タケカワユキヒデさんの仕事の翌日は、サカイレイコさんとのライブでした。このところ定例化している1年に2度の南青山マンダラでのライブの秋バージョン。今回も、いつものようにピアノとアコーディオンの鶴来さん、ベースの永田くん、ドラムのキクちゃんに、夏のライブでも参加してくれたギターの原田くんと私という編成。この形でのサウンド面でのまとまりは、このところ顕著に深化していて、本当に楽しいです。

 前回がCD発売記念で8月だったせいもあり、今回はその時とはずいぶん曲を入れ替えたので、多少熟れていない部分もありましたが、それがかえってスリリングさも感じさせたように進んだのも実に好ましいのでした。
 個人的には大好きなピアフの"ミロール"をかなり面白く再現できたのが、大いに楽しかったです。インチキ臭いニューオーリンズ風シャンソンになったと思っております。

 レイコさんのオリジナル曲も新曲を含む11曲やりましたが、前回からは7曲入れ替えており、これがなかなか新鮮でしたし、彼女がアンコールで弾き語りした"確信の一歩手前"はなかなかの佳曲。是非、将来的にはレコーディングした完成させたい気分になりました。それと、"ぐずな片思い"もワクワクする内容で、これも好きです。

 また、2部の後半で4曲を一つの流れとしてつなげたのですが、レス・ポールの"ジョニーお前は天使じゃない"、シナトラ、ポール・アンカの「マイ・ウェイ」の原曲である"Comme D'habitudo(コンダヴィテューダ/本来はドロドロの別れの曲)"、レイコ・オリジナルの"プレリュード"、バルバラの代表曲"黒い鷲"の4曲はかなり重厚でやり応え十分の内容で、とても盛り上がったし、選曲と構成が非常に良かったのでした。

 今年は、レイコさんにとってはなかなか充実した一年になったように思います。私が関わったものだけでも、新作アルバムの制作と発表、それに絡めての2回のマンダラでのライブと、確実に素晴らしい成果を上げたのでした。
 体力的にはなかなかきつかったこの数日でしたが、それでもこれだけ内容的に満足できると、その疲れも吹っ飛ぶって感じでした。
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by harukko45 | 2010-10-28 16:11 | 音楽の仕事

 今月は11月にあるコンサート用に譜面を書かなくてはならず、その合間にライブの仕事もあるという状況で、ブログの更新もご無沙汰しておりました。
 大好きなスポーツ関連でも、興味深いイベントが目白押しだったのに、ゆっくり観戦することもままならずでした。

 ようやく譜面書きのメドもたち、ライブも無事にこなすことが出来たので、まずは一安心といったところでしょうか。それにしても時間の経つのは早い。もう10月も終わりが近いのでした。

 というわけで、今月はタケカワユキヒデさんのソロ・ライブの仕事が2本あり、その2本目である「地球いきものEXPO」というイベントでのコンサートが去る24日にありました。5年前に「愛・地球博」が催され、現在は「モリコロ・パーク」と呼ばれている場所がその会場でありました。

 内容は、いつものようにゴダイゴ曲にビートルズ・カバーに加え、地元の子供合唱団とともに"手の平を太陽に"と"翼をください"をやったり、女優の竹下景子さんによる朗読がはさまれたりと、なかなか多彩なものでした。
 演奏開始が昼間の13時ということで、ちょっとミュージシャン的には「慣れない」時間帯ではありましたが、それでも落ち着いた演奏が出来ていたと思います。

 ただし、演奏終了後にはすぐに会場を後にして帰宅となったので、やはりバテバテでしたね。新幹線の中では皆さん爆睡しておりました。

 
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by harukko45 | 2010-10-27 23:51 | 音楽の仕事

 2日での横浜BLITZが終わって以来、少々気が抜けたか、ちょっと体調崩して静かにしておりましたが、先週末から再始動。で昨夜、栃木県野木町のエニスホールにて、タケカワユキヒデさんのコンサートでバックをつとめてきました。メンバーはギターの土屋潔さんとベースの財津尚之くんとの3人編成でした。

 私としては、夏からの流れが一段落して、今年後半に向けての一発目の仕事ではありましたが、個人的には随所にバタついた演奏で、ちょっといただけない内容でした。深く反省せねばいけませんが、かなり久しぶりだったので、バンド全体にもギクシャク感はありました。
 とは言え、何とか大きなトラブルなくやり切ったことは、長年の経験から来る「ずぶとさ」でしょう。そればかりに頼っていては、まずいことですが。

