e0093608_2349448.jpg 私が2年前にかなり惚れ込んでこのブログでも紹介した女性ボーカリスト、クリセット・ミッシェルの2ndは今年の3月に出ていたのね。うっかり、全くチェックしていなかった。あらあら。

 デビュー作の"I Am"ではグラミーでも最優秀R&Bボーカル・パフォーマンス部門で受賞し、アメリカでは一躍期待の星となっていたわけですが、どちらかと言えば、歌唱力とともにダンスやら、セクシーな外面などが売れる必須条件となっている現在のアメリカでは、彼女のような歌一本で勝負する人はしんどい部分もあるか?と余計な心配をしておりました。
 ですが、2年後の今年リリースとなった待望の2ndは、何とビルボードTop200で初登場1位だったとはうれしい驚きであります。

 で、このアルバム"Epiphany"は全体に曲の出来が格段に良くなりました。前作はとてもジャズ的な要素を感じさせていて、彼女自身もビリー・ホリディやエラ・フィッツジェラルドら偉大のボーカリスト達へのリスペクトと影響を語っておりました。私のような古めの音楽嗜好の者は、彼女の「ジャズっぽさ」「クラシック・ソウル風の歌声とルックス」にギュっと心をつかまれてしまったわけですが、その分楽曲に「今」「これから」を感じさせるツカミが弱かった。
 プロデュースの面でもWill.i.amあたりはいい仕事をしていましたが、それでも割と渋めではありました。

 それが、今回は人気絶頂の売れっ子Ne-Yoをエグゼクティブ・プロデューサーに迎えての制作の効果か、俄然ポップな仕上がりになっていて、気になっていた「ツカミ」をちゃんと作り出していると感じました。かなりの曲に関わっているChuck HarmonyはNe-Yoがらみの人らしいが、この人に大々的にプロデュースを任せたことで、アルバム全体の統一感も生まれましたな。うーん、良かった良かった。

 それでいて、クリセットの良いところと言っていいと思いますが、「この1曲がサイコー!」という感じでなく、気持ちのいいボーカルをそれぞれの曲で堪能しながら、アルバムを通して聴き続けられるということ。
 正直、最近のR&B系に代表されるポップ・チューンは、音質のうるささや音像の平坦さ、またそれ以前に打ち込みのつまらなさから、ずっとアルバムを聴き通す事がなかなか厳しいというのが現実。少なくとも私はそう。

 さて、そんなこんなで話が脱線しそうなのでやめますが、この"Epiphany"は最近では珍しくスルっと最後まで楽しめたのでした。それと、1stの"I Am"をもう一度聞き返したくなるという効果もありました。でもって、聴いてみると、うーむ、この初々しいくもちょっと古っぽい感じも結構好きに思えるなぁ。ひょっとすると、新作は洗練され過ぎか?と少しだけグラグラしている自分がおります。
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by harukko45 | 2009-09-29 00:42 | 聴いて書く

イチロー退場

 今月のイチローは凄い。7日/MLB通算2000本安打達成、14日/9年連続200本安打達成、17日/ホワイト・ソックス戦でサヨナラ・ヒット、18日/ヤンキース相手にリベラからサヨナラ逆転ホームラン。

 これだけでも相当楽しませてくれていたが、今日はなんと、トロント戦5回表、本日3回目の打席0ボール2ストライクの後、自信を持って見逃したボールをストライクとコールされ三振。その判定を不服として抗議の態度、これに球審が反応して即刻退場を食らってしまった。退場のコールに、さすがのイチローも反応、めずらしく審判に詰め寄って怒っておった。
 すぐにワカマツ監督が間に入って、イチローをベンチに連れて行ったが、イチロー自身はまだ治まりつかない感じだったなぁ。

 チーム的にはもうポスト・シーズンの望みもないから、全体にのんびりムード(?)って感じだけど、思わぬイチローの退場劇で少し燃えるかな。その後のベンチでのグリフィーJr.のはしゃぎ方も面白かった。彼なりに他の選手を盛り上げて、ムードを明るくさせているのが見て取れたわけで。この辺はさすがです。

