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 先週末に帰国しました。旅の後半は、ウィーンで5日間を過ごしましたが、初めての街で多少緊張感のあったプラハから、かなり慣れているウィーンでは、気分的には緩みっぱなしでありました。

 とは言え、ウィーンに移っても、チェコ・ビールの衝撃が後を引いて、こちらのビールをすっかり飲む気がうせてしまった。オーストリアは白ワインの国というイメージがあるが、ビールもよく飲まれていて、銘柄も多い。だが正直、ドイツやチェコのビールに比べると落ちると思う。
 とにかく、隣国で似ている部分もありながらも、それぞれの個性というものがはっきりあって、とりあえず、ビールに関してはチェコに大きく軍配が上がる。その分、パン、ケーキ、コーヒーの美味しさはオーストリアに滞在する大きな喜びの一つとなる。

 というわけで、前はよく行っていたブロイに、今回は行かなかった。ビールの味とその価格とのバランスに納得がいかなかったからだ。それは、プラハの物価がとても安く、1週間いてその感覚に慣れてしまったからに他ならない。いわゆるブロイ、ビアハウスで生ビールをたのむと500mlでウィーンでは3.5ユーロぐらい、それがプラハでは35から45コルナだから1.4から1.8ユーロぐらい、まぁザックリ半額ですわな。で、プラハの方がうまいとなれば、これはもうね。

 ところが、面白い事にウィーンのスーパーで売っている缶入りピルスナー・ウルケルやブドヴァルの値段はプラハと同じぐらいか、いくぶん安いところもあり、例えば500mlのウルケルが0.99ユーロであった。ミュンヘンの有名メーカー、レーベンブロイのヴァイス・ビアも同じなんだから、わざわざブロイに行く必要もないと感じちゃうのでした。

 なので、ウィーンでは「ウチ・ビール」、おまけにスーパーやスタンドでソーセージやレバーケーゼなんかの肉ものや、数々のチーズとサラダに、超うまいパンを買い込んで「ウチ・メシ」ってことになった。なかなか安上がりだったし、かなりの充実感。こういう感じでも満足するようになったのは、年齢的なものなのかな。

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 さて、缶で飲むプラズドロイはいかに。これが、またうまかった。というか、結局今はこのビールに夢中ってことで。自分でグラスにドカドカドカっと適当に注いでも、いい感じにクリーミィな泡が出来て、なかなかでしたわい。ほんと、男の中の男って感じのビール。少しだけ苦みを強く感じたけど、意外に生で飲んだ時と同じような印象が味わえて、これはこれで楽しかった。なので、旅を通じて一番飲んだ液体は「プラズドロイ/ピルスナー・ウルケル」でありました。

 レーベンブロイのヴァイス・ビアも久しぶりに飲んで、ドイツでの記憶が蘇りました。あー、バイエルンにまた行きたくなった。
 ブドヴァルも缶入りを試したが、これはプラハで生を飲んだ時の鮮度の良さ(気っぷの良さ)を感じなかったなぁ。味わいが足りなかったのは、ちょっと冷やしすぎたせいだったかも。

 とりあえず、しばらくは今回の旅行でのビール経験が自分の嗜好に大きく影響するでしょう。
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by harukko45 | 2012-01-16 14:55 | 旅行

ウィーン旅行その後

e0093608_0182021.jpg 13日の夜にウィーンから帰国しました。

 1月2日を最後にブログを更新せずに、何とも尻切れとんぼのようになっていたのですが、実はその日に別の宿泊先に移動したところ、そこのネット環境がダウンしており、LANによる接続が不能になってしまいました。ワイヤレスの方は生きていたのですが、我が家のMac君が不具合で飛び交う電波を受信できずでした。

 というわけで、その後10日間は「インターネットなし」で過ごしたのでした。それまでがとても快調にアクセスできていたので、最初はガックリきましたが、それ以外では大変過ごしやすく快適な生活ができたので、これはこれで良かったと思うようになりました。昔は旅行中にネットを見るなんてことはなかったわけですから、その頃の感覚に戻って、旅を満喫することに集中した、とでも言った感じでしょうか。

 そして、ウィーンでは2日からほぼ通常通りに戻り、あの大晦日の大喧噪はいったい何だったのかと思うほど、静かで落ち着いた雰囲気になっていきました。

 そんな中で何をしていたかと言えば、これはもう食べて、飲んで、歩いて、何日かごとに音楽を聴いて、の繰り返し。その音楽も今回はあまり多くは聴きに行かなかったので、ダラダラとしていた時間が極めて多かったのですが、何となくこれまで以上に楽しく、ウィーンを満喫できた気がしました。どうやら、この街での過ごし方にずいぶん慣れて、だいぶ上手に振る舞えるようになったからかもしれません。
 とは言え、些細なことではありますが、今回初めて気づいたり驚いたこともあり、全くいつもと変わらない喜びとともに新鮮な感動もあったのが面白かったのでした。

e0093608_2354169.jpg 1.その新しい発見。ウィーンのクロワッサンがこんなにも美味かったなんて!(食い物が一番とは恐縮です。)