 個人的には、タケさんの音楽に最大限貢献したいと、強く思っているのですが、いまいち空回りな出来になる部分があって、気持ちが強い分、それが成果に十分反映されないことが悔やまれてなりません。
 もう少しクールになって、頭と体のバランスを取った方が良いのかもしれません。単なる考え過ぎとも言えますが。

 さて、セットメニューを掲載しておきます。

m1.オーバーチュア〜ガンダーラ 2.MONKEY MAGIC 3.Salad Girl 4.Love Can Do 5.Yesterday 6.All My Loving 7.Roll Over Beethoven 8.Holy & Bright 9.Last Hour 10.Happiness 11.She Loves You 12.時の流れに身をまかせ(我只在乎你)13.相信自己 14.Tree Of Life 15.ビューティフル・ネーム 16.銀河鉄道999 En.A Big Rock & Roll Star

 ゴダイゴの名曲群とタケさんお気に入りのビートルズ曲、そしてm11からは三女の基(もとい)さんを迎えてのコーナー、彼女は現在北京でタレント活動中、得意の中国語での2曲とタケさんとのデュエットも含む、豪華な内容でした。
 これだけのものを1回きりで終わりとは、これまた残念です。正直言えば、あと何回かやって深化させて行きたいのですが、タケさん自身も忙しい中、なかなか難しいことでした。

 私はm8,9,10の3曲が好きですねぇ。特に初めてやった"Last Hour"は実に渋い佳曲でした。ドラムスがいればもっと劇的に出来たでしょうが、3人編成でも、曲の良さは伝わると思いました。

 タケさんとのライブは今月末に愛知でありますが、今回とはまた違った内容でやることになります。ただ、バンド編成は同じなので、少しでも私個人の精度を上げて、より完成度を高めたいと思います。

 会場に来てくれた地元の皆さんを始め、遠くから駆けつけてくれた多くのタケさんのファンの皆さんには暖かい拍手をいただきました。心よりお礼をします。ありがとうございました。
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by harukko45 | 2010-10-16 15:49 | 音楽の仕事

詳細(2)からの続き

m5.雨上がりの虹のように

 大作メドレーが終わると、ステージ上はある種の開放感が生まれてきます。もちろん、次の曲は久しぶりのシングル・リリース曲で、前曲のライターである岡村孝子さんの書き下ろしですから、大事に扱わなくてはいけません。これは当然なのですが、どんな場合でもニュー・リリース曲に対しては敬意を払って、まずはオリジナルの再現を試みるわけです。

 また、今回は日本のポップス/歌謡曲界の重鎮で数々の名作を作ってきた萩田光雄さんのアレンジですので、ますますそういう気分になりますね。それに、キッチリと譜面に書かれているフレーズが満載で、特にギターは重要な役回りになっていました。
 徳武さんは本来の自分のキャラとは違う感じではありましたが、かなりCDのサウンドを再現するように頑張ってくれました。

 他の3人はどちらかと言えば、しっかりバックを支えるって感じですが、全体的にはCDよりも躍動感のある演奏になったのではないでしょうか。まさにライブならでは、気の合うバンドならではのグルーヴ感が随所に感じられて楽しかったです。

m6.青空

 続けてやった"青空"は個人的には今回のメニューの中で一番気を使ったものでした。この曲は詞・曲ともに実はかなり「古風」な作りで、他の曲とは違った趣きを持っています。「古風」なのは、「古くさい」のではなく、かつての歌謡曲などが持っていた良さがこの曲にはあると言うことです。
 だから、無意味に長い余計な部分がなく、簡潔な作りながら言いたいことをしっかりと言い切っているのでした。

 なっち自身もとてもお気に入りで、思い入れも強い曲なのでした。ですから、テンポやノリなどにもちょっとしたこだわりを感じさせるのでした。

 CDでは全体に打ち込みっぽいニュアンスで、固い仕上がりに思えます。曲自体が良く、広がりを感じさせる内容なので、同じアレンジでも、生でもっとセンシティブにやっていけば絶対に活きると考えました。今回はバンドでやれたので、その思いがほぼ表現できたのではないかと思っていますし、会場からの反応もかなり良かったように感じられました。ひょっとしたら、"雨上がり..."を食っちゃったかも?それはないか。でも、こちらの気分はそのぐらいのレベルだったということです。

m7.鳴り止まないタンバリン〜m8.恋した女の子どすえ

 さて、ここからは大いにはじけて盛り上がろうコーナー。個人的にも"ふるさと""メドレー""青空"と神経を使う曲が終わったので、「こっちも楽しむぞ」的気分になりました。