 はやばやとイチローがいなくなって残念だけど、それでも、ヒット以外でもいろいろ見せてくれてファンとしては何とも楽しくなってしまったよ、正直な話。

 これで、チームもこのまま(7回終了で4-2のシアトル1点リード)勝ってくれればいいですが。
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by harukko45 | 2009-09-27 04:13 | スポーツ

八ッ場ダム報道の不思議

 民主党政権になって、鳩山首相はアメリカにて外交デビューを飾り、なかなか良いスタートぶりを見せたが、方や内政においては国交省の前原大臣の方が大忙しであり、個人的にはこちらの方がおおいに気になる。

 何と言っても「八ッ場ダム建設中止」問題における一連の動きはどれも要注意だ。とにかく、新聞・TVを始めとするマス・メディアの報道がほとんど中止反対キャンペーンなのはいったいどういうことか?
 非常にシンプルに疑問に思うのは、TVのニュースに登場するのは建設推進派の人々ばかりで、50年近くもダム反対運動を繰り広げて来た人々など建設反対を主張する人は全く出てこない。各局一斉に「建設反対」論を封じ込めて、現政権の政策をひっくり返そうという意図か?
 そこまでの大規模で陰謀的ではなくとも、民主党がメディア報道にひるんで「中止先送り」や「続行を検討」などと政策変更を打ち出すの狙っているのだろうか。もしも、そんなもくろみ通りに事が運び、民主党が早くも方針転換を打ち出したとしたら、逆に「公約違反」「マニフェスト反故」と批判を強めるつもりか?

 私は、八ッ場ダムは建設中止の方向性が正しいと考えている。だが、それが間違いであるなら、反対キャンペーンを掲げるマスコミはちゃんとした論拠を示してほしい。
 だいたい、今のニュースで何度となくとりあげられる「工事の7割はすんでいて、あと3割の予算を投入すればダムが出来る」という話だが、これは4600億円の予算をすでに7割使用したということに過ぎなくて、実際には本体工事は全く始まっていない。つまり、本体工事以前の問題ですでに7割もの予算を使ってしまった、というのが真実だ。
 このまま続行すれば、必ず4600億などという数字はあっという間に越えていくにちがいない。あと6年で完成などという話を信じてはいけない。これまでに、そうやって我々はだまされ続けて、膨大な税金が無駄に投入されてきたではないか。

 そして「地元の住民の苦しみ」を全面にワイド・ショー的アプローチで展開するやり口は、実にいただけない。確かに地元住民はこれまでの愚かな政治による被害者であることは確かであり、長年の国や県の圧力によりダム建設を承諾したものの、結局はダムが完成されなければ正当な補償が得られない状況と言ってもよく、「ダム推進」にならざるを得ないのだ。要するに人質に取られているのとかわらないのではないのか?

 正直申し上げて、これは地元住民の悲劇というロジックで解決する問題ではないはず。これまでもあり、これからもあるかもしれない国の大規模プロジェクトの意味、無意味をどう判断していくのか、もしも間違いに気づいた時にそのリスクを国民全体でどうやって支払っていくのか、ということだろう。

 さて、安易に少ない情報だけでくどくど語るのは危険なので、このぐらいにしたい。もっとくわしくて正確な情報を提示して国民に問題提起するのが、本当のマスコミの仕事であろう。いち早く、各マスコミは現在の偏向報道をやめ、客観的できちっとした内容に方向修正するべきだ。

 気になった方は是非とも「八ッ場ダム」でググってみてほしい。国交省や推進派と反対派両方のサイト、ブログである程度情報は得られるので、自らも考えてみてほしい。
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by harukko45 | 2009-09-25 00:05 | 日々のあれこれ

 このところずっと、というか今年一番でハマりまくっているのが、これです。

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 (左) マルタ・アルゲリッチ・コレクション1(ソロ・レコーディング集)

