大橋純子/北海道ツアー

 しばしご無沙汰しておりましたが、みなさんお元気でしたでしょうか。私、2月中は色々忙しくしており、このコーナーの更新もままならず、という状態でありました。その後、2月末から3月にかけて、休養をとってドイツに旅行しておりました。よって、益々「ボヤキ」ナシの日々が続いてしまいました。この間、植村編集長からは「文章の量は少なくても良いから、数を増やせ!」とのお叱りがあり、全くもってごもっとも、とも思いつつ、しかしながら、私の場合、ダラダラ書いてボヤクのが特徴なのですから、とお門違いの反抗をしてみたり(?)、てなことを裏でドタバタと私一人でやっておりました。

 さて、そうこうするうちに早、3月も半ばにさしかかり、やっと少し春らしい気分になってきたわいなどと思いながら、2月14日以来、約一ヶ月ぶりにジュンコ・バンドと再会したわけです。12日の前乗りから、13日深川、14日旭川、15日帰京というスケジュールでの北海道ツアーです。演奏するのは13、14日の二日間で、滞在はずっと旭川というショート・ツアーですが、なかなか充実した時間を過ごすことができました。

 まずは12日、夕方に飛行機で旭川に着きました。この日はすぐに街に繰り出したのですが、この時期の旭川の寒さを甘く見てはいけません。ま、旅慣れたオヤジ軍団(私、ロクさん、ゴトウさん)は、そんなことはありませんが、ウエちゃんときたら、コートも着ずにやってきたから、外に出るなりプルプル震えておりました。おわけぇ〜の!北海道をなめっちゃ〜いけねえ〜よ!まだまだ雪もとけねぇで残ってんだから。

 こんな時はとにかくラーメン食おうぜ。タクシーの運ちゃんご推薦の「味特」へゾロゾロと。メンバー、スタッフほぼ全員で行ったので、店は突然超満員。夕方のいつもなら空いてる時間だったのでしょう。のんびりとテレビを見ていた店長さん、いきなりの我々の登場に少しビックリしておりましたが、すぐに気合い一発、きびきびとドンブリを並べ、タレを入れ、麺を湯がく。なかなか気持ちのいい仕事ぶりです。これならいけるんじゃないすか。そうです、期待に違わず濃い口のインパクトのある醤油ラーメンをいただきました。やっぱ、寒い旭川じゃ、このくらいの迫力がなきゃね、などと感心しながら、飲んだ後だと、もっと最高だな〜とも思った次第。その後、ジュンコさん、ケンさんと合流して、少し酒盛りをしましたが、ジュンコさんが体調を崩していて、ちと心配。ジュンコさんは早々に引き上げ、我々も明日に備えてほどほどに。ね、大人になったでしょう、僕達。うそつけ!ロクさんはワインを20分であけて撃沈。私は日本酒ですっかりロレツがまわってませんでした。すみません、そうでした。それが真実でした。

 翌13日、深川市へはバスで移動するが、その前にラーメンを。とにかく旭川には有名ラーメン店がたくさんあって、忙しいのだ。「青葉」に行ったが「本日臨時休業」の張り紙にガックリ。しかし、気を取り直し、これまたタクシーの運ちゃんご推薦の「赤門」へ。何をオーダーするか迷ったが、やはり醤油ラーメンに。この店はオバちゃん二人で切り盛りしており、昨日の「味特」とは対照的な趣。しかし、味の方は男っぽいスープで、ほぼ同系統の作りだった。昼飯時でもあり、さすが人気店、お客が途切れることがない様子だった。「味が濃かったり、薄かったりしたら言って下さい。」とオバちゃん。こういう暖かいムードも人気の秘密かな。

 さて、深川市の市民会館は建て直しのため、本日がファイナル・コンサート。それを我々がつとめるとは、何とも光栄のいたり。また一ヶ月ぶりのジュンコ・バンド再会の新鮮さもあって、ワクワクした演奏をやり遂げることができた。多少、しかけが甘くなったり、テンポが微妙に早かった曲もあったが、ある一つのムードをコンサートの最初から最後まで持ち続けられる我々は、やっぱりいいバンドなのだと再確認。それに、取り壊すとはいえ、この日のホールはステージ上の音響もモニターしやすかったし、なにしろ立ち見もでた満員のお客さんにも感謝したい。暖かい拍手やにこにこした笑顔は、我々の最大のエネルギーになるのだ。2年後の新ホール完成のおりには、また呼んで下さいね、市長さん!

 ただ、ジュンコさんは耳の調子が良くないとのこと。この日、旭川に帰ってからは宴会もせずに各自食事をとって、今度こそ明日に備えたのだった。

 14日、睡眠十分のメンバーは、3時半に会館集合まで各自思い思いの時間を過ごした。なんとロクさん、アッコ、サエコの三人は、ホテルの前の映画館でディズニーを鑑賞とは驚いた。いやはや元気ですな〜。私ときたら、またまたラーメンですよ。引き出しが少ないもんでね、あいすみません。でも、ゴトウさんもラーメンを食べたと言う。「山頭火」に行ったんだそうだ。ん〜、「山頭火」も捨てがたいが、昨日お休みだった「青葉」にどうしても行ってみたい。であるから、旭川ラーメンの元祖的存在である老舗店ののれんをくぐったのであった。

 店に入り、カウンター席に座ると、水を持ってきたおかみさんが「初めての方ですか?」、「ハイ。」と答えると、「でしたら、まずは醤油をお試しになってはいかがでしょうか。」とのこと。実は2日間、濃い口の醤油ラーメンを食べているわけで、ここらあたりで違う味を求めたいのだが、せっかくの「青葉」、やはり基本の醤油をいかねば失礼にあたるとの思いから、「それじゃ、お願いします。」と答えた。さて、できあがるまでは、しばし静かに待つことになるはずなのだが、突然、私の右どなりで、ラーメンをすすっていた恰幅のいい中年男性が、「おにいさんは、東京からですか?」と話しかけてきた。

 「ええ、そうです。」「観光ですか?」「いえ、仕事で。昨日、深川に行って来て、今日はこちらで。」「それで、昼飯にラーメンを、っていうことですね。」「ええ、旭川のラーメンは東京でも大変有名ですから。」「ああ、それは『山頭火』さんがチェーン展開されて、評判つくってくれましたからね。ただ、『山頭火』さんはトンコツ・塩味、ここのは全然(!)違う味です。魚だしですから。」

 と、しばしラーメン談義に花咲くと、待望のラーメンの出来上がりである。まずはスープを一口と、レンゲを持つと、となりの男性は食べ終わり、おもむろに立ち上がった。帰るのかと思いきや、エプロン姿であることに気がついた。そして、おかみさんになにやら指示、ありゃ?なんと私が話していたのは二代目店主・村山敏久氏だったのである。もちろん、その間にラーメンをつくっていたのが現在の店主である三代目・有一氏というわけか。二代目は、つづいて別のラーメンを食べ始め、ようはそれぞれの味のチェックをしていたのである。「さあ、どうぞ召し上がれ。」そうそう、一瞬ビックリして動きが止まった私だったが、二代目にうながされて、我に返ったのであった。

 さて、まず味わったスープは、これまで食べたものより魚ダシがきいているのだが、全体にまろやかな印象を受けた。最近のはやりの油ギットリ系が好きな人には、物足りないかもしれないが、私はたいそう気に入った。聞けば、豚骨・鶏ガラに利尻昆布、鰹節、煮干し、各種野菜を入れ、沸騰させずに弱火で煮出すとのことで、初代吉弥氏が屋台で始めたやり方を昭和22年から、頑なに守り続けているのだそうだ。確かに、このまろやかでコクのあるスープは、とても懐かしい気持ちにもさせられた。であるから、スープは全部飲み干してしまいました。ん〜、こういうことはなかなかないのだが、そう言えば、ここ最近でスープを最後まで飲んでしまったのは、去年行った同じ旭川の「天金」の醤油だったっけ。こちらは油のきいたインパクトのあるものだったが、これはこれでうまかったのである。他にもまだまだ行ってない店があるのだ。昔から有名で、最近、横浜のラーメン博物館にも登場した「蜂屋」もそうだ。噂では、魚ダシが特徴とか。

 さすがに40過ぎのオヤジには、これ以上のラーメン巡りは不可能。今回は名店「青葉」で締めくくりましょう。はい、ご馳走様でした。

 おいおい、肝心のコンサートはどうした?はいはい、そうですよね。これじゃ、ラーメン屋案内ですもんね。

 実は、ジュンコさん、中耳炎だったのです。だから、音が聞こえずらかったんですね。音楽家にとって、これはつらいことです。でも、そんな状態で昨日はよく歌いきりましたね。あらためて感心したのだった。だから、今日は昨日以上にバンドとしてジュンコさんをしっかり支えていこうと、強い決意で我々はステージに臨んだわけである。

 一曲目の‘Izm’から、アンコールの‘シンプル・ラブ’まで、集中力が切れることなく、二日目ということも手伝って、よりスムースで、力強い内容の演奏だったと思う。体調のことで最初ナーバスになっていたジュンコさんも、コンサート中盤からは普段と変わらないパフォーマンス、すっかりリラックスして、ご機嫌なボーカルが戻った。さすが強いプロ意識の固まりだ。再び脱帽である。

 また、この日のお客さん達のリアクションの良さにも感動した。我々もステージを楽しみ、それをお客さんも感じ取って、その喜びを返してくれる。それにステージ上のメンバーも反応して、ますます幸せになっていくの図。まさに理想的な展開である。そして、最後はコクのある美味なスープとなって、素晴らしいラーメンになったはず。楽屋に戻った各メンバーも、ステージで全部平らげて、いたく満足げだった。もちろん、私も。

 終演後、主催者の方々から打ち上げの宴会をやっていただいた。この時のお店が、またまたおいしかったのだ!出る物出る物、すべて満足。お酒よりも料理を今夜は堪能、おかげでいつものドロドロ・オヤジにならずにすみました。あ〜、幸せ。北海道に大感謝じゃ!

 P.S 翌日、旭川空港で朝から塩ラーメンを食べました。それと、家に帰ってから、「日清のラーメン屋さん札幌みそ」を食べてしまいました。これって、病気でしょうか?
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by harukko45 | 2002-03-18 00:00 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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