 "タンバリン"は元々完全なる打ち込みで、打ち込みだからこその良さというものがある曲。なので、リズムに関しては同期ものを使って、ラップ・ロック的な感じにしました。とは言え、やはり生のドラム、ベースの威力というのは絶大で、打ち込みものとの相性さえ合えば、インパクトとダイナミクスに関しては圧倒的に良くなるのでした。
 ドラムの高杉さんは打ち込みのスピード感をちゃんと残しながら、生バンドの大きさや柔軟性を生み出してくれましたし、よりロック的なかっこよさが強調されたと思います。

 それは続く"...どすえ"においても言えるわけです。これはどちらかと言えば、徳武さんのロカビリー・スタイルのギター・テクニックを大々的にフィーチャアしているのですが、強烈にロールするリズム・セクションのかっこ良さも大いに讃えたいです。特に、ツアー終盤になるにつれ、どんどん凄みを増すように燃え上がって、テンポもギンギンに上がって行く感じでしたっけ。
 ロックに関しては年期が違う!さすがオジサン・バンドどすえ。

m9.愛しき人〜m10.微風(そよかぜ)

 本編最後は、言うことなしの代表曲2曲。たぶん、ほとんどのファンも納得の2曲ではないでしょうか。"愛しき人"では会場中を巻き込んでの大合唱のシーンを作り出したかと思えば、一転して"微風"では、じっくりと大作バラードをビシっと歌い切る、なっちのパフォーマーとしての力は本当に素晴らしいです。

 m10のような曲は、ツルさんがいてくれたらとリハでは思った時もありましたが、本番での会場の熱気を感じたら、すっかり燃え上がってしまいました。だから、かなり興奮度の高い"微風"で、「そよかぜ」どころではなかったかもしれません。

En1.大人へのエレベーター

 いやぁ、面白かった。個人的には中村あゆみさんのライブやっている時を思い出した。そうそう、まさにこういう盛り上がりと熱気だよなぁって。

En2.beautiful

 そして、大ラスは夏に引き続き、この曲。ただし、リズム隊が入ったことで、ここでもよりロック色、それも60年代のサイケ色、ビートルズ色が強まりました。個人的にはニンマリです。今回のメンバーはその辺のニュアンスが体にしみ込んでいる連中なので、ほとんどツーカーでコミュニケイションが取れるのでした。
 おかげで、私自身もすごく感動するラストになりましたし、まさに「やり切った」と思えたラストでした。

 ファイナルの最終ステージ、全曲終了後になっちが我々メンバーにハグしてくれたのには驚きましたが、それぐらいお互いにやり尽くした気持ちで一杯だったのでした。そして、楽屋に帰ってからも全く興奮覚めやらぬ彼女も実に印象的でした。
 それは我々バンドも一緒。もう終わっちゃうなんて。

 さて、今回のファイナルはDVDに収録されて発売されるそうですが、確かにそれはそれでうれしいし、楽しみではありますが、やはりあの日あの場で体験したことは、その瞬間でしか味わえないもの。絶対に録音や録画では全ては取り切れてはいないのです。だからこそ、札幌からの7カ所13公演一つ一つが素晴らしい体験、一期一会の感動だったのでした。

 この場から、つねに熱い思いをステージに送り続けてくれたファンのみんなに、再び感謝したいと思います。本当に本当にありがとうございました。なっちとはしばらくお別れですけど、もしまた再会する時があったら、よりいっそう良いステージを目指して頑張ります。その時が来るのを楽しみにしたいと思います。
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by harukko45 | 2010-10-04 17:03 | 音楽の仕事

詳細(1)からの続き。

m4.メドレー1章(ちょっとずつね〜腕組んで帰りたい)2章(晴れ 雨 のち スキ〜やんなっちゃう〜Memory 青春の光)3章(夢をあきらめないで)
 
 今回のメドレーは「一本の恋愛映画を観ているような感じで聞かせたい」という明解な意図がまずあり、それぞれの曲の歌詞をつないだ時に一つのストーリーを感じさせるような流れを目指しました。
 それと、このストーリーのメインテーマを表現する曲は何かと言えば、"Memory 青春の光"であったので、音楽全体の通奏低音としてこの曲がある、という感覚でとらえることにしました。

