夏の終わりに

 8月30日の衆議院選挙は、今後歴史的に大きな出来事として残っていくのではないでしょうか。

 自民党の大敗北、そして民主党への政権交代が確約された日。保守系のメディアや学者、評論家からは民主への政権交代が国民の幸せには結びつかない、と危惧する意見もあったが、そんなことで雪崩現象のような自民党惨敗が食い止められることはなかった。
 そうです、これがはっきりと示された民意であり、私も日本の政治が変わることをずーっと願って来た一人として、この日が来るのをどんなに待ちわびていたことか。

 とにかく、私は民主党が政権を取ったということよりも、我々が投票することによって、日本の政治を変えることが出来た、という事実がうれしいのです。これにより、ようやく日本も真の民主主義国家として、欧米諸国と同じように成熟した段階に入ったと思えるのです。つまり、政治を決めるのは最終的に国民であり、我々は積極的に参加することで、国のトップをすげ替える力があるのだ、政権交代はこれからは常に起こるのだ、ということを示したのです。

 民主主義の主権者は国民であるということを、日本人は今回の投票によって、ようやく体現できたのです。これは、大きなことでないわけがない。もちろん、小選挙区制という選挙制度の効果も大きい事は否定しないが、それでもこれほどダイナミックな変動を国民が起こすことが出来たというのは、日本の歴史上においても初めてのことだと言えるのではないか。

 ただし、これにより我々国民は政治と国家への責任も持つことになったと考えねばならない。自分達で政治家の首をすげ替えたのだから、これまでのように「お上にまかせておけば...」などという無責任な態度は許されない。今後の民主党政権をしっかりとチェックして、常に国や政治に関心を持ち続けなくてはいけないと自覚しなければ。
 そうやって、我々はじょじょに成熟した民主主義へのトレーニングをこなしていくのです。それにしても、28日に期日前投票をした時に、投票所での人を多さに驚いた。それだけで、今までに味わったことのないワクワク感を覚えたのでした。
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by harukko45 | 2009-08-31 18:00 | 日々のあれこれ

 一昨日、富山県立山に向かい、昨日、素晴らしい大自然のに囲まれた場所で「立山山麓音楽祭」に参加してきました。安倍さん以外に山本潤子さん、中西圭三さん、白井貴子さん、より子さんとのジョイント。思い返せば、安倍さんとの今年の夏のライブの始まりが5/31の水俣でのジョイント・コンサートでした。その時は海をのぞみながら、そして立山では四方を山に囲まれた環境での野外ライブで、始まりと終わりが偶然にもリンクしたような感じでした。

 前日は会場入りしてリハーサルを行い、その後はスタッフの部屋に集まり、お酒を飲みながらいろいろな話に花が咲きました。やはり、今回のツアーの回想が中心になりましたが、みんな饒舌で盛り上がりました。
 個人的には会場の音響と自分達の演奏がピタっと決まったと感じた横浜・大阪・福岡公演での満足感とともに、お客さん達との一体感が素晴らしかったライブハウス(岡山・逗子など)での演奏も強く印象に残っていますが、そういった一つ一つを振り返って「あの時はこうだった、そうだった」「そうそう」って感じで、大いに語り合ってしまいました。
 また、最後の河口湖でのスタッフの苦労話や、綿密な演出上の計算なども初めて聞くことができて、いたく感心したのでした。

 さて、翌日は、前日の雨とはうってかわっての強烈なぐらいの晴天で、気持ちの良さはこの上ないという条件でした。そういえば、水俣の時もすんばらしい晴れになったっけ。
 我々は白井さん、より子さんに続いて3番目に出演。始まってすぐに、私の所では機材トラブルがあったり、ツルさんのところではモニターがオフになっていたり、といろいろありましたが、全体としては楽しく終われたのではないでしょうか。

 セットリスト:m1.くちびるで止めて m2.スイートホリック m3.森へ帰ろう m4.せんこう花火 m5.大人へのエレベーター m6.微風

 いつも来てくれるファンのみんなの顔も多数見えて、中にはこの夏全てのライブを見てくれた人もいるわけで、そういった意味では何とも言えない感慨と感謝の気持ちがこみあげてきたのでした。

 そして最後に徳武さんの一言がすべて言い尽くしていました。「いい夏だった」。
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by harukko45 | 2009-08-23 11:10 | 音楽の仕事

 昨夜は水越けいこさんとのライブでした。毎年夏の恒例と言える東京ベイクルーズのシンフォニー船上でのショウです。私は3回目ですが、けいこさんはすでに5年目(?)だったか。とにかく継続は力なりの言葉どおり、今年は満席だったそうです。

 今回は私のピアノとアコースティック・ギターに"だっち"こと飯田匡彦さんを迎えてバックをつとめました。"だっち"は「魅惑の東京サロン」というバンドで活躍中で、けいこさんとは初顔合わせでしたが、随所に個性的なプレイを聞かせてくれ、新しい刺激を加えてくれました。
 私は久しぶりに生ピアノで本番をやれたのが楽しかったですね。やっぱり生はいろいろ表情があって面白い。本当は3人がもっと近づいて出来れば、コミュニケーションが取りやすく、より良かったのですが、それでも全体としてはなかなか良かったのではないでしょうか。

 選曲は相変わらずけいこさんらしいというか、ご本人は別に奇をてらっているわけではないでしょうが、いつものようにいろいろとヒネリや毒をはらんだ内容であります。とは言え、これは私個人の考えで聞いているファンの方は自然なのかもしれませんが。

m1.Feeling Blue〜m2.My Love〜m3.ムービースターのように

 m1が78年のファースト"Lady"、m2が80年の4th"Like You"、m3が86年のライブ盤と、一見バラバラのように思うのですが、この流れがすごく良かった。m1,2での佐藤準さんのアレンジはアクが強くて好きですねぇ。何とも言えない「ツカミ」があるわけです。それと、m1とm3は懐かしいアメリカン・ポップスのムードがあって、ここにも繫がりを感じるのでした。
 m3はアルバムではいわゆる3連バラードのオールディズ風でしたが、私はm1のブルージィなムードを生かしたくなったので、少しだけレイ・チャールズの"Georgia On My Mind"風にトライしてみました。

