっぱ最高、"Proud Mary"での競演楽しかった。)、

 フー・ファイターズ(相変わらずの力みすぎ、音楽的には嫌いじゃないんだけど、最近段々興味がなくなってきた)、

 ブラッド・ペイズリー(ここ例年のカントリー・パフォーマーの充実ぶりに比べるとちょっと役不足、しかしこの人はギターめちゃウマなんです、実は!)、
 
 アレサ・フランクリンのゴスペル・パフォーマンス(アレサに大感動、声も衰え高音も出ないが、それでも素晴らしい。本物の偉大さに敬服。相手役のビービー・ワイナンズも立派。だが、その後のパフォーマンスはいらなかったし、つまらなかった。最後に再びアレサが登場してくれたのは良かったが、とにかくアレサだけにしぼって、もっと敬意を込めた作りにしてほしかった)、

 ファイスト(よかった。カナダ人アーティストらしい繊細さが好感持てたなぁ)、

 アリシア・キーズとジョン・メイヤー(大活躍のアリシアはもうアメリカ音楽界の新しきリーダーですな。ジョン・メイヤーはグラミーのパフォーマンス部門では引っ張りだこって感じで、毎回登場ね。使いやすいのかなぁ)、

 ハービー・ハンコックとラン・ラン(つまんないラプソディ・イン・ブルー、こういう教養ぶった演出がグラミーの保守性の現れね。何の意味もないのに、有り難がる感じで、全然良くなかった)、

 エイミー・ワインハウス(今回、全てに特別待遇のエイミーはロンドンから。はっきり言ってそんなに高く評価する人じゃない。これはプロデューサーの勝利。彼女はたいして良いパフォーマーとは言えない。今回、いっぱい賞をあげ過ぎて次はかなり苦しいね。とにかく、ライブの出来の悪さにがっかり)、

 アンドレア・ボチェッリとジョシュ・グローバンによるルチアーノ・パヴァロッティ・トリビュート(つまらん、ちっとも感動的じゃない。こんな歌で癒されるなんてどうかしてる。パヴァロッティの素晴らしさを知っているなら、もっと敬意を持ってほしい。こういう安直な企画を恥ずかし気もなくやってしまうところがアメリカの大らかさということか?)、

 ジョン・フォガティ、ジェリー・リー・ルイス&リトル・リチャード(素晴らしい!ジョン・フォガティ62歳?!それでもこの歌かよ!すごい。で、ジェリー・リー・ルイスはちょっと化石っぽかったけど、リトル・リチャードの凄みは何だこりゃ!70越えてる?80歳?凄い、力強いピアノとシャウト。感動です。リトル・リチャード、ほんと大好き!)、

 ウィル・アイ・アム(やっぱ、才能あるね、この男。カニエ・ウェストにはあまり共感できない私には、今はウィル・アイ・アムが最高。で、実はここにマイケル・ジャクソンが来る予定だったのに、本番すっぽかすなんて!リハまでやってたって言うのに、すごいね)、

 で、最優秀アルバムがハービー・ハンコック、これには全世界がブっ飛んでしまうほどの驚きでしたね。評論家の松尾潔氏が思わず「グラミーは空気読めてない」と言ったことに、大きく賛同です。
 正直、エイミー・ワインハウスの過大評価といい、今年のグラミーは妙だった。でも、全体的は楽しめましたよ。
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by harukko45 | 2008-02-12 16:25 | 聴いて書く

グラミー賞

 49回目のグラミー賞は、最終的にDixie Chicks一色になったことで、個人的には満足だし当然と思ったが、全体のライブ・パフォーマンスにおいては年々落ちていくような気配を感じたし、それだけアーティストのレベルが(特にライブ!っていうことにおいて)下がっていると言えるかもしれない。

 もうすでに、かつてのようにアメリカ(+イギリス)が圧倒的に優れている状況ではなくなったのは明白で、どちらかと言えば全世界に(ブラック・ミュージックをベースにした)ポピュラー音楽作りの方法が広まり、それを誰もが楽しむようになったことにより、段々その音楽すべてが薄まってしまったのだろう。
 もはや、現在のアメリカのポップ・ミュージックにマジックは存在しないし、天才もいない。なので、夢中になって新しい音楽を見つけよう、なんて気はおきないし、そのような迫力を音楽業界全体からも感じられない。

 というか、60年代70年代のように、そもそも「革新的な」ものを音楽に求めることが、少しおかしかったのかもしれず、今のような状況こそが本来の「大衆音楽」としての有様なのかもしれない。
 だから、ディクシー・チックスのようにデビュー当時からいい曲を、いい演奏をバックに、いい歌を聴かせるという、基本的な部分がしっかりした人達が評価されることに至極納得するのは、大した能力もないのに「個性」ばかり主張する風潮に、聴き手の方が(いや、私が)うんざりしているからなのだろう。

 さて、今年のパフォーマンスで一番印象に残って良かったのはディクシー・チックスとクリスティーナ・アギレラだ。ディクシー・チックスはそれでも普通だったと思うが、アギレラはあのジェームス・ブラウンをカヴァーするという大変難しいパートにもかかわらず、かなり健闘していたし、はっきり言って他のブラック・ミュージック系のボーカリストが全バツだったのを見れば、JBを歌うのは彼女しかいなかったんだな、ということだ。

 おー、本編の低調さですっかり忘れていたけど、オープニングのThe Policeの再結成は思った以上に良かった。それもロクサーヌ1曲だけでさっさと帰ったのがいいね。とにかくショウと全然関係ない!って雰囲気がカッコよかった。
 スティングも、完全にバンド時代のムードが漂っていたし、スチュアート・コープランドのオバカぶりも健在。アンディ・サマーズはさすがに老けたような感じだったけど、元々重鎮だったしね。逆に変わってなかったと言えるか。
 で、これで再結成ツアーも決まって日本にも来る?らしい。とにかく、あの衝撃のデビュー当時のトリオのみでのパフォーマンスをできるだけ復活させてほしい。それなら絶対に観に行きたい。

 うーむ、今回のグラミーで一番革新的な音楽を聴かせたのはポリースだったか!
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by harukko45 | 2007-02-14 15:22 | 聴いて書く

 ライブ放送は見れませんでしたが、第49回グラミー賞では主要3部門(ベスト・アルバム、ベスト・レコード、ベスト・ソング)をディクシー・チックスが独占したのは大変喜ばしいです。
 今回は、本命不在のように言われていたけど、この結果に私は大満足です。メアリー・J?ジェイムス・ブラント?レッチリ?コリーヌ・ベイリー・レイ? 実力内容からしてディクシー・チックスで当然でしょう。まったく文句ないですね。

 それと、2003年、イラク戦争時に公然とブッシュ大統領を批判し、それによって数々の迫害やバッシングを受けながらも見事に復活、それも理不尽な批判者達に堂々と「復讐」するかのような力強さをみせた彼女達は実に立派でした。今や、ブッシュ政権の方が死に体、アメリカ世論だって戦争反対が優位になってきているわけで、ますます彼女達の覚悟ある一貫した姿勢を高く評価するべきでしょう。

 もちろん、それを納得させる音楽的内容が求められるわけですが、そのプレッシャーに打ち勝ったのだから、アーティストとしての格の違いは明白であります。それに、こういうストーリーに反応しやすいアメリカの風土があるでしょうね。音楽業界も「お詫び」的な思いもあったと言えるかな。だからといって、彼女達の受賞にケチがつくような事はありません。

 明日の再放送でじっくり堪能したいと思いますが、まずは私からもお祝いの思いを送ります。Congratulation,Dixie Chicks! You got it!
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by harukko45 | 2007-02-13 00:00 | 聴いて書く

グラミー賞

 おいおい、U2が5冠(プロデューサーのスティーブ・リリーホワイトの「最優秀プロデューサー」も含めれば6冠)って、そうなの? とただただ驚きの今年のグラミーだった。
 U2の"How To Dismantle An Atomic Bomb"ってそんなに良いアルバムだったのか?私としては、発売当時に1曲目の"Vertigo"のイキオイに押されて無条件で買うつもりが、CD店で試聴するうちに「ま、いいか。」に変わって、結局その後も買わずじまい。遅ればせながら、ちゃんと聴いてみるかなぁ。

 ただし、基本的にU2は苦手なバンド。"New Year's Day"が入っている3rdアルバム"WAR"あたりの頃はサウンド(エッジのギターときついコンプを効かせてディレイ処理したピアノ)が気に入ってよく聴いたのだが、世の中の評価とは逆に"The Joshua Tree"が大ヒットした時は興味を失っていたのでした。その後の彼らはよく知らないし、どんどん苦手な感じに変貌していった気配だったのでますます聴かずに。ただし、一度B.B.キングと一緒に来日した時は観に行った。もちろん私にとっては、B.B.キングの方が圧倒的に良かったけど。
 でも、よく考えれば今作のプロデューサー、S・リリーホワイトは過去にピーター・ゲイブリエルの3枚目やXTCの初期などの傑作、問題作を手がけた人物だし、"WAR"を含む初期の彼らも手がけていて、今回久々のカムバックがこの高い評価に結びついたわけだ。あのゲート・リバーブの生みの親とも言うべき、イギリスが誇る変人プロデューサーの代表であった彼がグラミー・ウイナーとは!これに関しては素直にめでたいです。

 にしても、私はマライア・キャリーにもう少し賞をあげても良かったと思うがなぁ。ライブ・パフォーマンスは全出演者中で最高だったし、すっかり聴き惚れてしまったというのに、目立った受賞がなくてかわいそうだった。

 それに比べて全く不満なく、予想通りに最優秀新人の他3部門を受賞したジョン・レジェンド!こちらは将来有望、今後も期待十分の才能豊かな26歳でした。女性ではアリシア・キーズ、そして男性ではジョン・レジェンドとR&B界は明らかに新しいスター、それも強力な存在がそろってきたね。アルバム"Get Lifted"はデビューにして一家に一枚の大傑作であることは間違いない。私もかなりハマッております。
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by harukko45 | 2006-02-11 00:34 | 聴いて書く

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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