e0093608_19445052.jpg ミロス・フォアマン監督による84年の「アマデウス」は、たくさんの映画ファンが今も大絶賛しつづける傑作で、かく言う私も公開時に映画館で見て以来、その後もビデオやテレビ、DVDで何度も見続けて、そのたびに感動してしまう大好きな作品だ。で、昨夜久しぶりにまた鑑賞したわけです。

 ミロス・フォアマンはこの前に「カッコーの巣の上で」で70年代にすでにオスカーを取っているし、これも公開時に見に行って強烈なインパクトを受けた傑作でありましたが、何度も見たい作品となると、これは圧倒的に「アマデウス」に軍配が上がる。
 私自身、この映画がモーツァルトの音楽にどっぷりはまり込むきっかけになったし、初めて見た時にも、大いに刺激を受けたその音楽は、その内容をよく知るようになった今、より深く心に響くようになり、それが使われている映像の美しさ(特に室内でのロウソクの光を多用した撮影、キューブリックの「バリー・リンドン」の影響だろう)と相まって、大きな感動を与えてくれるのでありました。
 もう、何度も泣くよ、音楽がかかると。

 まずは、このピーター・シェーファーの戯曲全般の象徴となる「ドン・ジョバンニ」冒頭のDmの響き、それに続くオープニング・ロールで流れるモーツァルト17歳時作曲の傑作シンフォニー「25番(通称「小ト短調」)にしびれる。ただし、この「25番」に関しては、その楽想の凄さにはノックアウトだが、サウンドトラックにおけるネヴィル・マリナーの指揮は、ブルーノ・ワルターのを耳にしてしまったので、もはや物足りない。
 なので、ここではいつも「やっぱりワルターのエグリはすげぇーなぁ」と感心してしまう。

 そして、サリエリが初めてモーツァルトの演奏を聞くシーンでの「セレナーデ10番3楽章」。ここでの、サリエリが語る曲の解説(?)が実に的確で、「神からのギフト」であることの感動をより高めている。

 「後宮からの誘拐」に始まる、「フィガロ」「ドン・ジョバンニ」「魔笛」でのオペラ・シーンの映像、演出はどれも最高に素晴らしい。ここでの印象が強くて、実際の歌劇場でこれらを見ると、物足りなさを感じることもある。それほど、魅力的で美しい映像だ。
 また、モーツァルトの音楽の中心は「オペラ」であった、ということが、きっちりと示されていて、私にはその後のモーツァルト鑑賞において、大きな指針となったのだ。
 だから、それぞれのオペラにおけるここでの的を得た解釈、(サリエリを通しての)解説には、オペラ全体の素晴らしさを知れば知るほど、深く強く共感できる。だから、ずっと涙が流れっ放しであるし、サリエリの嫉妬と敬愛の間で苦悩する心にも納得する。

 また、モーツァルトが存命中のウィーンでは一番人気だったという、彼自身が弾きながら指揮する「ピアノ協奏曲」演奏会シーンでの「22番3楽章」は本当にたまりません!このロンドは最高に楽しく明るいのだが、明るければ明るいほど、楽しければ楽しいほど、哀しみがおそってくる。そこでの、映像がこれまた美しくしあがっているので、余計印象的なのだった。

 妻コンスタンチェがサリエリに夫のオリジナル譜面を見せ、それを見たサリエリが「書き直しが1つもない、彼の曲は書く前に頭の中で完璧に仕上がっている」と感嘆し、打ちのめされるシーン、そこで流れる「フルートとハープのための協奏曲」「交響曲第29番」などの抜粋も、一瞬流れるだけで溜息が出る。

 そしてクライマックスとも言える、死を前に「レクイエム"ラクリモサ"」をサリエリに口述筆記させるシーンでの、パートごとの演奏と、それが組み合わさった時の興奮とかっこよさをどう賞賛すれば良いのか。
 実際に、この「レクイエム」はモーツァルト自身での完成に至らず、残りを弟子のジュースマイヤーにメロディとベース音を託し、彼の補筆によって仕上がったのだった。(だが、近年このジュースマイヤーの部分に批判が多く、研究者による改訂版が登場している)
 また、この「レクイエム」にまつわるエピソード(ワルゼック伯爵の企み)とモーツァルトの早い死が、サリエリ毒殺説にまで発展し、それがこの戯曲・映画の下敷きになっているのだった。

 なので、実際のモーツァルトの人生を調べて行くと、この映画における創作、脚色された部分が極めて興味深いし、その巧みなバランス感覚(フィクション性とハリウッド色)が娯楽作品としての面白さをも十分に感じさせてくれ、ピーター・シェーファーの才能とそれを完璧に映像化したフォアマンを高く評価したいのだった。
 また私は、ヘッセの小説「荒野の狼(ステッペン・ウルフ)」からの影響もあるのではないかと考えている。主人公が自らの才能を疑い精神を病み、ドラッグにはまり、その幻惑した世界で、憧れと嫉妬の対象である天才(この本ではゲーテとモーツァルト)にこてんぱんに叩きのめされていくところなど、似ている部分があるし、天才がけたたましい高音の笑い声を上げるところや、クライマックスで「ドン・ジョバンニ」の"騎士長の場"が現れる部分にも、関連性を感じてしまう。