 ただ、この3曲の絶妙なつながり方はアレンジというよりも、やはり詞の世界にあるのでしょう。とってもストーリー性を感じてしまいます。それにしても危うい恋の物語であります。

m4.Room #602〜m5.第二章

 この2曲は初めて演奏しましたし、聴いたのも初めてでした。新鮮と言えば新鮮でしたが、いわゆるけいこさんの世界とはちょっと違う雰囲気のある2曲です。あえて、今回はやったことのない曲を選んでみたとのことでした。m4は元のアレンジがふわふわしていて正体不明な部分があるのですが、それを再現するのは二人では難しかったです。今考えると「フランス映画」がモチーフにあるのだから、思いっきりそのイメージ(といっても、いわゆるヌーベルバーグ時代ですが)にしても良かったか。次回やる時にはトライしてみたい。
 m5は来生兄弟による作品であり、アレンジはいかにも女性的なきっちり感があって、前曲以上に違う世界観でした。きれいな仕上がりですが、個人的にはもうちょっと毒が欲しくなります。

m6.落ち葉が見たくて〜m7.あ・な・た・に〜m8.Too Far Away

 今回は4thアルバム"Like You"の中から4曲(m2,6,7,En)選ばれているのですが、昨年3rdである"Aquarius"を全曲演奏したからでしょうか。その真意はわかりませんが。
 m6はなかなかの佳曲で、こういう曲を書く作家陣は今では皆無です。でもそれ以上に、m7は個人的に大好きです。今回ピアノだけでやったので、ますます好きになりました。やっぱサビがたまらんでしょう。で、全体に複雑怪奇(?)な女心にあふれているのでは。これに比べると、m6,8は男性の作詞なので、男性が求める女性像だったり、甘えん坊というか、良く言えば「ピュア」でシンプルという感じ。
 とは言え、曲としてm8の完成度はさすがで、自然とピークに導かれていくのでした。

m9.ほほにキスして〜m10.loving You

 まったり系バラードが並ぶ中、唯一のリズム系であるm9はおなじみの曲で、ファンの方々の手拍子の使い分けが完璧でした。さすがです。
 で、本編ラストはオープニングとのトータル性を感じさせる選曲でしたが、詞の内容は正反対で、最後は希望を感じさせる普遍的なものです。全体にゴスペル風のアレンジが難しく、悪い癖が出て、ちょっと力技になりかけましたが、何とかこらえました(?)。

En.ゆれて二人

 アンコールに応えてのこの曲は、かなりやられますなぁ。「さっきのパーティ〜」からのくだりは演奏してても、「で、どうなる?」って耳をそばだてる感じになります、何度やってもね。この恋の行方はどうなるのでしょうか。やっぱり危ういのか。いろいろ想像力をかき立てられる内容です。
 個人的にはけいこさん自身の弾き語りで聞くのが最高だと思いますが、今回は頑張ってやってみました。

 と、毎回興味のつきない水越けいこさんとのライブは8/30にもありますので、ますます水越ワールドに浸らせてもらいたいと思います。
 昨夜、おいで下さったファンの皆様には、心より感謝です。どうもありがとうございました。
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by harukko45 | 2009-08-18 15:06 | 音楽の仕事

 前回からの続きで、セットメニューの後半戦です。

m9.くちびるで止めて

 この曲もオープニング同様に、最初に本田プロデューサーにイメージがありました。DVDになっている映像で、コンガがリズムを繰り出して、会場から手拍子がわき起こり、そこになっちが登場するというものがあり、それを参考にしました。
 前のバンドの譜面をそのまま使用したので、基本的なアレンジは変わらずだが、東京とファイナルではサックスの後藤さんが登場したので、さっそく徳武さんのギターに続いてソロをお願いした。サンバ・フュージョン風のリズムとともに「夏っぽい」雰囲気が倍増された感じでした。
 この曲は演奏自体はさして問題なく仕上がったのですが、サビを歌うのに息つぎができない作りになっていて、その箇所のみ私とツルさんが歌うことになった。音が高いので、なかなかうまくはまらないこともあったけど、まぁ良しでしょう。アサミちゃんが最後に登場したので、我々は解放されるかと思ったら、「是非にやってほしい」とのことで、そのままになりました。やれやれ。

m10.だって生きてかなくちゃ〜m11.ザ・ストレス〜m12.OLの事情

 当初はメドレー風にするつもりはなかったのだが、打ち込みを使うのなら一つにまとめてもらった方が作りやすいので、自然とこのような流れに。ただ、順番は"OL"が先で"ストレス"が後だった。だが、これでは昨年のメドレーに似てしまうのと、Angelicのメドレーでは"OL"をあまりフィーチャア出来なかったので、今回はトリを取ってもらうことした。テンポ的にもどんどん早くなっていく順番になり、盛り上げムードも高まる。
 で、これなどはずいぶんと「カラオケ的」との感想を持たれる人もいたようだが、CDからの音源は一切使わずに全て一から作ったリズム・トラックであり、極めてジャストであまりノリのないCD版の打ち込みよりも、数段グルーヴィな仕上がりになったと感じていただけに、ツアー最初の時期はひどくガッカリしていた。
 が、数を重ねるうちに会場のはち切れ方が凄くなり、なっちご本人も相当ヒートアップしている姿が見て取れて、もういろいろ考えるのはやめてパフォーマンスに集中することにした。

