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 スーパーライヴの詳細を書き終えるのに時間がかかり、とうとう大晦日になってしまいましたが、私の仕事納めはとうの昔(?)、24日のクリスマス・イヴに新宿ハイアット・リージェンシー・ホテルでの大橋純子さんのクリスマス・ディナーショウでありました。
 その前に20日に広島、23日に水戸とショウがあり、それらのラストが24日の新宿だったのです。その前までの3ヵ所(3日の富士市を含む)では、私、ロクさん、タマちゃん、ウエちゃんによる4リズムでの演奏でしたが、大ラスのステージでは久しぶりに、ゴトウさん、ユキさん、ヒロちゃんを加えたフル編成での演奏、セットリストも夏のクラブサーキット以来の充実した内容で、まさに今年最後にふさわしいものとなりました。

 我々は集まったのが久々とはいえ、ずいぶんこなれたメニューであり、リラックスした状態でじっくり聴いていただこうという姿勢で、ステージにのぞみました。それが幸いしたのか、ショウが終わったあとに、関係者の方々などからずいぶんお褒めの言葉をいただいたとのことでした。
 私にしてみれば、まさに「終わりよければ全て良し」となりました。

 それに、やはりこの現場は私にとってはホーム。ホームでの勝利こそ一番の喜びであります。こういった形で今年を締めくくれることが出来たのは、本当にうれしい気持ちになりました。
 これで、いいムードで来年につなげる事が出来るのではないかと思っています。何しろ、来年はジュンコさんのデビュー35周年の記念年。それをお祝いする、いろいろな企画を期待したいですが、バンド側も大いに盛り上げるべく、精一杯頑張って行く所存であります。

 ところで、只今私はウィーンに来ています。そこから、このブログの更新中であります。こちらの年末はなかなか賑わっており、街中が楽しげな気分で満ち満ちています。
 正月明けに帰国してからは、またバリバリ仕事ができるように、しばしこちらでのんびりして精気を養うといったところです。

 さて、今年一年、いろいろな現場で応援してくださった方々、お世話になったスタッフ・ミュージシャンの方々、本当にありがとうございました。そして来年もよろしくお願い致します。

 それでは、このブログに遊びにきて下さった皆様に、どうぞ良いお年を!
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by harukko45 | 2008-12-31 07:42 | 音楽の仕事

詳細(12)からの続き。

 ついにこの長ったらしい詳細も最後。本編トリは吉井和哉さんの登場だ。

 今回も吉井さんの選曲にはしびれた。昨年やった"Help!"の再演はとてもうれしい。なぜなら、これは彼と我々で一緒に作ったという思いがあるし、たった1回で終わりにしたくなかった。あの"Help!"に関しては完全にワン・アンド・オンリー、このイベントでしか聴けない、演奏できないものだからだ。

 基本的には昨年とアレンジは変わらないが、我々の意識が違う。一年経って、体の中に吉井"Help!"がしっかりと定着していたし、この作品への思いが深まっていたと感じた。
 曲は熟成すると思っている。演奏家の意識が変わっていくことで、曲達も成長したり堕落したりしていくのだ。吉井"Help!"は昨年よりも自信に満ちた堂々たる姿で蘇った。だから、各自の演奏に迷いがないのです。
 とは言え、私は、自分のパートのみ少し変更した。昨年はサビの部分でストリングス・シンセで壁のように後ろで厚みをつけていたが、今回はかつてのビンテージ・キーボードの一つであるメロトロンのサンプリング音を使って、ボーカルの裏メロのような動きにしてみた。このメロトロンの音は元ムーディブルースのマイケル・ピンダーが作ったもので、非常に良いのですね、ハイ。
  
e0093608_2349969.jpg そして、もう1曲は"God"。これはすでに2001年に出演された時に歌っているそうだが、その時のメンバーで残っているのは土屋さん一人。他のメンバーにとっては始めての吉井"God"というのは、やはり特別なものを感じる。
 だいたい、この"God"という曲、ジョンのソロ・アルバムの最高作と言える「Plastic Ono Band」、その中でも随一の曲、最も衝撃的だった曲、それが"God"なのだ。

 「神とは概念だ、それで我々は痛みを測る」で始まる歌詞は、突然としてこの曲の核心部分である「〜を信じない」につながる。否定されるのは、魔法、易、聖書、タロット、イエス・キリスト、ケネディ、仏陀、マントラ、ギーター(インドの聖書)、ヨーガ、王たち、エルビス・プレスリー、ジンマーマン=ボブ・ディランで、ついに最後に「ビートルズを信じない」で音楽が止まる。
 
 そして、「僕はヨーコと自分を信じる」「僕はウォルラス/セイウチだったけど、今はジョンだ。」「親愛なる友よ、君たちは頑張らなきゃならない。夢は終わったんだ」で終結する。

 ジョンがビートルズを否定し、夢は終わったんだと歌ったのはショックだった。しかし、ここまで自分をさらけ出しながらも、ちゃんと芸術作品に高めてしまうジョンの凄さをも同時に知るのだった。

 演奏していて胸が痛くなる。が、音楽には夢中になってしまう。演奏することにどんどん入り込んでしまう。それでいて、行き過ぎた演奏は禁物だ。これだけの歌詞がついているのに、無神経なプレイは許されない。オリジナルのスタジオ・テイクでも名手ビリー・プレストンが最小限度の音使いでピアノを弾きながら、彼自身の色を出しているのはさすがだ。

 吉井さんはこうして、再び我々から魂を抜き取ってしまう。夢中になりすぎてしまう私など格好の餌食だ。
 だが、この時の吉井さんはひさしぶりのライブであり、その前の奥田+Charのステージにもかなり刺激を受けたらしく、それでだいぶ緊張してしまい、「帰ろうかと思った」とMCまでしていた。
 これほどまでに人を虜にさせる彼が、そのような気分であったとは、私のような凡人には信じがたいことだった。

 正直、ジョンのあまりにもパーソナルな内容の曲を歌うことは、かなりの冒険であり、自分自身を傷つけかねないと心配もしたが、ご本人の繊細な気持ちを知る由もない私には、いつもの飄々とした雰囲気のまま、見事に聴き手を自分の世界に引き込んで、まんまとジョンを自分に置き換えてしまうのだから、やはり彼はタダものじゃない、と写ったのだった。

 この"God"で本編が終わったとは、何と言うことか。今年の中身の濃さ、異様さ、摩訶不思議さ、それらを証明するエンディングだった。少なくとも私には。おかげでヘロヘロだよ。
 
 こうして、本編は終了し、この後はオールラインナップによるステージになった。そのことについては詳細(1)へ戻って読んでみてください。
 ここまで、長々とお読みいただきありがとうございました。そして、あの12月8日に武道館におこしくださり、一緒にあの時を共有した皆さんには深く深くお礼を言います。皆さんのおかげで、今年のスーパーライヴは無事に終えることが出来たと思います。
 それに比べれば、私個人の後悔などたいして意味を持たないことが、ここに来て理解できました。この詳細の最初で「個人的には大失敗」と書いたのは、違った見方をすれば少々傲慢な姿勢であったと感じています。自分が足らなかった部分は自分でしか解決できない。それに何がだめだったかは自分が一番よくわかっている。だったら精進するしかない。
 そんなセコイ自己チュウな問題などではなく、あの武道館に生まれた共感と共鳴こそが全てであって、それこそがジョンが考え、目指していたものだと思うのでした。
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by harukko45 | 2008-12-29 02:03 | 音楽の仕事

詳細(11)からの続き。

 宮崎あおいさんが再登場。"Imagine"の詞を朗読。今度は前よりも長めだったから、お客さん達も安心していたかな。とにかくお若いのに凛として素敵な佇まいを持っていらっしゃるなぁ、と感心しました。

 そして、いよいよ奥田民生さんを迎えて。

 奥田民生さんは日本を代表するアーティストというだけでなく、ビートルズ強者でもある。おまけに、ギターもうまい。そして、今回はかつてのツアーバンドのメンバーが二人(古田、長田)いる。何も心配することなどない。もちろん、民生さんは常にリラックスしたムードを作り出してくれる人。それに、ほぼ毎回のようにこのイベントに参加してもらっていて、今やイベントの顔の一人でもある。だから、スーっと入ってきて、パっとやって、スーっと帰っていく。それが彼のカッコよさだ。

e0093608_1246334.jpg 「Rubber Soul」の2曲目で静かながらインパクト十分、そしてすぐにそのサウンドとメロディの虜になってしまう名曲"Norwegian Wood(This Bird Has Flown)"が、何の力みもなく民生さんのアコギから始まった。この曲はキーボードは二人とも休み。アコギ2人とベースでベーシックはOKで、サビからバスドラムとタンバリンが加わってくる。
 また、この曲はビートルズが初めてシタールを導入した曲としても有名で、我々は土屋さんの「自主制作」によるエレキシタールで再現した。土屋さんはギターの名手だけでなく、改造の名手でもあります。安物のギターを自ら改造してエレキシタールに仕上げてしまったシロモノですが、これがちゃんと良い音するんです!
 そして、重要なハモ・パートも日本最高の相棒役・押葉くんがいれば何も問題ない。

 ところで、この"Norwegian Wood"、日本語タイトルは"ノルウェーの森"となっているが、それだけで北欧の幻想的な世界をイメージしながら曲の詞を読むと、その内容が全く違うことに驚いてしまう。簡単に言えば「ある一夜の情事」を歌っただけで、その彼女の部屋がノルウェー産の木材で内装されていたってことらしい(ポールの解説によると)。
 また、労働階級の人が住むアパートの内装に使われる木材を指すこともあって、登場する女性が裕福でないことを意味しているという。
 この"wood"はあくまで森であるという意見は、わざわざサブタイトルに"This Bird Has Flown"と女性を鳥に例えているからだ、と主張。対して、"wood"は家具であるとする根拠は、彼女の部屋には椅子がなくベッドだけあり、それがノルウェーの木材製の安物という意味であると。
 いやぁー、面白い。さらに芸が細かいのは、間奏前にベッド・インし、間奏が終わると情事は終わり、「朝から仕事があるから」と言われ、「しかたないから風呂で寝た」とのオチがつく。さらなるポールの解説では「So I lit a fire」は風呂で寝させられた復讐のために燃やしたのだ」と。
 ちなみに日本の訳者は「意味を取り違えた」と認めているし、ポールはこの曲を「Rubber Soul」におけるコメディ・ナンバー1号としている。(2号は"Drive My Car")

e0093608_21383180.jpg 続いて、Charさんをお迎えして、奥田+Charによる"Come Together"。そのかわり、土屋,長田の両人はお休みである。
 Charさんは登場してすぐに何気ない感じで"Come Together"のイントロを弾き始めた。それが、すごくジャムっぽい雰囲気で、何とも60年代後期から70年代初頭を思い出させる。二人はすでに、山崎まさよしさんを加えての「三人の侍」というユニットをやっており、もう息も気配も即刻承知の仲。だから、ここに関しても全く心配ない。

 それにしても、Charという人はかっこいい。正直、「日本のロック」というジャンルにこれだけ「カッコイイ」という言葉がはまる人は他に何人いるだろう?
 もちろん、そのパフォーマンスや音楽性がかっこいいというのはたくさんいるだろう。だが、Charはまず見た目だけでかっこいいし、ギターがかっこいいし、歌がかっこいいのだ。

 まるでファンから目線でのレポになってしまっているが、それもしかたない。この時はまさに「スーパー・セッション」か何かに加わっている感じで、メインの二人のボーカルとギターを全て聞き逃すまいとしていたのだった。

e0093608_22354100.jpg さて、奥田さんを拍手で送り出して、このコーナーの3曲目はCharさんと押葉、古田、和田という4リズムでの演奏になった。こういう編成、特に私はオルガンのみだったので、完璧に60,70年代ロックのサウンド、ムードになる。はっきり言って最高でしたね。こういうセッションが出来たのは!
 曲は"Ticket To Ride"でトータスさんと一緒なのだが、Charさんは最初からヴァニラ・ファッジによるカヴァー・バージョン(1967年の1stアルバムに収録)をベーシックにしたいとの話だったので、どちらもそのままのセットリストになった。

 で、このバージョンは思いっきりサイケデリックな、かなりエグいサウンドなのだが、よく聴いていくとコードチェンジに、ニューソウルっぽいセンス(メジャー7th、9thの使用)があったりして、なかなかオシャレで面白い。
 イントロでのオルガンは前の"Norwegian Wood"のAメロと同じミクソリディアン・モードでソロをとっているが、このスケールだとバグパイプのようだったり、インド音楽風だったりして、それがサイケの香りをプンプンさせる。

 その後、ギターがビートルズのリフを弾くのだが、ベースがG-F-E♭-Dと定番の下がっていく動き、Charさん曰く「ハートブレイカー進行」なので、ビートルズの気配は全く消されている。これはリハの時に、Charさんがその場で決めていったことで、ヴァニラ・ファッジはこれとは違った動きをしているし、ところどころのアレンジもセッションをしている流れの中で変えていった。
 ヴェニラ・ファッジのコピーをしているのではなく、ベーシックにしながらも、その場その場の即興的な発想を大事にしていくのが、彼のやり方なのだった。

 実を言うと、Charさんは頭の回転がとても速く、どんどんアイデアが出てくるのだが、その最終型アレンジではちゃんと通さず、「こんな感じでよろしく!」と言ってその時は終わったのだった。
 その後、リハの録音を聴いた我々3人は、もう少し煮詰める必要を感じて、次の日に居残り練習を敢行、コーラスのパートを振り分けたり、ギター・ソロへのキッカケを作ったり、あやふやだったコードを決めたりしたのだった。それもギター抜きのオルガン・トリオだけで成り立っちゃうのは、ヴァニラ・ファッジ・バージョンだったせいだけど、まるで高校時代のバンド練習を思い出すようで楽しかった。

 というわけで、本番を迎えたわけですが、4人とも燃えました。ここでのCharさん、素晴らしかった。本当のロック・ギターそのものでした。それに歌がいいんだ、歌が。で、我々3人もコーラス健闘していたと思います。
 その後、TVオンエアーのためにトラックダウンを受け持った押葉くんによると出色のミックスに仕上がったとのこと、「カッコイイです!」とのメールが届き、大いにうれしくなったのでありました。


詳細(13)
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by harukko45 | 2008-12-28 23:16 | 音楽の仕事

詳細(10)からの続き。

 トータス松本さんとの2曲について。

 土屋さんには、ショーンの映像終了後すぐにギター・イントロを弾くようにとの演出側からの指示があった。ただ、当日になってジョンの"Woman"のビデオから急遽ショーンのものに変更になったため、あまりいい流れではなかったようだ。ショーンの歌がとても切なかったので、もう少し余韻を持たせるべきだったかもしれない。

e0093608_2452429.jpg ただし、演奏に集中している我々にはその時点では、そのようなことは伺い知れない。とにかく、トータスさんとのステージを盛り上げるのみだ。
 1曲目の"Ticket To Ride"はシングルとしても米英で1位を取っているし、映画「Help!」でもスキーをしながら歌われるシーンが印象的だった。ジョンが書いたビートルズ曲の中でも屈指の名曲の一つだろう。

 オリジナルのアレンジで注目すべきは12弦ギターのイントロ・リフと2拍3連を強調したドラム・パターン。Aメロからジョンのリードを食ってしまうかのように強烈なポールのハイ・トーンによるハーモニー。またサビではジョンとポールのツインでリードといったおもむきで、ここにあげたどれもが外せない必須アイテムだ。
 おっと、サビとエンディングで活躍するタンバリンも忘れちゃいけない。

 正直、ビートルズを演奏する時は個人的には初期(Rubber Soul以前)の曲の方が断然楽しい。この曲の場合、私はタンバリンとコーラスしかやることはないが、それでも至福の3分間である。

 それと、ポップな印象で耳になじみやすいから、楽にやっているように思われるが、実際はかなりヘビーな曲。ジョンは「元祖ヘビメタ」なんて言っているし。
 ボーカルはシャウトしっぱなしで、結構大変だが、トータスさんは60年代R&Bのニュアンスを出すのがうまいし、声がカッコイイ。今回相棒役で大活躍の押葉くんもポールのパートを完璧にこなしてくれたので、すごく安心して楽しむことができたのだった。

e0093608_3311170.jpg そんな充実のボーカル陣、特にトータスさんのソウル色がより際立って良かったのは"Stand By Me"。もちろん、ベン・E・キングの曲でジョンは「Rock 'n' Roll」でカヴァーしたが、その出来はオリジナルを凌駕するほどのカッコ良さだ。なので、こちらもあまり小細工せずにストレートに、シンプルに演奏した。
 とは言え、なんだかんだ言っても自然に盛り上がる曲だし、トータスさんの歌が魅力的だから楽しい楽しい。サビを一緒に歌うのも幸せでありました。

 なんか、ここまでの中で一番楽しくやらせてもらえて、ありがたい気持ちになったよ。さすがトータスさん、好きだなぁ。それと、アルバム「Rock 'n' Roll」何度聴いても、やっぱ最高!

詳細(12)
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by harukko45 | 2008-12-28 03:48 | 音楽の仕事

詳細(9)からの続き。

 斉藤和義さんの登場。前にも書いたが、今回はスケジュールの調整がつかず、我々トリビュート・バンドでのバッキングはかなわず、彼はご自身のレギュラー・バンドとのパフォーマンスであった。

e0093608_18354776.jpg さすがに日頃から一緒にやっていて、ましてや現在ツアー中のバンドとの演奏は一体感があり、これまでのスーパーライヴにおける斉藤さんとは違う面を見せてもらった気がした。というか、これが本当の斉藤さんで、今までの姿は彼の全てではなかったと言えるか。

 で、恒例の日本語詞による"Across The Universe"をリハで聴いているだけで、何とも言えない嫉妬心のような感情が生まれてしまった。正直言えば、やはり今年も彼のバックをやりたかったなぁと思う。

 今年の斉藤さんは一年を通して活躍されていた感じだし、これからの大ブレイクの予感も漂い、いよいよその実力と才能が広く認知され始めたとも言えるか。基本的に私は彼のファンなので、実に喜ばしいことだと思っている。
 それと、私にとってうれしかったことは、我々が夏木マリさんのリハを終え、斉藤さんがリハのためにステージに上がってきた時に、わざわざ私のところに来て握手をしてくれたことだ。簡単に挨拶しただけだったが、ほんとうれしかったし、何だか妙に緊張してしまいました。

e0093608_192798.jpg それにしても、もう1曲が"I Wanna Be Your Man"とは。何とも斉藤さんらしいユーモアなのか?これは元々はローリング・ストーンズにあげた曲で、「With The Beatles」に収録されているがリンゴが歌うための曲としてだ。
 で、ここでウィキペディアによりますと、「ミックは『ポールとジョンが一番良い曲のひとつを俺たちに快くくれたことに驚いていた』と語り、キースはビートルズの曲をやるなんて鼻高々だと喜んでいたと、ビルが回想している。もっとも、ジョンは後に『あれは捨て曲だ。名曲をやつらにくれてやる気なんか無かった』と発言している。」とのことでした。

 ところで、斉藤さんによる"I Wanna Be Your Man"はストーンズでもビートルズでもなく、かなり激しいセックス・ピストルズ風のパンク・ロックになっていてなかなか面白かった。

 さて続いて、スクリーンに映し出されたビデオ映像で、なんとショーン・レノンさんが登場。これは私も当日いきなり知らされたことで驚いたが、本当はとんでもなく素晴らしいことなんだなって、じわじわと感じたのでした。内容は会場の人たちに向けた感謝のメッセージとともに、父ジョンに捧げる曲"Listen"が歌われた。切なく、そして感動した。来年はステージに立ってくれるだろうか。期待したい。


詳細(11)
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by harukko45 | 2008-12-27 20:15 | 音楽の仕事

詳細(8)からの続き。

 ゆずは登場時と同じように大歓声の中を退場していったが、それと同時に古田くんがボ・ディドリー・ビートとも言える南部風のリズム・パターンを叩きだすと、そこに斉藤ノブさんが登場。私とドラムスの間にセットされたコンガを叩き始めた。

e0093608_1573780.jpg このコンガの生音(ノブさんも私もモニターには返していない)がデカイこと、デカイこと。ご本人は力んだそぶりは全く見せていないから、とっても効率がいい演奏をしているのだろう。さすがである。もちろん、音量だけでなくノリも最高である。はっきり言って、「ここからムードを変える」そんな意志を全員に伝えているようではないか。

 そして、長田君のボトルネックをフィーチャアして始まったのは「Some Time In New York City」に収録された"John Sinclair"である。このギターによるブルーズ・リフに導かれて、夏木マリさんの登場だ。

e0093608_15372768.jpg 我々の演奏について話す前に、このアルバムがリリースされた時期とかなりリンクする内容で、昨年の12月に公開され、今はDVDとして発売・レンタルされている映画「Peace Bed アメリカvsジョン・レノン」を観ることをジョン・レノンへの理解を深めるためにもお勧めしたい。

 音楽家ジョン・レノンのことはよく知っていても、彼が人生の後半期に積極的に関わった反戦運動とそれがもたらしたニクソン政権との闘いについて、私もこれまでいま一つちゃんと知ることがなかった。
 が、この映画を観ることで、一人の芸術家のピュアな平和への祈念が、政治家や活動家達に取り込まれ利用され、そしてついには国家権力との闘争に巻き込まれていく事実を、多くのインタビューと未発表の映像を通して把握することができたのだった。
 そして、そんな中でもジョンの考え・主張はじょじょに進化し、生き続け、今でも(今だからこそ)受け止めるべきメッセージを内包していたのだと強く思った。

 そして、この映画の中で貴重な映像として見られる1971年の「ジョン・シンクレア支援コンサート」におけるジョン&ヨーコのライブ。
 ジョン・シンクレアはアメリカに現存する反体制派の詩人で、FBIのおとり捜査で2本の大麻煙草を所持していたとして、懲役10年の実刑を受け刑務所に服役していた。その彼へのシンパシーと支援のために作られた曲が"John Sinclair"であり、FBIはコンサートに潜入し、その歌詞を書き留めていたのだった。

 さて、スーパーライヴのステージに戻ろう。イントロで登場した夏木マリさんの強い存在感はどうだろう!そして、日本語訳で歌い始めたその声のシブさに、思わずマイッタ。私は大好きなボニー・レイットさえ思い浮かべたほどだ。とにかく、彼女の声とこのブルーズのマッチングは最高だとリハの時点で感じていたが、本番ではそれ以上のムードにうれしくなった。
 ノブさんからはあらかじめ電話でキーとアレンジの方向性を聞いていたが、彼のキー設定が的確だったのと、オリジナルのようなアコギによる感じでなく、エレキ・ギターでガツンとやりたい、という言葉にどれだけ勇気づけられたことか。

 なので、私としても、そこまでの流れを一変させるほどのインパクトとダイナミズムを持つバンド・サウンドを生み出したかった。結果としてオールマン・ブラザーズやリトル・フィートのような色合いになったが、まさに望むところであった。
 ちょっと自慢のようで恐縮だが、スタジオでのリハの時、この曲の演奏が終わるとすかさず、舞台監督の中村さんが「あまりにもカッコイイので、イントロをのばしてノブさんとマリさんの登場のシーンを作りたい」と言い出したのだった。

 この曲は上記のような複雑な因縁や事情を抱え込むものではあるのだが、こと演奏にだけ注目すれば、実にジョンらしいヒネリのある、普通の12小節では収まらないブルーズで、特にいわゆるシメの部分での「Got to,Got to...」の連呼を15回するところなどスリル満点なのだった。(実際にジョン自身もスタジオ・テイクで回数を間違えている)
 曲の後半はノブさんと我らがギター二人のソロをフィーチャアして、まさにオールマン風のジャムをやり、エンディングではノブさんのアイデアで「Got to」を10回やったところでカットアウトしようということになった。これがまた実にスリリングだったが、うまくきまった。

e0093608_1844569.jpg 2曲目の前に、パキスタンの少女からDream Powerに届いた手紙をマリさんが紹介するシーンがあったが、いつもは単独のコーナーとして組むところを、今回はそのまま2曲目の"Love"につなげる演出になった。これも、マリさんノブさん側のアイデアだったが、一つのまとまった流れとなり、とても良かったと思う。
 そして、歌われた"Love"はノブさんのジャンベと私のシンセのみでシンプルにまとめた。さりげない感じの伴奏だったが、一応それなりに細かい部分では工夫したつもりで、全体としては満足している。
 とは言え、マリさんの歌、ノブさんの堂々たるビート、どちらもさすがでした。やはり大ベテランのお二人の前では、まだまだ自分はガキです。

 それから、退場する時に、二人で手をつないでいたって?くぅー、なかなか魅せますなぁ。敬服。


詳細(10)
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by harukko45 | 2008-12-27 18:05 | 音楽の仕事

詳細(7)からの続き。

 Salyuさんが終わり、宮崎あおいさんによる"Love"の朗読のコーナーだったのだが、「俺たちゃ、そのまま居ていいのか?」と一瞬たじろぐも、今さら動けないからじっとしていることに。ただし、朗読されたのが"Love"だったから、すごく短かったですね。せっかく登場されたのに、すぐに引っ込んでしまったので、会場もちょっと「エッ?」ってムードが。とは言え、可憐というか、やはり魅力的な女優さんでありますなぁ。

 そして、ゆずの登場。彼ら目当ての「ゆずっこ」の皆さんが今回は多かったですなぁ。オープニングでの会場の盛り上がりもゆずのおかげだったかも。そして、あらためて彼らの再登場で、ものすごい大歓声がわき起こったのでした。

e0093608_1715215.jpg そんな彼らの1曲目は「Rubber Soul」に収録された名曲"In My Life"。ジョン曰く「初めてまじめに作った曲」と、本当だか嘘だかわからんコメントがついているが、イントロから本編、間奏のすべてが完璧に作り上げられた傑作であることは、誰も否定しまい。
 
 で、なんと言っても印象的なのはジョージ・マーティンによるバッハ風のピアノの間奏部分。テープのスピードを落としてダビングしたということで有名だが、聴き手の誰もが知っているフレーズだけに、何とも嫌なプレッシャーのかかる所だ。
 それと、私が関わったスーパーライヴにおいては、これまでこの曲をとりあげるアーティストは女性が多く(森山良子さん、平原綾香さん、木村カエラさん)、そのたびにキーが変わっていた(2003年の森山良子さんはご自身の弾き語り)。今回は初めての男性アーティストであったのだが、ゆずの二人もオリジナル・キーではなく半音上のB♭の指定だった。つまり、我々は一回もオリジナル・キーではこの曲を演奏していないのだった!
 まぁ、そんなこんなでキーボード弾きにはやっかいな曲であることは間違いない。

 今回ゆずは、1コーラス目を彼らだけで歌って自分達らしさを出したい、とのことで、ギターのメロによるイントロはしばしお預けになった。
 そのかわり、かなり表情をつけながら、バラード調で北川くんが歌い始めたので、それだけで「ゆずワールド」全開となり、ファンの皆さんのボルテージも一気に上がったのではないだろうか。

 ただ、リハの段階では1コーラスをほとんどノン・テンポで歌い、2コーラス前のブリッジで、おもむろにバンドが入ってくるので、どうしても1コーラス目が本編の前置きのようだった。しかし、それから本番までに彼ら二人もしっかり煮詰めてきてくれ、当日にはリハ時に感じた流れの悪さはすっかり解消されて、よりドラマチックな内容になっていたと思う。
 それと、若々しい北川くんが歌うことで、すごくピュアで前向きな雰囲気も生まれたのではないだろうか。

e0093608_0371581.jpg MCをはさんでのもう1曲は、「Double Fantasy」のオープニングを飾り、タイトル通り、ジョン自身の「再出発」を意味した"(Just Like)Starting Over"。
 全体の曲調は50年代風のロックンロールで、ジョンの歌い方も彼の原点と言えるエルヴィス・プレスリー風を意識しているし、そのボーカル・サウンドには50年代風のテープ・エコーがかかっていて、何から何まで懐かしい演出がなされていた。
 だが、それが単なるノスタルジックなだけの表現になっていないのは、実際のミュージシャン達の演奏がかなりカッシリとしたもので、ジョン曰く「1950年代のロックンロールを、1980年代(その当時の今)風にアプローチした」からということになる。

 つまり、自らの原点を見つめ直しながらも、今を共にする君(ヨーコ)とともに再出発しよう、という歌詞の内容を忠実に音で表現していたのだった。
 ひょっとしたら、ゆずのお二人は意識しての選曲だったのか、前の"In My Life"も人生を振り返りながらも、過去の思い出よりも今の君をもっと愛している、という内容で、基本的にテーマは一緒だったのだ。もし意識的にこの2曲を選んだのだったら、なかなかやるではないかと感心する。

 それと、バースの部分は、北川くんがオリジナルよりもゆったりと感情を込めるように歌い、リズムが入ってからのプレスリー風な部分を、岩沢くんがいつもと違う低音で歌うという工夫があり、この辺の演出力もよく練っているなと思った。
 そうそう、それと本番当日のリハで、北川くんが私のところに来て、新たにコーラス・パートをつけてほしいとの要望があり、一瞬目がくらんだが、何とかやるだけはやってみた。果たしてその効果があったかどうかは録音を聴いてみなくてはわからないが、ギリギリまでトライしようとする姿勢は悪くない。

 また、この曲のエンディングは自然に淡々と終わってもいいのだが、ゆずは最後をガツンと盛り上げることを選んだ。なので、我々は3連符のパターンをじょじょに強調しながら、頂点に向かって上る感じだったが、岩沢くんもアコギをガツガツかき鳴らしたりしていて、かなり面白かった。
 正直、これほどまでに明るくて前向きな"Starting Over"は初めてだ。詞の内容はそうでも、この曲がリリースされた直後にジョンの死があったので、どうしても私のような世代は哀感が漂うイメージでとらえてしまうからだ。だが、ゆずにとってはあくまでピュアに「再出発」ととらえていたのが新鮮だったし、むしろ正しい解釈のようにも感じられたのだった。

 それから、彼らはこの曲でもキーを上げていた。それもオリジナルよりも短三度上のCにである。この明るさ、ピュアさはその影響もかなりあるようにも思っている。


詳細(9)
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by harukko45 | 2008-12-27 00:36 | 音楽の仕事

詳細(6)からの続き

 Salyuさんとの2曲について。

 リハーサルが始まる前の段階で、Salyuさんからは直接電話をいただいて、今回の曲のアレンジについて、いろいろとお話をすることが出来た。その時出たアイデアは、2曲ともにオリジナルからは離れて、ミニマムな世界での表現をしたい、とのことだった。少し浮遊感のあるコード、あるいはピアノの弾き語りのような素朴さ、子守唄のような静けさ、等々、サウンドのイメージはいくつか出てきて、それを私の方でふくらますことになった。
 とても積極的に自らの方向性を提示してもらったことは大いに助かったし、こちらのやりがいも出てくるというものだ。

e0093608_13425425.jpg "Oh My Love"は「Imagine」収録の美しいバラード。ジョンとの結婚を前に子供を流産で失ってしまったヨーコが、その子に向けて詞を書き、それにジョンが曲をつけたとのことだが、今では普通にラブ・バラードとして広く認識されているかもしれない。
 それにしても、何とも幻想的なメロディが心に残るし、オリジナルでの各ミュージシャン達(ジョージ・ハリスンやニッキー・ホプキンス、クラウス・フォアマンら)のバッキングも極めて美しく、実に素晴らしい仕上がりだ。

 だが、今回は思い切って全く違うアプローチをした。「以前のスーパーライヴ(2003年)で、この曲をやったMy Little Loverの、漂うようなコード・サウンドを出してみたい」というSalyuさんのリクエストで、私がシンセ・パッドでオリジナルよりもテンションを効かせたコードを供給し、十川さんにもピアノのトーンを工夫してもらい、土屋さんにはアコースティック・ギターで優しいニュアンスを付け加えてもらった。

 My Little Loverのテイクを参考にはしたが、打ち込みによる音は使わなかったので、シンセやエフェクティヴなサウンドで埋めても、Salyuさんが目指す感覚、つまり、素朴なピアノをバックに歌う子守唄的ニュアンスは十分に生かすことが出来たし、もう一つのテーマである浮遊感あふれる幻想性も同時に存在したと思う。

 もちろん、Salyuさんの独特な歌声が、まさに「オーガニック」であり、心の内に深く入り込んでいくような歌い方だからこそ、このようなトライがうまくいったのだった。

 で、私としてこだわったのは、2曲目にうまくつなげて、切れ目なく一つの世界を作り出したかったことだ。そして、前半後半で演奏するメンバーを変えていくことで、音楽的な鮮度を維持し、それぞれのメンバーの個性も生かしたいとも思った。
 だから、"Oh My Love"のエンディングは土屋さんのさりげなくも美しいガット・ギターのソロで終わり、その後を私の不協和音で埋め尽くしたところに、教会のベルのサンプリング音がかぶって聞こえるようにした。もちろん、これも手弾きであるが。

e0093608_14403027.jpg 当然、このベルの音を聞けば、次の曲は"Mother"しかないと誰でもがわかる。
 "Mother"はジョンの、ジョンによる、ジョンにしか出来ない、まさにジョンそのものであるアルバム「Plastic Ono Band」のオープニングを飾るあまりにも有名な彼の代表作。この1曲だけでもジョン・レノンは永遠だとも言えるし、このような曲、このようなアルバムは彼以外には誰も作れない。日本語によるタイトル「ジョンの魂」はちょっとリアルすぎるものの、アルバムの核心をついているのだった。
 
 Salyuさんはわざわざこの曲のためにギターのみによるデモを作って送ってくれた。私はそのテイクのムードが気に入り、オリジナルのピアノ中心のサウンドでなく、エレキ・ギターでのバッキングを基本にすることにし、長田君にお願いした。彼は、Salyuさんのデモも聴き、自らイメージを高めてそのギター・サウンドを研究してくれた。
 本番ではディレイをうまく効かせたサウンドで、ボーカルに寄り添ったり、突き放したりと、巧みなバッキングを聴かせてくれて、実に感動的だった。また、3コーラス目からは古田君にループのようなイメージでドラムを叩いてもらい、私はSE的で少しノイジーなシンセ・サウンドでコードを弾きながら、後半はチェロのような低音でルートを強調した。
 ベースの押葉君には両曲ともあえて休んでもらったのだが、そのために微妙な空気感が生まれ、音響派やポスト・ロック的な仕上がりになったのだった。

 Salyuさんはリハの段階でこの仕上がりを気に入ってくれて、とても前向きに歌でいろいろアプローチしてくれたこともうれしかった。そして、ジョンの影響を受けながらも、ちゃんと自分の世界を作り上げて、新しい"Mother"を聴かせてくれたことを大いに賞賛したい。


詳細(8)
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by harukko45 | 2008-12-26 15:42 | 音楽の仕事

詳細(5)からの続き

 Bonnie Pinkさんとの競演を終えて、ドラムの古田君以外のメンバーはひとまず休憩で、フジファブリックの登場。

e0093608_9362075.jpg 彼らは80年代生まれのメンバーなのですね。しかし、ちゃんと60,70年代の音楽への理解も深い演奏ぶりで、ちょっとしたこだわりもなかなかニクイ感じだった。何となく、ビートルズの後に登場したピンク・フロイドって雰囲気もあったなぁ。やった曲がサイケ時代の大傑作"Strawberry Fields Forever"だったせいもあるかな。

 ところで、この"Strawberry Fields Forever"はアルバムでは 「Magical Mystery Tour」に収録されているが、元々は「Sgt.Peppers」のためにレコーディングされたもの。後でジョージ・マーティンがシングルのために"Penny Lane"とこの曲をアルバムから外したことを後悔したそうだが、もし予定通りにこの2大傑作が 「Sgt.Peppers」に入っていたら、それはそれはとんでもないアルバムになっていたのは確かだし、現在のように「Sgt.Peppers」の評価ががた落ちってことはなかっただろうな。
e0093608_9422618.jpg
 それを言い始めると、「White Album」だって"Hey Jude"と"Revolution"が入ってないし、「Revolver」に入らなかった"Rain"も。(これらの曲は「Past Masters Vo.2」に収録。おかげで、このアルバム未収録曲による企画盤は強力なベスト・アルバムになってしまった!)

e0093608_13334093.jpg 続いて、スーパーライヴではもう常連と言えるLOVE PSYCHEDELICO。今回はバンドでなくKumi&Naokiの二人のみで登場。彼らだけでやった"Oh Yoko!"ではKumiさんがマンドリンを弾きながらカントリー色強く歌ったのがカッコよかった。個人的にもここ数年カントリー系は注目だったので、彼女の歌がこれほどカントリーぽいニュアンスに富んでいるのには驚かされたし、楽しかった。

e0093608_1073978.jpg そしてもう1曲、我々が加わっての"Watching The Wheels"はジョンのアコースティック・ギターのみの弾き語りによるバージョンをベーシックに、Naokiくんがアレンジしたもの。スタジオでのリハーサルの時点で、彼には目指すサウンドがしっかりと見えていて、我々はその指示にしたがって演奏していけばよく、二人でシンプルに始まったところに、じょじょにバンドが加わって、最後はジャムのように盛り上がっていくという流れになった。
 全体としては、ものすごくザ・バンドの初期のようなサウンドになりました。そういえば、「Acoustic」におけるジョンの歌は完成版の「Double Fantasy」とは全然違うモロにボブ・ディラン調だったし。個人的にもかなり好みな感じでありました。

 この曲でもKumiさんのボーカルが光った。こんなにカッコよくカントリーやアメリカン・フォークの感じを出せる人って日本にはなかなかいないんじゃないかな。うーむ、今後も要注目。


詳細(7)
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by harukko45 | 2008-12-26 10:26 | 音楽の仕事

詳細(4)からの続き& Merry X'mas.

Bonnie Pinkさんとの2曲について。

 Bonnieさんは今回で3度目の登場で、これまでも我々トリビュート・バンドとのやり取りもかなりスムースだったし、彼女のポップでスタイリッシュな感覚がコンサートに独特の色合いと変化をつけてくれるのだった。今回も期待通りの明るい曲調の選曲に、十川さん曰く「ホッコリ」であった。
 
 で、当初私がもらっていた曲順表は"With A Little Help From Friends""Whatever Gets You Thru The Night"となっていたので、そのような流れでアレンジを考えていたし、バンドのみのリハーサルではその形でかなりの部分組んでしまった。
 しかし、この曲順に関しては、アーティスト側が後で決定するもので、これまでも何度か曲順変更はあったし、私もよく承知しているはずのことだった。なのに、ここに関しては"With A Little Help..."を頭にと私が勝手に思い込んでしまっていた。それには理由がある。

e0093608_1202265.jpg ビートルズのモンスター・アルバム「Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band」の2曲目で、ジョー・コッカーによるカヴァー・バージョンも私のような世代には印象的だった"With A Little Help From Friends"は、1曲目であるアルバム・テーマ曲の最後で「さあ、ビリー・シアーズをご紹介します!」と歌われた後、曲つなぎで突入する。その際にイントロでもご丁寧に「Billy Shears」と3声コーラスがついている。
 で、登場するリンゴ・スター扮するビリー・シアーズが「調子はずれで僕が歌ったら君はどう思うだろう...」と歌い始めるわけ。

 クレジットにはレノン=マッカートニー作となっているが、ほとんどポールの作だから厳密に言えば微妙な感じもするが、曲の魅力は十分だから、やらないでおくには惜しい。だが、アルバムにおける曲つなぎのイメージがすごく強いので、何かしらのしかけが欲しい気がした。
 なので、ジョー・コッカー・ヴァージョン(オルガンやギターによる壮大なイントロダクション)を参考にしながら(注:ジョー・コッカーはゴスペル風のスローワルツだからそのままでははまらない)、オリジナルのノリにスムースに移行できるように、ちょっとしたインストを加えたのだった。そこで、バンド的には一度盛り上げておいて、おもむろにビリー・シアーズならぬボーニー・ピンクを紹介する、というストーリーを描いていた。

 が、Bonnieさんが考えていたのは"...Thru The Night"の軽やかなグルーヴで登場して"With A Little Help..."をじっくりと歌いたかったのだった。

e0093608_15143567.jpg その"Whatever Gets You Thru The Night"は74年のアルバム「Walls And Bridges」に収録され、エルトン・ジョンとの競演で全米1位にもなった曲。確かに、ジョンのヒット曲として大抵のベスト盤にも入ってくるわけだが、だからといって、これを彼の代表曲とするのは少々抵抗を抱く人も多いだろう。私もその一人。
 ビートルズ時代からジョンがときおり見せる「テキトー」さは、魅力の一つではあるものの、楽曲自体の質の低さが明らかな場合もある。彼が歌っているから「それなりに」カッコがついてしまうとも言えるのだった。

 さて、実際のパフォーマンスでは、やはりBonnieさんの意向通り、"...Thru The Night""With A Little Help..."となった。私の勝手な思惑は外れたが、Bonnieさんは"With A Little Help..."の冒頭インスト部分でフェイクを入れてくれ、ちゃんとその部分が意味あるようにしてくれた。感謝である。それに、曲の完成度の高さから言ってもこの順番で正解だったと思った。
 他にも、この曲に関しては全体に派手さと音の厚みをつけるために、キーボードでいろいろとやってみたが、これは効果的だった思う。コーラスはキーが上がったので、オリジナルのようにはいかなかったが、サビの印象を強調することは出来たと思う。

 本番で個人的に悔やまれるのは、"...Thru The Night"で大々的にフィーチャアされるサックスのパートを私がシンセでトライしたのだが、この時使ったコンピューター内のソフト・シンセが途中からブツっと音が途切れるようになってしまい、非常にコントロールが難しかった。調子よく出たソロだったので、ひどく残念な気持ちになった。とは言え、Bonnieさんのボーカルは実にノリが良く、曲の感じにピッタリだったし、エルトン・ジョンならぬ、トモジ・ジョンによるエンディングでのファンキーなピアノ・ソロも盛り上がったね。
 後半のインスト部分では「踊ってますから」と我々に言ったBonnieさんって素敵な人です。

詳細(6)
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by harukko45 | 2008-12-25 16:53 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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