 さて最後、サリエリは自らを「凡人の守り神」であると語るのだが、圧倒的な天才の能力をしっかり把握した彼も大いに讃えるべきではないかな、と最近思う。真に偉大なるもの、美しいものを理解することは実はとても難しいし、特にモーツァルトのようなとんでもない存在に出くわす事は、自らの死につながる苦悩を背負い込むことでもあると思う。

e0093608_194524.jpg ところで、今回見たのは、このところ流行りとも言える「ディレクターズ・カット」で、オリジナルよりも20分長くなっていた。そのおかげでストーリーの辻褄はついたが、その分流れが止まるような印象もあり、オリジナル版の良さを少し崩す結果となった。なので、私はオリジナル版の方が好きである。

 とは言え、それでも全体をブチ壊すもの(例えば「ニューシネマ・パラダイス」のディレクターズ・カット版の酷さ)にはなっていなかったし、オリジナルを良く理解している人には、特典映像をはさんで見る楽しさがあるだろう。

 とにかく、全編を流れるモーツァルトの音楽に非の打ち所なし、何がどうあろうとも、この素晴らしさに勝てるものはない。エンドロールも結局最後まで見てしまう。なぜなら、そこに「ピアノ協奏曲20番2楽章」が流れるからだ。物語を堪能した後の、このあまりにも美しい音楽にただただ感服するのみだ。
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by harukko45 | 2008-02-22 19:34 | 映画・TV

グラミー賞

 ここ数年の中では、けっこう面白かった方ではないかな。全体的にパフォーマンスで楽しめたものが多かったのが良かったです。

 フランク・シナトラ(映像)とアリシア・キーズのデュエット(さすがアリシアだけど、ちょっとニュアンスつけすぎかも、この手はナタリー・コールがやっぱいいかなぁ)に始まって、

 シルク・ドゥ・ソレイユらによるビートルズへのトリビュート・ライブ(黒人少年のアカペラとゴスペル隊による"Let It Be"が新鮮)、

 キャリー・アンダーウッド(どうしちゃったんでしょうか、ブリトニー・スピアーズになるつもりか、つまんない)、

 おっと懐かしいザ・タイムが再結成してリアーナと競演(タイムの軽快なノリがプリンス全盛時を思い起こさせて楽しかった)、

 カニエとダフト・パンクのコラボ(まぁまぁ。ダフト・パンクは好きだけど、カニエは私には別段どうもねぇ)、

 ファーギーの歌にジョン・レジェンドがピアノで伴奏(ジョンはちゃんと弾いてたのかなぁ?でも好きだからいいや。ファーギーの"Finally"は年間ビルボード・チャートNO.1だったはずだけど、グラミーは何もあげないの?)、

 ティナ・ターナーとビヨンセという骨盤系の競演(ティナはやっぱ最高、"Proud Mary"での競演楽しかった。)、

 フー・ファイターズ(相変わらずの力みすぎ、音楽的には嫌いじゃないんだけど、最近段々興味がなくなってきた)、

 ブラッド・ペイズリー(ここ例年のカントリー・パフォーマーの充実ぶりに比べるとちょっと役不足、しかしこの人はギターめちゃウマなんです、実は!)、
 
 アレサ・フランクリンのゴスペル・パフォーマンス(アレサに大感動、声も衰え高音も出ないが、それでも素晴らしい。本物の偉大さに敬服。相手役のビービー・ワイナンズも立派。だが、その後のパフォーマンスはいらなかったし、つまらなかった。最後に再びアレサが登場してくれたのは良かったが、とにかくアレサだけにしぼって、もっと敬意を込めた作りにしてほしかった)、

 ファイスト(よかった。カナダ人アーティストらしい繊細さが好感持てたなぁ)、

 アリシア・キーズとジョン・メイヤー(大活躍のアリシアはもうアメリカ音楽界の新しきリーダーですな。ジョン・メイヤーはグラミーのパフォーマンス部門では引っ張りだこって感じで、毎回登場ね。使いやすいのかなぁ)、

 ハービー・ハンコックとラン・ラン(つまんないラプソディ・イン・ブルー、こういう教養ぶった演出がグラミーの保守性の現れね。何の意味もないのに、有り難がる感じで、全然良くなかった)、

 エイミー・ワインハウス(今回、全てに特別待遇のエイミーはロンドンから。はっきり言ってそんなに高く評価する人じゃない。これはプロデューサーの勝利。彼女はたいして良いパフォーマーとは言えない。今回、いっぱい賞をあげ過ぎて次はかなり苦しいね。とにかく、ライブの出来の悪さにがっかり)、

 アンドレア・ボチェッリとジョシュ・グローバンによるルチアーノ・パヴァロッティ・トリビュート(つまらん、ちっとも感動的じゃない。こんな歌で癒されるなんてどうかしてる。パヴァロッティの素晴らしさを知っているなら、もっと敬意を持ってほしい。こういう安直な企画を恥ずかし気もなくやってしまうところがアメリカの大らかさということか?)、

 ジョン・フォガティ、ジェリー・リー・ルイス&リトル・リチャード(素晴らしい!ジョン・フォガティ62歳?!それでもこの歌かよ!すごい。で、ジェリー・リー・ルイスはちょっと化石っぽかったけど、リトル・リチャードの凄みは何だこりゃ!70越えてる?80歳?凄い、力強いピアノとシャウト。感動です。リトル・リチャード、ほんと大好き!)、

 ウィル・アイ・アム(やっぱ、才能あるね、この男。カニエ・ウェストにはあまり共感できない私には、今はウィル・アイ・アムが最高。で、実はここにマイケル・ジャクソンが来る予定だったのに、本番すっぽかすなんて!リハまでやってたって言うのに、すごいね)、

 で、最優秀アルバムがハービー・ハンコック、これには全世界がブっ飛んでしまうほどの驚きでしたね。評論家の松尾潔氏が思わず「グラミーは空気読めてない」と言ったことに、大きく賛同です。
 正直、エイミー・ワインハウスの過大評価といい、今年のグラミーは妙だった。でも、全体的は楽しめましたよ。
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by harukko45 | 2008-02-12 16:25 | 聴いて書く

MAKI/Birthday Live@Velvet Sun

 昨夜のMAKIさんによる「Birthday Live」はとってもいいイベントでしたね。開演が18時半で、終わったのは23時。正味4時間以上の内容に、集まったお客さん達もかなり楽しんでいったのではないでしょうか。
 出演したヴェルヴェット・サンがらみの仲間とも言えるアーティスト、バンドの皆さんがそれぞれ、いいライバル意識を持ちながら、充実したプレイを展開していたのも良かったです。一応、MAKIさんの誕生日を元ネタにしていますが、一度にこれだけのメンバーが小さなライブハウスでパフォーマンスしあうというのは、なかなかないし、こういう企画はそれぞれに刺激を受けて、相乗効果として全てが盛り上がるっていうのが理想なわけで、昨夜はまさにそれがあったと思うのでした。

 だから、自ら自分の誕生日を祝ってくれ、と企画してしまうMAKIさんの図太さをまずほめなきゃいけないし、その構成をすべて一人でやり、ちゃんとそれぞれを関連づけてまとめあげた事に感心したし、最終的な印象として「誕生日パーティ」よりも、面白いアーティストがいろいろいるヴェルヴェット・サンという「音楽現場」を体験するという内容になっていたことが、とても良かったと思いました。
 そういった着地点を彼女が最初から狙っていたのかどうかはともかく、結果としてただの寄せ集めにとどまらず、一歩踏み込んだイベントとして、それらをやり遂げてしまったのは、単なるボーカリストだけじゃない、プロデューサーとしての才能とタフさを強く感じさせてくれて、素晴らしい能力と魅力を持っている人だなぁと改めて思った次第です。

 さて、実際のパフォーマンスは昨年の秋以来のMAKIバンドによる演奏を皮切りに、
 そのギタリストであり、ヴェルヴェット・サンの店長でもあるクロサワ・ダイスケ(彼がこんなにも良いコンポーザーだということに気付かされた)、
 かつての良きアメリカン・フォークのムードを思いがけず感じさせてくれたhiroko(彼女はそういったことを知らない世代なのが、また驚き。今やっていることに自信をつかんだ時に、彼女は大バケする)、
 私が大好きなJabBee(彼ほど暖かくて、人間的なヤツはいない。サイコーのオジイちゃん)、
 昨夜素晴らしく充実したパフォーマンスを披露してくれたBenvenuts(前見た時よりも良くなってたし、もっと良くなる。RC的な部分とともに、イギリスのパブ・バンド風の楽しさがある。全員汚い化粧してもよくない?怒られちゃうかな)、
 自作の詩を朗読しながら、特異なパフォーマンスにヤラレル、千夜子(見惚れてしまうし、その声もいい。存在のみで自分の空間を作ってしまうのだった。緊張感ある詩が、かえってこちらをリラックスさせてくれた)、
 MAKIさんの父上、母上、兄上によるファミリー・ユニット、カーミーズ(これぞ沖縄人の素晴らしさだろう。その音楽のエネルギーとともに、歌って踊って楽しむことの素晴らしさを感じさせてくれた。東京生まれとして嫉妬してしまうような音楽的背景を持っていらっしゃる。盛り上がったなぁ)、
 ジミー・クリフ、アル・グリーン、サム・クック、数々のソウル・レジェンドらへの敬意と影響をしっかり自分の中で昇華されている素晴らしいボーカリスト町田謙介(カーミーズの盛り上がりをドンと受け止めて、自分の揺るぎない世界を見せてくれた)、
 同じ沖縄人なのに、全く別の一面を感じさせるソングライター、リナン(真に隠れた美しい才能。正直、たくさんの人に知られないでいてほしい気持ちもある。最近の一人でのパフォーマーとしての進化には目を見張る)

 これだけの個性派揃いの人々に、MAKIさんはステージで1曲づつ競演することで、それぞれのパフォーマンスをより良く聞かせていたことも、大いに褒めたい。たぶん、それぞれのアーティスト達も新たな要素が加わることで、自分達の曲の違った可能性を感じられたのではないだろうか。

 そして、最後のコーナーはMAKIさんによるもの。主に私のピアノ中心のバックで、いわゆる「最後はバンドでガンガンやって終わり」ってことにしないあたりが、彼女のスマートさを感じる。去年とは違う次の自分の姿を、ちゃんとお客に提示したかったのだと思う。
 とは言うものの、やはり誕生日なのだから、お店のスタッフ側もシークレットでケーキやプレゼントを用意して、アンコールは"Happy,Birthday"サプライズとなりました。大食いの(失礼!)MAKIちゃんにぴったりの巨大牛肉ブロックのプレゼントは最高でしたね。

 というわけで、その後は出演者の皆さん、スタッフの皆さんで打ち上げ盛り上がったことでしょう。私は田舎に住んでいるのと、年寄りなので、先に失礼しましたが、あらためて「ヴェルヴェット・サン」の音楽に可能性を感じさせる意義あるイベントに参加できて、とってもうれしい気分で帰宅できました。そして、MAKIさんに感謝です。

 おお、そうだ!帰りの電車の中で、何と先日レコーディングに参加させてもらったrica tomorlとスタッフの皆さんに遭遇してしまった。ricaさんも沖縄人じゃん、すごい巡り合わせ。これもいいご縁だなって、楽しくなっちゃいました。
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by harukko45 | 2008-02-11 19:24 | 音楽の仕事

Edith Piafを映像で

 YouTubeって何だかかんだ言っても楽しいし、ありがたい。

e0093608_16272161.jpg エディット・ピアフのライブ映像もたくさんあって、どれも素晴らしい。DVDにもなっているやつなんだろうな。
 私がYouTubeで見ていた映像の元はたぶん"コンサート&ドキュメンタリー"として発売されているDVDに収録されているようだ。
 で、特にお気に入りは、

"群衆/La Foule"(63年のオリンピア劇場か?)
"アコーディオン弾き/L'Accordeoniste(54年)
"私の神様/Mon Dieu(61年)
"パダン・パダン/Padam, Padam(50年代のTVか)
"かわいそうなジャン/La Goualante du Pauvre Jean(54年ものは勢いがすごいね。でも、60年代の死期が近いものには特別な深みがある)

 どれも魅入ってしまう、今日この頃でした。
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by harukko45 | 2008-02-09 14:05 | 聴いて書く

 サカイレイコさんのマンダラ・ライブについて3回目とはね。曲について、いろいろ書き始めると止まりません。なので、もう少しシャンソン、エディット・ピアフにおつきあいを。

 2部の最後に2曲続けましたが、その一つは"私の神様/Mon Dieu"。1960年の作でピアフにとっては死がせまりつつある時期のもので、まさにそれを暗示するかのように、残された時間への激しい思いを感じさせる詞であり、素晴らしい歌唱です。特に「もし私が間違っているとしても、少し時間をください。もし私が間違っているとしても、しばらく時間をください。」という最後の部分など、やはり心が痛みます。
 しかし、シャルル・デュモンによるメロディは全体にちょっと甘めな感じがするし、オケのアレンジもかなり「コテコテ」でいま一つ共感できない部分が正直ありました。
 また、前半3拍子で進む曲が2コーラス目でいきなり4拍子のハネ気味のノリに変わるところは、あまりにも気分が変わってしまう感じでむずかしかった。
 そして、ピアニストのプレイも「それっぽすぎる」感じではありましたが、かなり上手だったので、今回はずいぶん参考にさせてもらったのでした。

 なので、思い入れが深かったレイコさんの歌に、私としてはあまりうまく伴奏できていなかったかも、と反省しています。もうちょっと良くやれたのではないか、との後悔も。
 そこで翌日、ピアフのライブ映像として残っているこの曲をYouTubeでチェックしたところ、その時のピアニストは全く違うアプローチをしており、レコーディング・バージョンよりもキリっとした演奏が私には厳粛な雰囲気に感じられ、とても好感を持ちました。
 それに、例の4拍子も3連のノリでハネるのでなく、カチッと4つ打ちっぽく弾いているのが、とても凛としていて良かった。全体に甘ったるい部分がなく、とても素晴らしいと感じました。これならば、イントロの静かだが荘厳な響き(この部分は素晴らしいアレンジです)に意味があるし、ある一つの力強い意志を曲に感じる事ができました。と言っても後の祭りで、まだまだ勉強が足りませんでしたが、次回までにはしっかりモノにしておきたいと思います。

 そして本編最後は、私としては「何て素晴らしい曲に出会えた事か!」と深く感動した"群衆/La Foule"です。

 元々はペルーのワルツ曲で、南米公演中に気に入ったピアフがフランスに持ち帰って、詞を新たに書き直させた作品。この詞の内容がまた素敵で、「祭りの中、群衆に押され引きずられて、偶然にも押し付けられて一つになった二人。彼女は見知らぬ彼に恋してしまう。そして、一緒にファランドールを踊り、幸せを感じていたのに、群衆に押され引き離され、彼を見失ってしまう。そして、彼には二度と会えなかった」
 そんな刹那の恋を歌うのですが、曲といいアレンジといい、実にドラマティックで美しい仕上がりであり、まさに3分間の映画として完成している傑作であると思います。

 とにかく、イントロからして美しい。このような楽想が浮かぶことに感動します。それに続くメロディとコードの流れ、バッキングのフレージングの美しさ、どれも文句のつけようがありませんが、何と言っても、いわゆる今風に言う「サビ」の部分でのワルツには、身も心も夢中になってしまいました。3拍子という「悪魔のビート」によって毒を盛られた気分で、アドレナリンが頭の中で出過ぎて、爆発してしまったかのようでした。
 私はこの曲のあっちもこっちもどこもかしこも、全てが好きであり、1小節1小節にいちいち感動してしまいます。なので、本番での演奏が、どういうことになったのかは今はあまり思い出せません。とにかく、最後まで演奏できて大きな拍手をもらえた事、久しぶりにとことん音楽にのめり込めた気がして、心の底からすごくうれしかったという事、です。
 それだけで、レイコさんには感謝です。彼女がピアフに負けない素晴らしい歌と強いオーラを発していなくては、いくら曲が素晴らしくても、こんな大きな喜びは得られていなかったでしょう。

 その後のアンコールでは、おなじみの"愛の讃歌/Hymne À L'amour"とこれまた大好きな"パダン・パダン/Padam...Padam"をやりました。これらについては、私のような新米シャンソン・ファンが、あえて語ることはないでしょう。

 さて、何とか私初めての「新春シャンソン・ショー」は無事に終える事が出来ましたが、もろもろの反省点をしっかり認識して、是非とも次につなげたいと思いますね。
 メイン・アクトとして素晴らしいパフォーマンスをしたレイコさんは、今後の飛躍が大いに楽しみですし、一番年長のくせに大ハシャギしていた私によく耐えて、しっかりとした演奏をしてくれていたベースの青柳くん、ギターの有田くんには心から感謝です。皆、私より20歳以上も若いのに、たいしたもんです!
 