 照明スタッフもこの音に合わせてプログラミングしてくれていて、最後の2公演で生に差し替える時に細かい部分に違いが出るのは良くないと考えた。なので、打ち込みのサウンドは減らしたもののドラムの濱田君にはクリックを聞いてもらい、リズム・トラックと同期しながら叩いてもらったのだった。

 それにしても、何度やっても"OL"は燃えたなぁ。イントロでなっちが激しく踊り始めるところがとにかくカッコよかった。

m13.さよならさえ言えぬまま〜m14.夕暮れ作戦会議〜m15.大人へのエレベーター

 ここもステージ側から見るとひと固まりのパッケージ。
 
 m13はCDではかなりプッシュするロック・サウンドだったが、3人編成上、意識的に日本的フォークソングの雰囲気でやることにした。だが、これが実にピタっとはまって、正直こちらの方が曲の良さが出るのではないかと思ったほどだ。
 徳武さんが南こうせつさんのバックをやっていた時のようなアコギのアルペジオ、ツルさんがこれまたグレープかと思うようなヴァイオリンで「泣き」のフレーズ連発で、これだけでも相当哀愁があったのだが、東京では後藤さんのソプラノ・サックスがまるでオーボエのように美しかったし、ファイナルではストリングスも加わってすごく豊かなハーモニーになった。これはとても満足しております。

 m14は基本的にはロックなのだが、同時にかわいらしくも内面的で微妙な詞の世界があり、なかなか面白い。なっちはツアー全般にわたって、会場を煽るように歌って盛り上げて来たが、ファイナルを前に、詞にこだわってクールに歌ってみたいと話してくれた。それならば、フルサイズできちっとやった方がいい、ということになり、河口湖のみフルサイズで演奏した。
 これはすごく良かった。最後の最後ですごく深みのある"夕暮れ"が表現できたように思う。ボーカルのクールで繊細な表現と徳武さんのハードなエレキ・ギターが絶妙のコントラストを作っていたと思う。

 で、m15はもうイケイケ。打ち込みだろうと生だろうとあまり関係ない。個人的には激燃え状態だったのは東松山から河口湖までずっと一貫しておりました。この場合、私はブルース・スプリングスティーンの曲をやっているような感覚になるので、常にハイテンションでした。ただし、後藤さんのサックスはやはりスペシャルなシーンを作ってくれました。うー、さすがテルオちゃんです。

En1.あなた色〜En2.恋にジェラシー申し上げます〜En3.空 Life Goes On

 En1は打ち込みでもかなりラテンのおいしい雰囲気が出せたと思いますが、生になった時に逆に難しかったですね。アサミちゃんが意識しすぎて少し悩んでましたが、きびしくもやさしいドラムの濱田くんの叱咤激励もあり、よく頑張っておりましたし、後藤さんにもアフリカン・ドラムで加わってもらいリズム強化になりました。
 またその一方で、ヴァイオリンのツルさんは実にかっこよく颯爽とソロを決めてくれました。これは通常メニューの時から素晴らしかったので、ファイナルでも十二分にフィーチャアできるようにストリングスの譜面を書きました。

 En2はある意味今回のツアーの隠れテーマ曲とも言える、なっちにとってのこだわりの1曲。等身大の自分とか、素直に良いものは良いと言える自分というものを象徴しているのでしょう。だから、今回は"愛しき人"を外していたのかもしれない。

 そしてこのツアー全体を通じて、なっち自身がすごく成長している姿を明らかに示してくれたのが、En3での歌。これは元々劇的な曲だが、ご本人の歌がそのスケールを越えるところまで来ていることが何度も実感できたのでした。もちろん、生リズムとストリングスを加えたゴージャスなバックでの"空"も良かったけど、私は3人だけでバックをつとめた福岡や浜松での彼女の歌が忘れられないのでした。

 河口湖でのみ演奏した2曲について

 "トウモロコシと空と風"はいかにもスペシャル・イベントにぴったりな内容で、やっている方も楽しかったですね。これはかつてのツアーでのバージョンをいろいろ参考にさせてもらいましたが、イントロでソウルっぽいアレンジを加えました。それは、この曲の元ネタがジャクソン・ファイブであり、今年マイケル・ジャクソンが亡くなったこともあり、ちょっとだけ彼らに敬意を表したい気持ちだったからでした。
 イントロがそれっぽい感じになったので、自然にその後もソウル風のニュアンスになっていきました。

 "愛しき人"はずっとやらずにおかれていたのですが、最後の最後で登場しました。これはけっこう確信犯的な「タメ」だったのではないかな?でも、その効果はやはり凄かったですね。こちらも感動させられるような瞬間でした。たぶん、この曲はCDよりもライブによって高められて来た楽曲なのではないでしょうか。今回だけでなく、どの時期のバンドのバージョンもCDオリジナルより優れていると思います。これこそ、ファンが育てた曲であると言えます。

 というわけで、ようやくツアーのまとめをすることができ、自分自身も大きな区切りをつけられた気分です。久しぶりに多くの場所を回れたツアーは、その内容も日に日によくなって、最後にはゴージャスで感動的なシーンを体験することが出来ましたし、何よりも無事に全てを終えられたことが一番喜ばしいことです。また次回ご縁があれば是非とも参加したいですが、それまでにもっともっと良いものを作れるように準備しておかなくては。
 
 改めて、ファンの皆さんとスタッフ、ミュージシャンの皆さん、そして安倍なつみさんに感謝の気持ちを送りたいと思います。
 
 それと、長々お読みくださった方々にもお礼を。


 
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by harukko45 | 2009-08-15 19:02 | 音楽の仕事

 セットメニューにそって振り返ってみます。

m1.微風〜m2.甘すぎた果実

 オープニングの2曲に関しては、前回に書いた通りで、プロデューサーが今回のツアーをイメージする際に最初に浮かんだ絵がステラシアターでのストリング・カルテットを加えた演奏だったわけです。
 ですから、それを想定したアレンジを最初からしてあり、ファイナル以外では私がキーボードでそれっぽい動きをしていました。なので、大きなアレンジ上の変更はないのですが、実際に生のストリングスでやるとやはりその魅力には抗し難いものがありましたし、その効果は実に素晴らしかった。もちろんショコラの皆さんの卓越した技術と感性の良さがあってのことです。
 
 ただ、この後の2曲に関してもそうですが、ずっと一人でやっていたツルさんが、それまでのアプローチを、ファイナルではどうしても変えなくてはならなかったのが、彼に申し訳なかったことです。出来る限りツルさんがそれまでの演奏でやっていたことをベースに書きましたが、それでも4人でアンサンブルしてもらう都合上、ところどころ変更したからです。
 もちろんさすがツルさんで、難なく弾いてくれ、ほんと感謝しています。

 このオープニング2曲は3人でやっていた時から、好きですね。毎回、ある種の凛としたムードになっていい緊張感が生まれていたし、演出的な意外性もあって新鮮でした。

m3.ちょっとずつね〜m4.スイートホリック

 個人的にはストリングス・アレンジとしての出来を気に入っているのが、こちらの2曲です。m3は通常のツアーではツルさんにアコーディオンで、ボーカルのハモ・パートを弾いてもらったりしており、このパターンも大好きだったのですが、ファイナルでは「弦カル」としての絵にこだわったので、アレンジ的には随所に変更があり、私もピアノでツルさんがやっていた部分を担当しました。

 m4は、打ち込みビートが最初に登場する曲ですが、元々オシャレで洗練された曲なので、CDで聞かれるようなパキパキな打ち込みではなく、素朴なリズムボックスのようなイメージでシンプルなものにした方が合っていると思いました。そこに、アコギとヴァイオリンとピアノそれぞれでアメリカ南部風のアプローチを取り入れながら毎回楽しんでました。
 で、横浜関内ホールの夜の演奏でのツルさんのフレージング(これは毎回自由に即興だった)がご機嫌だったので、私はこれをコピーして、そこにハーモニーを加えて4声にした。弾いていたご本人は「やけに弾きづらいフレーズだな」とある部分を指摘してましたが、「これって、横浜でのツルさんのコピーだよ」と言ったら、「ほんとに?」と驚いていました。
 
 3人だけの時はアーシーな南部風が強かったけど、弦カルになるとカリブ海にあるマルチニーク島の音楽、昔けっこう好きだったマラヴォワみたいなムードになったかも。

m5.森へ帰ろう〜m6.やんなっちゃう〜m7.小説の中の二人

 東京とファイナルではここでウッド・ベースを持って六川さん登場。東京1回目ではさすがのベテランもかなり緊張してましたっけ。1曲終わるたびに、私に向かって「OK?大丈夫?」って確認していました。もちろん、バッチリOKでしたよ。
 m6は、Bメロからサビでのベース・ラインが良くて、この曲のグルーヴを作る肝になっているのですが、シンベによる打ち込みをウッドで再現するのはなかなか大変なのです。リハではかなり苦労していましたが、本番ではきっちり仕上げてきてくれました。感動した私は東京1回目終了後に彼を大絶賛しました。

 それと、m5ではマンドリン、m7ではヴァイオリンとツルさんは大活躍でしたね。前半でサウンドの色彩はツルさんが担ってくれ、うまく変化をつけてくれていました。徳武さんはこのあたりまで目立たない感じですが、バッキングでのセンスにも注目してもらいたいです。本当にうまい人は控えめながら随所に光るプレイをしてくれているのです。

m8.息を重ねましょう〜インスト

 m8のリズム・トラックは、CDよりもダブっぽいイメージや、一時はやったダンスホール・レゲエ風の感じを意識して作り、かなり気に入っていましたが、2月にやった4リズムによるツアーでのドラムスのフィルで強烈に始まるやり方も好きだったので、東京ではどうするか迷いました。が、演出上、生リズムはm9でドカーンと登場させ、それまで楽器も客席から見えないようにしたいということでした。確かになっちが着替えで引っ込むので、m9によりインパクトを持たせることで、はっきりメリハリがついて正解だったと思います。

 着替え中のインストは、今回は私が書きましたが、このツアーが始まる前に私がイメージしていた完全なアコースティック・サウンドの一辺をやってみた感じです。とは言え、いかんせん場つなぎ的になって会場の雰囲気も落ち着かなくなりました。とりあえず「これで静かな前半は終了です」というインターミッションとしての効果は十分のようでした。ここでは、トクさん、ツルさんの名手二人をうまく生かせたと思っています。

 でもって、待ちかねたようにm9からは会場側が盛り上がるのでした。
 
長くなったので、続くっと。
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by harukko45 | 2009-08-15 13:23 | 音楽の仕事

 河口湖ステラシアターでのコンサートが終わって早1週間になりますか。やはり、私は少々気が抜けた数日が続きました。その後次の仕事のリハがあり、ようやく気持ちが普段どおりに戻って来た感じです。
 ということで、ここらで安倍なつみさんとの夏ツアー2009をまとめて振り返ってみたいと思います。いろいろ長くなるかもしれませんが、どうかご容赦のほどを。

 で、今回のツアーは全14カ所24公演をこなしましたが、コンサートホールからライブハウスまで、ずいぶんいろんなシチュエーションで演奏しました。種々の条件が変わることで、ステージ側の感じも日々変わっていったので、同じセットメニューでありながらも、常に新鮮な気分で出来たのはとても良かったことでした。また、ギターの徳武さんとヴァイオリンのツルさんという、名手二人とともにずっと演奏できたことは私にとっても大きな刺激になったのでした。
 そして、何よりなっちの成長ぶりは驚きでしょう。「三文オペラ」での経験やハロプロ卒業という意識の変化により、明らかにステージへの意気込みが昨年よりも強かったですし、それはメンバーが少なかったことで、彼女の思いが私にもよりダイレクトに感じられたのでした。
 それと、長い時間を一緒に過ごすことで、スタッフも含め一つのファミリー的な感覚になっていったのが一番楽しかったことでした。

 ただ、リハ直前の打ち合わせの時点では、その内容について自分の考えていたことと全く違う展開に驚いたし、少し落胆したこともありました。その前までの私は3人による完全なるアコースティック・セットを意識していたし、そこにこだわりを持ってやっていきたいと考えていました。ですが、それは完全に覆されてしまいました。

 まず、プロデューサーの本田氏から提示されたのが、ファイナルの河口湖で弦カルを使うということでした。彼が今回最初に浮かんだイメージが、ストリングスを安倍さんの周りに配置して、彼女が歌う映像だったそうです。そこで、真っ先に選ばれたのが"微風"と"甘すぎた果実"。特に"甘カジ"に関しては、ストリングスが刻むビートを核にして聞かせたいとの要望でした。
 ただし、これはあくまでファイナルでのことなので、そこまでの23公演では3人で演奏しなければならないわけです。これはちょっと見方をかえると、ファイナルでの絵が完成形ならば、それまでのコンサートはすべてマイナス3の内容ではないか、というふうになりかねない可能性もあった。
 
 また、東京公演はアディショナル・ミュージシャンとして4人がすでに決まっていた。ドラム・べースはともかく、パーカッションとサックスまで加わるとなると、これまたそれまでの3人でのサウンドとはガラっと変わってしまうことが当然予想される。もちろん、実力あるミュージシャンが増えればスケールアップした演奏が期待できるものの、じゃ、それまでやってきた公演はどういう扱いになるのか。
 セットメニューの後半、なっち自身の選曲はリズムが強調されたものが並んでいて、正直これを見せられた時は、3人(キーボード、ギター、ヴァイオリン)でやるのは相当厳しいと感じた。まして、ラスト2公演でリズム・セクションが入るなら、そのギャップはあまりにも大きい。

 そこで、打ち込みでリズム・トラックを作ってほしい、とのことでした。これは大変なことになったと思った。すでにその時点でリハーサルまで1週間をきり、全部で11曲(その後「音霊」用に2曲追加)の打ち込みを仕上げるのは相当頑張らねばならない。
 ただ、安倍さんからの「私の曲にはどうしてもリズムが必要」という話は納得できたし、その後に「聞いている人が飽きないように、何とかしたい」という思いも聞き、私はそれまでの完全なるアコ・サウンドによるアレンジを忘れ去り、すぐにコンピューターでの打ち込み作業に邁進したのでした。

 とは言え、私の中にはまだわだかまりが残ったことは事実。どうしても、最後のスペシャル2公演ばかりに焦点がいって、数的にはぜんぜん多いセットの内容がおちてしまわないのか。当然言われる批判は「経費削減のためにミュージシャンを減らして、打ち込みを使った」だ。それが事実にしろ、そうでないにしろ、実際に制作に関わる者としては一番言われたくないことだし、その結果「出来が悪い」と評価をされるのは最も屈辱的であり、こちらの敗北でしかない。
 結局、私としてはある程度時間がかかっても、少しでも精度の高い打ち込み作業をし、セット全体のバランスや3人のミュージシャンとの兼ね合いをしっかり配慮しなければいけないと自覚し、それまでのわだかまりを一切捨てた。そして、スペシャル公演以外のライブこそがちゃんとした評価されることを第一と考えたのだった。

 実際にリハーサルが始まると、そういった私の思いをすぐに感じ取ってくれたのはミュージシャンの二人だった。彼らの柔軟で早い適応力のおかげで、あっという間にバックのサウンドは仕上がっていった。特に"息を重ねましょう"までの前半部分の流れは実によく、本田プロデューサーからもほめていただき、大いに自信を深めたし、最終的にストリングスが入っても大きな変更せずに表現できる状況が見えて来たのだった。
 後半の盛り上がり系の曲では、サイズや構成を何度も調整して、じょじょに納得するものに固まっていった。この辺での安倍さんの直感はするどく、いろんなアイデアの提案があったのだ。

 そうして、初日前の通しリハーサルで、なっち曰く「生と打ち込みのバランスが絶妙」となった。この頃にはメンバー、スタッフ双方とも「良い」「いける」という意識が強くなり、単なる「カラオケ・ショウ」や「ファイナルへのプリ・プロ」ではないという自負が私の中に強く生まれたのでした。

 今思えば、打ち込みを使ってでもビートを効かせたサウンドを取り入れたいというなっちの意図は、コンサートをただ聴いていてほしいだけではなく、お客と一緒に盛り上がりたいということであり、アコースティックな小編成バンドによる企画への「ささやかなる(いや実際にはデカイ)抵抗」だったとも言えるか。
 まだまだバラードだけの内容でしんみりしたくない、という挑戦にも感じる。

 長いので、続く。
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by harukko45 | 2009-08-14 17:49 | 音楽の仕事

レス・ポール氏死去

 偉大なギタリストであり、音楽制作の分野でも数々の功績を残したレス・ポール氏が13日に亡くなった。94歳だったとのこと。このところライブの予定がないことを徳武さんがすごく心配していたのだが、やはり体調を崩していたのだった。

 彼の偉大さに関しては、日本ではまだまだ熟知されているとは言えないが、こと音楽業界、ミュージシャンの世界に身を置くものにとっては、いくらリスペクトしても足らないほどの存在だったと言えよう。心よりご冥福をお祈りしたい。

 これを機に、多くの人がレス・ポールの素晴らしい音楽に触れてほしいし、彼の伝記映画である"レス・ポールの伝説(Les Paul Chasing Sound!)"を見てほしい。これを見れば、彼なしでは現代のマルチ・レコーディングは存在しえないことがわかるし、何より自らの音楽をどんよくに追求し続ける姿勢に圧倒されるだろう。
 私が過去にアップした"レス・ポールの伝説"についてはコチラを
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by harukko45 | 2009-08-14 15:58 | 聴いて書く

 先月の8日を皮切りに名古屋、大阪、福岡、東京の4カ所8日間16ステージをこなして来た今年の大橋純子クラブサーキットを振り返ってみたいと思います。

 まずはとにかく、今年はセットリストが良かった。特に新作"Terra 2"からの5曲がうまく配置され、全体の流れがスムースだったので、演奏する側はとてもやりやすかったし、リラックスと集中をコントロールしやすかったのでした。そのおかげもあって、いいパフォーマンスが随所に出て、ライブ全体としても充実感のある内容となった。それは、最初の名古屋からすでに実感したのだが、それが移動するたびにどんどん高まり、ラストの東京までいい流れがずっと切れることなく続いたことは、本当に素晴らしかった。
 なので、今年のクラブサーキットは「ここ最近のベスト」と自画自賛している次第です。

 もちろん、各曲の細かい部分も例年以上に内容の濃いものであり、それがチーム大橋のモチベーションを上げることにつながったことは間違いないのでした。何曲かで、CDよりも出来が良いのでは、と思える部分もあり、短い時間の中でも楽曲が「進化」していくのを強く感じられたのも楽しかったのでした。

 m1.シンプル・ラブ~m2.ビューティフル・ミー
 オープニングは今年も"シンプル・ラブ"からで、これはほぼ定番化しているのだが、m2はこれまで東京以外では時間の都合上カットされることが多かったのです。だが、共に「美乃家セントラルステイション」を代表する佐藤健さんの名曲を、今回は一つのパッケージとして各地で演奏できたことは個人的にも実にうれしいし、各会場で何人かのファンの方が"ビューティフル・ミー"のサビを口ずさんでいるのを見れたのも喜ばしいことでした。

 この2曲における我々の演奏は十二分に熟(こな)れたものであって、今更何も言うことはなく、曲の良さを伝えることに集中すれば最高のパフォーマンスだ。とは言え、土屋さんのギターは光る。m2のエンディングでのソロには繊細さとスリリングさの両面があって、客席からも「Yeah!」の声がかかる時もあったっけ。さすがです。

 m3.アジアの純真
 井上陽水/奥田民生共作でPuffyのデビュー・ヒットが"Terra 2"のオープニングとは私も驚いたが、60年代後半から70年代初期のサイケ・ブルーズ・ロック風で、我々世代のオジサン・バンドには演奏するのが楽しい。
 スタジオ版にあるイントロのアコギのみの部分はカットしたが、スタジオ版は特に間奏等がないので、ライブでは2コーラス前の部分を長くして土屋さんのサイケ風ソロをフィーチャアした。全体には適度にドタバタした感じのルーズなグルーヴが肝だが、ウエちゃんはその場でスネアのチューニングを下げたり、ハットの上に小さなシンバルをつけてタンバリン風効果を出したりと、サウンド面でも工夫してくれました。

 m4.あの日に帰りたい
 ユーミンの傑作にして、ニューミュジックを代表する作品ですな。ユーミン苦手の私でも、この辺りの作品群には敬意を持って接しております。
 で、ジュンコさんバージョンはボサノバ・ジャズ風の仕上がり。ほぼCDに準じて演奏したが、やはりイントロでの口笛をどうするかが問題。そこへ、後藤さんが「フルートよりも自信ある」と宣言。それじゃ、「是非とも」となったのでした。名古屋ではここの部分だけで拍手もらってましたっけ。ちなみに私がジャズ・ギター風の抑えたシンセ音でオクターブ下を支えているのも実は重要なのよぉ、ヘヘ。
 全体のコード進行がジャズ・ピアノの手癖っぽく自由にどんどん変化していく感じなのだが、正直やりすぎていると思える部分もあり、その辺は土屋さんと私とで調整していきました。またフルートのアンサンブルがなかなか効果的だと思い、私と後藤さんとで出来るだけ再現してみたが、これは逆に強調することですごく良かったと思ってます。

 m5.言葉にできない
 小田和正さんの大ヒットで、個人的には"Terra 2"の中でも特に仕上がりの良い曲の一つと思い、いろいろと力(リキ)が入っております。特に、何と言ってもウエちゃんのエレクトリック・ドラムによる打ち込みサウンドの再現。いやいや、完全に打ち込みを越えるグルーヴで素晴らしい効果を出してくれた。
 当初の打ち合わせでは打ち込みデータを使おうか、ソフトな生ドラムで対応するか、とも話し合いましたが、「ウエちゃんなら出来る」と意見が一致し、お願いしたところ、これが期待以上にこだわってトライしてくれたのだった。それにより、スタジオ版の持っている「おいしい」雰囲気を見事にライブでも表現できることになったのです。まさに、今回のMVP候補に上げてよい仕事でした。

 また、前曲同様、これも後半コードがどんどん展開していくが、こちらのアレンジは実に美しい流れを作ってくれていて、とっても気持ちのいい響き。なので、かなりきっちりとアンサンブルして最大限の効果を得るように心がけました。
 あと個人的には、イントロの生ピアノ音からボーカル部分でのエレピ音に切り替えるところが毎回緊張しました。大阪の1回目ではフライングしてしまったのだが、ジュンコさんは全く動じず見事に歌い切ってくれました。

 m6.Love Love Love
 前作"Terra"から唯一のピックアップで、ビルボードのようなライブハウスにはピッタリのアレンジなのでやりがいもあるし、回数を重ねていろんな部分で熟成が高まっている。だから、打ち込みによるCDバージョンの表情とはずいぶん変わってきていると思うし、生ならではの良さがたくさんあると思う。
 ただ、ツアー中盤で少々調子に乗り過ぎた私のプレイはハネが強くなり過ぎる所があり、もう一度原点を見直すことに。その辺のバランスがうまくとれて最後の東京では、満足行く内容になったと思う。

 m7.たそがれマイラブ~m8.シルエット・ロマンス
 カバー曲から再びオリジナルに戻るとこちらとしても安心感があるが、今回はカバーものの仕上がりが良かったので、こういったおなじみの曲へのアプローチも自然と、より丁寧で繊細になったように思う。何と言うか、長年の手あかが取れた感じで新鮮にプレイできたのでした。

 m9.サファリ・ナイト~m10.ナチュラル・フーズ~m11.ペイパー・ムーン
 それは、これらの「後半盛り上げ」曲にも通じる。それに今年ジュンコさんの35周年を祝う形で、過去の名作が一挙に再発されたこともあり、「我々の祖先は『美乃家』である」と高らかに言いたいわけです。だから、気合いが違うのです。
 それに、ケンさんがm10をうまくコンパクトにして挿入してくれたので、俄然燃え上がっちゃうわけですね。オリジナル美乃家とは少し楽器編成が違うので、m10の再現は全くそのままではないけど、その精神は十分に受け継いで演奏したつもりです。
 というか、自分達でかなり楽しませてもらっちゃいました、すみません。

 m12.愛は時を越えて
 さて、本編最後はこのところ定番となったこのヒット曲だが、今回はまずは"Terra 2"バージョンで始まり、じょじょに楽器が加わって盛り上げていくということに。

 スタジオ版はピアノを3回ダビングした「ピアノのみ」のバックで、最初、私はこの「上から下まで」鳴っているピアノ・オーケストラのサウンドを何とかしたいと思ったのだが、ケンさんから「コードの流れはそのままで、もっと抑えた感じに」とのサジェスチョンがあり、一度リセットしてシンプルなアプローチにした。その結果はすごく良かったと思う。前半のジュンコさんとの静謐な部分から、後半バンド全員が入ってくるところとのメリハリがついて、よりドラマティックに生きるようになった。
 後藤さんのテナーと私のピアノによる間奏のフレーズもとても印象的になり、その直後に再び静かになるボーカル部分は何度やってもハっとするようになった。その後のエンディングに向かってのバンド全体の集中力と盛り上がりは実に素晴らしくて、本当に満足行く形に仕上がったと思っているのでした。
 おかげで、どの回も大きな拍手をいただき、こちらも豊かな気持ちで一杯になることが出来たのでした。

 En.Ride On Time
 アンコールにお応えして、山下達郎さんの「夏!」の大ヒット曲を"Terra 2"バージョンで。ライブならではのルバートを冒頭につけたのも効果的だった。今回のケンさんのアイデアは随所に光りましたね。でもって、リズムが入ってからはどこでもイケイケノリノリでした。
 お客さんが立ち上がって手拍子、踊りだす光景は本当にサイコーですが、特に東京最終日の1回目、男性サラリーマン風の人たちが「パーン」と立ち上がって乗り出した時は驚きました。普通の東京公演は他に比べておとなしく、まして男性陣はなかなかそこまで盛り上がらない今日この頃。それが、あんなに楽しそうにしてくれているのを見れるのは、我々にはこの上ない幸せな瞬間でした。

 というわけで、今年のクラブサーキットも無事に終了。それも自分で言ってしまいますが、大成功で終えることができました。ジュンコさんの35周年をとっても良い形でお祝いすることも出来たと思いますし、どの会場もすごくたくさんの方に観に来ていただいたのが最高に喜ばしいことでした。

 それと、ジュンコさんはここ数年鼻の不調が続き、一時はとても心配な時期があったのですが、今年になり手術を決断されたのでした。その手術は成功しましたが、それでもいろいろな不安を感じながら臨んだレコーディングとツアーを見事に最後までやり切ったことは、何事も及ばないほど立派なことだったと思います。そういった姿勢に我々も引っ張られたことが、今回の頑張りにつながったに違いありません。
 東京の4ステージ目、あのジュンコさんが声を失いそうな部分がありましたし、我々バンド側もかなり疲労していましたが、最後の最後は気持ちでとことんやり切ったのでした。その時の充足感と感動はこれまででも味わったことのないものでしたし、一生忘れないだろうと思います。
 50代になっても、まだまだ新しい感動を体験できる、これはとんでもなく幸せなことだと心から感謝したい心境です。

 そして、クラブサーキットにお越し下さったファンの皆さん、各地でお世話になったスタッフの皆さんには心よりお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
 
 P.S いつもお世話になっているヤマケンさんが今年も鑑賞記をご自身のサイトでまとめてくださいました。どうぞ、そちらの方も合わせてごらんになってみてください。コチラをクリック
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by harukko45 | 2009-08-10 23:17 | 音楽の仕事

 終わったー!2ヶ月半に及んだ安倍なつみさんの夏ツアーのファイナルが無事に終了しました。
 昨日の本番は、ほんとに素晴らしい時間でした。会場も良かったし、演出も良かった。来てくれたファンの方々の熱い声援も素晴らしかったし、ツアーに何回も足を運んでくれた人たちの顔もよく見えて、それが妙にジーンとしてしまいました。なんだか、共にここまで来てくれたという気持ちになりましたし、彼らもちょっと特別な感慨を持って観てくれていたのでは、と勝手に想像してしまい、ますます熱い気分になりました。
 もちろん、初めて観た人、久しぶりに観に来てくれた人たち、また時に辛口の方々もこのファイナルはかなり楽しんでくれたのではないでしょうか。

 そして、私とともにバックをつとめてくれたメンバーたちを大絶賛したいと思います。
 この日のためだけに参加してくれたストリングスの上保朋子さん(Violin)、栗山奈津さん(Viola)、唐沢彩子(Cello)さんの3人はショコラとしても活躍中の名手ですが、都留さんを加えたカルテットによる効果は抜群で、ストリングス・アレンジをしていた日々の苦しかった気持ちが、一瞬にして大いなる喜びに変わったのでした。

 リズム・セクションの濱田尚哉さん(Drums)、六川正彦さん(Bass)、Asamiさん(Perc)のグルーヴィな演奏はいつものことですが、それでも今回はワクワク感をさらに感じさせてくれて、ものすごいプッシュをしてくれていました。おかげで楽しくってたまらない気分で後半は盛り上がってしまいました。本番中、となりでマー坊さんも「楽しいー!」って何回も言ってました。

 そして、いわゆる上もの、徳武弘文さん(Guitar)、ツルノリヒロさん(Violin、Accordion、Mandolin)、後藤輝夫さん(Sax、Flute、Perc)の3人はまさにこのチームのクリーンアップ・トリオであり、彼らの個性豊かで強力な演奏が全体をものすごく豪華に引き立ててくれたのでした。

 そしてそして、なっち本人の頑張りは圧倒的に素晴らしかったです。それでいて、力んでガムシャラにならずに、しっかりメリハリをつけて全体を仕切っていく度胸と落ち着きには再び感心しました。この人はまだまだ伸びていきますし、ただのアイドルでは終わらないタレントを持っていると強く思います。

 さて、実はコンサート終了後、その出来の良さにみんなテンションが高かったのですが、その流れでささやかながら、なっちの早めのバースディもお祝いしたのでした。これまたなかなかの感動ものでしたなぁ。

 だいたい、「雨が夕方から降るかも」的天気予報も吹っ飛ばしてしまった安倍さんの「晴れ女」パワー、お見事。大橋純子さんも強力な「晴れ女」なのですが、これは北海道出身者の共通する能力なのか。それにしても、ずっと晴れてくれて良かった。最後の花火もビシっと決まったから、これは超感動ものでした。(これは安倍さんには全くの内緒でした。)

 長かったツアーが終わってしまい、寂しさもありますが、今はやり遂げられた満足感の方が強いですね。思い返せば、大きいところから小さいところまで、いろんなシチュエーションで演奏しました。音響の良い大きい会場での演奏も楽しかったけど、小さいところでの会場中が一体となった瞬間も素晴らしかったなぁ、とか、行く先々でいろんな名物を食べさせてもらったなぁ、などといろいろ思い出が残ります。

 とにかく、ここまで出来たのは、影で頑張ってくれて支えてくれたスタッフ全員の力と会場に来てくれたファンの皆さんのおかげです。本当に本当にありがとうございました。


 
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by harukko45 | 2009-08-09 11:18 | 音楽の仕事

ここ最近

 先月末より更新ができずにいましたが、その間にはとても大事なライブ・コンサートの仕事がふたつあり、それらが無事に終わった後すぐに、続く大きなイベントへの準備とリハですっかり手一杯だったのでした。
 そのリハーサル2日間も昨日終わり、あとは本番を残すのみとなりました。その本番とは安倍なつみさんの夏ツアーのファイナルです。8月8日に行われる河口湖ステラ・シアターでのコンサートは、6月からやって来た全国ツアーの最後を飾るにふさわしい内容と規模になっており、観に来てくださる方々がきっと満足してくれるであろうと、今から確信しているほどです。
 
 それは大風呂敷を広げて宣伝しているわけでなく、この日のためにやってきた準備をとことんやり尽くせたことからくる満足感があるからかもしれません。やれることはしっかりやって来たのだから、もう思い残すことはない、といったところです。昨日の通しリハーサルでも、本番さながらクタクタになりながらも、充実した気分を感じられたのは本当に素晴らしいことでした。

 さて、実は本来ならもっと前に書き記さなくてはいけなかったこと、それは冒頭に書いた「大事な二つのコンサート」について、です。

 その一つ、安倍さんのツアーと並行するように進んでいた大橋純子さんのクラブサーキット・ツアー2009のファイナル、7月29、30日のビルボード東京での4ステージは実に素晴らしい2日間となり、私の記憶に強く残るものになりました。くわしくは後日、詳細としてまとめたいと思いますが、私はここ数年のジュンコさんとの仕事の中では最も高いランクの出来と満足度だったと思っておりますし、あの時の4ステージ目での全員の「やり切った」感からくる大きな感動は一生忘れないでしょう。
 
 そして、その高揚した気分で迎えた8月1日は、新宿厚生年金ホールで安倍さんの東京公演でした。この時はそれまでの3人バンドに加えて、生リズムを始めとするゲスト・ミュージシャンを迎えたわけでしたが、これが予想以上に全体をスケールアップする効果となり、これまたとんでもなく感動的な一日だったのでした。
 この時参加してくれたベースの六川さんとサックスの後藤さんは、その2日前にジュンコさんとの素晴らしいライブを共にやった仲間。だから、まさにその時の気分をそのまま新宿厚年にも持って来てくれたのでした。
 
 おかげで、この大きな二つのイベントでの成果はここまでまだつながっているように感じています。だから、頑張れているのかな、と。
 明日の安倍さんとのファイナルにお越しくださるファンの方々は、どうぞご期待ください。そして一緒に楽しんで盛り上がりしょう。



 
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by harukko45 | 2009-08-07 01:19 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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