 最初の原案では、各章の頭に短いセリフが考えられていたりして、より劇仕立てな方向も見えましたし、規模ももう少し大きかった感じでした。ただ、演出の野沢トオルさんがリハ間際まで超多忙であったため、その具体的な構成に関しては、まずは大枠のような形にしておいて、実際にリハーサルで試しながら修正を加えていくことになりました。
 なので、リハーサル初日から皆で意見を交わしながら、いろいろとトライしていき、それをもう一度私が持ち帰って整理したのが、最終版となったのでした。

 ここで見えてくるストーリーとしては、1章は新たな恋の始まりへの不安と喜び、2章は危うい恋のゆくえ、そして破局、3章は失意の中から希望に向かって、となるのでした。

 各章の冒頭に駅、雨、街のSEを入れて物語の展開を印象づけることになりましたが、これにより演奏する側にとってもイメージをとらえやすくなりました。
 私は「映画音楽風」を強く意識したので、まずはタイトルロールが出ているバックに流れるような感じのイントロダクションを作りました。とは言え、4人編成のバンドでは、おのずと限界もあるので、ほとんどピアノ・ソロ的になりましたが、主人公が抱く繊細に揺らぐ心のイメージをシンプルなフレーズで表せればと思っていました。

 1章の2曲は、まさに恋の始まりと喜びにピッタリでした。"ちょっとずつね"はこのところ毎回登場しているので、イメージはとらえやすいですが、"腕組んで"はオリジナルのエレキ・ギターによるガール・ポップぽいやり方から、逆にアコギをベースにしたより土臭いサザン・ロック風でやってみました。この方が詞もよく聞こえてくるし、あまり「はしゃぎすぎない」感じが出て、この恋のストーリーの流れをこわさないで出来たと思います。
 なっち自身はこの曲が入ることで、イメージが崩れてしまうのを一番心配していたのですが、今回はとてもうまくつなげることに成功しました。

 2章の前は同じピアノのフレーズでも、聞いている人には印象が変わっているように心がけ、"晴れ雨..."への導入がキュンとしてくれればと思いました。
 かなりの佳曲である"晴れ雨..."と"Memory"にはさまれてしまった"やんなっちゃう"は、どうしても曲としてのパワーで負けてしまい、少々不利な立場に追いやられたのですが、音楽的に流れを止めないで、気持ちのいい展開をするためにサビの部分だけ引用することになりました。
 バンドとしても、この辺の流れは演奏のしがいがあるもので、ステージを重ねるごとにどんどん躍動感のある内容になっていきました。特に"Memory"でのファンキーなリズム隊の動きは実にゴキゲンでした。

 私はこの2章はかなり大忙しで、全くもって息が抜けません。でも3曲とも好きだし、外せないフレーズやサウンドは出来るだけカバーしたかったので、大いに頑張りました。

 さて、このストーリーは一応"Memory"で終わるわけですが、ちょうど映画のエンドロールが流れるイメージで"夢をあきらめないで"をやるというグッド・アイデアがあり、あの実に印象的なアカペラによる歌いだしになりました。なっちは絶対音があるので、どんな状況でもビシっと歌い始められるのです。
 ただ、バックに流れるSEの中に入っている靴音やクラクションなどに微妙な音程を感じてしまうので、最初はちょっとやりにくそうでした。私も一度だけピアノで手助けしましたが、逆にスリリングさに欠ける感じがしたので、すぐにやめました。で、ステージ上に流れるSEの音量を下げることで、なっちは本来の調子を取り戻し、ツアー後半では毎回完璧にやりこなしてくれました。このシーンはバンド全員もしびれる部分でした。

 そして、バンドが加わってからの"夢を..."はメドレーの最後を締めくくるにふさわしい形でまとめることができました。演奏の方も、どんどん感動的なフィナーレを作り出せるようになっていき、今回のバンドの力量の高さを示すものだったと思っています。

詳細(3)に続く。
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by harukko45 | 2010-10-04 12:17 | 音楽の仕事

 昨日終わった、安倍なつみさんの秋ツアーをセットメニューにそって振り返ります。

 その前に、まずは今回のツアーの大きな特徴として、夏ツアー同様に演出家がついたことがあります。俳優・脚本家でもある野沢トオルさんは「秋」という季節感と一つのストーリー性を持った構成を考えてくれました。もちろん、打ち合わせとリハーサルの中で、選ばれた楽曲と流れにところどころ修正が加えられて、自然なライブ感を忘れないような形になっていきました。

 それと、「バンド・メンバーの声も聞いてみよう」という「オータム・ボイス」コーナーは当初は、各ステージ一つのテーマで一人に話を聞く、という「箸休め」的な小さな(?)コーナーだったのが、予想外に拡大。仕舞いには歌まで歌うはめになるとはね。これに関しては、トオルさんの演出というよりも、なっちを始めとする現場での即興的な展開だったのですが、我々メンバーには常に「恐怖」の時間となりました。

 まぁそんな中、徳武さんは「ギターとイカ」という二大キャラを持っているので、ずいぶん楽にしてたなぁ。方や、かなり誠実に話をしていたドラムの高杉さんも、実はマイクを持ったら止まらないタイプでしたね。あのコイズミ的髪型もあって、ファンの人たちが「総理!」って名付けたのはナイスでした。
 ベースの六川さんは比較的無難に乗り切ってた感じ。最初から庶民派の特攻キャラで押切れる彼は度胸も座ってるんだよね。でもって、私は少々支離滅裂な展開でした。正直、後で思い返すとお恥ずかしいかぎりでした、いやはや。

 では、本編。

 オープニングは"恋の花"と決まっていたのですが、メンバーとなっちが登場する時間をとるためにインスト部分を打ち込みで付け加えることになりました。私が作ったものをトオルさんに聞かせたところ、すごく気に入ってくれて、そこになっちのボイスを左右パラレルに挿入するというアイデアになりました。
 よくありがちなシンセ・パッドによる幻想的なイントロダクションみたいなものにはしたくなかったので、今回の出来は私自身も気に入っています。

m1.恋の花

 この曲はグルーヴ感テンポ感が難しい曲です。CDバージョンはテクノ・ポップな感触が良く出ているのですが、なっちにとってはテンポが早すぎるそうです。言葉がちゃんと乗り切らずに歌うのが辛いようでした。とは言え、数年前にやっていたスローバージョンはいかにも苦肉の策的で、いまいち支持も低かったよう。
 やはり、この曲を生かすにはオリジナルの形が望ましい、というのが全員の認識でした。

 というわけで、オリジナルよりは少しテンポを落としましたが、「打ち込み」感覚を残すために、シークエンサーと同期してやってみました。打ち込みリズム部分は生ドラムスとのバランスを考えて、私が新たに作りました。
 イントロなどで出てくる中華風YMO風のシンセ・メロはいかにも打ち込みならではなのですが、やはり生でやらねば演奏家としてはつまらんので、手弾きにしました。

 CDでのパキパキしていながら浮遊しているような感覚は、生になることでかなり薄れてしまいますが、その分ライブならではのダイナミクスの大きさは獲得できたのではないでしょうか。この曲でのオープニングは、比較的「やわらかい」感じもあり、あまりガツガツして会場を煽るわけでもないところが好きです。

m2.あなた色

 これはライブでは定番のアゲ曲と言えるでしょうが、CDのジプシー・キングス風のやり方は少々飽きてきたので、もうちょっとラテン・ロック、ラテン・フュージョン的なアプローチにしてみました。徳武さんがアコギからエレキに持ち替えたこと、「スニーカー」ツアーでの打ち込みパーカッションを同期させたこと、ガット・ギターのじゃかじゃかしたカッティングがなくなったので、その分ピアノやベースで積極的なバッキングが可能になったこと、等が上げられるでしょうか。
 1ハーフになってしまったのは残念でしたが、この頭2曲のつなぎは、これまでの中では一番スマートに決まったオープニングではなかったかと思っています。

m3.ふるさと

 MC後のこの曲、大好きです。つんく氏の傑作曲の一つです、間違いなく。同時に、「娘。」曲というよりも、なっちの代表曲として今後は認識していくべき曲でしょうね。彼女じゃないと、こういうムードになりません。
 私はこの曲が気に入っているので、演奏面でもいろいろ楽しく弾かせてもらっています。ですから、オリジナルに入っている基本的で印象的なフレーズは全てキーボードで再現しているのですが、ここに徳さんのあまりにもシビれるフィル・インがからんでくるので、もうたまらんのです。はっきり言って、これがあるとないとでは全然違います。CDでの若い時期のキュンとした感情から、大人になって少しずつ「酸いも甘いも」知り始めた感情への成長が音になっている部分、これが徳さんのギターの「ヌメヌメ」感なんですね。
 だからといって、なっちが意識して大人風にしないところが、良いのです。あくまで「青い」感じは永遠の若さにもつながる感覚で、この曲の大きな魅力なのです。

詳細(2)へ続く。
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by harukko45 | 2010-10-03 15:23 | 音楽の仕事

安倍なつみ/横浜Blitz

 10月2日、安倍なつみさんの秋ツアー"Autumn Voice"のファイナルが横浜Blitzにて満杯のお客さんとともに無事終了しました。いやぁ、メンバー、スタッフの皆さん、もちろんメインであるなっち、心からお疲れさま、って声をかけたいと思います。
 そして、会場で精一杯盛り上げてくれたファンの皆さんには、感謝感謝、大感謝です。本当に本当にありがとうございました。

 それにしても、いろいろな展開で、予想外な部分も多かった(特にバンド・メンバーを巻き込んだ「オータム・ヴォイス」コーナー)今回でしたが、音楽的には短い時間ながらすごく充実した成果を上げることが出来たと思っていて、個人的にも満足する部分が多かったと思います。
 別の言い方をすれば、なっちのライブに初めて関わった"Angelicツアー"から約2年経ち、ここに来て「一つの形」にまで辿り着いたようにも思います。もちろん、今回が全て完璧だったわけではないけど、それでもずいぶん深化した内容になってきたな、と思われるのでした。

 それは、4人編成の基本的なバンド・スタイルでツアーを回れたことも大きいです。ドラムの高杉登さん、ベースの六川正彦さん、ギターの徳武弘文さんによる「愛のある」演奏がなければ、こういう満足感はなかったでしょう。

 また、日程がタイトな強行スケジュールも逆に幸いしたかもしれません。それだけ、各自が集中する時間がより蜜で濃くなりましたし、体力的にきつい部分を皆でカバーしあったとも言えるからでした。それもこれも、すべて「なっち」のため。そういう気にさせるだけの器量と魅力を安倍さんがしっかりと持ち合わせていたからこそ、我々もやる気になったのでした。

 さて、昨日のファイナル2公演、途中の「オータム・ボイス」コーナーでは完全になっちとプロデューサーにハメられた感のあったバンド4人で、みんな「頭が真っ白」になるような感じで、ほんとドギマギしていましたが、それはおいても、一致団結したステージ上の皆のエネルギーは素晴らしかったです。これで終わるのがちょっともったいない気がします、ほんとに。

 例によってセットメニューの詳細は別にアップしたいと思います。とりあえず、各地で観に来てくださったファンの皆さんには、もう一度お礼の言葉をおくります。ありがとうございました!!!
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by harukko45 | 2010-10-03 05:39 | 音楽の仕事

 先月になってしまいましたが、9月29日に松崎しげるさんと大橋純子さんによるジョイント・コンサートがあり、東京・蒲田にある大田区民ホールで演奏してきました。

 で、今回のメニューはこのジョイント・コンサートのフル・バージョンで、過去を振り返ってみると、何と2008年の6月以来でありました。そりゃ、いろんな部分がアヤシくなっているに決まってる。というわけで、本番前のリハではかなりドタバタしておりましたが、さすが百戦錬磨の松崎さん、ジュンコさん、そしてバンドの面々(松崎さんのバックバンド、パインツリーのメンバーに私とギターの土屋さんがチーム大橋から参戦)は本番になると、ピシっと落ち着き払って(?)見事にやり遂げてしまうのでした。
 でもほんと、自分で言うのもなんですが、久々だったのに、すごくいいステージだなって、思いました。

 個人的には夏のクラブサーキット以来の"シルエット・ロマンス"はかなり入り込めました。それと、あくまでシンプルにやることってあらためて大事だな、なんて感じたりもしました。

 それと、20分間にわたる"映画音楽メドレー"はかなり集中力のいる大作ですが、前やった時同様に、実に楽しかったです。やっぱ曲とアレンジが良いと飽きないのでした。

 とは言え、この日はなかなかの長丁場だっただけに、体はヘトヘトになりました。気候も突然涼しくなったせいもあったか、ちょっと体調を崩したかもしれません。とにかく、帰宅した途端にバタンキューで寝込んだ次第です、やれやれ。
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by harukko45 | 2010-10-02 00:00 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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