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by harukko45 | 2008-02-09 03:11 | 音楽の仕事

前回からの続き...

 2月6日にあったサカイレイコさんのワンマン・ライブ第2部について。

 2部あたまは、レイコ嬢が自らピアノを弾きながら、オリジナル曲を3曲歌いましたが、1部からの良い流れを引き継いで、とてもリラックスしたムードでした。ピアノの演奏も安定してたし、何よりお客さんがとても和んだ感じになりました。特に3曲目にやった可愛らしいラブ・ソング(?)がすごく面白く、ずいぶん受けてましたね。

 さて、そんな雰囲気の中、我々バンド3名がゾロゾロと登場。この後は彼女の得意曲であり、クラシック・シャンソンの超名曲、ピアフの代表作が目白押しとなりました。

 まずは"アコーディオン弾き/L'accordeoniste"。素晴らしい曲です。1939年の作品でミッシェル・エメール作詞・作曲。場末のダンスホールのアコーディオン弾きに恋をした街の女の歌ってことなんですが、詞の内容が映画のようにドラマチックで、3コーラスごとに違った感情が盛り込まれているんですね。
 とっても美しいイントロに続いてのクープレは、すごく重い響きでこの恋の物語が語られていくわけですが、ここのピアノの低音の流れがかっこいいのでした。マイナー・ブルーズなんですが、苦しい思いを託したような半音進行が「くー、たまらん」のです。

 ここだけでも素晴らしいが、その後のJava(ジャヴァ)の部分はまさにフランスを感じさせてワクワクします。(ジャヴァは20世紀初頭フランスのダンスで、速いワルツをバル・ミュゼットが伴奏する/酒場のアコーディオン楽団ってとこ?。男女が接近して踊るため正式なダンスホールでは禁止されていたと言う)
 で、このクープレとジャヴァが3回繰り返されるわけですが、恋人のアコーディオン弾きは戦争に行き、そして帰ってこない。でも、彼女はそれでもダンスホールに出掛ける。だが、そこで演奏されているのは違う弾き手によるもの。イントロで奏でられた美しい旋律は、ここでは過激なアッチェルがかけられて、狂ったようなワルツになっています。それに耐えられない彼女の「やめて!そのジャヴァやめて!」で曲は終わるのでした。

 私はこの曲が大好きです。で、この日はとてもうまく出来たと思っていて満足しています。もちろん、もっと良くして行きたいですが、それまでの中では一番良かったと思いました。とにかく、自分が弾き出したイントロがすごく美しく思えたのが、幸せでした。それに、レイコさんはこの手の「ピアフもの」になると、何かが乗り移ったみたいに歌声に凄みを増すのでした。そんな彼女にぐいぐい引っ張られて、最後のアッチェルでは夢中になって弾いていました。

 続く、"ジョニー、お前は天使じゃない/Johnny, Tu N'es Pas Un Ange"。これまたシビレル名曲です。元々はアメリカの偉大なギタリストであるレス・ポールとメリー・フォードの曲ですが、それを気に入ったピアフがカヴァーしたのでした。

 レス・ポールは1940年代後半の時点ですでにオーバーダビングによる楽曲制作をおこなっていた人であり、この曲のオリジナルでもテープの回転を変えてダビングされたギターの高速オブリガードがメリー・フォードの歌のバックを飛び回っているのですが、何とピアフはこのパートをチェンバロで再現している(たぶん、こちらは一発録り)。このチェンバロ奏者がバカテクで、飄々と弾きまくっているのでありました。
 で、今回我々が参考にしたのは、そのピアフ・バージョンをイタリアの名歌手ミルバがカヴァーしたもの。こちらは、レス・ポールの高速フレーズがだいぶ整理され、メロディックなバッキング・フレーズとしてアレンジされていました。このミルバ・バージョンはなかなか仕上がりがよく、気に入りました。それと、何とも漂う「イタリア風」なサウンドが面白かった。私はフェリーニの映画が大好きで、そこでのニーノ・ロータの音楽も大好きなので、これは楽しかった。

 レス・ポールのオリジナルにあるアメリカ的なキラキラした感触から、ピアフによって哀愁と情念を深めたストリート音楽風になり、ミルバにより再びチネチッタ的な豪華でシャレた雰囲気を獲得していたのでした。
 ほんと、いい曲なんです。私はシンセで60年代イタリア映画風のオルガンと、エレピにちょっとだけレス・ポールを意識したギターの音を混ぜた2種類で、ミルバ・バージョンの再現を試みました。弾くのに少々込み入ったフレーズばかりでしたが、練習の成果もあり、かなりうまく行きました。アンコールがあったなら、何度でもやりたかったですけどね。

 ちなみに日本が誇るギターの名人、徳武弘文さんが聞きに来てくれていて、もちろんレス・ポールに関しても、この方ほど精通している人は他にはいないわけですが、終演後にお会いしたら、この曲の演奏をすごくほめてくれて、おまけに「刺激になったよ!」なんて言ってくれました。いやー、ほんまにうれしかったなぁ。

 何と、曲への思いだけで、やったら長くなってしまった。まだ、続くっと...
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by harukko45 | 2008-02-08 01:40 | 音楽の仕事

 昨夜は雪の中、サカイレイコさんのワンマン・ライブで演奏してきました。彼女は前にも書きましたが、現在はシャンソンを中心に歌いながら、自作のオリジナルも同時に披露するという活動を続けていて、いわゆる「シャンソン・パブ」やシャンソン系のライブハウスなどで、ほぼ毎日のように歌っていますね。

 そんなエネルギッシュで、そして実にアーティステックな彼女のワンマン・ライブでありましたが、今回はある意味「パンク・シャンソン?」風な意識でのトライとなりました。それは集まったミュージシャン、私をはじめ、ベースの青柳くん、ギターの有田くんというメンバー3人ともシャンソンの達人というわけでなく、どちらかと言えば別のジャンルの出自であったことが大きい。彼女としては、いつものシャンソンに手慣れたミュージシャンにない「何か」を期待しての挑戦であったのでした。

 というわけですから、私にとっても初めて演奏する曲ばかり。正直、譜面と音資料をもらってチェックしていた時には少々ナーバスな気持ちになりましたが、逆にそのせいもあって曲を把握するためによく練習し、いろいろと準備もすることにもつながったのでした。
 そして昨夜、本番を無事に終え、何ともいえない満足感に浸っている感じであります。やれることは全てやったし、不安になる気持ちも強かったけど、実際のステージではいい緊張感と同時に音楽に入り込んで演奏している自分がいて、すごくうれしい気持ちになりました。

 オープニングの"バラ色の人生/La Vie En Rose"は1946年のエディット・ピアフ作詞、ルイ・グリェーミ作曲で、世界中の歌手にカヴァーされたピアフの代表作。
 オリジナルはスウィング・ジャズのリズムとホーン・アレンジに、ヨーロッパ的ニュアンス濃厚なストリングス(特にVerseの部分)の響きが印象的であり、そのバックに歌うピアフはアメリカの偉大なジャズ歌手をも凌駕しかねない、堂々たる風格。ピッチや感情表現は元よりですが、私としては彼女のグルーヴ感の良さを特に強調したい。
 歌のノリが素晴らしいので、バックの演奏も逆に引き立つ。ミュージシャン的な視点でわかりにくいかもしれませんが、実際のパフォーマンスにおいて「ボーカリストのノリ」はとても重要です。
 昨夜は私のピアノだけでレイコ嬢が歌いました。シンプルにやると、それだけメロディの偉大さがよくわかります。ですから、かなり冷静に集中して弾きましたが、不思議なくらい楽しい気持ちにもなりました。満員のお客さんの暖かさも伝わってきたし、レイコさんの歌が会場に響いていく感じが気持ちよかった。

 続けて"かわいそうなジャン/La Goualante Du Pauvre Jean"もピアフのレパートリー。バンジョーが入ったデキシー風なリズムにアコーディオンの響きが、シャンソンの多国籍的要素を感じさせて面白く、単純なメロディの繰り返しを飽きさせないように、スパイク・ジョーンズの冗談音楽風にいろんな擬音を駆使したオリジナル・アレンジが、これまた良いのです。
 で、今回はシンセでそれっぽい効果をトライしようと思いました。それと、レイ・チャールズの"What'd I Say"のリフをぶち込んでみました。ま、この辺は個人的な趣味ですけど。で、最後はヨーロッパの遊園地や公園なんかで見かける「手回しオルガン」風なサウンドを目指しました。短い曲で、テンポも早くてあっという間でしたが、なかなか楽しめました。
 3曲続きで、レイコさんのオリジナル"けげんなアロマ"は、大胆にも打ち込みのパキパキ・ドラム・ループを組んで、それに合わせてメンバーには演奏してもらいました。最初はちょっと「浮くかも?」の不安があったけど、「そんなの関係ネェ」的勢いでやり倒してしまいました。あえてこじつければ、フランスのクラブ・ミュージックは世界でも高く評価されていますし(?!)。
 ここでは、有田くんのカッティングと青柳くんのウッド・ベースによるファンク・リフがいい効果になってくれましたね。

 4,5曲目はクラシック・シャンソンの有名曲が続きました。"ふたつの愛/J'ai Deux Amours"は、1931年に作曲家ヴィンセント・スコットが当時パリのミュージック・ホールで一世を風靡していたアメリカ黒人歌手ジョセフィン・ベーカーに贈った歌。で、内容は2人の男性を愛する不倫ものではなく、故郷とパリへの愛を歌った内容です。だから、曲自体にブルーズやニューオーリンズ・ジャズ風のムードが満載なのです。ですから、演奏はそちらの要素を強調するように心がけました。いわゆるラウンジ風のジャズにはならないように。
 そこにねちっこいフランス語が絡むのが面白いのではないでしょうか。

 "私の回転木馬/Mon Manège À Moi"は1958年の作品。ジャン・コンスタンタン作詞、ノルベール・グランズベール作曲のピアフ作品。グランズベールは"パダン・パダン"の作曲家でもありますね。この人の曲は非常にヨーロッパ、特に中央ヨーロッパのムードが充満しているとでも言いますか。何とも言えぬ哀愁感と楽しさがないまぜで私をクラっとさせる、歌詞の冒頭の「あなたは私をふらふらにさせる」がまさに曲からあふれてくるのでした。個人的にとても共感できる作曲家です。
 ですから、全くアメリカ的ムードは皆無なのですが、レイコさんはピアフのオリジナルよりも急速なテンポを要求したので、何となくカントリー的なリズム・ニュアンスになりました。あらためて考えてみれば、ポルカのようなヨーロッパのダンス・ミュージックが移民によってアメリカに持ち込まれ、それがアメリカン・ミュージックのある形になっていくわけですから、この曲をカントリー風に捉えるのも悪くないと思いました。

 で、激燃えしました、これは。テンポが早くて、テクニカルに弾かなくてはならない部分があったせいもあるけど、やはり曲が「ふらふらさせる、夢中にさせる」からに他ありません。

 さて、1部の後半はレイコさんのオリジナルを2曲。"僕の心を乱す人"と"欲望とドライブ"、"僕の心.."は有田くんのアコギを中心に、"欲望...”は私のキーボードを中心にやりました。彼女の詞と歌い回しを生かせるように注意しましたが、お互いいい緊張感を保ってできたのではないでしょうか。どうしても、シャンソン有名曲を期待されているお客さんには異質に感じる部分もあるかもしれません。でも、根っこにある曲調は結びついているものがあると思っています。後は表現の仕方をもっと工夫していくことでしょう。

 そして、1部最後は"毛皮のマリー/La Marie-Vison"で、イヴ・モンタンの歌で有名なんでしょうか。これまたデキシー風ですが、途中でルバートでクープレが入ってくるのが、いかにもシャンソン風です。今回は、急速テンポのロック系というレイコさんのアイデアで、ギターはかなり「ガチャガチャ」と弾いてもらってフィーチャアしました。そのカッティングだけ聞くとデビュー当時のザ・フーみたいでしたが、正直、これはオーソドックスなアプローチとロック風なチャレンジが完全には融合できなかったかもしれません。
 こういうのって、クイーンのフレディ・マーキュリーあたりがやりそうでもあるわな。だから、もっと大胆にデフォルメしたアレンジにしても面白かったか? その辺は次回までにアイデアを練っておきましょう。

 さて、長くなったので、つづく...と
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by harukko45 | 2008-02-07 17:10 | 音楽の仕事

 パーフェクト・シーズンの達成ならず!ニューイングランドの敗戦は大変残念だったが、まぁこれもスポーツ、勝負の世界の厳しさだわなぁ。

 とにかく、何とも実に「スーパーボウル」なゲームだった。とかく、この大一番は重い試合内容になってしまうことが多いが、今日もまさにそういう展開で、前半を終わって「7-3」なんてロースコアを誰が予想しただろうか。

 全体的に低調なオフェンスのパフォーマンスが続き、ニューヨークのディフェンス陣の素晴らしさばかりが目立った前半だった。特に、ストレイハン、タックらの大活躍ぶりに圧倒されて、NEのオフェンス・ラインはことごとく崩壊、QBブレイディは足の故障の影響もあったとは思うが、それにしても「らしくない」プレイぶりで、やはりNYディフェンスのプレッシャーに負けたと言うしかない。

 それでも、前半においては一応リードしていたのだから、不思議なゲームだった。これは、NYオフェンスのミスのおかげであり、ほとんど決壊寸前の状態で後半に折り返したNEにとっては、いつ逆転を喰らってもおかしくない感じであり、試合の流れは完全にNY・ジャイアンツのものだった。

 そして4Q残り11分、ついにNYが逆転のTDを決め、正直このままズルズルと行ってしまうのではないかとも思った。だが、ここまで全くピリっとしなかったNEオフェンスが、これでようやく目を覚ました。
 というか、相手ディフェンスに押し込まれる前に早いタイミングでパスすることで、攻撃のリズムが生まれ、残り2分45秒で再逆転TDをWRモスが取った時には、「どんなに苦しい展開でも勝ってしまう」ペイトリオッツの素晴らしさを見せてくれたと思い、大いに喜んだのだった。

 が、ドラマはこれで終わらなかったわけ。たぶん、シーズン中のNEならきっとこれで勝っていただろう。だが、今年度のプレイオフを通じて、NYのQBイーライ・マニングには神がついていた。そして今日もまた、この最後の2分間、まさに神に守られたようなイーライは、つぶされる寸前を必死にかいくぐり、エンドゾーンにチームを引っ張った。
 ああ、そして残り35秒、WRバレスへの再々逆転TDパスを成功させたイーライ、これまで「好きじゃない、ペイトン兄貴よりもレベルは低い」なんて毒づいてきた私としては、完全にノックアウト、この場で土下座して彼に謝らなくてはならない。

 何だかんだ言ったって、残り2分でNEから逆転勝ちしたんだから、立派な働きだったと認めなくてはいけません。MVP受賞も文句無しでしょう。ただ、全体的にはNYディフェンス陣、DFコーディネーターの素晴らしい働きがこの勝利を導いた大きな要因であったことは間違いないね。

 そして、NEにとってはこれまでの勝利が全て無に帰してしまうようなショッキングな敗戦。前日のインタビューで「勝っても負けても、一生記憶に残る試合になるだろうね」と言っていたブレイディには、結局、悪い思い出となってしまった。ふー、つらいのぉ。
 
 
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by harukko45 | 2008-02-04 17:12 | スポーツ

いよいよスーパーボウル

 さてさて、日本時間の明日早朝に、いよいよ待ちに待ったスーパーボウルじゃわい!

 やっぱ、楽しみですなぁ。特に今年度はニューイングランド・ペイトリオッツの全勝によるパーフェクト・シーズンがかかっているから、なおさら注目です。名将ベリチックとNFLナンバー1QBトム・ブレイディ率いるニューイングランドは、この快挙を成し遂げる事ができるのだろうか?!

 一応、順当に考えれば7割方ニューイングランドの勝ちを予想できる。が、スーパーボウルに潜む魔物がどんなイタズラをしでかすかは、始まってみなくてはわからない。
 正直、スーパーボウルという試合では点取り争いの好ゲームよりも、ディフェンス優位なロースコアな戦いや、あるいは、どちらかが重圧に耐えられずに一方的な展開になってしまうことも、よくある。

 そういう独特な雰囲気の中、第6シードからの見事に這い上がってきたニューヨーク・ジャイアンツにもチャンスは十分にあるってわけ。
 もしも、ニューヨークのディフェンスがその強烈なパスラッシュをかけて、ブレイディつぶしに成功するようだと、いくらハイパー・オフェンスを誇るニューイングランドも苦戦を余儀なくされるだろう。
 それと、今回のプレイオフを通じてニューヨークのQBイーライ・マニングには「ツキ」があるような気がする。個人的には好きじゃないけどね。

 というわけで、何とも不気味なニューヨークではあるが、やはり私としてはニューイングランド応援で、見事パーフェクト・シーズン達成の瞬間を見たいのである!
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by harukko45 | 2008-02-03 04:34 | スポーツ

2月突入

 2008年もあっという間に2月。正直、先月末のバタバタさ加減には、自分でも呆れてしまいましたし、いろいろと悔いの残る状況もありました。
 23日以降、日替わりで6アーティストの皆さんの仕事に関わらせていただき、そういう流れは実に喜ぶべきことなのですが、自分の許容範囲を越えるような仕事の取り方は、ところどころに「ほころび」を作ってしまうな、と、つくづく反省しております。

 本番のあった日のみ、簡単に振り返ってみます。

 25日はJabBeeとヴェルベットサンでのライブ。この日はピアノとギターのみでした。私としては、あまり余計なことはせずにいようと思っていましたが、何だか予想以上に力みが出てしまいました。それが、シゲルさんにも伝染してしまったかも。だから後半の数曲はシゲルさん自身も「力入っちゃって」と残念がってました。
 でも、前半の曲はJabBeeらしい暖かさが感じられて、出来も確かに良かったから、常にこれをキープしていけばいいのでした。

 おお、それから我々の前にやった京都から来た奥田聡子さん、良かった。思わず、CD買っちゃいました。コルグの小さなキーボードのみの弾き語りだったけど、十分自分の世界を作ってた。ちょっとオジサンしびれましたね。シゲルさんが惚れ込んで、東京に呼んだのがよくわかる逸材でした。今後にも注目です。

 27日はお初にお目にかかる「rica tomorl」のレコーディング。これは、すでに入っているリズム・トラックにピアノを2曲ダビングしたのでした。このところ沖縄出身の方とよくご一緒してるけど、ボーカルで曲も書いているricaさんも石垣島出身。で、彼女のボーカル・スタイルには、独特のコブシが入ってくるのですが、それがあまり民謡風に強烈ではなく、実に自然なニュアンスとして生かされていたのがすごく良かったですね。
 それと、リズム隊のサウンドも気持ちよかったので、とても楽しく、時間もあまりかからずにできたのでした。まだ完成は先のようですが、仕上がりが実に楽しみです。

 29日はタケカワユキヒデさんの浦安オリエンタル・ホテルでのディナーショウ。この日は2回公演の長丁場で、自分のプレイに危なっかしい部分があり、ちょっと落ち込みました。特に1回目の"Holy & Bright"のイントロを外してしまったのは大ボケでした。深く反省です。

 どうも私の良くない傾向として、何でも自分だけで表現してしまおうという欲求があるのですが、それを実際やるには多少の無理が生じているわけで、それが思わぬところでの凡ミスにつながっていたのでした。十分な準備と時間があればこなせることでも、今回のような流れでそれをやり遂げるには、自分の実力はまだまだ足りていなかったのでした。まさに自己過信による油断でした。
 とは言え、実際のパフォーマンスで大きな破綻につながらないのは、他の3人のメンバーのおかげであり、ギターの村田くん、ドラムの田坂くん、ベースの財津くんにはとても感謝しています。

 31日は大橋純子さんのディナーショウで、六本木リッツカールトンでの企業向けイベントでした。この日も午前中からサウンドチェックとリハーサル、おまけにジュンコさんはその前にフジTV「とくダネ」での生放送を終えてからでした。
 今回はドラムがいつもウエちゃんでなく、濱田尚哉君でした。ある意味、ウエちゃんの「イケイケ」風から、どっしりした「大人」なサウンドに微妙に変化しました。最近の「Terra」を中心にしたメニューにおいても、すごく新鮮な感覚で演奏できました。
 個人的には"地上の星"がすごく盛り上がりましたし、自分としてもこれまででのベストでした。

 ただ、他の数曲での私の演奏には、いろいろと問題があり、これまた反省です。とにかく、自分の中で疲れのピークが来ていることを感じてしまい、突然集中力が切れたようなポカがありました。なので、"地上の星"でのプラスも帳消しというわけです。

 そして、昨日は来週ライブがあるサカイレイコさんとの最終リハでした。これも準備のために、自らドタバタジタバタしていたのですが、実際に演奏し始めたら、私よりも20歳年下のメンバー達が一生懸命練習してきてくれていて、自分だけが舞い上がっていたことを気付かされたのでした。
 結局、この一連の流れにおいて、ことごとく私がやっていたのは自己中なパフォーマンスでの失敗で、回りを信頼していなかったからだ、ということ。しかしながら、それを助けてくれたのは全て回りの人々であったのでした。
 もっと、冷静になって、自分の力の不十分さをわきまえなくちゃいけません。良いお仕置きを頂いた1週間でした。
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by harukko45 | 2008-02-02 19:45 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる