安倍なつみさんの大阪、岡山4ステージを終えて帰ってきました。いやー、なかなか面白かった。細かいところはいろいろあったけど、内容的にはそれぞれ良い出来だったと思っております。とにかく両会場ともに、熱気が凄かった。それは場所の室温やら照明の熱もあるけど、それプラスお客さん達の「気」がものすごかったことが大きい。特に岡山はキャパ200ぐらいのライブハウスだったので、その小さなスペースからはみ出してしまうような観客席からの大きなオーラを感じました。
 しかし、それを一人でガッチリ受け止めてパワーに変えてしまう安倍さんはさすがでしたね。とは言え、岡山の2ステージ後には彼女もどっとへたり込んでしまうほど消耗していました。それだけ4回のステージをやりきったという証でした。

 一昨日の大阪1回目は、まさに初日の再演とも言えるような緊張感が漂って、多少固い表情ではあったものの、一つ芯の通ったしっかりとした流れは崩れることがなかったので、「いける」という気分になりました。なので、1回目よりもリラックスしてのぞんだ夜の部では、メンバー・スタッフともに満足感のある充実した内容になったのでした。
 大阪のお客さんは昔からどんな現場でもノリがいいんだけど、やはりここでもいい感じでステージを盛り上げてくれました。「のせ上手」というのが関西人の素晴らしいところです。

 翌日、大阪での高揚した気分そのままに岡山に移動。ただし、先ほども書いたように会館ホールから一転してライブハウスだったので、その空気感の違いに多少不安もあったわけですが、本番が始まってしまえば、怒濤の展開で一気に畳み込んだってところでしょうか。
 1回目は本当にステージ上が暑かったので、何とも言えない酸欠感(?)で、逆にテンションが上がる(?)事態となり、いろんなところでいろんなことが起きながらも、どれもこれも「面白く」感じてしまうステージでした。ナチュラル・ハイとはまさにこれですよ。
 安倍さんのハイ・テンションぶりは相当なものじゃなかったかな。もう何でもOK、イッてしまえ!って。
 
 で、夜の部はいくぶん冷房が効いてきたのか(?)、この状況に慣れたのか、だいぶ楽になりましたが、それでもかなり高めのテンションでぶっ通したのでした。アンコール最後の曲では個人的には曲に入り込んで夢中になりすぎたきらいがあったけど、あの時はそれで正解だったようにも思います。とにかく、何もかもとことんやり切りたいっていう気持ちを抑えられなかったのですから。

 というわけで、ひょっとすると荒っぽい部分があったかもしれない岡山でしたが、その分観客席との一体感はこれまでで最高のものだったのではと感じたのでした。

 とにかく、この2日間はとっても充実した時間となったことをうれしく思います。両会場に詰めかけてくれたファンに皆さんには心より感謝の気持ちを伝えたいと思います。ありがとうございました。
[PR]
by harukko45 | 2009-06-22 16:53 | 音楽の仕事

安倍なつみ/大阪&岡山

 今日から安倍なつみさんの夏ツアー再開です。今日大阪、明日岡山で本番があるのでした。前回から2週間あきましたが、また新鮮な気分になっている感じで何かとっても楽しみな気分であります。

 大阪・岡山の会場に来てくれるファンの方々、大いに盛り上がって一緒に楽しみましょう。皆さんの期待に応えられるように精一杯頑張らしてもらいますので、どうぞよろしくです。
[PR]
by harukko45 | 2009-06-20 00:58 | 音楽の仕事

このところのスポーツ

 このところ大好きなスポーツ観戦はままならず、重要なゲームは録画してチェックはするが、じっくり見るというより、早回しでダイジェストとして内容を知る程度になってしまった。あれほど、楽しみにしていたUEFAチャンピオンズ・リーグの決勝、バルサ対ユナイテッドもライブで見る事はかなわなかった。
 やはり、ライブで見るのと録画で見るのとでは、こちらの思い入れのようなものが格段に違いますなぁ。

 とは言え、バルセロナの3冠達成おめでとう!今年のバルサの素晴らしさは全くもって文句なしでしょう。現監督のグアルディオラは選手時代から好きだっただけに、シーズン前は期待と心配がいりまじっておりましたが、開幕直後の数試合でなかなか結果が出なかったものの、じょじょにまとまりはじめてからの別次元の強さぶりには圧倒されましたし、それでいてバルサの伝統にきっちり根ざした戦いぶりには、超一級の芸術品の仕上がりであったと言ってもいいでしょう。
 正直、プレミア・リーグで見る限り「史上最強」の呼び名で盤石の強さを見せていたマンチェスター・ユナイテッドが、バルサと相対した時に「え、こんなサッカーだったっけ?」と思ってしまうほど、両王者のレベルは意外なほど差があったのでした。

 あまりにも美しく洗練されたバルサに比べると、ユナイテッドのサッカーは最新鋭の戦術・戦略やC・ロナウドのような選手を持ってしても、まだまだ無骨に見えてしまったのでした。だから、そのあたりをしっかり見据えていたチェルシーのヒディンク監督は準決勝でのバルサとの戦いで、とことんフィジカル勝負に持ち込んで彼らを苦しめたというのは、実は正しい戦い方だったのだというのを改めて気づかされたとも言えます。
 それでも、最後にはイニエスタの一発でバルサは勝ちきったのですから、やはり凄かった。だから、少々全体として調子を落とし気味で決勝にのぞんだユナイテッドとの戦いの方が、やりやすかったように感じました。

 来シーズンはその王者バルサに挑戦すべく、ライバルのレアルが再び「銀河系軍団」の構築に乗り出したわけですから、ますます面白くなってきました。C・ロナウド、カカのレアル入りは本当にレアルを強くするのか、はたまたスターばかりの顔見せ興行チームになるのか、興味は尽きませんな。

 サッカー関連では、もう一つ。我らが日本代表がW杯出場を決めてくれたことでしょう。これに関してはサポーターの一人として感謝の言葉を送りたいと思いますが、この後のことを考えると、申し訳ないが現在のチーム・監督の技量ではベスト4などという目標は無理としか言いようがないことは、誰がみても明らか。
 ウズベキ戦、カタール戦、そして先日のオーストラリア戦での逆転完敗を見せつけられて、かなりの人が日本の力の現状にショックを受けたに違いない。私は、かねてより監督交代を求めていましたが、もはや時間的にも手遅れ感が否めず、それ故にますます悲観的な気持ちが募るばかり。
 それでも「何も変える事はない。1試合ぐらいで悲観する事はない」と語る岡田氏には、ほとんど絶望のような思いを抱くのでした。来年の夏への期待は今の段階では全くありませんが、その分楽な気持ちでワールドカップを楽しめるのかもしれない。

 さて、MLB。イチローは怪我人続出の日本人選手達の中で、唯一大活躍ですが、これは彼がやはり「モノが違う」ことなのでしょう。なのに、チームであるシアトルは4月の絶好調をキープできずに、現在3位。ア・リーグはボストン、ニューヨークを擁する東地区が強力に強いので、シアトルがポストシーズンに進むには何としても西地区で優勝するしかない。ここ数年の中では一番いい戦いぶりを見せてくれているが、なかなか勝ちきれず上位に行けない状態で、これもまたちょっと難しいかも、と悲観的。だが、ひょっとしての期待はまだある。4月の時のような勢いが夏以降よみがえることを祈りたいって感じ。
[PR]
by harukko45 | 2009-06-19 13:20 | スポーツ

 サカイレイコさんとのリハ2回と本番の3日間が終わった。全体のサウンドも方向性も、前回2月のマンダラの時よりもしっかりと見えてきたし、セットメニューの流れもスムースだった。そして、今回もまたメンバーの皆さんの素晴らしいプレイのおかげもあって、明らかに前回を上回る内容だったと思っております。
 まずは、バンドとしてご一緒してくれたピアノとアコーディオンの鶴来正基さん、ベースの永田範正さん、パーカッションの佐藤直子さんには大感謝です。このメンバー達は音楽にトライしていく気持ちが旺盛であり、なおかつ全体を見ようとする意識もしっかりある方々で、実に楽しかったです。

 個人的にはいろんな部分の自分のプレイに不満がありますが、トータルのサウンドに前回よりもワクワク感が生まれていることで、何とかOKにしたいと思います。ただ、今回のようにシンセに徹する時には、もっと時間と準備をかけるべきという反省はしっかりしておかなくては。結局のところ、リハーサル前に自分だけで片付けておくことを怠ると、本番には間に合わないところが残ってしまうのでした。そういう点では、いろんな仕事を抱え込んでいる今の現状自体も考えないといけない時期なのかも、と思ってしまうのでした。

 まぁ、そんなボヤキはともかく、ボーカルのレイコさんはとっても良かったですね。ひとつ山を越えたような感じが見えました。歌の安定感はこれまでの中でもかなり上位に入ると思ったし、バンドとの絡みを楽しむような姿勢も見えて、より一体感を作り出していたのでした。前だと、一人で頑張りすぎちゃうところがあったのが、バックへの信頼感が増したのか、柔らかい表情が出てきたなぁ、と感じました。それは、逆を言えばバック側がレイコさんの音楽への共感度が深まったことにも通じるのでした。

 今回ビゼーのカルメン「ハバネラ」やピアソラの曲に挑戦したり、という意欲的な部分もあったし、初めてバンドで取り上げたオリジナル曲の仕上がりが実にうまくいったということも、すごく良かったことで、これは大きな自信につながるように思います。もちろん、シャンソンの名曲の数々はやはり何度やっても深いですなぁ。特に「パダン・パダン」はどうやっても超名曲。ますますリスペクトの思いが強まりました。

 そして、来ていただいたお客さん達、昨夜はギッシリ満杯でしたね。最初は馴染みのシャンソニエと違うライブハウスに戸惑っているような感じでしたが、後半にいくにしたがって大いに盛り上がってくれました。本当にありがとうございました。
 さて、次回は秋10月頃になるでしょうか。その時に再会するのを楽しみに、まだまだ精進せねばのぅ。
[PR]
by harukko45 | 2009-06-18 12:22 | 音楽の仕事

レコーディングなどなど

 今週は急にレコーディングの仕事が入ったのと、前々から受けていた打ち込みのオケの制作でバタバタでありました。わがままを言えば、ライブ・ツアーの最中はそれだけに専念して集中したいところだが、それほど悠長な状況でもないし、呼ばれるところにはありがたく馳せ参じなくちゃ。

 それで、11日のレコーディングは、現在人気も売り上げも急上昇だという「彩冷える(Ayabie)」という若いバンドのもの。前日に急遽キーボードを生でダビングすることが決まったのでした。メンバーとは全くの初対面だったけど、皆がそれぞれ曲作りをし、プロデュース感覚もしっかり持っていたので、実際には話が早く、とてもいい流れでレコーディングが出来た。
 すでに録音してあるオケ2曲にピアノとオルガンをダビングしたのだが、やはり若くてエネルギッシュなバンド・サウンドについていくのには、それなりの「気合い」が必要でした。でも、そこは好きなロックものだけに、自然に燃えるものがあって楽しかったですね。

 ドラムのケンゾオ君は私の半分ぐらいの年齢だけど、好きなのはハードロックで、それも70年代ものを聞いてきたとのことで、そうなると私のようなオジサンとも相通じるものがあるわけです。
 また、ギターのタケヒト君は現在大学にも在学中とのことだったが、そんな彼の曲は意識していたかどうかはわからないが、私にはビリー・ジョエルやブルース・スプリングスティーン的な要素が見られ、これまたオジサンにはツボなので、人知れず熱くなっちゃうのでした、いやはや。

 ボーカルの葵君にもお会いしたけど、皆さんイケメンなのねぇ。これはブレイクするのは時間の問題かもしれません。いわゆるビジュアル系としてはすでに確実なステップアップを遂げてヨーロッパなど海外ツアーも盛んにやっているとのことで、今後の活躍がますます楽しみです。今回ご一緒して、彼らには音楽的な実力やビジョンもしっかりあるので、大いに期待できるバンドなのではないかなと思いましたし、個人的にも久々のロックをやれて気持ちよかったので、ほんと感謝であります。

 さて、その後帰宅して一転、地味〜ぃにコンピューター相手に一人っきりで打ち込み。一昨年から制作に加わっている史上最年少のシンガーソングライター「ゆっぴ」のニューシングルへのオケ作り。このギャップの大きさをどうすんのよ!って自分に呆れますが、まぁしかたない。年寄りになると、そういった細かい事は気にしなくなってずうずうしくなるもんだ?!
 などとほざきながらも、とりあえず昨日深夜に何とか1曲完成。さっそく、データを送って、プロデューサーにはOKをいただきました。あー、とりあえず一安心。もう1曲残っておりますので、まだ頑張らねばのー。
 
[PR]
by harukko45 | 2009-06-13 18:58 | 音楽の仕事

 今日は、7月のクラブサーキットのための打ち合わせがあり、久しぶりにジュンコさんと再会したが、とってもお元気そうで何よりでありました。そして、明日からは出来立てほやほやの新譜"Terra 2"のキャンペーンに出発とのこと、まだまだ前向きな姿勢を持ち続ける姿にうれしくなるし、実に頼もしいかぎりです。

e0093608_0393131.jpg この新作の"Terra 2"は好評だった前作"Terra"の続編ともいえるカヴァー集第2弾というわけだが、今回の仕上がりもなかなか良く、私は今回の方がより好きだ。選曲がユーミン、小田和正、山下達郎、サザンなどなどと前回よりも多岐にわたり、それも各アーティストを代表する名曲ばかり並んでいるのが大きいのだが、いろいろこだわったであろうアレンジの面でも随所に楽しませてくれている。
 私個人の好みから言うと、m4.竹内まりやの"駅”とm5.小田和正の"言葉にできない"と続くところが特に気に入りましたね。何とも切なく、歌声にキュンとしてしまうのでした。アレンジした野見祐二さんと西脇辰弥さんはさすがに良い仕事をなさっております。

 この中からライブではどれが披露されるかは今はまだ明かしませんが、乞うご期待です。もちろん、アルバムで早めに予習しておいていただくことをお勧めしますよ。

 それと、ジュンコさんのデビュー35周年を記念して、私のようなファンの一人として最も喜ばしいことは、これまでなかなか実現しなかった過去のオリジナル・アルバムのリマスター盤が今月発売になることであります。フォノグラム時代のファーストから美乃家SCを中心とした名盤の数々が、大橋純子ディスコグラフィとしてきちっと並ぶというのは何をおいても素晴らしいことであり、「これまで何で出来なかったのか」という思いもこの際横において、素直に喜びたいと思いますし、ユニバーサル・ミュージックを大いに讃えたいと思います。
 また、この企画実現に大きく貢献していただいた「愚者楽」ヤマケンさんにはこの場からもお礼を言いたいと思います。まさにファンの鏡としてこれまた大いに讃えねばいけません。

 ユニバーサルだけでなく、エピック・ソニーからも3枚のアルバムを2枚にまとめたベストもリリースされ、これでバップでのアルバムとともに、ほぼ全作が出揃うことになったのでした!
 いやぁ、実に素晴らしいことではありますが、ジュンコさんの実績からすれば当然と言えば当然、ようやくあるべき形が整ったとも言えるでしょう。これでこそ、35周年アニバーサリーであります。
 レーベル枠を越えたベスト盤とコンプリート・シングル集もユニバーサルから発売されたことも実に画期的で感動的な出来事であります。

 さてさて、私としても特にフォノグラム時代のアルバムには思い出がありますが、やはりアマチュア時代にレコード店でバイトしていた時に、そこで発見(!)した"PAPER MOON"、それを聞いたときの感動と期待を遥かに上回る衝撃作だった"Rainbow"、高い完成度の傑作"Cristral City"といった初期の作品が強く印象に残っています。と同時に私がミュージシャンとしてジュンコさんのバックをやり始めた頃のアルバムである"黄昏"と"POINT ZERO"の復刻もかなりうれしいし、何とも懐かしいのでした。あの当時はこのあたりのアルバムを中心にコンサート・ツアーをやっていました。
 今現在、このフォノグラム原盤のCDを前に聞きまくっているのでした。しばらく楽しい時間が続きます。
[PR]
by harukko45 | 2009-06-09 00:27 | 聴いて書く

 安倍なつみさんの夏ツアー2日目、関内ホールでの2回公演が終わりました。ゲネプロから3日間連続でのステージにメンバーもスタッフもかなりヘトヘトではありましたが、皆の頑張りでやりきったってところでしょうか。
 私の感想としては、前日までの会場に比べてステージ上での音が聞きやすく、例えばツルさんのヴァイオリンやアコーディオンがほぼ生音で聞こえてくるといった状態はとても好ましく、リハの段階からやろうとしていた室内楽的なアプローチが自然に出来たように感じました(それは主に前半です)。
 また、初日を終えてのいい意味での力の抜け具合、それはひょっとすると体が疲れていることで、無駄な力が入らなかった状態だったのか、安倍さんをふくめステージ上の4人が皆同じようにリラックスしていたのが、全体にいい結果に結びついた気がしています。

 特に昼の部はいい出来だったと思っています。集中力とリラックスが適度にバランスが取れていたのでした。夜はさすがにフィジカル的な余裕がなく、後半は少々力技になった部分もあったかもしれません。もちろん、ミュージシャン・サイドが感じた「良い悪い」が決して客席側でのそれにイコールではないのですが。

 さて、ここまで4回のコンサートをやってきましたが、ファンの皆さんには賛否両論があるようです。当然、すべての人が満足することは不可能なので、どんな場合でも批判的な意見はあるはずだし、逆に全くない方が気持ち悪い。それこそが「贔屓の引き倒し」というもの。ファンが辛口であることは実に良心的で健康であると考えます。
 ただ、いくつかの点でこちら側からも発信しておいてもいいのでは、とも思ったので、いつもならすべての公演が終わってから伝えるべき内容ですが、あえて少し書いておきたいと思います。

 たぶん、3人のミュージシャン、それもリズム・セクションのないコンサートのイメージは今回の場合、前半の内容が比較的抵抗なく合致するでしょう。ただ、ヴァイオリン、アコギ、ピアノという楽器編成により、室内楽的色合いがとても強くなったので、それを生かす意味で、大きく曲のアレンジをいじくるより、オリジナルにある大事だと思われるフレーズを3人でうまくアンサンブルさせることに重点をおきました。ヴァイオリンとアコギでユニゾンしたり、ハモったり。ヴァイオリンがトップでメロディを弾き、その内声部分をピアノで受け持ったり、アコギとピアノでアルペジオをからませたり。ボーカルのハモ・パートをあえてアコーディオンでとったり。
 こういったことは、何度も聴きこまないとわかりづらい部分かもしれませんが、我々ミュージシャンの立場では、リズム・セクションが入った場合とは全然アプローチが違うのでした。

 ですから、アレンジがオリジナルとあまり変わらず、もっと大胆な遊びが欲しかったという指摘も理解できなくはないけど、今回は「外身を変えずに、よく見たら細かい部分にこだわりの装飾が施されている」というのを目指しているとお話しておきます。

 それでも、この前半で3曲ほど、比較的控えめに打ち込みによるリズムを使っているのは、安倍さんが「聴き手を飽きさせないような工夫」を希望していたからで、小編成のアコ・サウンドによる単調さを出来るだけ回避したいという意図を汲んだものでした。結果として、中盤までは打ち込みと生とのバランスはいい形でまとまっていると思っています。
 また、ほぼオリジナルに近いアレンジの中で、唯一ちょっと変えてあると言える「甘すぎた果実」ですが、これはバロック風とタンゴ風とハバネラ風が順番にやってくるようにしたもので、今回の編成ならではの内容なのですが、観客の皆さんには原曲のディスコ・ビートのイメージが強いせいか、どうしても手拍子が起きてしまうので、全体としてはスケールアップしてしまうのでした。これはこれでありですが、我々の最初の意図はもっとミニマムな世界観でした。

 さて、前半だけでの話が長くなってしまいましたが、実は後半、打ち込みがずいぶんと幅を利かせてくる部分の方が批判がより多いような気がします。「演奏者のいないコンガ音が聞こえてきて、カラオケのようだ」「カラオケ使うのならば、3人のミュージシャンはいらないのではないか」「これでは、進化どころか昔のナッチコンに戻ったようだ」との指摘は「なるほど」と思うところもあり、するどくポイントをついていると思います。
 コンサート後半で盛り上げる曲をやるために打ち込みを多用しているのは、前に書いたように、ご本人の「飽きさせないように」という思いがまず一番であり、それが退化のイメージに結びつくとは考えていませんでしたし、カラオケ的になることは出来るだけさけるよう(これは当初より皆が意識していたこと)に注意して、リズム・トラックを作りました。が、それでも楽曲の性格上、音数は多くなっていったのは事実です。

 ですので、「いないミュージシャンの音がする」などはその通りなのですが、それでもかなりの部分を演奏している3人の存在感が薄くなっているようなら、それは我々の方の敗北でありますので、スタッフを含めた全員の課題と言えるでしょう。ただ、今の状態で「とても楽しい」と喜んでくれている方々も多く、またステージ上での安倍さんの頑張りぶりを毎日見ていると、決して「サービス意識に欠けている」とはとても思えないので、この辺は外からもっと大きな視点でプロデューサーに判断をしてもらうしかないでしょう。

 さて、まだまだいろいろあるとは思いますが、次の大阪まで少し時間があるので、私ももう一度もろもろを整理しておきたいと思います。
 とにかく、関内ホールにお越し下さったファンの皆さんには深く感謝します。ありがとうございました!
[PR]
by harukko45 | 2009-06-08 04:04 | 音楽の仕事

 安倍なつみさんの夏ツアーの初日を終わって、帰宅しました。昨日の同会場でのゲネプロをふくめてぶっ通しでのステージでしたが、そのかいもあり、大きなトラブルもなく無事に終えることができました。昼夜と会場に駆けつけてくれたファンの皆さんには、いつもながらの大きな声援に感謝であります。やっぱり、客席からの盛り上げで、こちらのテンションもかなり上がるのをあらためて確認した次第です。どうも、ありがとうございました!

 個人的にはちょっと熱くなりすぎて、凡ミスがあったりしたのを反省しなくちゃいけないけど、まずは初日を乗り切ったことで一安心の気持ちです。

 それでは、明日も横浜関内でのコンサートがありますので、もう一度気持ちを高めて頑張りたいと思いますので、どうぞよろしくです。
[PR]
by harukko45 | 2009-06-06 22:16 | 音楽の仕事

 先月末から安倍なつみさんのツアー用のリハーサルが続いていたのだが、その合間をぬってというか、5月30,31日に九州熊本の水俣にて、あるイベントに参加した。これは、かぐや姫/風で有名な伊勢正三さんがプロデュースしたコンサートで、伊勢さんとともに、尾崎亜美さん、山本潤子さんというそうそうたるメンバーにまじって、安倍なつみさんがオープニングアクトをつとめたのでありました。

 正直、ツアーのリハ中にいきなり野外ライブということで、当初はとまどいもあったものの、実際にはコンサートツアーの初日前に、短い時間ではあっても、新しいレパートリーとアレンジで本番が出来たことは我々にとっては良かったように思う。
 やはり、今やっていることへの自信みたいなものが、少しつかめたことが何より大きかったかな。
 とにかく、全体としてはトラブルなく、いい流れでオープニングをこなせたと思う。
一応、セットリストをご紹介。
 m1.くちびるで止めて 2.息を重ねましょう 3.踊り子(地元水俣出身の村下孝蔵さんの曲) 4.大人へのエレベーター 5.微風
 でありました。

 我々の30分のステージの後、伊勢正三さん、尾崎亜美さん、山本潤子さんの豪華なコラボによるステージとなった。
 やはり、伊勢さん、亜美さん、潤子さんのソロとコラボによるパフォーマンスは本当に素晴らしく、その音楽性の高さには改めて感動させられたし、大いに刺激を受けたのでした。まさに、名曲オンパレードと名歌唱の数々に酔いしれた。
 また、バッキングに加わっていたサポート・ミュージシャンの方々も素晴らしい人たちばかりで、ベースの小原礼さん、ギターの井川恭一さん、キーボードには細井豊さんと強者がそろい、我らがなっちバンドもギターに徳武さん、バイオリンに都留さんですから、相当レベルの高い布陣であったことは間違いありませんな。

 特に私は個人的な観点から、同業者であるキーボードの細井さんのプレイぶりに大いに感動させらたし、すっかり大ファンになってしまった。彼はセンチメンタル・シティ・ロマンスのメンバーとしても有名な方だけど、このようなサポートの仕事での演奏も本当に凄いです。
 一言でいって「マジシャンのような人」とも言えるが、何しろたった一人で多彩なキーボード・サウンドを使い、それを絶妙で完璧なバランスでコントロールしきっていたのだった。そのために、彼の足下にはボリュームペダルが6つ(7つも場合もあるとか)並び、それを右足だけで操作。ピアノ系のサスティーン・ペダルは左足で踏んでいるのだった!おまけに、ドラムマシーンのオンオフも曲中で行いながら、コーラスもやるし、曲によってはアコーディオンやハーモニカ、そしてサックスまで演奏するというから畏れ入った。
 そして、何より感心するのは、一つとして意味のない音がなかったこと。いろんなことをやっていても、曲自体をしっかり把握して、共感しているのが感じられたし、だからこそ、彼の演奏を見ているのが実に楽しかったのだった。
 
 いやぁ、まだまだ勉強になることは多い。細井さんのようなプレイはとてもじゃないができないが、彼の音楽への真摯な態度と熱意ある取り組みには見習わなくてはならないことばかりだった。素晴らしい刺激いただいたと感謝しているのでした。

 さて、そんな充実した九州の旅を終え、安倍さんのリハも残すところ一日のみ。今週末の初日に向けて気持ちをどんどん高めていきたいと思います。

 
[PR]
by harukko45 | 2009-06-02 02:23 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31