 オーストリアはパンがどれもすごくおいしいですが、それでも、それはドイツ系パンにしぼられるのでは、と勝手に決めつけておりましたし、日本では一度も美味いと思ったことのなかったクロワッサンでした。が、今回は初めてそのおいしさに感動、取り憑かれたかのように毎日2つはいただいておりました。これは、日本で食べたものと全然違う!(まぁ、パン全体に言えますが)

e0093608_113172.jpge0093608_1251075.jpg 2.発見というか、再確認。スタンドでの立ち食いにハマるとキリがない。(また食い物です)
 もう、散歩しているとありとあらゆるスタンドに吸い込まれるように寄って行ってしまいます。
 焼きソーセージ、たまりませんなぁ。パンに詰め込んでホットドッグにしてもらえば食べやすい。ビールが良く合う。

e0093608_1252384.jpg e0093608_1254319.jpg レバーケーゼをゼンメルでサンドしたものもマイウー。特にレバーケーゼにチーズを混ぜ込んだケーゼ・レバーケーゼがもう最高!
 アラブ系ファーストフードの代表はドネルケバブでしょうか、もはや世界中どこでも定番になりつつある(?)丸いパンにはさんだ食べ方は日本でも見受けられるますね。味は本当に病みつき。これ食べたら、もうハンバーガーはいらんね。

 食べまくったら、またひたすら歩く歩く。(かなり寒かったですけどね。ある日なんか最低気温マイナス11度、最高でマイナス2度を記録しました。)

e0093608_4534851.jpg 3.そして、疲れたらカフェで休憩ってなわけで。ウィーンのカフェは常に良いけど、今回は今まで入ったことのないところにも参上。中でもブロイラーホフとラートハウス・カフェは食事もおいしく、大のお気に入りになりました。
 それと、おなじみデーメルにて至福のケーキの数々をテイクアウト。最終日には、17年ぶりに店内でお茶しました。これが、また良かった。クグロフを久しぶりに食べましたが、やはり激ウマ!左の写真の奥に写っているオーベルスクレーメ・シュニッテとともに食すると、もう死んでもいい!

e0093608_2334413.jpg 4.電車で1時間ほどの距離に、スロバキアの首都ブラチスラヴァがあり、今回ぶらりと日帰り旅行をしてみましたが、これが実に美しい旧市街がある魅力的なところで、たった1時間で違う言語と文化を持つ場所を訪れるのは、とても刺激的な経験でした。それに、この国の女性はなんと美しいことか!美人ばっかですぞ。
 暖かい季節になると、たくさんの観光客で賑わうようだし、街の景色もさらに綺麗に映えることでしょう。また、是非訪れたい。

e0093608_4122940.jpg 5.では、最後に飲んだくれの愛するワインとビールを、毎回必ず通ってしまうエステルハージ・ケラーにて。白ワインもこんな感じだとワンカップ大関飲んでるみたい。生ビールもグイグイとね。
 うー、完全に太った!
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by harukko45 | 2009-01-16 04:20 | 旅行

 ウィーンの元旦、午前11時からはテレビでウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートを見ましたが、いつも日本では夜の7時ぐらいからで、ほろ酔い加減でゴロゴロしながら聴いていたのに、こちらでは午前中とは、正直調子が狂います。
 で、やっぱりゴロゴロしながら見ていましたが、途中で居眠りしたりしながらで、あまり記憶に残っていません。覚えている部分では、バレンボイムの指揮による演奏はちょっと鳴らしすぎじゃない?と思いながらも、盛大にブラボーの声が飛んでいましたね。個人的には、あまり好みではありませんでした。
 ピアノを弾くとあれほど繊細でロマンティックな表情を見せるのに、彼は指揮台に昇ると、何故か力技で量感過多な感じに聴こえるのでした。

 ただし、最後の方でやったハイドンは良かった、というか、だいたい音楽としてシュトラウスよりもハイドンの方が数段上ということです。今年はハイドン没後120年(?/失礼!没後200年でした。「旅人さん」ご指摘ありがとう!)だかで、ハイドン関係のイベントが多いようです。

 それと、アンコールの際に恒例の指揮者による新年の挨拶で、イスラエル国籍を持つ彼が、現在の中東紛争に対して、何かコメントするかが注目でしたが、これまでも中東和平への活動をしてきた人だけに、やはり「世界に平和と、中東に正義が訪れるように望みます」というようなことを訴えていました。このときばかりはとても緊張した表情になっていたのも印象的でありました。

 さてその夜は、コンツェルトハウスにて、マルク・ミンコフスキ指揮ウィーン交響楽団によるベートーヴェンの第九を聴きに行きました。今回の旅行では、あまり音楽イベントに行く予定は多くないのですが、その中でも注目のものでありました。
 年末年始の「第九」というのはかなりベタな内容ですが、私は初めて生で第九を聴いたので、とっても楽しかったです。
 指揮のミンコフスキは昨年見たモーツァルトのオペラ「ポントの王ミトリダーテ」での演奏ですっかり好きになった人だし、最近評価が鰻登りに上がっているウィーン響との競演には始まる前からワクワクでした。
 それと、チケットをネットで買ったので、席を指定できたのですが、今回はわざわざオケの真横のところにしました。多少バランスは悪くても、きっとナマナマしい音が聴けるでしょうし、何より指揮者の表情や動きを良く見たかったのでした。

e0093608_19234869.jpg で、予想通りの快速テンポで第1楽章からノリノリでした。彼のテンポはどれもこれも速いのですが、情感とノリをちゃんと両立できていたと思いました。それと、第九の1楽章は音楽的にも濃いので、のっけからドキドキしながら入り込んでしまいました。
 2楽章は完璧。実にかっこよかった。3楽章も速かったですが、弦から美しい響きを引き出していて感心しました。

 そして、4楽章。うーむ、わかっちゃいるけど、感動しちゃう。「喜びの歌」のメロディがどんどん膨らんでいくのが、何ともタマランでした。合唱の皆さんが、これまた素晴らしい出来でした。とにかく、バスのソロ(これも見事)が終わってから大合唱になった瞬間はゾクッとしました。最高にいいバランスだったからです。

 その後はめくるめくベートーヴェンの魔力に恍惚となっておりました。
最後の追い込みも急速でスリリング、大いに堪能しました。フランス生まれのミンコフスキは全体に明るい表情の音作りで、ドイツ的な重厚さは薄かったですが、とにかくノリの良さで、聴き手をグイグイと巻き込んでいくのが「今っぽい」し、好感が持てました。
 とにかく楽しかった。楽しい第九というのは、これまでの常識からすると違うかもしれないけど、ベートーヴェンの偉大さに変わりありません。
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by harukko45 | 2009-01-02 19:14 | 聴いて書く

謹賀新年

 明けましておめでとうございます。2009年が良い年でありますように。今年もどうぞ、よろしくお願いします。

e0093608_2014458.jpg ところで、こちらウィーンの年越しも世界の例外にもれず、ドッカンドッカンすごかったです。こんなに人が多くて盛り上がっているウィーンは初めて見ました。(ほとんどは観光客らしいですが)
 昨日の午後からプンシュ(punsh、ホットパンチ?)やグリューワイン(ホットワイン)などの酒類を売る屋台がたくさんできて、そこらじゅうに特設ステージが登場、街中(旧市街)ダンスパーティの様相でした。
 しかし、すっごく寒かったので、夜は部屋に戻ってそちらで酒盛りしました。その後、カウントダウンから新年にかけてはすさまじい花火で、まるでCG映像のようだったらしいのですが、私はその頃には飲みすぎで爆睡しておりました。一応、音の凄さだけは気づいたのですが、トホホ。
 せっかくの花火も見逃すとは、これでは2009年早々ドジな話ですが、まぁいいでしょう、こちら流にケ・セラ・セラですわ。

 それよりも、イスラエルのガザへの空爆は連日報道されており、つくづくウンザリさせられます。イスラエルの横暴ぶりは断固非難されるべきですが、一方のハマスの強硬路線も今回の惨事を招いた原因であるわけで、正直「もういい加減にしろ、」あるいは、あきらめにも近い「ずっと憎しみあってろ」の思いしか浮かびません。
 いずれにしろ、今年も暗い話題が先行する年初めです。

 でも、頑張って生き抜いて、少しでも良くなりますように。
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by harukko45 | 2009-01-01 16:24 | 日々のあれこれ

 83歳のプレートル氏によるウィーン・フィルのニューイヤー・コンサート、去年のズービン・メータ指揮の箸にも棒にもひっかからないような演奏に比べて、圧倒的に良かったです。
 それにしても、これまでの最高齢、そして初のフランス人指揮者登場、この組み合わせを聞いて最初「何で?」って疑問に思った私でしたが、やっぱり80歳越えても現役でいらっしゃる方の技は違うということに深く感動いたしました。

 しょっぱなの"ナポレオン行進曲"の立派な響きで、まずはガツンときました。実にエネルギッシュでした。すぐに高齢者の演奏を「シブイ」ってことにしたがるもんですが、ぜんぜん「そんなの関係ない!」って勢いでした。それも、ただ力技でねじ倒したのでなく、十分豊かに音を響かせて広がりを持たせていたのは、素晴らしかった。
 また、"とんぼ"(長渕じゃないよ、ヨーゼフ・シュトラウスの美曲!)など、とっても映像的で詩情あふれる美しい表情を見せてくれたし、それでいて繊細さにこだわりすぎて、小さくなりすぎる最近の表現へのアンチテーゼとも言える堂々とした指揮ぶりにも魅了された。

 "皇帝円舞曲"や"美しく青きドナウ"といったおなじみの曲での「大きな歌い方」も素敵で、こういう風格とも言えるものはいわゆる「普通人」には出せないものだなぁと思ってしまうのでした。その大きさが全体に安心感を聴き手に与えて、何とも言えぬ楽しさにつながっていたように感じました。("美しき..."の出だし、明らかに次の"ラデツキー行進曲"と間違えて振り出したのはご愛嬌、ご本人も笑っていた。)
 
 クライバーやハーディングのようなキレの良さや洗練されたフォームは全くないけど、だからといってノリが野暮ったいかというとそんなことはない。逆に、腰の入ったグルーヴ感ってものがあるのでした。この辺は繰り返しになるけど、まさに「年齢なんか関係ない!」ってところです。

 だから、"トリッチ・トラッチ・ポルカ"のような「行ってシマエ!」的な曲でも、最近の多くの安全運転指揮者は優等生演奏で、アクセルとブレーキを同時に操作してしまうが、今回のプレートル氏は実に豪快な演奏で、久々に盛り上がったなぁ。
 そしてそれ以上に、一部の最後にやった"天国と地獄のカドリーユ"は圧巻だった。いわゆる「フレンチ・カンカン」のあれですが、もうかなりのハイテンションでオケにムチをいれ、ウィーン・フィルが弾きまくっていたのが面白かったし、それでいて音色が優雅なのがさすがでありましたし、見事にさばききったプレートルの技とウィーン・フィルの力が光ったのでした。

 とりあえず、私がこのコンサートを見始めた1991年からの中では、92年クライバー、2006年のヤンソンスとともに最高に楽しく、心から堪能させられた内容でありました。
 ところで、来年はダニエル・バレンボイムですか。もうすでに期待できないと考えております。(彼はものすごく素晴らしいピアニストですので、そちらに専念していただきたいのが、私のかねてからの希望です。)
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by harukko45 | 2008-01-03 16:34 | 聴いて書く

ウィーンからの帰国

 ウィーンから帰ってまいりました。今回の宿、ホテル・ヴィエンナート"Viennart"は私にはとても快適でした。ザッハーやブリストルやインペリアルのような超高級ホテルには元々ガラじゃないし、だいいちそんな贅沢もできないし。かと言って、団体ツアーで組まれるような所じゃ嫌だし。そんな気分にちょうどいいホテルでした。
 とにかく、全体にシンプル。余計な装飾も気遣いもなし。スタッフは皆しっかりとした女性ばかりで対応も良かった。(おー、湯沸かし器の没収事件がありましたが、これはこちらのミスだし。)24時間フリードリンクでコーヒー等が飲めて、カフェに行く回数が激減したのも、ホテルの居心地が良かったから。
 それにテレビのチャンネルも多く、ブンデスリーガ中心のサッカーも見れたし(元浦和監督のブッフバルトさんが、もう番組の解説やってた! 高原のゴールも見たよ。)、MTVとgo-tvの2局が音楽専門で最新PVもずいぶん見れて満足でありました。

 それで、オイルヒーターによるやさしい暖かさの中、気持ちのよい目覚めと、最後の晩餐ならぬ朝食をこれまでどおり美味しくいただき、その後のチェックアウトも実にスムースに終わったのでした。お決まりの英語しかできないけど、いつものフロントの女性スタッフにお礼を言ってお別れしました。うーん、ちょっとエキゾティックな感じの美人で、部屋のキーを受けとる時にスマイルされるとオジサンはもうねぇ....イガったなぁ。

 さて、それからウィーン・ミッテのシティ・エア・ターミナルでチェック・インをすませ、CATで空港へ。チケットはすでに日本からネットで予約済みで、プリントアウトを見せるだけ。Tax Refundで戻って来たユーロで、搭乗前に小さなグラスでビールも飲めたし、搭乗後にはゲームをやったり、食事もバッチリ完食したし、万事満足の感慨にふける中、ドーンと睡魔がおそい、どうやら1時間程は熟睡していたらしい。

 が、何やら回りの騒々しさと圧迫感に目が覚めてしまった。もう、上空にいて3時間は経っていたでしょうか、私の席の通路では男女が飲みまくって、大声でドイツ語を喋っておりました。ある女性はワイン・ボトルを持ちながら通路を堂々と闊歩し、仲間達にワインをついで回っていますし、比較的若い女性達はそれはもうケタタマしく、やったらめったら抜けてくる笑い声を上げていますし、その雰囲気にのせられて前から後ろからどんどん席を立って人々が集いはじめておりました。
 これは、いかにも和やかなワインケラーやビアホールの一幕ではありません。空の上の飛行機の中です!

 とにかく、私の席の回りは立って飲んで大声で語らっている人がたくさん。トイレに行くのもままならない。どんどんエスカレートして声もでかくなりイヤフォンで音楽を聴いてもかないません。
 で、その中心にいる、かなりデブったビール腹のオヤジ殿がまぁ、凄まじく飲むは飲むは、とにかく1人ではじっとしていられないらしく、あっち行ったりこっち行ったりして、そこらじゅうの人を巻き込んでおりました。それと、さっきのワインボトル持ったオバハンもね!

 しばらくは我慢しておりました。だって、ここは空の上ですから、当然ブラブラ通路を歩き回ってはならないし、まして立ったまま酒飲んで騒ぐなんぞはもってのほか。フライト・アテンダントも何度か注意しに来ました。が、全くおさまりません。それどころか、彼らは自ら酒を取りに行き、ビールからワインから、ついにウィスキーのミニボトルを数本指にはさみながら、戻ってきました。
 で、とにかく男女が肩組み合って、大笑いして飲んだくれていやがるのだ。

 もうー、ブチギレました。で、怒鳴りましたよ、エーエー。相変わらずブロークンなイングリッシュではありますが、(ま、こういう時は中学生英語で十分)「お前達の話し声はデケェーんだよ!とっとと自分の席に戻って座りやがれってんだ!」というような気持ちを込めて語りかけました。が、それは結構怒鳴っていたようです。
 すると、どうでしょう。こいつら!まぁ、よくある手ですが、とっても簡単な英語であるにも関わらず、意味がわからないフリをしてキョトンとこちらを見ているのでした。
 で、すぐにまた何もなかったようにペラペラと陽気なドイツ人(じゃないオーストリア人)をよそおっておるのでした。意味わかっているはずなのによ!

 しばらく、いい加減にしろってポーズで睨みつけておりましたが、効果ないので日本人スチュワーデスさんにクレームをつけたところ、「何度も注意しているのですが、全然言うことをきかなくて。」と弱々しい。「どっかの楽団員達らしいのですが。」
 まぁズウタイのでかい連中にドイツ語で対抗するのも大変ではあろう。が、これがもしアメリカの航空会社だったら、こいつらは法律違反で逮捕されかねない状態だ。それにしてもミュージシャンかよ。そういえばケースに入ったヴァイオリンがいっぱいあったっけ。

 この便はほぼ満席。でも、普通は日本の団体さん達で一杯という感じなのに、今日はやけに地元の人が多いなぁと不思議に思っていたが、これで判明した。要はこの一団は日本に公演旅行に行くどこかのオーケストラだったのだ。
 だから、かなりの人数なのだが、それを一カ所にまとめて座らせりゃいいものを、あちらこちらにばらけさせたらしいので、宴会が始まった途端、あちらこちらから集まってきたのだった。と、同時にあちらでもこちらでも宴会は飛び火してもいたのだ。恐るべしオーケストラよ!

 そして、名前をつかんだぞ!

そのオーケストラの正体は「RSO Wien」である!! ウィーン放送交響楽団Radio-Symphonieorchester Wien

 彼らは今月日本各地で公演する。何と常任指揮者で音楽監督は先日「イドメネオ」でウィーンフィルを振ったベルトラン・ドゥ・ビリー氏だったとは!

 それにしても音楽家であるからとは言え、無邪気を通り越し、公共のマナーを無視した交響ガクダンではないか! こいつら海外公演がそんなにうれしいのか?!仲がいいのもほどがある。毎度顔を突きつけ合わせている連中といまさら親交を深めてどこがおもしろいのか? 今時ロックバンドだって、こんなバカさわぎ、それも場所もわきまえないような盛り上がりはしないだろう。そー、時代が違うんだよ。
 あー、そして思った。こんな下品で自分勝手な連中が、本番ではタキシードとロングドレスを着て、すました顔でベートーヴェンやワーグナーを演奏するのだ。そして、何も知らない日本人達は、音楽の都ウィーンからの使者の演奏を「ありがたく、ありがたく」拝聴するわけだ。で、どんな内容だろうと「ブラボー!」ってやるにきまってるんだ。

 あのクダ巻いたデブ親父がティンパニでも神妙な顔で叩いていたらどうする? あのワイン漬けのオバハンがヴィオラでも弾いていたらどうするよ?
 そして、思った。こいつらの世話をするイベンターさん達は大変だよ。酒代がいくらになるの?普通の人だって日本人とヨーロッパ人じゃ、飲む量が違うのに、このオーケストラはどこでもおかまいなしだよ。

 もちろん、天下のウィーンの歴史あるオーケストラでありますから、もちろんそれなりの演奏を聴かせることは間違いないでしょうが、やっぱりこんな品性のない状態を見ては、好意的にはみれませんよ。


 すると、突然「シートベルトを締めよ」のライト点灯。しかし、これにも動じないオーケストラ団員様達は、一向に戻ろうとしない。うーむ、とんでもなく恐るべし、オーケストラよ。そこへ、チーフ格の女性アテンダントが登場。強いドイツ語と身振り手振りで、「警告ランプを見なさい!席に戻りなさい!」と指示。これには、さすがにかなりの人が自分の席に戻って行った。
 実は全然揺れていなかったのだが、策がなくて警告を出したのだろう。1時間程ランプはつきっ放しだった。そして、その女性アテンダントが、例のデブ親父にとくとくと注意。酒を求めても与えないような話っぷりだった。そんな経過で、ようやく私の回りは平穏になった。が、もちろんこれで終わったわけじゃない。
 ほとんどは爆睡状態になったが、一部の飲み足りない連中は用足しに立つのをきっかけに、トイレの前で2次会を始めて、歌まで歌っている様子。それに、あのワイン・オバハンがふらふらして邪魔でしょうがない。なので、私は「イクスキューズミィーー!」と強く言うと、「ノー・プロブレム」と抜かしやがった。「オフ・コース!俺はノープロブレムだ。」ついでに「あんたがプロブレムだ!」って付け加えるべきだった。もちろん、デブ親父も何だかわからんドイツ語を言っておった。

 2次会は私の席からは離れていたが、トイレ付近の日本人観光客にはずいぶん迷惑だったろう。だが、そこは我慢する日本民族ね。頑張って寝た振りしてたみたい。酔っぱらいには誰も関わりたくないものね。でも、あの時いてウンザリしていた皆さんはこのオーケストラの名前を忘れないでください!

 そうです、RSO-Wien、ウィーン放送交響楽団Radio-Symphonieorchester Wien ですよ!

 もちろん、全員が愚か者ではないでしょう。仲にはおとなしくしていた人々もいます。でも、誰もこの状況をコントロールできなかったのですから、レベルは皆一緒でしょう。
 うーむ、私の経験ではどんなに騒いで盛り上がっても、ポップス系のミュージシャンの方が品位があったぞ。

 その後、ついに男性アテンダントにかなり注意されたのか、トイレ前の2次会は解散。デブ親父はワイン・オバハンになぐさめられながら席に戻りました。そして彼はかなりの酩酊状態で、飲もうとする水は自分のズボンにこぼしまくった後に爆睡したものの、着陸間際になって腹がすいたらしく、朝食を2人前持ってこさせ、コーヒーがないぞと、スチュワーデスを呼びつけておりました。このころにはほとんどのスチュワーデスは無視していましたが、たまたま通りかかる日本人アテンダントが捕まってしまうのでした。
 しかし、やっぱり肝臓の出来が違うのだろうなぁ。全然平気で飛行機降りていったからなぁ。本当に凄い飲みっぷりだったんですから。

 と、まぁ、さんざんでしたが、これもまたとんでもないものを見れたということで。
恐るべし、オーケストラ団員よ!
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by harukko45 | 2007-02-03 02:31 | 旅行

ウィーン2007(10日目)

e0093608_21454163.jpg 今日が最終日で、明日帰国の途につきます。といったところで、取り立てて特別なことをするわけでもなく、相変わらず朝食後にブラブラと街を徘徊しておりました。
 ウィーンの場合、市の中心であるリンクと呼ばれる地域に、たいていの観光スポットが集結しており、端から端まで歩いていくのも可能ですし、かつての王宮をぐるりと囲んでいた城壁の後(これをリンクと呼ぶ)を現在は路面電車が山手線のように回っているので、どこにいくにも不便はありません。だから、普段は運動不足になりがちな生活も、こういった旅行中の方がよく歩いて健康的なのでした。

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コンツェルトハウス

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昼間のムジークフェライン


 さて、最後の夕食は今回の旅で一番気に入った、プルッツァー・ブロイに行ってビールとウィーン料理を楽しんできました。ここは味もいいし、親しみやすい雰囲気なので地元でも人気なのでしょう、今夜も満杯で、みんな盛り上がってました。いや、飲んでる感じがさすがに豪快です。つられて、こちらもちょっと酔いました。
e0093608_2151045.jpg 鳥肉のシュニッツェルとサラダで満腹。ビールは"Natur Bier"をまずは飲みましたが、有機栽培による原料のビールなのでしょうか、なかなかコクのあるいいビールでした。食後には黒ビールのドゥンケルスとおなじみ小麦のヴァイス・ビアの小さいサイズを飲んだのでした。

e0093608_21522677.jpg ホテルに帰ってからは、デーメルで買ってきたケーキでデザートです。今まで食べていないものに今日は挑戦してみました。シュバルツヴェルダー・キルシュトルテ、名前が長くて舌噛みそうですが、つまり黒い森のダークチェリーケーキ、何だ?チョコレートと生クリームとサクランボのハーモニーってとこです。味はそれまでのデーメルの凄み、と言った感じよりも比較的オーソドックスなもので、日本のケーキに近い雰囲気でした。

e0093608_21525894.jpg もう一つはトプフェン・シュトゥルーデル、いわゆるチーズケーキですが、ウィーンのはアプフェルシュトゥルーデルと同じようにとても素朴で家庭的なもの。デーメルもそれほど違ったイメージではなく、伝統的な作りのようでした。あまり甘くなく、カッテージ・チーズの味わいが良く出ていて、普段チーズケーキが苦手な私にも意外に飽きない味でした。


 というわけで、あっという間のウィーン滞在でしたが、何度来ても何かしら感動や刺激を受けたり、ふと立ち止まって考えさせられることがあったりは変わりませんでした。日本にいて仕事や生活に追われていると気がつかないことが見えてくるというのは、旅をする重要な意義の一つでしょう。ただ楽しいだけ、で終わらないのが私にとってのウィーン旅行と言えるかもしれません。それを少しでも自分の成長に結びつけなくてはね。
 さあ、これでもう1月も終わり、戻ったらまた頑張って仕事をしていかなくちゃ。

 そうだ、こちらで毎朝見ていたMTVとgo-tvでオン・エアされていたビデオ・クリップの中で、私が気に入ったのは、ロック系ではWolfmother, Fall Out Boy、R&B系ではNasの"Hip-Hop Is Dead"が超クール。それから、何度もかかっているうちにかなりハマってきているFergieってところでした。Norah Jonesの新譜はこちらでもJazz扱いなのは驚いた。でも、ユーロでのCD価格はべらぼう高なので、日本に帰ってからチェックしたいと思います。
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by harukko45 | 2007-02-02 00:05 | 旅行

e0093608_18513250.jpg 今回のウィーン滞在での最後の文化活動は、プッチーニの「マノン・レスコー」でした。これが、良かった。盛り上がった。イタリア・オペラの醍醐味を満喫して、大変充足した気持ちになりました。モーツァルトの時にも書いたけど、いろんなイヤなことがあったとしても、たった一晩の最高の音楽があれば万事OKになってしまうものです。今回の旅のクライマックスを飾るにふさわしい、実にゴージャスで濃い内容に、またしてもStaatsoperの高い実力を思い知りました。

 まずはデ・グリュー役のテノール、ファビオ・A(名前は後日調べます/Fabio Armiliatoさんでした)が良かった。初めて聴きましたが、そもそもこの役をやるからにはかなりの実力者でなくてはできないのですが、なかなかルックスもよく、この純粋に愛を貫く悲劇の男を見事に演じていました。特に3幕目の終わりのアリアは、罪人となってアメリカに追放される恋人マノンとともに自分も一緒に連れてってくれと移民船の船長に懇願する歌なのだが、声の抜けも高音の決め方も良く、何より切迫した必死の思いが歌によく込められていて、イタリア語の「Pieta! Pieta!」に思わず熱いものがこみ上げたのでした。

 それだけでなく、この3幕目は傑作だと思うが、とにかくプッチーニの才能がすごい。追放される娼婦たちが一人一人呼ばれて船に乗り込む間を流れるたまらなく哀愁のある音楽に、民衆の嘲笑(合唱)が重なり、それにデ・グリューとマノンの悲しい別れの歌声が加わっていくのだが、ここのじょじょに、じょじょに感情が高まっていく音楽が実にすばらしいのだ。その音が生む緊迫感が頂点に極まって前述のアリアにつながっていくのだ。
 そして、デ・グリューの必死の懇願を船長が聞き入れ、マノンとともにアメリカ行きを許される。ここで、それまでずっと苦しく悲しい音楽が希望を感じさせる明るさを取り戻すのだが、罪人となって流刑される二人に待っているのは死だけなのだから、この一瞬の明るさがいっそうの悲しみを感じさせるのだった。
 ちなみに、この3幕目に流れるモチーフの一つが「スター・ウォーズのテーマ」にそっくりなのだ。というか、当然ジョン・ウィリアムスの方がパクったのですが。

 2幕目の後半も好きだ。デ・グリューから引き離されジェロンテの愛人になっているマノンのもとに、デ・グリューがあらわれ、それに驚いたマノンが彼に謝りすがりつくうちに、デ・グリューの怒りは消え、再び二人は激しく抱擁するのだが、このあたりの音楽はワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」のプッチーニ版とも言うべきもので、音によるセックス表現が聞き手を否応無く陶酔に導くのだった。だが、「トリスタン」の2幕目同様、その絶頂に上り詰めた瞬間に無情な現実が待っているというわけだ。

 こういう音楽をやるとウィーン・フィルは実にうまい。だいたい音がエッチなのだ。弦から木管から何から何まで。2幕目のマノンのアリアのバックでのフルートの美しい音色に、耳は歌よりもそちらに釘付けだった。3幕目前に演奏される間奏曲では弦の美しさが際立ったし、プッチーニのオーケストレイションの良さなのだろうが、それにしても木管の見事なアンサンブルは随所で素晴らしい効果を上げていた。

 そして、演出は大胆にも18世紀後半のフランスをすっかり現代に置き換えており、最初1幕目ではまるでウエストサイド・ストーリーの出来損ないに見える衣装、舞台、振り付けが明らかに失敗していてガックリだったものの、一転2幕目ではフェリーニの「甘い生活」を意識したような見せ方が的を得ていて、セレブ達の虚飾さをうまく表現していたし、3幕目の娼婦の移送のシーンをファッション・ショーに仕立てていたのは面白いアイデアであり、見守る民衆がそのショーのお客で、これまたセレブのいかがわしさを臭わせて、それが音楽にうまくあっていたのが驚きでありドキドキさせられた。4幕目のヒロインの死も原作にある「ニューオーリンズの荒野」でなく、どこかの都会の片隅でホームレスのように死んでいくのが、これまたイタリア映画のネオ・レアリズモ的で、とても共感できたのだった。
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 プッチーニは家でCDやDVDを鑑賞するより、こうして生を体験するのが数倍良いと思う。彼は舞台での効果を良く理解していると思うからだ。それに、生だと時に歌よりもオケが音量的に上回るところがある。普通、録音では歌中心にミックスしてしまうだろうが、実際ライブの音楽効果としてはバックが強くもの言う必要も絶対にあるのだ。それが聞こえてくるおかげで、プッチーニがいかにいろんなマジックを施しているかがよくわかって、感動がより深くなるのだった。

 それと、彼の音楽はいい意味で大変分かりやすく、お客に親切だ。実は凝った作りになっていても、小難しく聴かせないで、場面場面のポイントへこちらを音でちゃんと導いてくれるし、感情移入しやすいように盛り上げ方も絶妙だ。そういうサービス精神やプロの職人技がある意味、昔のうるさ方に「芸術的でない」と軽く見られていたところなのか?私が子供の頃はプッチーニは大作曲家扱いされていなかったものなぁ。かく言う私も、生でプッチーニを体験してこの作曲家の偉大さを知ったのだから。

 とにかく、素晴らしい一夜を与えてくれたことを深く感謝したいと思います。あー面白かった。
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by harukko45 | 2007-01-31 18:53 | 旅行

ウィーン2007(8日目)

 今日は天気が良くない。ずっと雨だ。地下鉄をいろいろ乗って、カグランKagranという場所の新しいショッピングセンター(ウィーンにしてはわりとあか抜けていた)なんかに行ったり、その付近の国連ビルのあたりをうろついてみたが、あまり気分は盛り上がらず、何ともどんより気分だ。とにかく、昨夜のヴェルディはいまひとつ、おまけに部屋のヒーターは故障して寒いし、冴えないこと甚だしい。

 で、午後3時になったのでペーター教会に行ってみた。毎日やっているオルガン・コンサートで、今日はバッハばかりのセット。だが、やはりどうもここのオルガンの音はあまり好みでない。ちょうど天上から神の声のように降りて来る感じなのは結構だが、残響が深すぎて濁りを生む。最後のフーガでは何を弾いているのか分からない感じで、それがちょっとトランス的でもあったが、おかげで眠りそうになった。

e0093608_1834918.jpg その後、昨日に引き続いてデーメルでケーキをお持ち帰り。私としては最も興味をそそられるというか、こういうのは絶対日本では食べれない、オーベルス・クレーメ・シュニッテを買った。これはカスタード・クリームと生クリーム(バニラ・クリームですかね?日本で言うものとは違うかも)による2層クリーム・ケーキ。はっきり言ってこれは至福のケーキです、私には。なんと素晴らしいコンビネーションではありませんか!カスタードは卵の黄身の味がしっかりあり、砂糖抜きの生クリームはいかにもウィーン風、底にパイで上には砂糖を固めたもの、これらを一緒に口に入れると豊かなハーモニーが生まれてこの世のものとは思えぬひと時を味わえるのでありました。傑作です。

 夜は路面電車を適当に乗り降りしてブラブラしながら、建物の写真など撮ってみたが、どれもピンぼけだし、すごい雨になってずぶ濡れになってしまいました。それにしても、ウィーン市庁舎前はいろんなイベント会場にもなるんだけど、今はスケートリンクになっていて、これが単純な円形のリンクでなくて、ちゃんとコースがつくられているのが、さすがウィンター・スポーツの本場でありました。だいたいコース内に進入禁止の標識や、交差点もどきまで作ってあるんですから、恐れ入ります。滑っている人たちもみんなウマくて、かなりのスピードで楽しんでいました。小学生以来やってないから、ちょっと滑りたい気持ちにもなったけど、このハイレベルでは日本で少し練習しておかないと中に入ってはいけませんな。

 それから再び電車で移動、クラシック音楽の殿堂、楽友協会ホールにも行ってみました。ここで音楽を聴いたのは2回ありますが、せっかくウィーンに来てもなかなか観たいものと巡り会うのはむずかしいのでした。でも、いつもながら立派で威厳のある建物であります。ちなみにウィーンのピアノ・メーカーの老舗ベーゼンドルファーのショールームが裏側の1階にあります。

e0093608_18344551.jpg さて、夕食ということでホテル近くのブロイ、プルッツァー"Plutzer"に行ってみました。初めて入りましたが、ここが大当たり。店のハウス・ビールはちょっとライトな感じだったけど、たのんだスペアリブが旨かった。これに合わすと、軽い感じのビールがちょうど良く、グイグイと進むのでした。

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 2杯目はドゥンケルスをオーダー、こちらも少しライトだった。ヴァイス・ビアもなかなか良かったですね。料理はウィーン名物のものもあって、味もこれなら、もっと早くに来てればよかった。

 ホテルに帰ればヒーターも直っていてよかったよかった。

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 ウィーン市庁舎

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 そこのスケートリンクの一部。標識付き

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 カールス教会とムジークフェライン。

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 威圧感のある夜のムジークフェライン。

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 自然史美術館と路面電車。

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 ブルグ劇場は芝居の殿堂。

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 王宮が見えるコールマルクト周辺、ここは高級ブランド通り。デーメルもこの通り沿い。

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 有名なブロイ、ゲッサービア・クリニック。ビールも料理も良いですが、今回はパスしてプルッツァー通いでした。
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by harukko45 | 2007-01-30 18:38 | 旅行

e0093608_19103458.jpg 夜は国立歌劇場"Staatsoper"にヴェルディの「ファルスタッフ」を観に行った。指揮はファビオ・ルイージ氏。このところ彼は日本でも評価が高く、特にウィーン交響楽団を率いた来日公演が好評だったようだ。私はそれをNHKの放送で見たが、とてもオーソドックスな職人的な演奏だと感じた。逆に言えば、最近の「個性尊重主義」に毒されている耳には新鮮に響いた。ある意味、これって昔に聴いた雰囲気じゃない?っていうのが面白かった。
 生の演奏では、7年ぐらい前にやはりStaatsoperにて、プッチーニの「ボエーム」を聴いた。その時はテノールにロベルト・アラーニャがいて、とても盛り上がったいい出来だった。ルイージは実にバランスよくまとめていて、その指揮ぶりに好感を持ったのだった。

 というわけで、ヴェルディの遺作にして唯一のブッファ、「ファルスタッフ」をルイージが振るなら、裏切られる事はなかろう。

 で、確かに悪くはなかった、が、「ボエーム」の時のような感動はなかった。ウィーンの観客も冷ややかだ。おとといの「イドメネオ」の時の大絶賛のブラボーのような興奮した拍手は一切なく、おきまりのカーテンコールがあったのみ、ブーイングまではいたらなかったが、全体的には明らかに物足りないなぁという印象だった。
 実をいうとこの「良くもなく悪くもなく」というのが一番記憶に残らなくなって、こうやって書くのも困るといったところ。
 ルイージ率いるウィーン・フィルは確かな音響効果と美音を随所に聴かせてくれたし、さすがにうまいと思うが、どこか音楽に入り込んでいけないヨソヨソしさを感じてしまった。それはこちらの精神状態の影響もあるのだが、何しろ朝にとても心に響いたモーツァルトのミサ曲を聴いたせいもあるかもしれない。

 そんな状況は、これまでもStaatsoperでオペラ前半によくあることだったが、時に後半になって全員が火の玉のように突然燃え上がって、それまでの平易さをぶち破り、万事OKにしてしまうのだった。が、それには何かキッカケが必要なのだが、今回はステージの歌手達も平均点の人ばかりで、飛び抜けたインパクトを与えるほどの力はなかったようだ。なので、最後までとてもよくまとまったまま、優等生的なパフォーマンスに終始していた。

 私としてはルイージの職人的なしっかりした仕事ぶりには敬意を表したい気持ちがあるが、どうやらそういう渋さに完全に共感できるほど、私の精神は落ち着いていないようだ。だから、オケからはとてもいい音を引き出していたと感心しつつも、音楽としては少々退屈だったと言うしかない。
 うーむ、それとヴェルディを聴く場合、今の自分にはまだ悲劇の方がいいのかもしれない。「ファルスタッフ」はかなり作者が「自分の最後は喜劇で」と目論んだ感じがあるし、意識的に過去の作品をパロディ化しているようなところがある。なので、これをいろいろと理解しきるにはもうちょっと上級のオペラ者になってからかもしれない。フェリーニの「8 1/2」的難解さがあり、それはフェリーニ同様、いつか理解した時にとんでもなく感動するような気もする。
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by harukko45 | 2007-01-29 19:11 | 旅行

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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