夕張応援コンサート

 24日に札幌に入り、翌25日に夕張に移動してコンサートに参加してきました。もうすでに、報道等でご存知の方もいられるでしょうが、財政破綻により今年再建団体となった夕張市の市民への無料コンサートを松山千春さんが呼びかけ、細川たかしさん、安倍なつみさん、そして地元夕張出身である大橋純子さんが集まったのでありました。

 「道産子として黙って夕張の現状を見ているだけではいけない」という松山さんが考えたのは、まずは今現在失意にある夕張市民を何とか励ますこと。だからこそ、現地を訪れて直接歌い語りかけていくことから始めたのだった。
 松山さんの政治的主張や行動に批判異論を持つ人もいるだろうが、アーティスト・音楽家が何をすべきか、出来る事は何か、に対する彼の考え行動は全くブレていない。かつて2000年の有珠山噴火の際も、いち早く救援コンサートを企画、ジュンコさんも出演した。
 そして今回、とかく胡散臭さの残る「金集め」的チャリティではなく、当事者である夕張市民を招待するという企画をしたことを高く評価したいし、居ても立ってもいられないのだ、という彼の熱い思いと行動力に深く敬意を表したいのでした。
 と同時に、「これからが大変なんだ」という視点もちゃんとあることが重要だ。つまり、今後のしかかるであろう現実と再建への道のりの厳しさを見据えた上での対応であるということ。だからこそ、「踏んばれ、元気出して頑張れ」と市民に対して語るのだった。

 また一方、大橋純子さんの夕張出身であるからこその辛い心情には比較的身近にいる者として同情を禁じ得なかった。この日の客席にはご親戚、同窓同級の友人も当然いらしており、出演者としての立場と同時に、客席側の心情も深く理解するが故、ジュンコさんが普段とは全く違う精神状況であったことは言うまでもない。
 しかしながら、私はジュンコさんが故郷に戻って舞台に立ったということだけでも、個人的には感動したし、実際のステージでは堂々と歌い、とことんやりきったことに、より多くの感動を与えてもらったのだった。
 音楽的には問題がなかったわけではない。私と土屋さんのギターのみでのバックではジュンコさんの音楽の良さを全て表現できなかったし、それを十分補うことのできなかった自らの力のなさを情けなくも思うが、それはあまりにも小さな個人的な世界でのことであり、ジュンコさん自身があの時発していた誇り高いエネルギーの素晴らしさに比べれば、自分の中でしっかり反省すれば良い事と感じた。

 それから、安倍なつみさん。正しいアイドルとしての振る舞いとその愛らしさは、テレビで見るよりも数段魅力的だったし、その歌のうまさとしっかりしたステージングに感心した。
 そして、細川たかしさん。すでに演歌界の重鎮ではあるが、はっきり言ってそんなジャンル分けなど全く意味のない、歌い手としてのデカさ凄さを十二分に感じさせてくれた。それと、いい曲が多い。個人的に「矢切の渡し」と「望郷じょんがら」にはやられた。「心のこり」も思わず口ずさんでしまったよ。それとお得意の「歌詞忘れ」にもバカ受けでありました。

 そういった、ほとんど「奇跡的」とも言えるこの4人によるアンコールでのジョンイト・パフォーマンスが盛り上がらないわけがない。これはテレビの歌番組では絶対に実現しそうもない組み合わせだったしね。「北酒場」と「長い夜」、ほんとに最高に楽しかったです。

 さて、松山さんはこの後始まる全国ツアーでも、夕張のことを全国に伝えて行くとのことだし、ジュンコさんも夕張・北海道に関わる活動を続けていくそうだ。この日のコンサートはまさに「始まり」、本当の支援は「続けて行く事」であると強く感じたし、それと同時にこのイベントに参加できたことを光栄に思えたのだった。だから、演奏した側も何とも清々しい気分と元気をもらえた気がした。
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by harukko45 | 2007-03-27 06:26 | 音楽の仕事