 すべての音楽家の中で、現在世界最高のピアニストの候補に必ずあがるであろうマルタ・アルゲリッチ。クラシック音楽云々、ジャンル云々を越えて、私も彼女が世界最高であると言ってもかまわないと思っています。(まぁ何より大好きだということがあるわけですが。)

 アルゲリッチは超天才、鍵盤の女王、自由奔放なじゃじゃ馬などなど、すでにいろいろな言葉で紹介されているので、私ごときがどうのこうの言う次元ではないのですが、とにかく彼女の場合、男女という性別を越えた圧倒的なレベルで、ピアノを弾きこなしてきた唯一の「女性」ピアニストであると考えます。でもって、少々頭でっかちが多い男性奏者など瞬く間に蹴散らすほどのエネルギーに満ちていると言えるのでした。

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 (右) マルタ・アルゲリッチ・コレクション2(コンチェルト・レコーディング集)

 彼女の演奏が好きなのは、極めて簡単に言えば「ノリが熱くてサイコー」であるから。「ノリ」だとか「グルーヴ」だとか、ついつい安易に使ってしまいますが、ただただテンポが速いとか(実際に他の奏者よりも総じて速いけど)、現代的にリズミカルであるというだけではダメで、ちゃんと音楽への情熱と技術の裏付けがなくては、「サイコー」とはならないのです。

 私は彼女のほとんどの演奏が大好きだし傑作ばかりだと思いますが、その多くを抱えるドイツ・グラモフォン社が彼女の音源を年代順にボックス・セットとしてまとめてくれてたおかげで、とても容易く手に入ることができ、ものすごく有り難いと思っています。それも8枚組、7枚組でありながら、それぞれ3,000円ほどで買えるのだから、DG社に感謝感謝です。

 第1集のソロ・ピアノでは、まずはショパンがどれもこれも素晴らしく、私はこれでショパンが大好きになったし、リストのソナタはとんでもなく凄いし、ラベルもかなり好き。(バッハは個人的に苦手なのと、彼女としてはまぁまぁか。シューマンは演奏は素晴らしいが曲自体どうもネクラでねぇ。/いや、今日聴いてみたら泣けた、こっちの精神状態もあるか。)

 第2集のコンチェルトでは、シノーポリの指揮によるベートーヴェンの1番2番が大好きで、ブレンデル/レヴァインの演奏と双璧。プロコフィエフ、ラベルのコンチェルトも名演だが、それよりも初めて聴いたハイドンがこんなにカッコイイ曲とはびっくりしたし、これまた初めて聴いたショスタコービッチも最高。(お得意のシューマンはDG盤もいいが、他にも良いのが出ている)

 評論家を始め、世評がすごく高いショパンとチャイコフスキーは、あまり好きな曲でないので聴く機会は少ないが、それでも好き嫌いを越えて、演奏は素晴らしいと思ったし、特にこれまで退屈至極と敬遠していたチャイコンの1楽章を、すっかり夢中にさせてくれたのは彼女が初めてだった。

 このあと、第3集としてデュオやトリオなどの室内楽ものがセット化されるとのこと、これまた楽しみですわい。
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by harukko45 | 2009-09-23 23:24 | 聴いて書く

 最近は、(暇だから?)ここぞとばかりにCD聴いておりまして、いろいろ引っ張りだして来て再認識やら再発見やらで楽しんでいます。
 先週のディランからの流れとも関連づけられるのですが、Area Code 615とBarefoot Jerryをよく聴いてます。この二つは「ブロンド・オン・ブロンド」や「ナッシュビル・スカイライン」等でのバック・ミュージシャンとして参加していたスタジオ・ミュージシャン達が結成したバンドとして承知はしていたのですが、どちらかと言えばクロウト好みの存在として有名であり、これまでちゃんと聴いてきてなかったのでした。
 特にベアフット・ジェリーはまったく知らなかったので、思いっきり専門分野としてくわしい徳武弘文さんにご教授願った次第でありました。

e0093608_18221297.jpg エリア・コード615の69年の1st"Area Code 615"と70年の2nd"Trip In The Country"の2in1。演奏のうまさは言うまでもないのですが、全体にこの当時のマジカルなムードがレコーディングでよくとらえられていて最高です。1stではオーティス・レディングやビートルズ、ディランの有名曲がカヴァーされているのが実に面白いし、カッコいい!また、オリジナル曲でもカントリーやブルーズだけにおさまらないプログレッシブなニュアンスがあって、随所にドキっとさせられるのです。
 2ndではそれらがより練られた感じで、多彩な音楽性がより際立っていて、実に完成度が高いオリジナル・ナンバーが続き、文句のない傑作。実験的なトライも見せているけど、しっかりとしたテクニックがあるので説得力があるわけ。とにかく演奏が最高にいいので、ぐっーと引き込まれちゃうし、古さを全く感じさせない。

e0093608_19294729.jpg インスト・ナンバーが主だったエリア・コード615解散後に、その中心メンバーだったウェイン・モスが、同じくエリア・コードのマック・ゲイデンらと結成したベアフット・ジェリーは、よりボーカルをフィーチャアし、カントリー・ロック、サザン・ロック的ニュアンスを強めたバンド。
 (左)71年1st"Southern Delight"と72年の2nd"Barefoot Jerry"の2in1。でもって、初めて聴いたので、私にはことのほか新鮮で刺激的。1stではマック・ゲイデンの作曲家としての才能が光っていて佳曲揃い。2ndではそのゲイデンが抜けてしまい、曲的には今ひとつツカミがない感じなのだが、全体に漂うナイーブなムードにけっこう惹かれてしまう。

e0093608_23575280.jpg (右)74年の"Watchin' TV"と75年の"You Can't Get Off With Your Shoes On"の2in1。"Watchin' TV"は彼らの最高作として評価されているよう。だが、個人的にはアルバムの前半でその前までにあったキュンとくるナイーブさが薄れてしまった気がした。しかし、エリア・コードを彷彿とさせるような素晴らしいインスト部分は強力にキマっていて、全体の完成度は確かに高い。カントリーのクラシック・ナンバーである"Faded Love"まで取り上げているのも興味深いのだが、その後のウェイン・モスの作品が続くと、一気に私が惹かれた世界が響き始めて、とっても共感してしまった。
 "You Can't Get Off..."は力作だった前作に比べるとシンプルでリラックスしている感じ。全員がうまいので、どんな曲でも飄々とこなしてしまうという感じ。全体にはプログレッシブな姿勢が弱まって、よりベーシックなカントリーに回帰しようとしていたのかも。

e0093608_0184519.jpg (左)76年の"Keys To The Country"は前作で感じたカントリー回帰が鮮明で泥臭い感じも。ここでもクラシック・スタンダード曲を取り上げたりしていて、全体の意図は明快だ。評判はあまり芳しくなかったようだが、個人的には楽しい。
 でもって、ここまで全てのアルバムでウェイン・モス以外はメンバーがいろいろと入れ替わっているのだが、77年の最終作"Barefootin'"ではチャーリー・マッコイを迎えて、何んともエネルギーが再び沸いて来たような活気を取り戻しているように思える。
 どのアルバムにおいても、素晴らしいナッシュビル・セッションマン達の名演奏を堪能できるのが、このバンドを聴く楽しみではあるが、それでも何かしらのマジックはほしい。ご本人達はどう考えていたのかは知る由もないが、エリア・コードの同窓であるチャーリー・マッコイが加わることにより、ウェイン・モスにもう一度そういった「何か」を呼び起こしたのかもしれない。

 と、初心者のくせして突然ベアフット・ジェリー論を偉そうに展開しても恥を書くだけなので、ここまでの感想文としてアップさせていただく。ただ、とにかく素晴らしいバンドであるし、まだまだ聴きこんでいきたい興味を抱かせるわけで、しばらくはハマっていそうだ。そうすると、また違ったことが見えてくるかな。

 ところで、スワンプ・ミュージック系のマニア・サイトに掲載されているウェイン・モスへのインタビューでは「Dr.K」として徳武さんがバッチリ紹介されており、日本来日公演でのバックをつとめたDr.Kバンドのことが書かれております。興味のある方はコチラをクリックSwampland.com
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by harukko45 | 2009-09-22 23:51 | 聴いて書く

e0093608_1610936.jpg ジャック・ホワイトの新・新バンド/The Dead Weatherのデビュー・アルバムは今年7月にリリースされておりましたが、私は最近購入いたしました。

 現役若手ロック・ミュージシャンの中で唯一愛しているジャックが、ホワイト・ストライプス、ラカンターズに続いてまたまたニュー・プロジェクトを結成したとのニュースには正直、一瞬ひきました。だって、ホワイト・ストライプスとラカンターズだけでも十二分に凄いんだから、そのままでいいじゃん、と思ったからですが、この一瞬の「?」により私は前にラカンターズを過小評価するという間違いを犯しておるわけで、天才ジャックのやることはこっちの感性などを遥かに越えているはず。

 というわけで、2ヶ月遅れで買ってすぐにまんまとハマっております。ジャックの才能とその進化のスピードに、オジさんとしてはちょっとついていけてない部分もあるのですが、彼のやっている音楽そのものは相変わらず最高です。ここ数年、毎年違ったフォーマットでアルバムを発表している(2005,2007/White Stripes, 2006,2008/The Raconteurs, 2009/The Dead Weather)のは、彼の仕事の異常なる早さ(ほぼ2週間ほどでアルバムを仕上げてしまう)によるのですが、それにしてもその質が非常に高いのに驚かされますし、それはファンとしては大いなる喜びでしょう。

 また、どのアルバムにも一貫してあるアナログへのこだわり、ブルーズやカントリー、60〜70年代のロックへの造詣の深さには毎回感心させられますし、「普通にアンプにギターを繋いで、普通にギターを演奏して、普通に歌を歌ったら、あんなおぞましいキラキラとした音は出ない」という発言に代表される、現代のポップスの過剰なマスタリングへのアンチテーゼも首尾一貫しておるのです。

 さて、今回のDead Weatherにおいては、ギターよりも主にドラマーとして参加しているのですが、これがまたなかなかで、これはもう天性のものとしか言いようがありませんな。

e0093608_1840041.jpg それと、カヴァーとしてボブ・ディランの"New Pony"をやっていて、個人的には驚きと喜びの選曲(White Stripesでのバカラック、パティ・ペイジに比べれば比較的普通か?)。ディランの1978年リリース"Street Regal"は大好きなアルバムなのですが、一般的な評価ではダサーいジャケット写真のせいもあってか、あまりかんばしいものではなかったと記憶しています。しかし、ジャックはちゃんとその良さをわかっているというか、素晴らしくカッコよくカヴァーしてくれました。
 でもって、久々に"Street Regal"を引っ張りだして聴いてみると、これがまたまたやっぱ良い!

 ホワイト・ストライプスの"Icky Thump"、ラカンターズの"Consoler Of The Lonely"もヘビーローテイションに復帰です。ロック最高!
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by harukko45 | 2009-09-19 18:42 | 聴いて書く

 今年はCD、ほとんど買ってませんでした。業界人として少々いただけない姿勢かもしれませんが、どうしても!って気分になったのはピアニストのマルタ・アルゲリッチのBOXものぐらい。特にポップス関連は年々新譜を買うのは減っていく傾向で、それも一部の限られたアーティストにしか興味がいかなくなっておるのでした。

 さて、仕事に追われる時期が一段落し、今月はかなり落ち着いた感じになったので、その「限られたアーティスト」達のCDをようやく購入、そんでもって久しぶりに聞き始めたら、こりゃこりゃ、やっぱいいじゃん、ってわけです。しばらく連絡不通だったけど、突然再会するとえらく盛り上がった、そんなノリでしょうか。

e0093608_15161564.jpg ボブ・ディランは68歳、その33作目のスタジオ・アルバム"Together Through Life"は4月に出ており、米英で初登場1位を記録し、相変わらずの強い存在感は健在であることを示してくれました。

 ただ、3年前の前作"Modern Times"がとても素晴らしく、"Time Out Of Mind"からの傑作3部作として一応完結か?なんて気分になるほど満足していたし、2005年のマーティン・スコセッシ監督による"No Direction Home"や2008年の"Tell Tale Signs"(89年から2006年までの未発表作品集とは思えないほどの充実した内容で別の新譜を聴くような楽しさ)とファンにとってはここ数年でこの上ないほどの幸せを味わっていたわけで、そこにこの新譜の登場は正直「ちょっとお腹いっぱい」という気持ちになっていたことも確かで、しばらく買うのをためらっていたのでした。

 だが、今手元にあるこのアルバムは、やっぱすごくいいわけですよ。今更「これは傑作だ、名盤だ」などと大風呂敷を広げる必要もないのです。ただただ良いのです。

 でもって、このディランという人物はいったいどこまで深化していくのかと、またまた感嘆しているのでありました。バングラディシュのコンサートでの映像に一目惚れをして以来、ずっとファンで良かった。私にとっては今後も、70歳を越えようが、ずっと見届けていきたい貴重で偉大な存在であります。

 うー、60年代の"Blonde On Blonde"なんかも引っ張りだして聴いている今日でした。
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by harukko45 | 2009-09-18 16:28 | 聴いて書く

 今年9月は大きな事柄があった時として、記憶しておいていいでしょう。

 まずは先月30日の衆院選挙によって生まれた民主党を中心とする連立内閣が昨日発足。鳩山首相による新たな日本のスタートとなった。
 もちろん、大いに期待しているので、是非とも頑張ってほしいが、これまで50年以上も続いた自民党と官僚による政治がそう簡単に変化するとは思えない。早くも新閣僚からは威勢のいい発言が飛び出しており、その前向きさは歓迎するものの、現実的には今年いっぱいは混乱を最小限度にとどめる慎重な舵取りが必要だと思う。我々国民も、これまでの慣行から頭を切り替える見方が出来るように成長していく段階だろう。
 いみじくも、鳩山首相は昨日の会見でこれからの新政権を「未知との遭遇」と表したが、政治家、官僚のみならず、マスコミも我々一般庶民にとっても初めての経験、もちろん不安はつきものだが、そのリスクをとってでも「変化」を自ら求めたのだから、我々自身もしっかりと責任を持って国の政治のあり方に関わっていかなければならない。

 それにしても、第二次戦後60年、東西冷戦終結後20年たって、ようやく我が国で「国民主権」らしい出来事(選挙による政権交代)が初めて起こったことは素直に喜びたいし、これで真に成熟した民主主義国家の確立への第一歩を踏み出したことになったと思う。

 そして、14日(現地13日)は日本人最高のアスリートであるイチローが9年連続200本安打を達成し、またまたメジャー新記録を打ち立てた日。もうイチロー選手はあまりにも素晴らしいし、その取り組み、こだわり、言葉、そして出した結果全てが最高なので、何も言う事はないわけで、ただただ感動するのみ。

 昨日の深夜にNHK・BSがイチローの200本安打全打席を放送したが、改めてシーズン開始からの1本1本のヒットの積み重ねを確認するだけで感嘆するしかなかった。彼が日頃から口にする「一つ一つの積み重ねでしか、遠くには行けない」がまさにこれだった。4月5月の時点では200という数字はものすごく遠く感じる、が、打って走って守ってをコツコツとやり遂げることによって、9月についに目標を達成する瞬間に辿り着いた。
 約1時間の番組中、時々カットインされる盗塁やファインプレーのシーンもあるものの、ほとんど彼の打席を見続ける内容にもかかわらず、全く飽きる事なく、それどころかどんどん魅了されてテレビに釘付けになってしまった。「すべてのヒットが作品」であるとするイチローの打席は全てに意味があり、アートとして存在すると言ってもいい。

 
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by harukko45 | 2009-09-17 16:01 | 日々のあれこれ

 今週はイチロー週間になるわけですが、早速メジャー通算2000本安打を達成してしまったイチロー選手。急遽NHKが生放送するというので、早朝5時からテレビを見ておりましたが、何となく彼の気配からして、1打席目で打ちそうなムードが漂っており、「これはこれは」と集中して見入ってしまいました。
 その期待に見事に応えて、2球目を確実に捉えた強い打球がライト線へのツーベース・ヒットとなるわけで、もうほんとに千両役者そのものですな、彼は。

 とにかく、お祝い申し上げますが、彼にとっては通過点。まだまだイチローの歴史は続きます。そして、次なる大仕事である9年連続シーズン200安打達成に、あと5本。こちらの方が記録と意義の両方で大きいと思いますが、今のペースで行けばたぶん11日のエンゼルス戦あたりに達成でしょう。
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by harukko45 | 2009-09-07 22:39 | スポーツ

ポルトガル首の皮一枚

 昨夜の日本-オランダ戦は親善試合でしかなく、実はその後に真剣勝負のワールドカップ予選が各地で行われて、私はFIFAのサイトでじっと、いやダラダラと明け方までチェックしておりました。

 とは言え、気になっていたのは今や日本代表以上にシンパシーを抱くポルトガルの試合でありました。我愛するフィーゴ選手がドイツ大会終了後に代表を引退したものの、昨年のユーロでもC・ロナウドを中心にそれなりの成果と印象を残してくれたポルトガルでしたが、カルロス・ケイロスが率いる現在のチームは絶不調でまさに信じ難い状況。正直、今回の予選突破は奇跡が起こらないと難しいかもしれない。
 それでも、昨夜、同じグループ1の首位を行くデンマークとの直接対決に勝てば、再び希望が膨らむはずだったのが、何と前半のうちから失点して、終了間際にやっとこ同点にこぎ着けてドロー。これには、失望でグッタリきましたなぁ。

 カルロス・ケイロス氏はフィーゴ、ルイ・コスタを始めとするポルトガルの黄金世代を率いてワールドユースを連覇した監督ではあるが、その後はさしたる成果も上げられず(ベンゲルの後任で名古屋グランパスも率いたが、すぐに辞任。レアル・マドリードでも1年で解任、等々。)、目立った仕事としてはマンチェスター・ユナイテッドのアシスタント・コーチとしてファーガソン監督を支えたことか。
 それに、何と言っても不吉なのは1994年のワールドカップ予選で敗退して出場できなかった、という実績を残していることだ。
 現在グループ4位に低迷するポルトガルはまさに崖っぷちで、条件付きでの予選突破(残り3試合勝利とスウェーデンの自滅)しか道は残されていない。

 ほとんど、神頼みのような現実だが、何としても勝ち抜いてワールドカップに行ってほしいのだ、ポルトガルよ!

 おお、チェコもかなりやばい。フランスもあまり良くない。ヨーロッパ予選はまだまだ目が離せない。一方、南米はブラジルが出場を決めたが、アルゼンチンがおかしい。マラドーナ監督の責任論が浮上してきそうな様相で、これまた心配。来年のワールドカップにC・ロナウドとメッシがいなかったら、そりゃつまらんよ、まったくねぇ。

 ところで、昨夜の日本-オランダ戦後の両軍監督の会見があまりにも次元の違いを感じさせる内容なので、かなりショックを受けた。興味のある方は是非チェックしてほしい。
 日本の指揮官は「玉砕・神風」戦法しか頭にないらしい。かたや、オランダの指揮官は「悪い時でも勝つことを学べ」と指導している。
 また、スポーツナビでの宇都宮徹壱氏のコラムには100%賛同する私であります。
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by harukko45 | 2009-09-06 17:13 | スポーツ

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる