オッサン登場

 9月29日の愛知県刈谷、10月7日の山梨県甲府、同13日の静岡県日本平と、ちょうど一週間に一度のペースでおこなわれたライブは、言ってみれば「秋のお祭りツアー」ってところかな。それぞれ、風光明媚なお土地柄、公園や広いグラウンド、高台のホテルで、久々に解放感あふれる演奏をさせてもらい、心身ともに深まる秋にむけて益々充実してまいりました。やはり、コンスタントに演奏する機会があることが一番の喜びなのです。そして、それに続くのは、私命名「Welcome! オッサン・ツアー」であります。

 土屋潔さん(通称:オッサン)は、その素晴らしい演奏ぶりと誠実な人がら(そして時にみせる過激(?)な言動もふくめ)で、我々ミュージシャンの間でもずっと尊敬を集めている人物で、ジュンコさんを昔からご存じの方なら、彼が「美乃家セントラルステイション」の中〜後期に加わっていた名ギタリストであることは、十分ご承知のことと思います。

 10月20日の熊本、11月3日の神戸のライブを、レギュラーのタマちゃんがゴスペラーズのツアーで、スケジュールがあわず、今回、急遽オッサンに助っ人をお願いしたわけで、リハーサルを含め全3回の「Sessoin with OSSAN」とあいなったのでした。実はこのように、彼を迎えて演奏するということについては、こちら側もワクワクした気持ちがあって、とても楽しみなことだったのです。

 オッサンがプレイし始めればすぐに、彼がいかにギターがうまいか、すぐにわかります。そしてすっかり魅了されてしまいます。また、彼の持つある種のカリスマ性が、音楽そのものに豊かな広がりを持たせてくれることに気づくのです。こういう音楽的影響力は、同じ「美乃家」出身のロクさん、ゴトウさんにも感じられますが、今回のように3人揃うと、それがさらに倍増され、またお互いに刺激を受け合って、よりスケールアップしていくように思えるのでした。

 「美乃家」が、いかに名バンドであったか、つくづく思い知らされ、少々嫉妬心さえ芽生えるほどなのです。でも、おかげで今のレパートリー、特にニューアルバム「QUARTER」からの新曲について、別の視点からチェックすることができたのは、思いがけない収穫でもありました。

 「A Way」「どうして心は」については、今まで肩の力がはいって、気負いすぎの演奏だったのが、よりスムースで曲が持つ繊細な心情をおもいだすことができたようです。また、「8番目の海」に関しては、CDの再現をある程度犠牲にしても、もう少しライヴ的な余裕ある内容にしたくなりました。(これはこれからの課題です。)

 このように、いいプレイヤーとの出会いは私達に、いろいろなことを教えてくれるのです。私個人的な部分においても、オッサンの卓越した技術と深い音楽的情熱を見るにつけ、自分がまだまだヒヨッコなことを思い知らされるのでした。

 しかし、誤解のないように、オッサンは怖い人でも、堅物な人でもありません。一度、彼と会って話をすれば、誰でも彼のことが好きになってしまうでしょう。酒をこよなく愛し、相手を包み込むようなオッサンとは、いろいろな話題に花が咲き、その人間性に魅力を感じること間違いありません。

 というわけで、神戸のコンサートも無事成功し、この日は日帰りなので、終了後はすぐに新幹線に飛び乗り、帰京の途についたのですが、ロクさん、オッサン、私の3人は同じ横浜に住むミュージシャン、他のみんなとは別の電車で帰ることになりました。男3人、3時間の旅、やることは一つ、酒飲んで、なんやかんや話するのみ。ビール、ワインにチューハイをたんまりと胃袋に流し込んだ我々は、全く話題の尽きることなく(ほんと不思議)、ずーっと、くっちゃべっておりました。

 何を話したかって?今日のコンサートについて、近年の音楽状況について、今度のアメリカの戦争について、ところで、ゴトウさんは一人で寂しがってるであろうこと、「電話してみる?」「いいよ、めんどくさいから。」とやめたこと、映画のこと、そして極めつけは、「男の更年期」について。この話題が我々には一番タイムリーだったかな。ま、後日お話するかもね。とにかく、ガハハ、オホホの楽しい夜を過ごしたのでした。
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by harukko45 | 2001-11-06 00:00 | 音楽の仕事

 そもそも、「国民栄誉賞」とはなんぞや?

 『国民栄誉賞は、栄典とは異なるが、内閣総理大臣表彰(総理府内閣総理大臣官房人事課で所掌)の一つ(その中でも最もポピュラーなもの)であり、同賞は、「広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があった方に対して、その栄誉を讃えることを目的」として1977(昭和52)年8月(福田内閣時代)に創設された。』

 私の記憶では、読売ジャイアンツの王貞治選手のホームラン世界記録の達成を讃えるため、政府も何かできないか?といったことがきっかけであったと思うのだが。であるから、第一回の受賞者は王選手で、その後、現在までに15人の受賞者がいるので、表にしてみることにした次第。

1王 貞治   1977年9月5日
     ホームラン新記録達成の功
     1977年9月3日に記録達成
2古賀 政男   1978年8月4日
     「古賀メロディー」作曲による業績
     1978年7月25日に死去
3長谷川 一夫   1984年4月19日
     真摯な精進 卓越した演技と映画演劇界への貢献の功
     1984年4月6日に死去
4植村 直己   1984年4月19日
     世界五大陸最高峰登頂などの功
     アラスカで行方不明
5山下 泰裕   1984年10月9日
     柔道における真摯な精進 前人未踏の記録達成などの功
6衣笠 祥雄   1987年6月22日
     野球における真摯な精進 前人未到の記録達成の功
7加藤 和枝(美空ひばり)   1989年7月6日
     真摯な精進 歌謡曲を通じて国民に夢と希望を与えた功
     1989年6月24日に死去
8秋本 貢(千代の富士)   1989年9月29日
     真摯な精進 相撲界への著しい貢献の功
9増永 丈夫(藤山一郎)   1992年5月28日
 歌謡曲を通じて国民に希望と励ましを与えた功 美しい日本語の普及に貢献
     1993年8月21日に死去
10長谷川 町子   1992年7月28日
  家庭漫画を通じて戦後の我が国社会に潤いと安らぎを与えた功
     1992年5月27日に死去
11服部 良一   1993年2月26日
     数多くの歌謡曲を作り国民に希望と潤いを与えた功
     1993年1月30日に死去
12田所 康雄(渥美 清)   1996年9月3日
 映画「男はつらいよ」シリーズを通じ人情味豊かな演技で広く国民に喜びと潤いを与えた功  
     1996年8月4日に死去
13吉田 正   1998年7月7日
     「吉田メロディー」の作曲により国民に夢と希望と潤いを与えた功
     1998年6月10日に死去
14黒澤 明   1998年10月1日
 数々の不朽の名作によって国民に深い感動を与えるとともに世界の映画史に輝かしい足跡を残された功
     1998年月9月6日に死去
15高橋 尚子   2000年10月27日
     女子陸上史上初の金メダル獲得で国民に感動を与えた功


 これを見て気づくのは、スポーツ選手は現役・あるいは引退時に受賞しているが、芸能・芸術関係の受賞者は死去のさいに送られたケースがほとんど(藤山一郎さんを除く)であるということだ。個人的には、美空ひばりさん、服部良一先生、黒沢明監督には生前から、こういった栄誉がおくられるべきだったと思うし、その功績がタイムリーでインパクトの強いスポーツに比べて、芸能関係が多少軽んじられてはいないかとも思えてくるのだ。

 だからというわけじゃないけど、やっぱ、この賞はなんか胡散臭く感じちゃうんだな〜。ここに並ぶ人達の素晴らしい功績に対して、それを簡単なものに表しちゃって、本当の敬意にやや欠ける気がするのだ。他にもっとスマートな表現の仕方ってないものなのかな?そもそも、わたす方の政治家や官僚が国民から尊敬されてないんだから、いかにも宣伝に利用しているなんて勘ぐられてもしょうがないんじゃない?

 要は、後付の賞なんかでお茶を濁すより、文化・スポーツへの常日頃の取り組みのお粗末さを、もうちょっと政府・お役人は考えてみたほうがいいんじゃないかということだ。ジャンジャン!

 ところで、編集長からのもうひとつのお題、「バンマスの栄誉について」。結局のところ、他のバンマスがいかなる仕事ぶりで、いかなる栄誉を受けている存在なのかどうかは知り得ず、自分のことしかわからないわけで、そこから判断するに、バンマスとは、ちっとも栄誉に浴するような職ではないのでありまして、今までも、そのような扱いを受けた例しがありません。

 バンマスはバンドをまとめる役目ということになりますが、実は他の人がやらない雑用が主な仕事にふくまれますし、また、一般にバンド内部というのは、上下関係もなく、いたって自由奔放なムードなのです。とかく、個を捨てること(犠牲にすること)が、全体(チーム)に貢献することであると語られがちな日本ですが、それはチーム・プレイというものへの誤解であって、実は卓越した個人プレイ・個性が、生かされていなければ、本当のチームプレイ・全体への貢献は成り立たないはずなのです。極端な話、メンバー全員が自分の得意なことをやり尽くすことがチーム(バンド)への最大の貢献になり、そのチームは真に強いチームとなりうるのです。

 そういう環境をつくり、気を配るのがバンマスの本当の役目と考えておりますので、実際のオイシイ部分は他のメンバー、もちろんジュンコさんをはじめとするフロントの皆さんが持っていくわけで、私など、とかく栄誉とは全く無縁なのであります。でも、たまにはみんなに誉めてもらいたいわ〜、なんちゃって。

 それでは、お後がよろしいようで。
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by harukko45 | 2001-11-02 00:00 | 日々のあれこれ

 なかなかこのコーナーの更新が進まないのに業を煮やした、植村編集長から、「僕がお題を出すから、それについて書いてください。」とのこと。

 いやぁ、別にさぼってたわけじゃないんだけど、他の仕事に時間を割いているうちに、いまひとつ霊感が降りてこず、日々過ぎ去ってしまったのよ。ごめんちゃい。でも、たまにはこうやって、お題を頂戴してあ〜だ、こ〜だ書くのもいいかもね。けっこう勝手気ままにできるかも?

 というわけで、今回のお題は、「イチローと国民栄誉賞とバンマスの栄誉について」。ふ〜ん、まずはオイラの好みのネタをだしてくるあたり、なかなかやりますな、編集長殿。

 それでは、いってみますか。まずは、10月26日新聞紙上に、こんな記事がのりました。

 『政府は26日、米大リーグ・アメリカンリーグで首位打者に輝いたイチロー(本名・鈴木一朗)選手(28)に国民栄誉賞を贈る方向で検討に入った。小泉首相は同日午前、記者団に「国民栄誉賞ものの活躍であることは間違いない」と語った。安倍晋三官房副長官も記者会見で「日米にまたがり8年連続で首位打者になるという前人未到の偉業を達成した。国民の中から(栄誉賞をという)声があるのも確かだ。本人の意向を踏まえて考えていきたい」と述べた。』(朝日)

 そして翌27日には、次のような記事が。

 『米大リーグ「シアトル・マリナーズ」のイチロー(本名・鈴木一朗)選手(28)は26日、政府の国民栄誉賞授賞の打診に対し、「まだ若い」などと辞退の意向を伝えた。政府は本人の意向を確認したうえで最終判断するとしてきたことから、イチロー選手への国民栄誉賞は見送られることが確実になった。』

 イチローが今年国内外を問わず、最も活躍したスポーツ選手であることに異議をはさむ人はまずいないでしょう。大のスポーツ鑑賞好きを自他ともに認める 私自身も、今年イチローが大活躍するシアトル・マリナーズをとおして、アメリカ・メジャー・リーグを見る喜びをおおいに味わったわけで、彼をいくら賞賛してもしきれないと感じている一人でもあります。が、だからといって、すぐに政府が「国民栄誉賞」を送るという発想はどうも気に入りません。だいたい、「国民の中から声がある」なんて、ほんとうですか?こういう言い回しじたいが、いかにも政治家的・官僚的ではありませんか。この手のものは前々から、政府の宣伝や受けねらいに使われるようなきらいがあり、どうにも胡散臭く思えてくるのです。

 それを、イチローが自ら、「まだ若い」と辞退することは、風貌も精神もサムライを感じさせる彼らしく、全くもって納得してしまいます。よく考えれば、当たり前なのです。イチローにしてみれば挑戦が今始まったばかりなのです。彼の歩む野球道・サムライ道は、まだまだ極められてはいない、まだまだ可能性が秘められているのです。その一年目の活躍を取り上げて大騒ぎしたがるのは、いかにも日本人的な「熱しやすく、冷めやすい」心根を表しているようにも思えてきます。真に彼を愛し、応援するならば、「栄誉賞」などというような博物館的趣味の発想はやめて欲しいのです。

 まあ、首相がイチローに栄誉賞を贈りたいと賞賛するのは良しとして、それより変に感じるのは、それを彼が辞退したなどという記事がスポーツ誌を中心に大々的に一面をかざるのは何故なのか?だいたい、こういう情報が内閣官房からマスコミにリークされて、まるでスキャンダルのような報道として扱われることが、イチローにたいして失礼ではないのか?偉大な功績を残した人への敬意にかけるのではないでしょうか。この国に何人かいるアホーが、イチローが国家からの賞を辞退するのは不遜な態度だ、などと言いかねないからです。そういう、配慮にかけるのです、この国の政府、メディアは。

 そもそも、普段の政治・外交などのニュースに、政府・官僚サイドからのリークものが、なんと多いことでしょうか。我が国のマスコミ関係者はそういったものを、よくチェックせず垂れ流していることが多くありませんか。その方が無責任で問題です。

 なんでもかんでも、お上からのお達しをありがたく承るのでは、封建制度の時代や先の戦時中とかわらないのです。ですから、垂れ流される情報について、受け取る我々もある種の批判的精神をもって臨まなければ、真実を見誤ることにもなりかねないのです。(To be continued)
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by harukko45 | 2001-11-01 23:00 | 日々のあれこれ

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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