カーリング

 いやぁ、全然更新できませんでしたなぁ。1週間、ほとんどネットも見ておりませんでした。とにかく、ずっと「打ち込み」、つまりコンピューターでバックトラックを作っていました。まだ1曲残っているのですが、とりあえず先は見えた感じですか。しかしながら、このところは昼夜逆転の超寝不足、起きても部屋にこもりっきり。おてんと様も拝見しておりませんでした。何しろ、唯一のリラックスは夕食時に、毎日夜7時頃から放送されていたカーリング選手権でのチーム青森を見る事だけでしたよ。
 でもまぁ、今回はかなりの負けっぷりでしたから、余計にストレスもたまったかな?そうとも言えないな、たぶんトリノでも感じた、苦境にあっても明るさを決して失わない彼女達のムードが(もちろん真剣ではありますが)、見ている側にも伝わるからかもしれないのでした。

 しっかし、カーリングって競技は本当に面白い。氷上のチェスと呼ばれるけれど、頭脳を駆使していくら良いプランで仕掛けようとしても、実際に投げられるショットが正確でなければダメなわけで、そこがやはりスポーツとしての醍醐味をちゃんと感じられるところなのです。
 トリノ五輪での活躍で、一気に私の心をとりこにした「チーム青森」ですが、その時のエース二人(小野寺、林)が抜けての新しい布陣での世界選手権は、かなりの苦戦をしいられました。2連勝した後、ロシアに敗れてからイタリア以外にはずるずると連敗し、それもミス連発で、判断にも迷いが見えました。スキップの目黒さんがずいぶん苦しんでいましたし、水曜日の放送ではさすがにキャプテンの寺田さんも涙目のような表情でありました。

 それでも、予選最終戦の強豪アメリカに対しては、すっかり吹っ切ったようなゲーム運びと目黒さんのスーパーショットの連続で、素晴らしい勝ちっぷりを見せてくれました。「やれば出来るじゃん!」です、まさに。今週見守ってきた私にとっても実に清々しい勝利でした。
 ただし、全体の結果としては惨敗となってしまった地元での大会。まだまだ世界から学ばなくてはならないことも多かったでしょう。今回の教訓を糧にして今後、特に精神面での強化に努めて欲しいものです。とは言え、こればかりは経験が一番。ですから常に、世界の強い相手と戦う状況を維持するためにも、日頃からの頑張りが求められていくのでしょう。
 でも、若い彼女達はやってくれると期待しています。

 そして、NHKもよくぞ、連夜放送してくれました。だいたい日本のスポーツ関連というのはオリンピック・イヤーだけ盛り上がって、後は知らんってのが多い中、こういうとっても深みのある「大人な」競技はもっと盛んになってほしいわけで、今回のNHKは久々にでかしたと言っておきたいと思います。
 
 さて、とりあえず今日で打ち込みは中断して、明日から北海道・夕張に行ってきます。財政破綻で苦しむ夕張市民のために、松山千春さんの呼びかけでのチャリティ・コンサートに参加するためであります。もちろん、夕張生まれのジュンコさんのバックとしてです。
 少しでも楽しんでもらえるように、微力ながら頑張ってきます。それでは。
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by harukko45 | 2007-03-24 03:25 | スポーツ

打ち込みは続く(3)

 昨日は前からプリプロをしていた「ロイ・オービソン・トリビュート」の本チャン・レコーディングでありました。それで、ついさっき帰宅したのでした。一日でオケを完成させるのは、なかなか大変な作業でしたが、録り上がったテイクの内容はとても良いものになりましたね。

 ドラムを部分部分でダビングしてダブルにし、往年のツイン・ドラムの気持ちよさが出たし、徳武さんの素晴らしいギター・プレイをたくさん入れ込むこともできたし、私もプリプロ段階で録音してあったキーボードも無駄にならずに生かすことができて派手さも加わり、万事めでたしめでたし、って気分でありました。
 ただ、楽器のダビングなどに時間がかかったので、杉さんのコーラス・ワークは全て出来なかったのが申し訳なかったですが、歌入れの日に残りの作業を頑張っていただくことに。でも、この段階でもかなりご機嫌な雰囲気を作り出してくれています。

 それと、やっぱりロイの曲がいいね。徳武さんから借りたベスト盤2枚組、私も結構楽しんでいるんだけど、実際に演奏するとますますその良さがわかるのでありました。こういう、ハードボイルドであり、キュンとするようなロマンティックさもある音楽って、もう今の時代には生まれないのですね。

 さて、これにボーカルの方々がどのように加わっていくのか、とっても楽しみであります。

 そして、もう一つのプロジェクト、二胡奏者ウェイウェイさんへの打ち込みは、やっとこ難関だった1曲が完成に近づきましたが、まだ満足できませんねぇ。早く仕上げて他の曲に手を付けなきゃいけないんだけど、一番難しそうなのを乗り越えないとやっぱり気分は盛り上がっていかないので、とにかくこれをまずはやっつけないと。

 それから、おまけの宣伝。去年暮れから今年早々に制作したものが、4月からフジテレビの「めざましTV」で1年間オンエアされます。それも「めざまし体操」のテーマ曲で、これは自分で言うのも何ですが、実に楽しい仕上がりで私もかなり気に入っております。早起きの方は4月からの番組でチェックしていただけたらなぁ、と思っております。どうぞ、よろしくです。

 では、まだまだ打ち込みは続く、と。
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by harukko45 | 2007-03-17 02:49 | 音楽の仕事

 12,13日と続けて女性シンガーとのライブでした。リハーサルは先週、これも続けてやっておりました。それに、私とともにギターの黒澤大介君も掛け持ち。全然違うキャラの二人ですから、気持ちも頭も切り替えてのぞんだのでありました。

 まずは12日、MAKIさんの7thFloorでの演奏。
 この日は私が生ピアノで、大ちゃんがアコギ、それにパーカッションをガッツ増田君。それで、4組の出演中トップバッターということで、何だかあっという間に終わっちゃった感じでした。何組も出るライブハウスでは演奏する時間も短いし、順番もいろいろだから、なかなか気持ちを集中させるのがむずかしいこともある。個人的にはそういったところが、もろに出ちゃった演奏で、ちょっと後悔が残る。つまり、腰を落ち着けてしっかり弾いてない感じだったのだ。だから、どうもイケテないなってところでした。

 それと、MAKIさんの曲は基本的に王道のロック系で、そのバンド・アレンジのイメージが強く、アコースティックでやる場合は、もっといろいろと変えていかないといけなかった。これも反省点です。
 ただ、やはり彼女の場合、せっかくのパワフルな歌声を生かすなら、ロックバンド・スタイルでガッツリとやるのがいい。思えば、今回の編成でもアンプラグド的なことを考えず、ベースがなくてもホワイト・ストライプスみたいな発想でやっても面白かったかも。今度、是非試したいもんだ。

 そして、13日シーマさんとの440での演奏。ここ半年ほど、シーマとやる場合はバックは私だけだったのだが、今回は久々のバンド編成でした。1人の時は緊張感がずっと続いて、終わるとヘトヘトなんだけど、やっぱりバンドだと楽しいって気分が先に来るから、リラックスできる。なので、少し気持ちにもゆとりがあって、なかなか好調に弾いておりました。自分で好調って言うのは、ちと傲慢か? それに、そういう時って自分勝手な演奏してるかもしれないんだよね。うー、謙虚さは歳を取る程に大事ね。

 ただ、とにかくシーマの曲の世界には十分のめり込む事が出来たし、それでいて冷静だった。シーマ自身もボーカリストとして成長してんだなぁって、感慨に浸るような一瞬もあったし。だから、二人でやったバラード2曲は、かなり自由な気持ちでピアノが弾けた気がした。思えばずいぶん長くつきあっているから、お互いにいろんな部分で伸縮可能なのだ。もちろん、それにハマりすぎると、全体の造形が崩れてしまう。ひょっとすると、後にやったバラードは私がやりすぎてたかもしれないな。ちょっと気になる。
 でも、バンドによる他の曲は、全体に沸き上がってくるようなグルーヴ感があって、やっててワクワクしてうれしくなってしまいました。

 おー、しかし最後の曲の何とも煮え切らないエンディングは全員で反省です。

 さて、終わってから、聞きに来てくれた人の中に、私にとって25年ぶりの再会となるミュージシャンがいて驚きでした。彼はもちろん今でも演奏・制作に活躍中の人物ですが、ヒョンな巡り合わせで、再び顔を合わせるというのも面白いものでした。

 というわけで、こうして人と人と一緒に作業していくのは、いろんな事がフツフツ湧いてくるみたいでタマりません。
 さて、打ち込みやんなきゃ!
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by harukko45 | 2007-03-14 02:08 | 音楽の仕事

このところ

 仕事が重なって、ブログ更新する余裕がありませんでした。J・リーグでは横浜ダービーがあり、何とJ1初昇格の横浜FCが勝利とのニュースには驚きましたね。これは面白いことだ。今後も横浜FC注目です。とにかく、何が良いかというと、自分達の現在の力量をしっかり見据えて、戦略戦術を組み立てていることがいい内容結果に結びついていると言えるでしょう。つまり、全員で守備を意識しながらも、冷静にしたたかに勝負に挑むという高木監督の意志が、選手に浸透しているのでした。これは、なかなかやるかもしれません。期待しましょう。

 さて、実は再び打ち込みの仕事をしており、二胡奏者WeiWei Wuuさんのニューアルバムへのオケ作りに関わっています。初の挑戦ですが、いわゆる「大陸系」「癒し系」「海外ロケ番組テーマ風」ではない方向(!)ということで、私のようなものに話が来たらしい? 彼女はすでにいろいろなTV番組やCMでの音楽で活躍されていますので、少しアルバム内で変化をつけたかったのでしょう。そういった期待に応えるべくこつこつ頑張っておる次第です。

 ライブでは先週金曜日にジュンコさんの仕事で伊豆の有名老舗ホテル・川奈ホテルでのディナーショウがありました。これは某有名企業のイベントで1時間程のショウでしたが、サックスの後藤さんも復帰、久々のフルメンバーによる演奏となりました。
 セットメニューは前回の秋田のものから"I'm Not In Love"に代えてスティングの"We'll Be Together"を加えた内容で、ある意味「ノリの良さ」を意識した感じのライブになりました。いらしているお客さん達は、ほとんど我々と同年代(うー、つまり不惑の世代?)の男性ばかりでありましたが、やっぱりこの年代は音楽好きと言えるね。普通、落ち着いた年齢の男性陣はいくぶん気取ってしまって、盛り上がりに欠ける傾向にあるんだけど、この日の皆さんは楽しもうって気分が感じられて、とてもやりやすかった。
 そのせいもあり、演奏は当初の思惑通り、ノリの良さを強調したアグレッシヴなサウンドとなりました(ステージで録音したmp3で確認!)。特にドラムのウエちゃんが、アメリカ以来、何か一皮むけたような頼もしい演奏をしておりますなぁ。顔見ると、あまり変化を感じませんが、音の方は堂々としておりました。そうね、彼もいよいよ40になりましたか、我々もいよいよ本格的な「オヤジ・バンド」に突入です。
 それから、手前味噌ではありますが、私のキーボードもなかなか好調で、自ら好感の持てる演奏でした。そして何より、ギター、ベースを含む4人のリズム・セクションの動きがとても気持ちいい。前だと曲によって多少バラつきがあったのですが、このところの良い意味での安定感は「自信」を感じさせますな。なので、全曲のプレイバックを自然な流れで聴き通せるというのがプレイヤーとしてはうれしいのでした。

 そして続く翌日(つまり昨日)は、マイラ・ケイさんと毎月恒例の横浜「フライデイ」でのライブがありました。前日からの疲れが確かに残っておりましたが、それも演奏が始まればどこかへ。音楽(それもR&Bソウルってやつ!)が一番の精力剤ってわけですかね。
 曲も"Sweet Inspiration""Natural Woman""Respect"といったアレサものや、グラディス・ナイトの"Neither One Of Us"や"Best Thing That Ever Happened to Me"は何度やっても最高の名曲だから飽きません。
 昨日はマイラさんがまた一段と盛り上がっていて、パワフルでしたね。今来日中のマイケル・ジャクソンのパーティに招待されたり、他にもここ最近刺激的な出会いが重なったようで、いいエネルギーが満ちておりました。だから、こっちも疲れたなんて言ってられない。
 それと今秋9.11日にヤクルトホールでのワンマン・コンサートも決定。いつものメンバーにゲスト・ミュージシャンを加えての内容で、これも今から楽しみであります。

 さて、明日はMAKI、明後日はシーマとライブが続き、16日にはいよいよ「ロイ・オービソン・トリビュート」のレコーディング、そして打ち込みも続くと。頑張んなきゃ。
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by harukko45 | 2007-03-11 16:32 | 音楽の仕事

サイドウェイ

 いい映画でした。これは面白かった。なるほど、監督は「アバウト・シュミット」のアレクサンダー・ペインでした。この人は才能豊かですね。本当に傑作です。数々の賞を獲得したのもうなずけます。

 まず、映像が美しい。こだわりのある自然で柔らかい絵がハリウッド映画であることを忘れさせます。「アバウト・シュミット」もそうでしたが、抵抗感なくスーっと観ているものを導いてくれるのです。そうしているうちに、サンタバーバラの綺麗な景色の中を二人のダメ男の小さな旅が始まるのでした。そして、魅惑的なワイン・ツアー。そのウンチクも極めて面白いし、実在するワイナリー、レストランでの撮影がとても素敵なのです。実際、どれも旨そうだし、よく飲むし。うらやましい!

 しかし、本題はワインではない。このあまりにも豊かな小道具を使いながらも、何よりリアルに語られるのは、ごくありふれたダメ中年男達の心情です。それを、コミカルに見せながら、いや、実際には本人達はシリアスでも、他人からみれば滑稽な姿である、それが中年という時期。コメディ的なのは、リアリティがあるからなのです。その視点と表現の仕方が鋭いし、共感するのです。おかしく、そして切ない。

 いつしか、対称的な二人の男(繊細でオタク的なワイン通で小説家志望の英語教師と、こだわりがなく女好きだがついに結婚を決めた落ち目の俳優)の内面は自分の内面とピタっとリンクしていくのだった。だから、どのシーンにおいても納得するし、彼らが抱える悩みとやり切れない思い、それは、夢をまだ追い続けているが、もはや決断もしなければならない(あきらめなきゃならない)という現実とともに、とても切実に胸に迫ってくるのだ。

 だが、そういう内容でも極めて優しい表情の映画だ。そこにペイン監督の素晴らしさを感じる。

 監督、原作/脚色、カメラ、ロケーション、すべて良いが、俳優達も素晴らしかった。中心となる男女4人の俳優はすべてこれまでほとんど無名だった人が起用されたが、実に自然な演技で普段の生活そのもののようだった。まさに、今そこに実在する人々だ。

 音楽もいい。何と「60年代のイタリアン・ジャズ風に」という監督のこだわりにしびれるし、最高にシャレている。モノラル録音にしたかったという要求は台詞とのミックス上かなわなかったらしいが、ステレオ録音後に加工して監督の希望に近いサウンドを実現したという。なるほど、確かにいい感じなんだな、これが。

 で、ラストは少し希望があるけど、はっきりはさせない。ありきたりの万事OKにしないところが、いい。何で、これがアカデミー作品賞取れなかったんでしょう? あー、「ミリオン・ダラー・ベイビー」だったのか、うーん、惜しいね。
 すいぶん遅れて観たけど、とっても満足しました。アレクサンダー・ペイン監督の作品はこれからも要チェックです。
 それと、サンタバーバラを訪れる機会があったら、是非レストラン「ヒッチング・ポスト」に行ってみたい!
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by harukko45 | 2007-03-05 02:10 | 映画・TV

Jリーグ/浦和2-1横浜FC

 残念!横浜FC。J1初昇格で、いきなり王者から勝ち点1をもぎ取るチャンスだった!

 善戦していた、よく守って浦和の猛攻をしのいでいたし、何て言ったって44分の久保の豪快な、スンバラシイ、ワールドクラスの、何でこういうのを去年やっといてくんないの! そうすれば、間違いなく君はドイツのピッチに立っていたよ、的スーパーゴールでの同点でハーフタイムになった時は、「やるじゃないか!!」とかなり興奮したぜよ。

 なのになのに、85分、まんまと横浜FCが引き分けに持ち込むか、見事見事、高木監督なかなかしたたかな勝負師じゃないの、とベタボメしようと思った矢先の失点だものなぁー。それも、横浜DFのクリア・ミスを永井にキッチリ決められた。
 でも、実はその前のプレイ、左サイドにいた横浜MF内田が自陣でボールを奪い、ドリブルして前に出た時、久保は絶妙のタイミングで右サイドを上がり、フリーになっていた。そこを内田が見逃さず、そして迷わずにロングパスを出していれば、この失点はなかったのだ。

 たぶん、内田は久保が見えていただろうに、一瞬の迷いか、パスを出すタイミングを逃し、浦和のディフェンスにひっかかり、ボールまで奪われてしまい、すぐにゴール前に運ばれた。その前の流れで、攻めに出ようとした横浜ディフェンス陣はいきなりの逆襲に混乱を余儀なくされたのだ。それが、落ち着かないボールの処理につながり、運悪く永井に渡ってしまった。
 もちろん、それをDFの又抜きで抜け出し、シュートに持って行った永井も素晴らしかった。そして彼が、初戦勝利が危うかった王者・浦和を救ったわけだ。

 うー、もうちょっとでの勝ち点ゲットのチャンスが、手からスルッと逃げていった。こういう機会はなかなかやってこないだけに、もうひとつ慎重さと集中力が必要だろう。やはり、J1のレベルは甘くない。
 でも、久保は凄い凄い!体のキレもいい!いい!!何をしでかすかわかんない不気味さが戻って来た。今日の彼のシュートは早くも今年のベスト1といってもいいぐらいだ。少なくとも今年を代表するシーンになることは間違いない。これをスタジアムで生で観た人はしびれただろうな。敵味方なく拍手を送るべき瞬間だったろうな。すげーぇよ、久保!テレビでも興奮した、感動した。もう、横浜FC応援するよ、この久保が元気でシュートし、全員の固い守備で踏ん張って行けば、J1でも十分やっていける。あー、燃えたぜぇー!
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by harukko45 | 2007-03-04 00:00 | スポーツ

 「マサイ」に続いて、スティーブン・スピルバーグ監督2005年の「宇宙戦争」を観た。ずいぶん極端だが、ハードディスクの録画順だからしかたない(?)

 さて、スピルバーグ、この監督に関しては不思議な感慨を持つ。なぜなら、私は大嫌いだし、彼が高い評価を受ける事にさえ不満を感じている。にもかかわらず、結局彼の作品を観るのは、「やっぱり、俺はこいつが嫌いだ」というのを確認したいがためなのか。
 昔のアンチ巨人ファンが一番熱心に巨人を観ていたことと同じか?(今の私はアンチ巨人ではない。もうすでに巨人に興味を持っていない。)

 スピルバーグが素晴らしいと思ったのは、デビュー作の「激突」と初の大ヒットとなった「ジョーズ」だ。この2作は今でも傑作パニック映画として、高く評価したい。が、その後の一連のヒット作については、二度と観る事はないだろうし、どうでもよい。彼がどんなに卓越した理論と技術を駆使して豪華な(意外に制作費かかってないんだよね、だからこの場合は効率性の高い)娯楽作を作っても、私は東宝のゴジラ映画の方を絶対に選ぶのだ。

 娯楽作なら、まだいい。なぜなら、この「宇宙戦争」もそうだが、パニック・シーンの映像の作り方見せ方は、世界最高であることは事実だからだ。だが、彼はそれだけだ。人間が出てきて自己を主張しはじめると、映像に勢いが突然なくなる。なので、私は早回ししてしまう。これを映画館で観たらイライラしていただろう。だが、その最高のパニック映像も延々何十分も見せられ続けたら、いい加減こちらも免疫が出来てビックリしなくなるのだ。そこいくと、日本の怪獣映画にはバランス感覚があった。日本の特撮はショボイ?冗談じゃない、CGだろうとキグルミだろうと、偽物に違いない。後は見ている方の想像力(創造力)の問題だ。そういう刺激を沸き起こすかどうか、スピルバーグの映画には圧倒されても、何もこちらの想像力は沸き上がってこない。ただただ凄まじい映像を押し付けられてしまうので、見ている方は思考停止に陥る(精度の高い特撮はリアルではあるが具体的すぎて、私が考えて膨らませる必要がない)。

 話がそれた。そう、娯楽作ならまだいい。時々、彼が急にマジに「オスカー」を取りに感動大作を作るのが、最悪に不愉快なのだ。

 「カラーパープル」、これは彼の文芸大作の中ではかなりいい。でも、何か人物達が薄い感じがしてしまい、心に迫ってこない。で、だんだんお涙頂戴的なストーリー展開になってしまう。子供時代の描写は好きだ。だが、ウーピー・ゴールドバーグが登場してきてから、だんだんつまらなくなってしまう。それは、彼にはちゃんとした役者を仕切れるオーラがないからではないかと思う。彼の映画のキーになるのが、子供が多いのもそのためだ。

 「シンドラーのリスト」、実話なので内容は重いし深い。でも、彼は結局メロドラマにしか仕上げられなかった。歴史的事実としてナチス・ドイツのやったことは許されないものの、単なるステレオ・タイプで膨張的に善悪を描くやり方は、こういう内容でも娯楽を意識してしまう彼の体質だ。私としては、78年にアメリカでオンエアされたTVドラマ・シリーズ『ホロコースト−戦争と家族−』に感動していたし、結局今に至るまで、「ナチによるユダヤ人虐殺」をテーマにした作品は映画もTVもこれを越えていないと思う。

 「プライベート・ライアン」、この映画はつまるところノルマンディ上陸の戦闘シーンの凄まじさのみだ。つまり、彼にとっては戦争も恐竜やUFOと同じような扱いになっていくのだ。そして、先にも書いたが、超迫力のシーンを延々とこれでもかと見せて行く手法により、いつしか脳が麻痺していき、だんだんどうでもよくなるのだった。例えば、キューブリックの「フルメタル・ジャケット」には物量かけて戦いを見せるシーンはほとんどない。だが、異常な緊張感が映像にみなぎっていて、ただ兵士が廃墟と化した街を走っているシーンでも、観ていてドキドキしてしまう。まさに戦場にいるかのようにだ。
 「プライベート・ライアン」は、冒頭の戦闘シーンの後はありきたりなヒューマン・ドラマとなって、「あー、やっぱり彼には無理だ」と強く感じた。エンディングでは再び凄い映像で戦場を再現するが、なぜか空虚感が漂う。それが、狙いとも言えるが、彼の場合、ドイツ軍の戦車が恐竜に見えてくる。そして、人と人の戦いがだんだん消えていく。
 何と、この後、彼がトム・ハンクスと製作したTVシリーズ「バンド・オブ・ブラザーズ」の方が断然に素晴らしい出来。ここまで真実をきちんと語ることで、ドンパチの派手さなどなくても、圧倒的に感動する。

 「A.I.」、キューブリックが生きているうちに彼がこれを撮っていたら、もっとすごいことになっていたか?今さらわからないが、とにかくキューブリックは「アイズ・ワイド・シャット」なんかに時間を費やさずに自分で「A.I.」を作るべきだった。ひょっとしたら、「2001年」の続編はこの「A.I.」になっていたかもしれない。だが、実際にはそうはいかず、最悪の結果となった。
 製作を持ちかけたキューブリックも悪いが、引き受けたスピルバーグも節操がなさすぎだろう。これは、キューブリックでも、スピルバーグでもない、それこそどうでもいい仕上がりだ。それにしても、何でスピルバーグは結論を急ぐのか?彼は観るものに優しいとも言える。こちらが観たいと思うものを作れる。そして、すべてにオチをつけてくれる。だが、観た後に何も残さない。それが特技でもあり、最大の欠点なのだ。
 金を払った2時間、楽しければ十分。それも正しい。ならば、それに徹してくれ。私はジョージ・ルーカスは大好きだし、ぜんぜんスピルバーグよりも偉大だと思っている。私には、この映画のラストよりも、ダース・ベイダーの恋と人生の悲劇に涙してしまう。

 そうだ、「宇宙戦争」ね。宇宙人の攻撃、相当凄いです。トム・クルーズは毒にも薬にもならないので、こちらの注意をひかず、ここでは成功しています。かえって、子供二人の方が主張が強くて、逆にこの映画ではウザイです。宇宙人が破壊しつくすシーンを観るのに集中したいのでね。
 それと、地下室で隠れているのを、エイリアンが蛇のようなマシーンで捜索するシーンは大笑いです。何で、こんなに凄い科学技術持ってんのに、カメラで探してんの? 「24」だって衛星から熱反応とかで、敵を見つけてんのにさぁ。
 ラストで、家族全員生きてるってのも、さすがスピルバーグです。冗談でしょ?何でこの家だけ無事なのよ!
 それにしても、エイリアンの姿がダサイ。こういうところが徹せられない弱さじゃないか。

 
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by harukko45 | 2007-03-03 16:12 | 映画・TV

マサイ

 どうも、最近映画ばっかり観てるみたい。ってほどじゃないけど、こういうものって、一度見始めると次から次へって見てしまう。しばらくすると、静まるでしょう。

 さて、珍しい映画「マサイ」。てっきりアフリカ・ドキュメンタリーもの、それも最近流行の「癒し系」「ディスカヴァリー・チャンネル系」かと思いきや、何と、ちゃんとストーリーになっていた。それを、本物のマサイ族の人々が演じるのだから、驚き。この事自体は画期的な事だと思った。が、ストーリーはごくごく単純なもので、それを素人さんにやらせるから、起伏もなくたんたんと進むのみ。よって、物語の展開や感動を期待しても意味がない。「ふーん」で終わる。

 だが、絵としてはとても綺麗だった。何が綺麗かというと、マサイの戦士達が美しい!体脂肪0%のような無駄のない引き締まって体と、彼らがまとう民族衣装やアクセサリー。また、独自の染料によるボディ・ペインティングと、褐色でキラキラ光る肌との対称がとっても魅力的だった。そして、広々としたサバンナを進む姿はホレボレする。物語的には苦難の行軍なのだが、映像としてはそれを写していれば良いって感じ。

 ただ、最後の最後でCG使っちゃうのがガックリ。ここで、今までの苦労も水の泡って気分になる。それほど、オーガニックとデジタルの併用は難しい? ストーリーを変えてでも、自然にこだわって欲しかった。
 とは言え、前日に「リバティーン」で汚いロンドンを見たから、余計にアフリカの美しさが際立った。
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by harukko45 | 2007-03-03 16:10 | 映画・TV

リバティーン

 昨年公開(製作は2004年)のジョニー・デップ主演「リバティーン」を観た。話は17世紀イギリス、ピューリタン後の王政復古時代の詩人ジョン・ウィルモット・ロチェスター伯爵の放蕩人生がモデル。

 で、結構刺激的な部分もあり、映画を観ている時間は楽しかった。が、後にはあまり印象には残らない感じになっている。うーん、やはりこの主人公ジョン・ウィルモットにあまり共感できなかったってことなのかな。ジョニー・デップはさすがに「らしい」演技で、良かったと思うし、たぶん彼がいなかったら成立しない映画だったろう。それぐらい、最初から最後までジョニー・デップのための映像だった。
 他には、この時代のロンドンは泥だらけで汚くって絶対に住みたくない場所ってことと、にもかかわらず、魅力的な芝居小屋・舞台の様子、そして、当時の再現にこだわった、全体に暗く、豪華でない、たぶんロウソクの火だけで撮った映像の工夫が面白かった。とにかく、ジョニー・デップの主人公をはじめとする貴族達も、みんな薄汚れていて不潔な雰囲気がするのが結構リアリティがあったよ。

 実際のロチェスターは相当な放蕩ぶりで33歳の若さで梅毒と酒で死んでいるらしいが、映画では史実にそった流れ通りにいくけど、そこに描かれたものは、それほど凄まじい放蕩ぶりでもない。それより、反権力的なヒーロー風であり、どちらかと言えば、誰からも愛された男、っていうのが結論か、とも思う。

 私の好みからすると、女優のエリザベスに肩入れして演技指導していき、結果二人が結ばれていくあたりが一番面白く、それはチャールズ2世への風刺的な猥雑ポルノ劇の上演中止のシーンでピークとなるが、その後の死に向かう没落ぶりは逆によくある話風で、こちらもじょじょに終息ムードに。

 正直、ロチェスター伯爵の人生より、演じるジョニー・デップの方に思い入りを込めて観て行った感じ。やはり彼は綺麗だしカッコイイし、とことん演じるから最後はショッキングなほど汚い。というわけで、最近ファミリー向け映画で当たっている彼がガス抜きするかのように、楽しんで演じまくっていた映画でありました。
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by harukko45 | 2007-03-02 18:42 | 映画・TV

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる