詳細(2)からの続き

 コンサート後半は、3カ所の公演全てで違っているので、ちょっとゴチャゴチャするかも。

m8.大人へのエレベーター 9.トウモロコシと空と風 10.愛しき人(逗子/大阪)
m8.トウモロコシと空と風 9.大人へのエレベーター(東京)

 それぞれお馴染みで、つねに盛り上がる曲なので、付け加えることもあまりないのですが、曲の順番としては東京バージョンの方が、スムースでした。サプライズ的な"鳴り止まないタンバリン"からのつながりだったせいもあるでしょう。

 また、"トウモロコシ..."では恒例の会場一体となっての「振り付け」がなっちの指導の元、行われるわけですが、ここでのタイミングは生のリズムセクションならば、いくらでも調整可能ですが、打ち込みトラックの場合はそうはいかない。今回も曲の寸法を決めてあるので、なんやかんやで会場とのやりとりが伸びたり縮んだりすると、タイミングがずれてグタグタになる危険があるのです。
 ここの部分はリハーサルで何度もシュミレーションをして調整しました。それでも、本番は何が起こるかわからないので、クリックを聴いている私がところどころのキメ場所が近づくたびに合図を送るということに。なので、会場のみんなは楽しそうに踊ってたけど、一人私は「1,2,3,4」って数えているのでした。それでも、合図を出し忘れる危険もあるから、相当真剣なのだ。
 こういう部分は、生バンドでやるのがいいですよ、ほんと。

 なので、なっちと会場のみんなとの練習が終わって、「さぁ、本番です!1、2」でオケがジャンジャンジャンジャンと入ってくると誰よりも一番盛り上がるのは私に違いないのです、ハイ。

m10(東京)m11(逗子/大阪).beautiful

 昨年のツアー・ファイナルで競演してくれた「かもめ児童合唱団」のアルバムになっちがゲストボーカルとして参加、その曲が本編最後を飾りました。アレンジが60年代風のサイケ調で、そのムードをより強調する方向でやりました。最初はドラムなどのリズムがなかったので、物足りなさがあったのですが、何度かやるうちに、3人だけの方が「不思議」感がより感じられるようになり、「イケル」ということになりました。
 メロディが何とも「後を引く」ので、終わった後の思わずサビを口ずさんでしまいます。

 ところで、大阪ではディナーショウ形式だったので、アンコールはありませんでした。また、逗子ではアンコールを2曲用意していたのですが、ライブハウスのタイムリミット(周辺への配慮)を越えそうになってしまい。残念ながら"せんこう花火"のみで終演となってしまいました。この時、やろうと思っていた最後の曲は"月色の光"でした。

 というわけで、きっちりアンコールにお応えすることが出来たのは東京公演のみでした。

En1.ここにいるぜぇ! 2.夕暮れ作戦会議 3.愛しき人

 アンコールでは何と言っても"ここにいるぜぇ!"です。なっちはこれまであまりモー娘。のヒット曲をコンサートでは積極的に取り上げてこなかったようですが、じょじょに気持ちが変化してきたのか、それと、ここ最近、他の卒業メンバー達がどんどん「娘。曲」をライブで歌っているのにも刺激を受けたとのことで、(かく言う私も、5月に保田&矢口コンサートで「モーニング娘。メドレー」やってますし)今回、まさに真打ちが堂々の登場となったのでした。
 それも、選曲が"ここにいるぜぇ!"というのが「さすが、なっち!」と言えませんか。私は"...タンバリン"以上に「マジ?」って思いました。

 とは言え、この手のロックもの、特にパンク系は自らの血が騒ぐところがあるので、「やるというなら、とことんやろうじゃないの!」って感じ。
 打ち込みトラックを作るのはなかなか大変でしたが、かなりいい感じになっていたのではないでしょうか。それと、曲の冒頭部分はメンバーが袖から出て行く時間も入れて長めにしなくてはいけなかったのですが、CDにも入っているシンセ・ノイズっぽいオートアルペジオをループにしてつなぎ、その後出てくるドラムスもこれまたループにしてのばしたのでした。

 この入りは、結構気に入っていたのですが、シンセが鳴った瞬間に曲を理解したファンの声援が盛り上がって、シンセ音はかき消されてしまったようです。もっとでかく録音しておかなくてはいけませんでした。

 曲中に関しては、とにかく「やるのみ!」。猛暑にも熱中症にも負けず、とことん炸裂した気分で攻撃的にいかなくては、このスピード感に負けてしまいます。速いよ、ほんと。
 それと、イントロとサビではキーが半音違うのですが、サビからイントロに戻るところで、いきなり半音下がるので、演奏していて一瞬「クラっ」と来るのです。大げさだけど、時空がゆがむって感じ。

 エンディングの大騒ぎぶりもすごい。正直、これには人数が必要なので、オリジナルの「娘。ガヤ」を始め、いろいろとサンプリングさせてもらいました。うーん、面白かった!
 会場のみなさんもビックリしたでしょう。ザマーミロです!失礼しました。けっこう、してやったりでうれしかったです。

 ちなみに、この曲をやる時はなっちを始め、みんな喋る言葉の最後に「!」がつく感じになります。ほんとですよ!

 "夕暮れ..."は前述の通り、メドレーから独立して復活。単独でフルコーラスやる方がしっくりきます。
 そして、"愛しき人"は何も言う事はありませんね。


 8月10日は終演後に、楽屋でなっちのバースディを、ソフトドリンクとケーキでお祝いしました。そして、夏バージョンの無事完走をねぎらいながら、来たるべき秋バージョンへの健闘を誓うのでした。なんか、後半は全部"ここにいるぜぇ!"調になってしまったわい。

 と、そんなことを書いているうちに、8月ももう終わりが近く、あっという間に9月になってしまいそう。9月に入るとすぐに秋バージョンのリハです。まだ、内容は知らされていませんが、私も大いに楽しみにしたいと思います。
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by harukko45 | 2010-08-23 16:28 | 音楽の仕事

詳細(1)からの続き。

 メドレーにいく前に、「偉人たちのラブレター」って、アメリカの人気ドラマだった「セックス・アンド・ザ・シティ」でキャリーがビッグに読んでた架空の本が現実に販売されたものだったとは!ついさっき知りました。ドラマの方は、再放送も含めて3回まわしで見るほどハマってましたので、「あれが、こうなったの!」って感じでビックリしました。

m6.乙女メドレー(エレベーター二人ぼっち〜ちょっとずつね〜晴れ雨のちスキ〜私の恋人なのに)
 さて、このメドレー、演出家さんのアイデアにしたがって、順番にくっつけただけなんですが、やけにいい感じに流れていき、やっているとすごく気持ちよかったんです。逗子の時は初演ということもあり、"私の恋人..."の前にインスト部分を入れたりしてましたし、その"私の恋人..."のテンポが早過ぎちゃったりしてたんですが、大阪で4ステージこなしている間にしっかりまとまって、まさに素敵な乙女に仕上がりました。私はこのシンプルなメドレーが大好きです。

 選ばれた4曲のメロディがどれも愛らしく印象的で、時に幼いかんじもする歌詞がかえって効果的で思わずキュンとなってしまうのでした。こういう情感って、年を取ってもあまり変わらずに心に響くんだなぁ、と再認識しました。
 また、こういう世界観になっちの歌声はピッタリで、今後もずっとこの良さを持ち続けてほしいし、これらに続く新曲とも巡り会って欲しいなとも思います。
 個人的には生ピアノで演奏できた大阪の出来が気に入っていますが、どの会場でも好評だったとのことで、それが一番うれしいことであります。

 ちなみに、最初は5曲目として"夕暮れ作戦会議"が含まれていたのですが、リハを最初にやった段階ですでに4曲で十分と判断しました。"私の恋人なのに"がやっぱたまらなく良いので、どうしてもこれで完結にしたいと、私から強くお願いしました。また、それにより"夕暮れ..."は単独で渋谷の時に復活できたので、万事OKとなりました。

m7.オードリーの唄(Somewhere That's Green)(逗子/大阪)

 なっちが出演していたミュージカルの中で歌っていた曲をライブで披露するのは初めてだそうです。打ち合わせでは、ごく短くやる感じでしたが、「リトルショップ・オブ・ホラーズ」が終わった直後で思い入れも深かったのでしょう。今回はきちんとフルコーラスやることになりました。私もミュージカルの音源を参考にバックをつけましたが、なるほどワザと「直訳風」になっている日本語歌詞なので、普通の曲とは違い、譜割りも字数もムチャクチャで、タイミングがむずかしい。ただ、それが演出の意図だったとのことでした。
 なので、私はなっちの気配と言葉を聞き逃さないように、結構集中しておりました。

 とは言え、この曲の歌いだしで私の方を向いた時のなっちの顔は、完全にオードリーになり切っていて普段のなっちとは別人でした。もちろん、歌い回しも声質の普段の持ち曲とは違っていました。いやぁ、ちょっとドキドキしましたね。でも、さすがミュージカルもきっちり見ているファンの方々は拍手のタイミングも完璧でしたね。

m7.鳴り止まないタンバリン(東京のみ)

 2004年にリリース予定だったこの曲はその後幻のシングル曲となってしまったわけですが、2008年にベスト盤に収録。そして、今回「8/10にはどうしてもやりたい」とのなっちの強い意志で登場となったのでした。
 私のような新参者にはこの曲のことは全く知らなかったのですが、初めて聴いて驚きました。マジに今やるの?
 リズム・トラックはエレクトロ・ポップ風でも、バック全体はハードなギターやオケヒットが炸裂しまくった完全なオルタナ・ロックで、何より驚いたのがなっちのボーカルがフルスロットルでシャウトしているじゃないですか。

 また、振り付けられたダンスも激しいものだったので、ご本人はリハーサルでは相当大変そうでした。しかし、やはりこの曲をライブでビシっと決めたいという意志が強かったと言えるでしょう。最後はその強い気持ちが勝って、渋谷でのステージになりました。
 聴いていたファンの方にも、かなり衝撃の選曲だったのではないでしょうか。これは打ち込みを使う、このバンドでやるのが正解でした。
 しかしまぁ、この曲が正式にリリースされていたら、なっちのボーカリストとしての路線はどうのように変わっていたのでしょうか。
 ただ、今回やってみて、実にライブ映えのする曲であることはよくわかりましたし、激しいロックを歌うなっちも悪くないことを自ら実証したのではないでしょうか。

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by harukko45 | 2010-08-22 22:36 | 音楽の仕事

 今回からは安倍なつみさんのサマーコンサート2010を振り返ります。初日の逗子OTODAMAが7月7日だったので、もうずいぶん前ってことになってしまいましたが、とりあえずまとめるものはまとめておかないと気が済まないので、よろしくおつきあいの程を。

 今年のなっちのコンサートは夏バージョンと秋バージョンに分かれていて、その夏版は3カ所6ステージでありました。ただし、OTODAMA、大阪フラミンゴ、渋谷O-Eastと内容はそれぞれ違っていたし、会場の雰囲気も全く異なる3カ所だったので、パフォーマンスに対する印象もだいぶ違うのではないかと思います。
 とは言え、ステージ上では初日より大阪、大阪よりも渋谷とつねにモアベターを求めるのが仕事ですから、なっちご本人を始め、バンド、スタッフが積極的に改良改善をしていったのでした。また、今回は新たに演出家の方がいて、なっちとのコラボで構成されていたのも、昨年との違いでした。それでは、セットメニューにそって書いて行きます。

m1.くちびるで止めて 2.恋にジェラシー申し上げます

 この2曲はオープニングとして全て共通でした。昨年のツアーでやったバージョンと基本的には変わっていないのですが、細かい部分で手を加えています。

 まずは、m1のリズム・トラックにいくつかパーカッション系の音やブレイク的なループを加えたことで、昨年よりもよりグルーヴィになるようにしてみました。それと、徳武さんには昨年はアコギでオリジナルに近いプレイをしてもらったのですが、今年はエレキで16分のミュート・プレイを中心にファンキーな感じを出してもらいました。このトクさんのミュートはそうとう良かった。
 また、冒頭でスワンプっぽいちょっとテクニカルなパターンを3人でやって、曲のイントロに一気に突入という形にしました。その流れで、私のプレイは昨年とはずいぶん変化しましたが、3人がそれぞれ居場所をきっちり理解しているので、アンサンブルとして完成度が高いのでした。私としては、オープニング1曲だけで、お二人の名手に心から感謝と敬意の気持ちで一杯になります。

 m2は、m1の流れにのって、徳武さんのトーンが少しクリーンになって、カントリーっぽいニュアンスになりました。
 この2曲の組み合わせは、ファンの方にも馴染みがあり、バンド側もやり慣れた曲だけにコンサートの入りとしては実にスムースでした。

m3.スイートホリック m4.息を重ねましょう

 逗子と大阪ではm3の中で、会場の皆さんと手拍子による通称「リズム遊び」をしようという企画がありましたっけ。が、当初から「キマルと面白いけど、ちょっと急にはムズカシイかも?」との不安があったのでした。案の定、逗子ではちょっと混沌としてましたなぁ。なので、大阪ではシンプルなパターンに変更されましたが、これはこれで、ずいぶん簡単になっちゃって、うーん。どうせなら、難しいまんまでやり切った方がグチャグチャでも面白かったかも?どうかなぁ?
 結局、8月10日の渋谷では全面的にカットになってしまいました。やっぱり、突然の観客参加コーナーは唐突だったかもしれませんな。もちろん、8/10はなっちのバースディですから、そのためのサプライズを組み込むために、カットせざるを得なかったのが大きいです。

 バンド側では、徳武さんにウクレレを弾いて欲しいとの要望がスタッフ側からあり、私も是非にとお願いしました。この楽器が入るだけで、すっかり南の島っぽいムードが広がります。ただし、私が昨年と同じようなプレイをしたので、ピアノのサウンドの方が強く、結局あまり効果的ではなかったのでした。ということで、渋谷では私がスティール・パンの音色と軽めのエレピでプレイし、ウクレレをより強調することにしました。これで、ますます南国風、カリブ海方面のアプローチになりました。

 m4は前の曲で会場とのコラボがあるために、続けてオリジナルのレゲエ・バージョンでやるのは今一つだと思いました。全く違うサウンドで聴いてみたいとの要望もあり、逗子と大阪では思い切ったスロー・テンポによるR&Bバラード風にしてみました。2年前の「Angelicツアー」で私とトクさんとでこの曲をインストでやった時のイメージを膨らませてみました。
 特に、逗子では海辺での夜というシチュエーションにピッタリだったように思いました。やっていてもすごく気持ちよかった。ブログにもこのバージョンの「イキカサ」が良かったとのコメントをいくつかいただき、うれしかったです。これはトライして良かったです。
 また、大阪ではなっち自身がこのテンポ感に慣れてきて、すごくいいボーカルを聴かせてくれました。なかなか、深みのある影みたいなものも見えて、新しい感覚を体験できました。

 渋谷では、「リズム遊び」がなくなったので、もう少しノリのある感じをキープするために、元のレゲエ・パターンにもどし、トクさんにはウクレレをそのまま弾いてもらってフィーチャアしました。これはこれで、気持ち的には落ち着いてやれる感じでしたが、少し新鮮味に欠けたかもしれません。

「偉人たちのラブレター」朗読〜m5.I'm In Love

 これは逗子と大阪でやったのですが、個人的にはここからの流れは好きでした。なっちの朗読のバックに幻想的なシンセをつけてほしい、とのことで、アヤシげなパッド・サウンドでフワフワと弾いておりましたが、特に大阪ではなかなか効果的に響いていたと思います。それにしても、彼女は朗読がうまいですね。声が合ってるのもあるか。

 で、朗読終了後にピアノで、そう、大阪が良かったのは生ピアノだったことも大きい。"I'm In Love"はやっていて実に楽しかったです。前の曲まで、リズム・トラックを使っていたので、ここからの数曲は、3人によるアコースティックな世界を強調したかったのでした。なので、私はピアノのみ、トクさんはアコギのみ、ツルさんはヴァイオリンのみという形で、きっちりやり切ることにしました。
 リハの最初では、もうちょっと崩れたようなバラードだったのですが、オリジナルでは比較的タイトなリズムが入っているので、なっちから少しリズミックに、というリクエストがありました。なるほど、確かに少しやりすぎでした。それで、16ビートのニュアンスを意識してやってみました。おかげで、かなり良くなりました。
 それと、随所でツルさんをフィーチャアするようにしました。こういうところでのツルさんは圧倒的に素晴らしいです。クラシックとポップスの両方の良さをちゃんとミックスしてくれるのです。

(渋谷のみ)m5.ふるさと

 渋谷では朗読コーナーではなく、この曲をじっくりと聴いてもらいました。文句なくいい曲ですし、モー娘。というよりも、なっちの代表曲にちがいないです。スタジオ版のアレンジにはバックに印象的なフレーズがいろいろあって、私としては弾きごたえのある曲で楽しいのですが、昨年12月にやった時は生ドラムだったので、全体にもっと柔らかいイメージでした。今回は打ち込みのリズム・トラックなので、多少硬くなってしまったきらいがありました。でも、その分サウンドの厚みは出たと思います。

詳細(2)へ続く。
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by harukko45 | 2010-08-22 16:29 | 音楽の仕事

詳細(1)のつづき。

 水越けいこさんのツアーで、大阪と東京の昼のみ、別のセットでやったのですが、ほとんどをファンの方のリクエストに応えるというもので、事前に集計されたリクエストを元に、けいこさんが選曲した形になりました。また、大阪と東京では前半の部分で少し違っていて、大阪では7曲けいこさんのみでの弾き語り、東京では弾き語り3曲に、ギターの田口君が加わって4曲ということになりました。曲自体も2曲入れ替えがありましたし、順番の変更もところどころあり、大阪でやってみて感じた問題点を東京で修正という流れになりました。

 大阪のセットメニューは、
m1.水彩画 2.ヨーソロ 3.渚にかえって 4.ロードショー(古時計) 5.僕にまかせてください(クラフト) 6.移る季節に 7.あなたに聞こえるように

 東京のセットメニューは、
m1.水彩画 2.ヨーソロ 3.愛を聞かせて 4.シーサイドメモリー 5.僕にまかせてください 6.渚にかえって 7.あなたに聞こえるように
 
 これらの曲には私は参加しなかったので、楽屋から聴いていたわけですが、自分の中で惹かれるのは圧倒的に"渚にかえって"です。とてもシンプルに昔風のAABA形式で書かれた曲なのですが、何と言ってもメロディがいい。Bメロは思わず口ずさんでしまいます。
 名人の船山基紀さんがアレンジですが、イントロが最高に良いんですね。全体的にはちょっとエグい部分もありますが、やはりさすがインパクトのある仕上がりです。昭和のアレンジャーは皆個性が強いです。

m8.Feeling Blue 9.My Love 10.少し前、恋だった 11.土壁のMaroc 12.海と少年 

 私が加わって、いつもの形となりました。サトジュンさんのアレンジが光るm8、9は、どちらもオリジナルにあるおいしい部分は出来るだけ拾い上げるようにしました。特に"My Love"は今聴いても新鮮ですし、かっこいいです。かなり好きです。

 m10は出来ればバンド・スタイルでやりたい曲で、二人だけだともう一つ踏み込めない感じです。ちょっともったいない感じになったかもしれません。
 逆にm11は思いっきり遊んでしまいました。具体的には、オリジナルよりも16分ぽいニュアンスをピアノの左手で強調したのと、田口くんに少しフュージョン風のトライをしてもらいました。意外にうまくいったと思っています。

 m12は、伊藤薫さんが詞で、けいこさんが曲という共作なのが興味深いですし、小笠原寛さんのアレンジもそつなくて心地よい名曲でしょう。なので、バックでどうのこうのいじくり回す必要はありません。

m13.そしてetc... 14.インスピレーション

 m13は詳細(1)の方で書いているので、m14について。オリジナルにあるイントロのリズムをサンプリングしてループにしました。ここでのサトジュンさんのアレンジは初期のスティーリー・ダン風にも思え、やはりなかなか面白いです。この方は、いろいろとアイデアが豊富だなと感心します。

 m15以降はメイン・セットと同じで、新曲を3曲、アンコールを3曲聴いていただきました。このセットはメイン・セットに比べると、もう少し細かい部分を煮詰めたかったという悔いもありますが、それでもこれだけの楽曲をファンの方にお聴かせできたのは、大胆な試みだったし、かなり楽しんでもらえたのではないかと思っています。

 さて、7月16日の横浜Baysisから8月16日のシンフォニー・クルーズまでの1ヶ月間はある意味水越けいこさんにどっぷりつかる1ヶ月とも言えましたが、次回の秋ツアーでもより深く「けいこワールド」を探求したいと思っておりますので、乞うご期待です。
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by harukko45 | 2010-08-21 23:58 | 音楽の仕事

 水越けいこさんとのSummer Tourは横浜、名古屋、京都、大阪、東京のライブハウスで7ステージ行いました。そのうち5回やったメイン・セットについて書いていこうと思います。

m1.波に寄せて m2.ふり向けばloneliness

 春のツアーでは終盤でやっていましたが、今回はのっけに登場のm1に関しては前にも書いているので繰り返しませんが、とにかく傑作で詞・曲・アレンジがまさに「海」。こういう曲がオープニングだと、自分の気持ちも引き締まります。
 続けて、85年の「Actress」よりm2を。イントロのフレーズからして爽やかで、80年代のポップ色満載。萩田光雄さんのアレンジが洗練されていて随所においしいし、竜真知子さんの詞もいわゆる「プロ」っぽい仕上げで、全体に完成度が高いです。
 でも、今はもうちょっとザックリやりたい感じ。どんなにポップにしても、どこかしら切なさや儚さが残るのがけいこさんの世界。バックも二人だけなので、よりはっきりと哀感が出るように心がけました。

m3.boy m4.15の頃 m5.あ・な・た・に

 このコーナーの3曲は一つの流れとしてまとめてあります。どの曲も詞のテーマは違っていますが、どこか主人公がみな達観しているところがあり、サウンドもそのムードに合わせて静謐で宗教的な感触になっています。m5はそれでも、少し感情的に高ぶってきますが、やはり最後は「許し」になっていくと思います。この3曲のコーナーはとても好きですね。

m6.エアーメイル m7.TOUCH ME in the memory m8.Loneliness And Blue

 前のコーナーが一つのまとまりであったなら、このコーナーはもっと踏み込んで一つの曲として聞いてもらおうと考え、全てフルコーラスなのですが、メドレーのようにつなげました。実は、この3曲はコード進行がとてもよく似ているのです。なので、けいこさんの曲をあまりよく知らない人は、曲が変わったのがわからないかもしれません。10分の曲をやっていたみたいに。でも、それがこちらの意図です。
 3曲は収録されたアルバムも違うし、当然作られた背景も違うのに、つながって聴くことにより、どこか音楽的に一本の糸で結ばれた兄弟のように感じていただけたら良いな、と、そんな事を考えていました。
 そうすると、歌詞の流れにも意味ありげなストーリーが見えてくるようにも思うのですが、どうでしょう。

m9.ペルシャン・ブルー m10.海潮音

 この2曲は私がアレンジとプログラミングしてレコーディングされたもので、当時のデータを使って打ち込みのオケを再現しました。どちらもエスニック風、ワールドミュージック風な素材なので、自然につなげることができました。また、m6"エアーメイル"にて「ベイルート」という言葉が詞の世界の重要なキイになっていたので、中東風のm9への流れも悪くなかったと思います。

m11.飛べるかもしれない m12.そしてetc... m13.月のかけら m14.ブルースカイロンリー

 ミディアム・テンポからロックンロールまで、後半はノリのいい曲が並びましたが、どれも一癖も二癖もある曲ばかりで、簡単にはいきません。特にm12は映画のストーリーを音にしたような曲で、けいこさん風に言うと「絵本をめくるような感じ」を具体化したアレンジが印象的な曲。佐藤準さんのヤンチャさと言うか、彼の天才ぶりがよく出てる1曲ではないでしょうか。
 スタジオ・バージョンの出来はかなり凝っているので、これを全て再現するのは不可能ですが、出来るだけのことはやらねば申し訳ない。なので、頑張りました。が、個人的には反省も多いです。とは言え、この曲の素晴らしさを貶めることはなかったと思っています。

 でもって、つづくm13,14とイケイケで、8分音符を刻み続けるので、もうヘトヘトになりました。

m15.モノクローム m16.会えたあと m17.蒼い涙

 春のツアーで、これらのまっさらな新曲をやったところ、なかなか好評だったので、今回も本編最後で取り上げられました。今のけいこさん、未来のけいこさんを聴いてもらうというのは面白いです。これからもどんどん新曲をやりたいですね。

En1.しあわせをありがとう 2.ほほにキスして 3.Too Far Away

 けいこさんのデビュー曲、"しあわせをありがとう"を私は初めて演奏しました。ご本人は未だにちょっと違和感を感じながらの部分もあるようです。なるほど、確かにちょっと「作られた」雰囲気はしますが、けっして悪くはないです。
 その後もシングルは伊藤薫さんの曲が続きますが、"めぐり逢いすれ違い""ほほにキスして"という流れの方に、当時の製作陣の苦心が見えると思います。

 そして、伊藤薫さんとけいこさんのコンビでの最高傑作は文句なく"Too Far Away"。この曲で終わることで、すべてをやり切ったという気持ちになるのでした。

 とは言え、京都、大阪、東京とダブル・アンコールをいただき、"ブルースカイロンリー"や"インスピレーション"を聴いてもらいました。ほんと、これで完全にとことん出し切りました。

詳細(2)
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by harukko45 | 2010-08-19 23:43 | 音楽の仕事

 今日からは、水越けいこさんとの夏のライブ・ツアーをまとめて振り返ります。セットは3種類あり、順番は逆になりますが、まずは16日あった東京ベイクルーズ/シンフォニー船上でのショウから書くことにします。

 日の出桟橋から出航するシンフォニー号でのディナーショウはけいこさんにとっては毎年恒例となっているイベントの一つ。普通のライブとは違った環境でのパフォーマンスはいろいろ難しい部分も多いのですが、それはそれなりに楽しんでしまうのが、ベテラン・ミュージシャンの強み?
 とにかく、こちらには生ピアノが常設されているのが、楽しみの一つです。それと、「揺れ」ね。今年はけっこう揺れました。あんなに晴れ渡っていても、海上は波が高かったのかも。本番前のリハーサルでは、生ピの足をしっかり固定していなかったらしく、演奏中にズズズっと動いてしまうハプニングがありました。その時は私はエレピの方で演奏していたのですが、突然横で大きなピアノが動いたので驚きました。幸い、ステージ奥へ移動したのでたいしたことはなかったですが。

 それと、毎年ヒヤヒヤするのが、乗船時刻に間に合うかどうか。それは車で移動する者に限りますが、交通渋滞やら道を間違えたりで、一昨年は私が出航3分前にドキドキ・ヒヤヒヤのセーフ、昨年はけいこさん自身が危うく船を見送るかもでしたが、さて今年は...?何と全員30分前には集合。さすが、教訓をちゃんと生かしております。

m1.Too Far Away

 いつもならステージ後半、あるいはアンコールでのポジションが定番の代表曲をいきなりとはね。こちらも驚きました。で、けいこさんが登場するタイミングを考えて、普段はカットしているストリングスによる小さなプレリュード的な部分を久々に付け加えました。ピアノだけでやるとちょっと寂しい感じでしたが、フレーズ自体はきれいです。
 オープニングでの"Too Far Away"は重いかと心配しましたが、やはりやってみると「静かな船出」のようなムードになるもんです。名曲はどこにおいても良し。

 続いては、けいこさんの感じる「朝・昼・夜」の印象をオリジナル曲で綴るという構成、まずは朝のイメージで。

m2.朝焼けのメモランダム m3.葡萄棚の下で

 1982年の「Ten」に収録されたm2は初めて演奏しました。詞を聞いていると、いろいろと想像を膨らましてしまいますが、演奏中はなかなかそういう余裕のない難曲でした。ドラム・ベースがいれば、なんてことなく淡々と進んで行く感じですが、いかんせんピアノとアコギだけですから、集中してリズムを供給せねば。ポリス風のフレーズをAメロでずっとキープしながらなので、コード感は薄く、曖昧なムードが漂うのですが、それが面白みでもありました。

 87年の「アネモネ」からのm3は、けいこさんのレパートリーの中でも最も「ヘンな曲」の候補に上げられるのでは。私は大好きです。ここでの矢野誠さんのアレンジには参ります。全く困ってしまうほど、どうってことないのに、どうしようもなく惹かれる部分が微妙に見え隠れするのです。
 ただ、それを再現したいというわけではなく、けいこさんと矢野さんが作っている微妙なムードをこちらも味わいたいと願うのでした。
 具体的にはフォーク風だった頃のキース・ジャレットだったり、現代ならノラ・ジョーンズのカントリー指向("Sunrise"あたりの)とか。
 とにかく、いろいろとやりたい事は浮かびますが、まだまだです。もっと面白く出来そう。

m4.花曇り m5.Feel So Blue

 昼のイメージで選ばれた2曲。89年の「Dramatically」からのm4は2年前のツアーでも取り上げられていましたが、前回はカットしていた部分、イントロのアヤシい入り方と、間奏とエンディングでの変拍子にトライしてみました。何度もやっているうちに結構くせになりそうな曲です。「花曇」というのは春の季語で、日本らしい繊細な表現の言葉ですね。薄くぼんやりと曇った空模様というテーマはなかなか面白い。

 82年の「Vibration」からのm5は曲もアレンジもまさに80年代風なムードでした。サビが特にそうなのですが、明るくパっと盛り上がる雰囲気にならないのは、歌詞のせいなのかもしれません。かなり詞の世界に引っ張られる感じです。

m6.窓景色 m7.Full Moon
 
 夜のイメージでの2曲。81年の「Jiggle」からのm6は曲としてすごく良いと思いますし、私としてはけいこさんの弾き語り(もしくは田口くんとのデュオ)でのライブの印象がすごく強いのです。なので、オリジナルのアレンジはいまだにピンとこないのでした。
 というわけで、田口くんのギターを中心にしっとりとやってみました。この曲とけいこさんの歌はそのまま今の時代にしっくりはまりそうに思うので、もっといいやり方を見いだせればいいな、と思う次第です。坂本冬美さんとビリー・バンバンの「また君に恋してる」の例を見るまでもなく、こういう曲ってもっと聞きたくなるのでは。

 m7は82年のTOTOバージョンと97年のDr.Kバージョンがあるのですが、今回は両方を混ぜた感じになりました。とても洗練された曲なので、どのようにやっても印象的になります。悲しい恋の終わりなのに、曲を聞いたあとは不思議に爽快な気持ちになっているのでした。

m8.海潮音 m9.蒼い涙

 本編最後は最近の作品を2曲。この前までやっていたツアーのいい感触をそのまま持ってきた感じです。特に8.15の終戦記念日の翌日だっただけに、m9で締めくくるのは良かったと思います。

En1.ほほにキスして 2.この夜に

 アンコールに応えての2曲は、おなじみのヒット曲で盛り上がってから、久しぶりの"この夜に"でした。これは、なかなか楽しかった。静かにジワジワと高まっていくゴスペル風の曲ですが、内容は濃いのでした。詞の内容も最近のけいこさんらしい前向きさと真摯な世界観があって、とてもいいエンディングになりました。
 終わってから、スタンディング・オベイションをしてくれている方々もいらして、こちらも感動しましたし、心からありがたく思います。

 本当に良い夜になりました。

 
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by harukko45 | 2010-08-19 00:26 | 音楽の仕事

詳細(2)からの続き

m6.たそがれマイラブ 7.ビューティフル・ミー(東京のみ) 8.シルエット・ロマンス 9.シンプル・ラブ 10.サファリ・ナイト 11.ペイパー・ムーン(東京最終日のみ)

 ステージ後半はジュンコさんのオリジナル・レパートリーの連続。これらのおなじみの曲達にはあらためて付け加えることはないわけで、もはや我々には血肉と変わらないほど、体にしみ込んだ世界。ひょっとしたら目つぶってても、あるいは眠ってても出来る?そういう問題じゃないか。

 とは言え、個人的にはm6とm7は、今回とても出来映えが良かったように思えたし、曲への思い入れも深まったように感じました。というか、もっと単純に「好きだ」ということ。
 またある意味、そういった特別な意識がなくてもm8以降の曲には、有無を言わせぬ絶対性が存在していて、例えばローリング・ストーンズが「サティスファクション」「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」「ブラウン・シュガー」らを演奏するのに近いのでは。
 また、いつもはオープニングでやることの多かったm9を、今回このポジションで演奏するのはとても新鮮でしたし、この曲の持つインパクトの強さを再確認したのでした。

m12.愛は時を越えて

 そういった流れで、この曲もジュンコさんの中では格段に大きな存在となってきた一つと言えるでしょう。それも、「Terra2」での大山泰樹さんのピアノ・ダビング・バージョンをベースにして、じょじょにバンドが加わっていくライブ・アレンジになってから、ステージのハイライトとなる大事なレパートリーとなりました。
 もちろん、アレンジだけでなく、本来持っていた歌詞の深みが時代とリンクしてきたこと。歌うジュンコさんが何より共感を強く抱いていることで、当初は大げさに思えた曲が今はすごくしっくりと来るようになったのでした。

 そういったこちらの思いは、やはり聴いている方にも素直に伝わるもので、どの会場、どのステージでもこの曲が終わった時の拍手は熱かった。私自身も精一杯集中してのぞんでいる曲なので、やはり客席からの大きな反応があるのはとてもうれしいことでした。

En1.Cry Me A River(東京のみ)
 
 1955年にジュリー・ロンドンによってヒットしたスタンダードの名曲。当初はエラ・フィッツジェラルドが歌う予定だったが、制作側に却下されてしまったという。作詞・曲のアーサー・ハミルトンにしてみれば、一度は落胆したものの、その後に自分と離婚したばかりのジュリーに歌わすことで、とんでもない大きなヒットになったのだから、世の中とは実に面白いもんだ。

 ジュリー・ロンドンのバージョンは、ギターが名手バーニー・ケッセルで、あとはウッド・ベースのレイ・レザーウッドのみというシンプルなバックがサイコー。ここでのバーニー・ケッセルが好サポートで、ジュリー・ロンドンのボーカルもまさに「クー、たまらん!」の極致ですなぁ。

 歌詞は痛い。
「今になって、あなたは、寂しくて一晩中泣いたですって?
それなら、川のように涙を流して泣きなさい
私もあなたのために川のように泣かされたんだから

私を裏切って捨てたことを今はすまなかったと言うのね
それなら、川のようにたくさんお泣きなさい
私だって、あなたのために川のように泣かされたんだからね

私は気が狂うほどあなたに夢中だったわ 
なのに、あなたは涙ひとつ見せなかった
私はあなたが言ったことを何もかもすべて覚えているわ
あなたは恋なんてバカらしいとか、私たちは終わったんだとか言ったわ

それなのに、今さら愛してるですって?
それじゃあ、愛してるってことを証明するために
さあ、私のために川ができるぐらいに泣くといいんだわ!
いい気味だ!泣け泣けっ!
私もあなたのために、さんざん泣かされたんだからね!」

 というわけで、そういった痛みをじゅうじゅう知る人間3名でバックをつとめました。ご覧になった方はよくおわかりかな?

 さて、ちなみにこの曲をのちにエラもカヴァーしておりますし、最近ではダイアナ・クラールも歌っておりますが、このようなジャズ畑の名歌手達は、ちょっと慣れすぎちゃってて、今一つジュリー・ロンドンほどのリアリティがないのです。かなりウマいのは確かなんですが。

 そこいくと、エアロスミスのスティーブン・タイラーとか、ジェフ・ベックのバンドで歌っているイメルダ・メイあたりの方がピンとくる感じ。
 そして、我らがジュンコさんも、安易にジャズを気取るわけではなく、まさに正攻法の歌い回し。でも、メロディをあまり崩さずにキリっと歌い上げる方が、絶対にグっとくるし、歌詞の世界をイメージしやすい。それでいて、誰の真似でもない歌いっぷりはさすがでした。会場からもずいぶん声がかかってましたね。

En2.Ride On Time

 というわけで、ステージ最後は全員で山下達郎さんのこの曲。最後もパーっとノリノリで終わりたい、そういう意図で、昨年に引き続き選曲されました。

 実はこの曲、ジュンコさんには少しキーが低く、今一つご自身ではスカっと抜けてこない感じだったらしいのです。それで、リハーサルでは半音上げてやったりもしてみました。すると、確かにキーを上げるとジュンコさんらしい世界が出てきて、明るいサウンドになったのですが、これはこれでもろもろ問題があり、結局元に戻りました。ただ、一度そういったことを全員で経験したことは大きかった。それにより、ジュンコさんがのぞんでいるサウンドを具体的に理解できるようになったのでした。まぁ、それは理屈ではうまく言えない部分ですが。

 なので、この曲もヤマタツさんの世界から、ジュンコさんの世界に変化してきたと言えるでしょう。音符上は比較的CDに忠実にやっているのですが、やはり表情は昨年よりもアグレッシヴになったのではと思います。それにしても、エンディング近くでのジュンコさんのフェイクはいつもすごかった。ここまでやられたら、燃えるしかないでしょう。
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by harukko45 | 2010-08-17 22:46 | 音楽の仕事

詳細(1)からの続き。

m2.あの日に帰りたい 3.真夏の果実 4.時代(東京のみ)5.Love Love Love

 最近、これらの「Terra」「Terra2」の収録曲を聴きなおしてみたら、ライブでやっているものとずいぶん違うので驚きました。誤解を恐れずに言えば、ライブの方がそれぞれの曲への愛情が深いように思いました。それは当たり前といえば当たり前のことかも。アルバム・リリース当時はスタジオ・バージョンをできるだけ再現しようと試みるわけですが、本番を重ねるうちにライブ・バンドのメンバーそれぞれの解釈に深みが出てきて、気がついてみるといろいろ細かい部分でのニュアンスが変わっているのでした。

 例えば、m2の土屋さんのアコギによるボサノヴァの刻みは、それだけでムードがあるし、後藤さんのフルートと私のシンセとのコンビネーションはかなり絶妙で、歌のじゃまをせずに実に効果的。そうそう、イントロの口笛はヒロコちゃんも加わって後藤さんとのダブルになったので、より広がりが出た。
 m3のイントロのフレーズはCDのギターよりも後藤さんのソプラノ・サックスの方がビューティフル。ここでも土屋さんのアコギがおいしいニュアンスをふりまいている。これに私のピアノがネトネトとからまってキラキラ感が出ている。サビでの盛り上げと哀愁感はバンド全員の曲への共感度の高さからくるもの。
 1年前にリハーサルした時はこれとは全く違う感じで、正直つまらなかったのですが、今回もう一度トライしてみたところ、各自がそれぞれニュートラルな気分で曲をとらえることができたのでした。
 個人的にはCDの楽器編成やサウンドの方向性は全く気にしないで、「サザンの曲」ということだけ頭に入れてプレイしただけ。でもそれが、バンド独自の色彩を生み出すきっかけだったように思います。

 そして、曲自体の良さはやはりピカ一。さすが桑田佳祐さんだと納得。ライブでやるとますます実感します。お客さんの内面に訴えかける何かを持っているに違いない。
 ジュンコさんはこの曲での息つぎが非常に大変で、ずっと苦しい、と言ってました。だが、そのきつい状況を最後まで崩れずにキープ出来る事がすごい。そうでなくては、桑田圭祐の世界を自分のものには出来ない。歌を聴いている我々はジュンコさんがそんな状態だとは露知らず、ゆったりとメロディを楽しませてもらっていたのでした。

 さて今、サザンのオリジナルを聴いてみると、バンド名義にはなっているが、結局は小林武史氏のシステマティックな打ち込み(ある意味、1990年当時風の)が全面に響き渡っていて、たぶん桑田さんのボーカルでなければフルコーラスもたないのでは。
 今回我々は、より柔らかくニュアンス豊富なバンド・サウンドに、豊かなジュンコさんのボーカルがのった事で、曲本来の素晴らしさを引き出す事に成功したと思っています。
 ちなみに、ジュンコさんの声のおいしい部分を生かすために、「Terra2」のアレンジではサビで転調しているですが、慣れるとこれがいいフックになっていて、今ではこれなしでは物足りなくなりました。サビのキュンとした感じがより強調されていると思います。

 m4とm5はライブではかなり回数をやっているもので、ずいぶん熟れた感じになっていて、スタジオ・バージョンに比べ格段にグルーヴィだと思います。これぞまさにライブならでは楽しさでしょう。
 もちろん、ドラムとベースのコンビネーションの良さですが、私と土屋さんをふくめたリズム隊のからみが、実に程よい感じになってきているのが楽しいのでした。

 ここで忘れてはいけないことが。ドラムのウエちゃんは、m5のエンディングでのアカペラ・コーラスに新たなボイシング・パートを考えてくれ、それを東京の最終日にトライしました。これが、見事にマッチ。彼の参加により、スタジオ・バージョンのコーラス・アレンジは女性陣と男性陣が離れている感じだったのですが、そこをきれいに埋めてくれたのでした。
 それと、私にロクさんにウエちゃんの3人は時にやりすぎになりそうなぐらい自由になってますなぁ。まぁ、我々がやると「Fake Jazz」ってところかな?自分でいうのも何ですが、かなり面白いです。

詳細(3)へ続く
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by harukko45 | 2010-08-17 18:57 | 音楽の仕事

 先月の1日、名古屋ブルーノートを皮切りに大阪、東京で全10ステージをこなしてきた大橋純子さんのクラブサーキット2010をセットメニューにそって振り返ってみたいと思います。
 
 2007年から昨年までは、どちらかと言えば2枚のカヴァー・アルバム「Terra」「Terra2」からの曲を中心にしたセットでしたが、そろそろ何か変化を求めたい気分がジュンコさん側にあり、「オープニングからノリのいい曲をつなげて、メドレー風に攻めていっては?」というプロデューサー佐藤健さんの提案でした。
 バンドメンバーも揃ってのミーティングで、その提案にすぐ反応したのがベースの六川さんで、彼は「直感とノリ」が売りなだけに、結構ピタっと来る答えをすぐに見つけるんです。

 で、「昔やってたバンドのレパートリーで、オープニングにバッチリの曲がある」と強力アピール。そのバンドとはギターの土屋さんも加わっていたもので、やっていたのは"ベイエリア・ファンクの雄"Tower Of Powerの曲だと言う事。
 しかし、曲のタイトルもわからないし音源もない。この辺が直感派の典型?

 ということで、どちらかと言えば実務派になるであろう私が、ロクさんとオッサンの情報を元にネット検索。残念ながらTower Of Powerのオリジナル・アルバムには収録されていない曲らしいので、その後どういう検索をするかがまさに「センス」として重要でしてね。

 まぁ、どうでもいい事でしたが、とにかくその曲はソウル・シンガーの吉田英樹さんのブログ「吉田英樹の音楽コラム」に紹介されていて、音まで聞けるのでした。(1972年「Lights Out:San Francisco〜Bay Area FUNK #3」に収録)くわしい事は是非、吉田さんのブログで見ていただきたいと思いますが、その"Loves To Do It"はまさにTower Of Powerのユニークなグルーヴ満載でチョーカッコイイ。これで、オープニングはキマリ!そんな気分でした。

 ただし、実際にやってみると、やはりかなり凝っていた。8分と16分のシンコペーションが入り組んだファンキーなリフは印象的ですが、これをグルーヴィに聞かせなきゃダメだし、サブドミナントに展開する部分ではビートが裏表にひっくり返るようになっていて、変拍子のようにも聞こえる。譜面に書いてみれば、なるほどちゃんと考えられている構造なんだけど、それを体得するのには練習が必要。でも、バンドとしては燃えますし、楽しい。正直、ここ数年のライブでは味わっていないワクワク感がありました。

 さて、オープニングはメドレーにしようというアイデアにそって、いろいろな曲が候補に上がりましたが、「ソウルの女王」「レディ・ソウル」ことAretha Franklinの"Chain Of Fools"はソウル・クラシックとしても超有名曲であるし、ジュンコさんがアマチュア時代にも歌っていた経験があるということで決定。Don Covayの曲ですが、まさに全盛期のアレサとそのバンド、アトランティック・レコードの製作陣、ミキサーのトム・ダウドと、言う事なしの大傑作ですな。

 そして、Stevie Wonderの"My Cherie Amor"もあまりにも有名な大傑作。甘くて切ないメロディ、考え抜かれていておシャレなコード使いとアレンジ。「これ以上、何を望もうか?」
 スティービー自身は、この曲以後の傑作アルバム群が何と言っても圧巻なわけですが、今回はちょっと前の時期の大ヒット曲をチョイス。諸先輩の言う通り、確かに、この時期のリラックスしたスティービーは今聞くと新鮮に感じます。

 ちなみに"Chain Of Fools"1967年、"My Cheris Amor"は1969年のヒットで、厳密には70年代の音楽ではないですが、60年代後半から70年代前半までがソウル/ファンク・ミュージックの黄金期であることは間違いないし、70年代後半はファンクよりもディスコ、AORへシフトしていき、ストリートではHip-Hopへと移って行くわけで、この時期(60年代後半~70年代前半)をひとまとめにするのは自然だったと思います。

 さて、このメドレーを洋楽もので固めるのも良かったでしょうが、ここにジュンコさんのオリジナルを入れて、ちょっとした意味合いをつけたいというのもとても共感できました。で、ジュンコさんが久々に聞いた自らのデビュー曲が、今の時代感覚に合っている気がするとのことでした。
 なるほど、なかにし礼さんの歌詞と井上大輔さんのメロディの強烈さ、そして萩田光雄さんのアレンジがこの当時(74年頃)のソウル・ミュージックのニュアンスをうまく取り入れているではありませんか。これなら、スムースにメドレーの中に組み込めそうでした。

m1.メドレー:Loves To Do It~Chain Of Fools~My Cherie Amor~鍵はかえして

 もちろん他にも候補曲はありましたが、最終的にはケンさん&ジュンコさんが4曲を決定して、リハにのぞみました。メドレー全体の流れは最初から変わりませんでしたが、曲のつなぎやテンポ・グルーヴ感についてはいろいろとトライしましたし、ラストの"鍵はかえして"が今っぽくキマるように少しアレンジの変更もありました。
 で、最後にケンさんから「4曲をすべて同じテンポでやってみよう」とのアイデアで、このメドレーはすべてOKになりました。具体的には"My Cherie Amor"は少し早くして、"鍵はかえして"でもノリを止めないようにする感じです。

 実際のステージでは、突然のギターリフからの始まりにお客さん達は意表をつかれた感じでしたが、じょじょにノリだしてくれる方々も多かった。アレサの曲はまだ取っ付きにくくても、"My Cherie Amor"あたりでは一緒に口ずさんでいる様子もあり、とどめの"鍵はかえして"では、昔からのファンの方は拍手喝采、初めて聞く方は「ほほー、これがデビューだったのか!」というリアクションと言えるでしょうか。そういった反応も各会場面白かったですが、何より我々ステージ側が心から楽しめていたことは確か。それで、いつも以上にリラックスした入り方が出来たのも良かったと思います。

 調子に乗って長くなったので、(2)へ続く。
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by harukko45 | 2010-08-15 16:06 | 音楽の仕事

安倍なつみ/渋谷O-East

 終わったー!「Birthday Live 2010~ Velvet Summer ~」と題された安倍なつみさんのスペシャル・コンサートが無事に終了しました。先月のSummer Conncertを発展させた形での内容でしたが、本番1回きりだけにいろいろ不安もあったものの、何とかやりこなした感じです。
 とにかく、今夜もかけつけてくれたファンの皆さんのものすごいエネルギーに圧倒され気味でしたが、それでもこちらも負けずに踏ん張って盛り上がったのでした。

 それでも、アンコールの頭の"ここにいるぜぇ!"はみんなも驚いたのではないかなぁと、思っているのですが。おっと、"鳴り止まないタンバリン"も。これはライブ映えする曲だったなぁ。

 とりあえず、これで夏バージョンが終わり、来月はすぐに秋バージョンのリハーサルに入りますので、まだまだなっちコンは続きます。
 今回の夏バージョンのまとめはまた後日アップしたいと思います。

 今日集まってくれた皆さん、本当にありがとうございました。そして、この後もどうぞよろしくです。
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by harukko45 | 2010-08-10 23:17 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる