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ウィーン2007(7日目)part1

e0093608_1857136.jpg 日曜の朝は各教会でミサがあります。特に市の象徴でもあるシュテファンス・ドームでは小編成のオーケストラと合唱、独唱者4人にオルガンという編成でモーツァルトの"Piccolomini-Messe"が演奏された。これが、とっても良かった。2005年に来たときと同じようにオルガンの横でずっと立って聴いていたが、1時間半ほどのミサがちっとも長くなかった。我々のようなキリスト教徒でないものは、どうしても音楽以外の部分はチンプンカンプンだし、普通はただただ辛くなるばかりなのだが、今日はまったくそういうことはなかった。神父さん達のお説教や讃美歌など段取りはすべて決まっているのだろうが、その合間に挟まれるモーツァルトの音楽が実に良かった。これなら、誰だって飽きない。きっと、昔の人々もこのような音楽を聴きながらなら、朝から教会に行くのも苦痛ではなかっただろう。

 正直、音楽のみが目的である観光客ゆえの傍若無人の振る舞いに、多くの熱心な信者の方達は不愉快だったろうが、言葉がわからなくても、音楽の素晴らしさと教会のもつ厳粛な雰囲気が相まって、とても感動を受けたのだった。極めて有能な作曲家がいると、宗教的なものも人種民族を越えてしまうのだろう。

 ミサが終わると、皆が散会する際にオルガニストがソロで演奏するのだが、これがなかなか弾きまくってくれて面白かった(演奏のみならず、音色の切り替え、鍵盤の弾き分け、ペダルの調整、足によるスイッチング等大忙し!)。曲はわからないけど、ちゃんとした感動的な曲です。なので、音楽好きは結局帰らずに最後までそばで聴いているのでした。そして、終わると聴いていた人々がささやかながら拍手を。奏者は軽く会釈をするって具合でした。

e0093608_1963059.jpg とても晴れやかな気持ちで外に出ると、ケルントナー通りをブラスバンドの音が聞こえてきて、それがどんどんこちらに向かってくるのでした。それはかなりの人数の楽団と行列で、皆チロル風の民族衣装を着て行進しているのでした。ワクワクさせられるオーケストラ、荘厳なオルガンに続く、この突然のブラスバンドの強烈な行進曲の響きはまるで、マーラーの交響曲をそのまま地で行くって感じでした。

e0093608_18585191.jpg つられて、一緒についていくとその一団はシュテファンス・ドームに入っていきました。そして、再びミサが始まったのでした。今度はブラス・オーケストラによる演奏で取り仕切られるのでした。さすがにダブルヘッダーはきついので引き上げましたが、なかなか面白いものをみせてもらいました。

e0093608_1965790.jpg さて、そして向かったのはウィーンで最も有名なコンディトライ、デーメル"Demel"です。いよいよ今回もきてしまいました。旅も終盤、クライマックスを演出する重要な要素となるデーメルのケーキというわけです。とりあえず、トリュッフェル・トルテとアプフェルシュトゥルーデルを持ち帰りましたが、とにかくお店に入っただけで、うれしくなるような華やかさと立派さです。これだけで、美味しさがわかるというもの、気持ちをウキウキさせてくれるのでした。おまけに対応してくれた女性が可愛らしかった。うーむ、まだ食べてないけどこれだけでも、やっぱりデーメルが一番!ってことになってしまうのでした。

e0093608_190192.jpg で、食べました。さすがです。アプフェルシュトゥルーデルは日本支店の2倍以上の大きさですが、大変上品でありながら濃厚な美味しさで、いくらでもいただける名菓です。ご飯代わりにもなりますね。トリュッフェル・トルテはいわゆるトリフ・チョコレート・ケーキですが、これも絶品。とても甘いですが、それがうんざりするようなたぐいではなく、ギリギリのあやうさのところで、ちゃんと踏みとどまっています。そこが貴族的ともいえる感じに仕上がっていると思いますね。本当にうまかった。これは日本支店にはないね。
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by harukko45 | 2007-01-29 19:07 | 旅行

ウィーン2007(6日目)

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 朝からとても天気がよく晴れ渡っていたので、もろに観光モードで路面電車に乗って、久しぶりにシェーンブルン宮殿に行ってみました。マリア・テレジア女王時代の夏の宮殿ですから、冬はいかがかとも思いますが、行ってみるとやはり奇麗な姿と色(マリア・テレジア・イエロー)の宮殿だし、広大な庭園を散歩するだけでもなかなか気持ちのいいものでした。もちろん、宮殿内部の見学や庭園内にある植物園や動物園といろいろコースがあるのですが、そういうところはもう入りません。最初に来た時に観たので十分でしょう。なので、ブラブラ歩くのみです。
 オーストリア皇室関係ではこのところの一番人気はフランツ・ヨーゼフ皇帝の王妃、エリーザベトでしたが、最近の映画などでマリー・アントワネット人気も来るでしょうか?

 さて、夕方頃ホテルに帰ると、夕立ならぬ夕雪?かよってぐらいの集中豪雪、であっという間に一面真っ白です。でも、これも1時間ほどでやみ、再び晴れ間が。これで、夕食に出かけられます。

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 で、やってきたのはエステルハージー・ケラー"Esterhazykeller"。昔ながらのホイリゲ・スタイルのワイン・ケラーです。なにしろ元々ワインの蔵だったものを改造しているので、地下に降りて行くと、レンガ作りのドーム型の部屋になっていて、雰囲気がなかなか良いのです。オーストリアのワインはドイツと同じようにほとんどが白ですが、赤もあるし、ここではビールも飲めます。でも、やはりエステルハージー城の醸造所で作った白ワインを飲んだわけです。何しろ1/4リットルで2ユーロってとこですから、安いしウマイ。甘ったるいかんじでなくさわやかでフルーティな味で飲みやすい。他にもワインの種類は多数。
 食べ物はビュッフェ・スタイルで、自分で取りにいきます。その分料金は安くなっています。シュヴァイン・シュニッツェル(豚肉のカツレツ)カルトッフェル・サラダ(ポテトの酸っぱいサラダ、美味)ブラート・ヴュルストゥル(焼きソーセージ)クラウト・サラダ(キャベツのサラダ)を頼みました。どれもうまかったです。
 ちなみにエステルハージー公はハイドンのパトロンだったと思ったけど...。

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 ほろ酔いでいい感じまま、カフェのハヴェルカ"Hawelka"に向かいコーヒーで酔い覚まし。でも、この店自体が異空間のようなので、別の意味で酔います。タバコの煙度高く、コーヒーも濃い。古いたたずまいを頑固に残したままで、かつて作家やアーティスト達がたむろしていた雰囲気が確かに漂っています。古き良きウィーン、ウィーン気質といったものを誇り高く主張しているのでした。
 おお、今日は思いっきり観光モードでした。とってもウィーンらしい場所を巡るのも面白かったです。

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そして今日のクラプフェンはウィーンにたくさんのチェーンを持つパン屋の代表アンカーAnkarのものです。気分を変えてバニラ・クリーム入りにしてみました。が、味はイマイチでした。バニラ・クラプフェンはやはりハイナーが最高です。
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by harukko45 | 2007-01-28 08:30 | 旅行

e0093608_18413225.jpg 夜、テアター・アン・デア・ウィーンにモーツァルトのイドメネオを観に行きました。3階の右側でしたが舞台もちゃんと見えたし、何より音響が非常に良く、内容も大変いい出来でした。これまで生で観たオペラの中でもベスト3に入るものでしょう。旅の間に、何だかんだいろいろなことがあっても、こういう素晴らしいステージを見せつけられてしまうからウィーンはたまらないのです。

 作曲家の素晴らしさ、オケの素晴らしさは言うまでもありませんが、今日は、歌手もスターがいるわけではないけど、全員のレベルが高かったし、合唱も大変素晴らしかった。オケと合唱による部分で、何度背筋がゾクっとしたことか。演出も題材がギリシャものなので、まさに遺跡の円形劇場を模した舞台に、それぞれのシーンでの象徴的な小道具を置くと言うものでしたが、そのシンプルさが逆にテーマを明解にしていて、何かしら「暗示」を示しているようでもあり、実に効果的だった。
 そして、指揮者のデ・ビリー氏(Bertrand de Billyベルトラン・ドゥ・ビリーが正しいらしい)がすごく良かった。よく全員を統率して、とっても音のバランスがよく、いざと言う時の劇的効果も満点で、本当に感動させられました。特に、1幕目と続けて演奏された2幕目の内容の濃さにはすっかり心を奪われてしまったのでした。終演後にも「ブラボー!」の拍手が続いて何度もカーテンコールがあったのも納得です。いろいろ細かいところも書きたいとも思いますが、後日ゆっくりとまとめることにします。今は素晴らしいオペラを書いたモーツァルトに感謝して、余韻を楽しみたいと思います。
 
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by harukko45 | 2007-01-27 18:42 | 旅行

ウィーン2007(5日目)part1

 いやー、ドジっていうか、ミスっていうか。今日はお天気もよく比較的暖かく、午前中からブラブラしていましたが、ホテルに帰ってみると、フロントに我が家の湯沸かしポットが置いてありまして、どうやら没収された模様。つまりは、このホテルのセキュリティの理由から、部屋でこの手の電気機器を使ってはいけないとのこと。これは9.11以降の新しいルールなのかはわからないけど(そう言えば、サンフランシスコのホテルでもその手のものは部屋に一切なかったなぁ)、確かにホテルの規約にも書いてあるのをちゃんと見ていなかったのだから、しかたない。
 でも、フロントに裸の湯沸かし器が置きっぱなしというのも、何とも忍びないので、入れてきた箱を持っていき、まずはこちらがルールを把握していなかったことを謝り、そのかわり箱につめて使わないから返してくれる?と言ってみたけど、まぁ、それは無理ですわな。フロントの女性の対応は最初からフレンドリーではあったけど、チェックアウトの時に返却するとの返事。だけど、見た目がさあぁ....?ということで、せめてパッケージするよ、ということになった。で、きれいに箱入りにして渡すと大いにウケてくれたのでした。ヤレヤレ。
 このホテルは常時フリードリンクでコーヒー(WMFのコーヒーメイカー、とっても優秀!グルメ・コーヒーからラッテ・マッキャート、ホット・チョコレートも思いのままですから!)やジュース等が飲めるのは有り難かったんだけど、日本人としては部屋でもお茶ぐらい飲みたいですからねぇ。お湯は朝食ルームから毎回持って上がることになるのでした。

 それから、ネット環境は一応高速インターネットとはうたっているが、日本やアジア(例えばシンガポール)のブロードバンドのスピードではない。たぶんISDNあたりなのだろう。それと、料金もそれなり高くなるので、こうしてブログの更新は文章を別に書き上げて、写真も用意してから、一気にアップしております。なので、コメントをいただいている方々にお返事する余裕が無く申し訳なく思います。帰国してから、ゆっくりお礼の返信をさせてもらいます。

e0093608_22123691.jpg さて、お昼に行った有名カフェの一つ、ディグラス"Diglas"で食べたケーキをご紹介しておきましょう。ここは居心地が最高で、店全体に活気があって楽しいし、食事のメニューも豊富で常に繁盛しております。

e0093608_18353194.jpg ただ、味はよく言えば「家庭的」という感じで、全体に大雑把ですかね。で、数年前に訪れた時に、近くのテーブルに座っていた男性がクリームいっぱいの巨大なケーキをうれしそうに食べているのを目撃し、いつか自分も挑戦したいと思っておりました。そして本日、体調も良好だったので、ついにそのケーキらしきものをオーダーしました。

e0093608_1836030.jpg イヤー、おそろしく甘く、思った以上の量でありましたし、生クリームと思っていたのはメレンゲとバター・クリームによるものらしく、とにかくかなりエグいものでした。その謎のクリームの下にはすっぱい味のベリーものを加えたスポンジとパイ。その酸っぱさで甘さをまぎらす?って感じですかね。すさまじく後悔しましたが、とりあえず長年思い続けた挑戦は終わりました、無惨にも敗退しましたが。

 しかし、ケーキコーナーに並んでいた巨大クラプフェンはたいそう魅力的だったので、お持ち帰り"Zum Mitnehmen,bitte"にしました。
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 ということで、本日のクラプフェンはカフェ・ディグラスでした。でかいのはいいですが、やはり味は大雑把です。でも、これがディグラスの良さです。今度はお昼時に塩っぱいスープをいただきにいきますかね。
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by harukko45 | 2007-01-27 08:38 | 旅行

ウィーン2007(4日目)

e0093608_7244725.jpg 今日は雪が本格的に降ってきました。これはいよいよ積りそうです(かと思いきや、午後には止んでしまった)。昨日のドブリンガーで購入した楽譜はもう一冊ありました。バート・バカラックのソングブック集があったのです。40曲掲載されていてなかなかお得な感じです。昨年末にも書きましたがバカラックは今年のテーマの一つでもあります。

e0093608_7223697.jpgところで、このドブリンガー、グラーベン通りからドロテアガッセに入ると超有名カフェのハヴェルカとともに見えてきます。その向かいには文豪カフカが住んでいたことでも知られる古いホテル(中は改装されているけど)グラーベン・ホテルがあるところです。

e0093608_7231156.jpg すぐに入るとポピュラーの譜面がならび、CD、DVD、お土産ものもありますが、奥にいくと「アンティーク」と書かれた古い譜面コーナーが。ホコリまみれで咳き込むこと必至ですが、かなりの貴重品や掘り出しものも多い事でしょう。

 隣にはクラシック専門の立派なコーナーがあります。こちらの品揃えはすごいです。

e0093608_725553.jpg 午後の3時からは、ウィーンで2番目に古いペーター教会で、小規模(45分程)のオルガン・コンサートを聴いた。ここは毎日演奏が聴けるようで、これは初めて知った。ただ、曲は分からない作曲家のものばかりで内容に関しては何とも言いがたい。やっぱりバッハあたりをやってくれないと、教会音楽に疎いものにはきびしい。それと、曲にもよるだろうけど、響きがいま一つだったかな。ちょっと教会内の反響が強くて、神々しくはあるのだけれど、音楽としてはモヤモヤ感がある。

 前に聴いた印象では、アウグスティーナ教会のオルガンが一番音楽的にバランスが良く、シュテファンス・ドームのは規模が大きいわりに、意外と響きがドライで物足らなかったという感じだったかな。もちろん、聴く場所にもよるのだけど。
 今までで一番面白かったオルガン・コンサートは実はウィーンでなく、93年に行ったイタリア・フィレンツェの小さな教会でのもの。教会の名前も奏者も忘れてしまったけど、小さな教会ゆえにオルガン奏者の演奏している姿がよく見えたし、その彼が実にファンキーというか熱い演奏家だったのと、やった曲がバッハなどのおなじみから現代音楽まで幅広く、ひょっとしてプログレ・ロック?みたいなものもあってワクワクさせられた。
 お客さんも曲の途中の盛り上がったところで拍手しちゃって(教会音楽はどこで終わりか分かりにくいんだけど)、すると彼が「まだ!」みたいな大声を上げて制止したのでした。でも、すべて終わったら盛大な拍手だった。普通は教会でのコンサートは終わっても拍手してはいけなかったりするので、教会の寒さとともに、ますますヒンヤリ(信者の方達には神聖な)するのが通常なので、このコンサートは逆に変わっていたと言えるのかもしれない。
 
e0093608_7271032.jpg さて、昨日のクラプフェンは、ベーカリー・チェーンのStruckのもの。大きくて食べごたえ十分で満足であります。

e0093608_7273490.jpg で、今日のクラプフェンはコンディトライのAidaのもの。パン屋ものとケーキ屋ものとどっちがうまいか、というと、実はあまり変わらない。中に入ってるジャムはAidaの方が上でも、小さくて値段も高いので、満足度はパン屋の勝ち?


 それにしても、ユーロ高円安の状況は旅行者にはつらい。2年前でさえ1ユーロ=146円ぐらいだったのが、現在165円から170円近い。おまけに両替商ではこれまでにないような手数料を加えており、すべてを含めると180円ぐらいになりかねない。ウィーンの物価自体はそれほど変化してないのに、極度の円安で日本人にとっては、ものすごく物の値段が高くなってしまっている。
 だいたい、円安というのは日本の輸出関連企業には有利であっても、一般庶民にはほとんど恩恵はない。現在の景気下支えということで、政府も日銀も円安容認なのだろうが、それにしても安すぎる。
 正直、ウィーンはパンやケーキ、チョコレートといったものは美味しいし価値も高いが、一般のレストランで出て来る料理などはどれも「まあまあ」であって、その値段がこのような形でべらぼうに高くなってしまうのは、ずいぶん損をさせられているように感じてしまう。ある程度承知の上での渡航ではあったが、現地に来てこれほどまでに円安の苦痛を感じるとは思わなかった。

e0093608_7281646.jpg おっと、最後にもう一つ、皇室御用達菓子商の一つハイナー"Heiner"のケーキを食したが、トリフ・チョコレート・ケーキは絶品に美味でありました。クリーム・シュニッテはちょっと上品すぎる?かな、私の好みとしては。
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by harukko45 | 2007-01-26 07:32 | 旅行

ウィーン2007(3日目)

 天気予報では"Finally! Snow"ってなっていて、確かに朝から雪は降っていたが、かなり少なめ。寒さも恐れるほどではなく、午後には雪も止んでしまった。しかしながら、他のヨーロッパ諸国ではこの雪で大混乱となり、各地で被害も出ている模様だった。今年は大西洋のエルニーニョ現象で、ヨーロッパ・アメリカで異常気象とも言うべき、暖冬が続いて、とにかく雪が足りずにスキーのワールドカップも延期になったりしていたというのに、突然の寒波と大雪はさらなる混乱をもたらしているのだった。天気予報の見出しは"Finally! Snow"に続いて、"And Even More"となっていた。
 が、今のところウィーンは静かだ。

e0093608_1025216.jpg さて、午後からグラーベンにある有名な楽譜店、ドブリンガー"Doblinger"に昨日に引き続き立ち寄った。それで、昨日からチェックしておいた譜面を買うことに。この店は1875年創業でヨーロッパ屈指の品揃えを誇っており、当然クラシックが中心ではあるが、実はポップスも揃っていて、特にジャズやブルーズのコピー集やポップ・アーティスト達のソングブックから「バー・ピアノのための曲集」なんてのもあったり、ウィーンの酒場でよく聞かれるアコーディオンによる伴奏のシュランメラン音楽の譜面やシンセサイザーものまで、日本ではちょっと見かけないものが多数置いてあるのだった。

e0093608_104392.jpg だから、見ていると結構飽きませんね。で、その中でも意外に多いのがブギウギやらラグタイムやらのソロ・ピアノもの。前回来た時にはそれらの「トレーニング用」の教則本を何冊か買って帰ったが、今日は過去の伝説のプレイヤー達のコピー集を買いもとめた。ジェリー・ロール・モートン、スコット・ジョプリン、アート・テイタム。パっと譜面を見た感じでは、ジャズ史上最高のピアニストとも呼ばれるアート・テイタムのはかなりヤバイね。元々レコード聴くだけでもとてつもないが、実際問題この譜面によると、左手がずっと10度で動いてて、私には届かない。でも、何とか工夫して練習し、少しでも身につけられるように頑張りたいと思っております。


 正直、私はこれまで、自分のやりたいと思う事と、実際にやれる事やっている事のギャップを感じながらも、ずっと現状に甘えるばかりで、やりたい事をするための鍛錬を怠ってきた。それでも、こうして音楽をやっていられるのは、これまでに巡り会ったアーティストやミュージシャンの方達のおかげだし、そういう人々と出会えた自分自身の幸運によるものだった。
 が、3年前ある小さなライブハウスで演奏している時に気がついた。もともと少ない才能と過去の仕事の経験からなる貯金を少しずつ崩しながら、こうしてミュージシャンを続けていくのは、もはや限界ではないのか。このままでは、何とか持たせていたメッキもはがれ、中味など何も無い自分がバレてしまうではないか。そして、それはずっとお客をだましながらやってきたということに他ならない。だいたい自分自身を表現できていないのだ、自分を表現できないミュージシャンなんかに誰が金を払うというのか。
 その時はあまりの恐怖に絶望的な気分になった。

 前回ウィーンを訪れたのがその直後だった。そして、旅行中何度も同じ恐怖と絶望を感じ、それはより深まった。なぜなら、この町で聴かれる音楽とそれを演奏する音楽家に比べて、自分は遥かに劣っており愚かだったからだ。音だけではない、この町そのものが私自身の愚かさを浮き彫りにするように感じたのだ。絶望は、何もマイナスなものからのみやって来るのではなく、あまりにも美しく豊かなものや表現に出会い、それに深く感動することで、自分自身の存在価値を見失うこともある。こんなに美しいものの前にあって、自分など無意味だと。
 そう言った挫折感を感じる事は初めて訪れた時から毎回あった。が、そのたびに少しずつヒントをくれるのもウィーンだった。最初のうちは、この町に来て少しはまともにすごせるように基本的な「しつけ」を受けたようなものだったが、前回はついにミュージシャンとしての根幹に関わる問題を突きつけられた。そうして、導かれるように行ったのがドブリンガーだった。
 そこで出会ったブルーズとブギウギの曲集をこの2年間コツコツ練習することで、ようやく最近、ある明解なヴィジョンを持てるようになった。それは、自分の「やりたい事」とは「自分を表現すること」に他ならず、その実現にはそれに適した頭と身体の鍛錬が絶対に必要であること、それが例えばブルーズやブギウギ、つまり基本に帰れ、ということ。クラシックの総本山のような場所で、ブルーズを渡されるというのが、自分には象徴的に思えた。

 本当なら10代や20代のうちに気づいておくべきことだった、が、こんなに時間がかかったのは、やはり精神的に未熟だからだろう。なぜなら、今日もまたウィーンから強烈な挫折感を味会わされた。それは自分の人間性の愚かさについてだ。50を目前にして私はあまりにも子供じみた愚かさで生きている、些細な事でイライラし、嫉妬し、疑心暗鬼の固まりとなって、いろいろな人を傷つけているのだった。愛される事ばかり望んで、人を愛することを忘れている愚か者の自分の姿が寒々しい空気の町中で鮮明に浮かび上がったのを感じた。だから眠れなくなって、このようにブログで懺悔でもしているつもりか、これまた愚かな姿か。
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by harukko45 | 2007-01-25 10:05 | 旅行

ウィーン2007(2日目)

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 朝食です。ドイツ系の朝ご飯Fruhstuckは楽しみの一つ。こちらは何しろ、パンが圧倒的にうまい。乾燥しているせいや食材、職人の違いとなるのだろうけど、やはり本場というしかない。

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 それと、チーズとハムの種類の多さと味の違い。簡単に言えば、基本はパンとチーズとハムを毎朝食べるだけですが、これが全く飽きない。

 典型的な食べ方としては、ゼンメルと呼ばれる風車のような形をした丸いパンをハンバーガー・バンズのように切って、バターを塗り、ここに好きなだけハムとチーズをはさみ、そのままガブリと食べる。オードブルのようにハムとチーズをナイフ&フォークでいただき、お上品にパンも少しずつちぎって、なんてやってたら美味しくない。

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 ゼンメルとバター、ハム&チーズ、合体前準備段階。

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 合体後。終盤、これにスクランブル・エッグを合わせる技を発見!

 その他、ライ麦製や植物の種がいっぱい混ざったものも魅力的だし、こちらも種類が豊富。それと、日本にある軟弱なフニャフニャ・パンとは比べ物にならない、しっかりとした噛みごたえです。だいたい何でも柔らかいのが良いなんて言う意識がおかしい。かたい食感だって美味しさの一つです。だからアゴが鍛えられていいよ。

 ウィーンの典型的な朝食(Wiener Fruhstuck)には、これにゆで卵がつくのが定番で、そのゆで卵も上部を殻の上からナイフで切ってしまえば、実にクールに食べられますね。カフェで女性がこのやり方で食べているの初めて見たときには「目から鱗が」的に感動しました。

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 このようにナイフでばっさりと切ってしまいましょう。

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 完食後の美しい仕上がりをご堪能ください!

 あとはジャムの種類ね。これもすばらしい。ベリー系だっていろいろあるし、味も色もそれぞれだから、最初は迷っちゃう。そのうち、お気に入りをしぼります。

 朝食後、出かけましたが、まずはウィーン劇場"Theater An Der Wien"と国立劇場前入りセンター"Bundes Theater Kassen"に今回行く予定のオペラのチケットを取りに行った。
 ナッシュ・マルクト(食料品市場街)のそばにあるテアター・アン・デア・ウィーンはホテルから歩くにはちょうどいい距離、あいにくの雪まじりの雨だったけど、こちら流に傘もささずにテクテク向かいました。ここは、18世紀からある伝説の劇場。なんと言ってもモーツァルトの「魔笛」を初演したところ。だから、魔笛に登場するパパゲーノのモニュメント(?)が誇らしげに飾ってあるわけです。ここのところずっと現代のミュージカルを中心の演目だったが、去年あたりからモーツァルトなどのオペラも積極的にやるようになった。で、出演はStaatsoperと同じウィーン国立歌劇場のメンバー。今回初めて入るので期待しちゃうのでした。演目はモーツァルトの「イドメネオ」。

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 パパゲーノの彫刻があるのは昔の入り口。今は使っていない。

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 続いて、そのままStaatsoperまで歩いて、オペラ座の向かいにあるKassenで、ヴェルディの「ファルスタッフ」とプッチーニの「マノン・レスコー」のチケットをゲット。ともに日本からネットで予約してあったので、そのレシートを見せればすぐにチケットを渡してくれる。すべて一番上の天井桟敷とも言われるGalerieですが、やっぱり安いし実は音がいい。

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 その後もブラブラしながら(楽譜専門店ドブリンガーに入ったら数時間は費やせる)、お昼過ぎには、伝統的な有名カフェの一つ、ティローラーホフ"Tirolerhof"でお茶することに。

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 何度訪れても、ウィーンのカフェというのは「偉大な文化」であると感じますね。店のたたずまい、椅子やテーブルを含む店内の雰囲気、給仕するウエイターさん達の品格、そしてそこで飲むコーヒー、自慢のケーキ、食事もできてワインもビールも飲める。入店してから、支払いをして出て行くところまでもが、すべて「文化」として美しいと言ってしまいましょう。

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 さて、ティローラーホフではケーキをアプフェル・シュトゥルーデルとザッハー・シュニッテ(トルテというのは丸いホールのケーキを切り分けるので三角形、シュニッテは長方形のものを切っていくから四角形)の二つ注文、コーヒーはブラウナー(濃いめのブラック・コーヒーにミルク少々)のGrosser(大きめ)サイズにしました。

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 ケーキにはともに生クリームをそえてもらいましたので、これまさに雪山状態、裏から見たらクリームだけしか見えない、けどこのクリームには砂糖は入っておりません。非常にサッパリしており、ケーキの甘さをマイルドにしてくれるのであります。一緒に食べるとほんまにウマイ。量もそれなりに多いので、十分に昼飯がわりとして満足しました。
 
 夕飯はホテル近くにあるブロイ(ビア・レストラン)"7 stern brau"に行ってみました。前にも行った事があって、その時の印象ではまあまあな感じでしたが、なぜまたそこに行ったのかと言うと、ネットで調べたら「ラオホビールあります!」の広告にクラっと来たからであります。ビール好きの方ならご存知でありましょう、ドイツ・バンベルグの薫製ビールの名品ラオホ・ビアが飲めるなら、やっぱり行ってしまうのはしかたない。
 で、オーダーしました。
 が、出てきたビールは、あのバンベルグで飲んで感動したものとは似ても似つかぬものでした。いやいや、当然ここはウィーンなのだから、バンベルグと同じものが飲めるとは考えていませんでしたが、それでもねぇ、ラオホと広告うつのだから何とかならんのか。まぁ、しかしあのあまりにも素晴しかったバンベルグのビールと比べているから、がっくりするものの、知らなければそれなりにウマイわけで、そんなに目くじら立ててもしかたないでしょう。この辺のいいかげんさは何処にでもあること。それと、料理の方は量が多かったけど、味は悪くはなかったので、大らかな気持ちで楽しく過ごさせてもらいました。店員さんも愛想良かったしね。
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by harukko45 | 2007-01-24 05:49 | 旅行

ウィーン2007(1日目)

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 成田空港をオーストリア航空11:40分発の直行便で、ウィーンに向かいました。長時間のフライトなので、あまり飲み過ぎないようにと思ったけど、やっぱり思わずたのんでしまったビール。オーストリアの代表的なビール・メーカーの"Ottakrinnger"でしたねぇ。いやいやよろしいよろしい。

 "HELES"とはピルスナー系の意味で、南ドイツ・バイエルンやオーストリア方面での呼び名のようです。スチュワーデスさんがカップを缶にはさんで渡してくれました。なかなかいい感じすね。味もうまいっす。もうねぇ、日本のビールはつまらないです、はっきり言って。
 先日のシスコ行きは満席でキュウキュウだったけど、こちらはどちらかというと観光シーズンではないので、かなり空いておりました。おかげでラクラクですごせましたし、よく寝れました。

 さて、無事にウィーンに現地時刻16:30頃到着(日本時間24:30)、空港からウィーン市内へはかつてはタクシーやバスを利用してたけど、このところはシティ・エアポート・トレイン(略称キャット/CAT)が便利。ウィーン・ミッテ駅のシティ・エア・ターミナルまで16分だし、チケットは往復券を日本からネットで買える。料金は往復15ユーロとちょっと高いけど、快適な車内だし、帰りはシティ・エア・ターミナルでチェック・インできちゃうからラクチン。
 ちなみに、元ウェザーリポートで有名なジョー・ザビヌルの経営するジャズ・クラブ"Birdland"はこれに隣接するヒルトン・ホテル内にあるのでした。

 その後、市内の公共交通機関の1週間定期券"Wochenkarte"を購入し、これで路面電車、地下鉄、バスはすべて乗り放題。で、ウィーン・ミッテから地下鉄でフォルクス・テアターへ、でかいスーツケースをころがしながら、けっこうケチケチとホテルに向かいますが、どうもこういう方が楽しくってね。

 ホテルは2年前にも泊まって快適だったところで、ネット環境も前回はダイヤルアップだったが、今回はブロードバンド対応のようですな(実際はISDN程度?日本とは比べられない遅さ)。

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 飛行機内でブロイラーのように飲み食いしていたので、夕食を食べるほどの余力はないが、一応メイン通りであるケルントナー通りあたりをぶらついてみました。ウィーンの象徴シュテファン寺院"Stephansdom"は相変わらず改装中で、夜見ると幽霊屋敷みたいだけど、この建物を見ると「ウィーンに来た!」って実感するわけで。

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 そこから、少し歩いて国立オペラ座"Staatsoper"の横からのお姿。今回もまたよらせてもらいます。

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 でも、やっぱり小腹が空いたので、地下街にあるパン屋(?)KANGALで今年お初のクラプフェンを買いました。一個0.8ユーロ。中は基本のアプリコット・ジャム。このクラスでも十分おいしゅうございました。
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by harukko45 | 2007-01-23 07:21 | 旅行

ウィーンへ

 今日からオーストリアのウィーンに行きます。これはただの旅行です。のんびりと楽しんできたいと思います。うまくネットがつながったら、旅の様子を更新したいと思っています。それでは、行ってきます。
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by harukko45 | 2007-01-22 02:44 | 旅行

 今年最初に音楽を聴いたのは深夜のベルリン・フィルのジルヴェスターコンサートだったんだけど、これは厳密には2005年ってことになるわけね。サー・ラトルのベルリン・フィルは2002,2003年と一応ガーシュインなどを中心にはしていたものの、妙ちくりんなジャズもどきな年越しコンサートで大変がっかりさせていたのだが、2004年に少し持ち直してオルフの「カルミナ・ブラーナ」を、そして2005は今年の生誕250年を記念してのモーツァルト特集で、やっとこちらが期待するようなベルリン・フィルを聴けるようになった。

 ただ、昨日の夜に生放送されたウィーンのニューイヤーコンサートの出来の良さに、すっかり消し飛んでしまった感がある。

 マリス・ヤンソンス氏の指揮によるウィーンはここ何年間で一番のパフォーマンスを披露してくれた。最初の行進曲では少々堅苦しい感じがあった(再度聴いてみると堅さよりも、やってやろうモードがちょっと強かったような)のだが、続く「春の声」では優雅さだけでなく、大きさも感じさせるようなワルツを聴かせてくれて、「オッ、コレはいけるかも!」と私はかなり上機嫌になった。ウィーン・フィルの方々も例年になく真剣な表情と同時に楽しそうに見えるではないか。

 第2部は圧巻だった。モーツァルトの「フィガロの結婚」序曲から始まって(実際には2曲目でした)、素晴らしく充実した内容であり、後半に行くにしたがって、音の豊かさがどんどんまし、ウィーンのノリの良さも際立っていき、そして、あのとろけるような弦の響き(特にチェロのアンサンブルは何て綺麗なのでしょう。)には完全にやられた。
 正直、「美しき青きドナウ」にこれほど感動したのは初めてだった。あのクライバーでさえ、これほどではなかった。

 ここ数年、お決まりの演奏でお茶を濁すようなウィーンのニューイヤーコンサートにはほとほとがっかりさせられてきたが、やはり質の高い指揮者が登場すれば、素晴らしいコンサートになることを実証してくれた。ヤンソンス氏は無類の完璧主義者だというが、実際の指揮ぶりは大らかでたいへん人間的だった。とにかくこの人の音楽は「大きい」と思う。それに、緻密ではあっても決して「頭でっかち」になっていない。
 新春早々、すっごくいいものを聴かせてもらった。ありがとう、ウィーン! 
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by harukko45 | 2006-01-02 15:58 | 聴いて書く

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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