23日昼、私は少々酒が残ってて起きられなかったが、ロクさん、ハマちゃん、ゴトウさんの三人は元気(!)にうどん屋に向かった。そう、昨日リョウコさんから薦められた【きむら】に行ったのだ。もちろんオーダーするのは「カレーうどん」のつもりだが、店に到着して早速女の子に「この店のお薦めは何?」と訪ねると、「カレーうどん」と答えた。「やっぱり!」「じゃあ、カレーうどん卵入りを三つ!」。ロクさんとハマちゃんはさらに、おにぎりを頼んだのだが、ゴトウさんは「腹の調子がイマイチ。」とかで、うどんのみとした。

 運ばれたうどんは、腰がしっかりあり、つゆとカレーのマッチングが絶妙!それに、トッピングされた卵はちょうどいい茹で具合で、淡雪状の白身を箸でくずすと黄身がとろっと流れ出るという次第。リズム隊ふたりが、その味にすっかり堪能していると、さっきまで腹の調子が良くないと言っていたはずのゴトウさんが、一気にうどんを食べ尽くした。おまけに、残ったつゆがもったいないからと替え玉をオーダーし、結局二人前を平らげたのだ。これには、彼を昔から良く知るロクさんもあきれ顔だ。まして、ハマちゃんはこのゴトウさんの急変ぶりには、強いインパクトを受けたらしい。

 その後、ゴトウさんはひとりパチンコに向かい、見事に四箱出したのだ。おかげで、大変なハイ状態でブルーノートにやって来た。昨日はあんなに苦しんでいたのに、花粉症など何処吹く風っていう感じだ。とにかく、この人は実にわかりやすいということだ。

 一方、ネエサンは午前中からホテルのプールで泳いできたという。え、そうなの?なんで起こしてくれなかったの?いくら二日酔いで「うどん」は食えなくても、プールサイドで君のことを見守ってあげることはできたのに!というと、ニコッと微笑んだ後そっぽを向かれて、口をきいてくれなくなった。

 続いて、サエちゃんが昨日とちがって、かわいらしいスカートで登場したので、本日絶好調のゴトウさんが是非とも自分のことをまたいで通って欲しいと言い始めた。他のメンバーも次々にお願いしたが、当然叶わぬ夢であった。ん〜、残念だ。

 さて、ケンさんとマネージャーのツチダさんがきて、今日のメニューを打ち合わせることにした。外で聴いてても、昨日の流れはとても良かったとのこと、じゃあ、こちらのスタッフも慣れてきただろうから、今日も同じセットでいきましょう、ということになった。リハーサルもいたって順調、一時間ほど軽く合わせて終了した。さあ、あとはライブを楽しむだけさ!

 一旦ホテルに帰って、本番間際にブルーノートに帰って来ると、客席は満杯、それに今日は金曜日のせいか、こころなしかウキウキした気分にあふれている。私もすっかり酒も抜け、リラックスした状態でステージに上れそうだ。じゃ、みんなヨロシクね!ファイト!オー!

 ‘Izm’の表情も昨日と微妙に違う。みんな、肩の力が抜けていて、グルーヴがなめらかだ。でも、お客さんの反応は相変わらずとっても熱い。4、5人の女性同士、男性同士で来てる人達や親子二代らしきテーブル、もちろん若いカップルもいて、今日も幅広い客層だね。その人達みんなが、曲が終わるとものすごい拍手をくれる。ん〜、ほんとにありがたいことだ。それに応えるかのように‘たそがれマイラブ’のタマちゃんのアコギがすごくいい表情をだしている。ボサ風のカッティングがすごくきもちいい。

 「カレーうどん」リズム・セクションの二人は、今日一段と一体感をみせて、‘Disco Medley’を仕上げた。特にロクさんは昨日に比べて、クール・ガイを決め込んでる様子。昨日のキレそうなプレイもいいが、このクールさもイケてて、たまらない。このムードは後半の‘サファリ’‘ペイパー・ムーン’‘シンプル’でも保たれて、まさに大人のJazz Funkとなった。

 第二部でも、このJazz Funk路線は続き、‘Don't Think’‘Melody’が今回の全ステージでのベスト・パフォーマンスではないかと思う。自分で演奏しながら、何てゴキゲンなアンサンブルでしょう!自分で自分を誉めて上げましょう!と感激に浸った。

 ‘Disco Medley’のあと、‘You're So Beautiful’ではお互いを聴き、感じ、反応しあって、大変スリリングで、とても繊細な出来になった気がする。聴いてた人達はどう思ったかな?

 次の‘シルエット・ロマンス’では、めずらしくジュンコさんが歌詞が頭から飛んでしまい、もう一度やり直すというハプニングがあった。その時のジュンコさんのキョトンとした顔のカワイらしかったこと!楽屋に帰ってから、「あそこまでは完璧だったのに!」とすごくくやしがっていたけど、これもライブならではのおもしろさで、逆にお客さんも我々もホッとできた瞬間じゃなかったかな?

 こういう後は、もちろんリベンジ的ムードのジュンコさんがとてつもなくイキきったのは言うまでもない。‘サファリ”“シンプル’と怒濤の勢いのジュンコさんを、今日はクールにそして余裕を持って支えるバンドが、ほんとに頼もしい。しかし、‘My Love’では、ジュンコさんだけ一人でイカせるわけにはいきません。イク時は一緒を合い言葉に酒池肉林、老若男女あいみだれて、これぞカオスのエンディングで見事全員で昇天した。

 ステージを降りて楽屋に向かう間、「最高!最高!」という声が聞こえた。こんなに嬉しいことはない。まさに音楽家冥利につきる瞬間だ。福岡のみなさん、ほんとうにありがとう!
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by harukko45 | 2001-03-26 16:02 | 音楽の仕事

After the Show

(アレキサンダー理論と織田信長と植村昌弘の相関関係について)

 一日目のライブを終えて、私達はジュンコさんのお友達である木村さんご夫妻お薦めの【グリル・ド・しんちゃん】で初日の打ち上げ会をした。早い話、飲みに行ったのだ。もちろん、木村ご夫妻も一緒だ。私達とは初対面だったが、自ら番組制作の会社経営されながら、そのパーソナリティーもこなすリョウコさんと、お医者さんでらっしゃる旦那さんは、お二人ともじつに好人物で、【しんちゃん】のおいしい食べ物と選りすぐりの焼酎を堪能しながら、会話もはずんで何とも楽しい夜となった。

 その内容は、今日のライブのことに始まって、

ロクさんは本物のセクハラ親父か否か、

ハマちゃんはいつ「バ〜カ〜ヤロ」がでるのか、

そして彼もセクハラ親父2号なのか、

及んで私バンマスも実はセクハラ親父ではないかというロクさんの反論あり、

じゃあ3人揃ってセクハラ親父トリオの結成と写真撮影、

そしてこの近くのうどん屋【きむら】の絶品のカレーうどんを是非食べるべきであるということ、

リョウコさんはその紹介・宣伝委員長を自ら勝手出ていること、

九州男児が飲む焼酎はやっぱりイモにかぎるから、それを飲むべしと先生が力説したこと、

この間ゴトウさんは花粉症がひどく、薬も飲みすぎてすっかり意識喪失していたこと、

にもかかわらず、本番のサックス・プレイ、特に‘My Love’の最後のジュンコさんとの白熱のバトルはすばらしかったこと、

続いて、過去にボクシングのトレーニングをやっていたというハマちゃんが、そのトレーニング・メニューがいかに過酷であるかを語り、

ということはハマちゃんの腹は線が入っているのか、

実はケンさん(佐藤健氏)は通販で器具を買って、腹筋を鍛えようと試みたが、やってるうちに背筋を痛めて断念したこと、

するとジュンコさんが腹筋と背筋は両方セットで鍛えなくてはいけないのではと発言すると、

Mr.キンニク・ハマダがその通りであると答え、ジュンコさん説の正しさが認められ、

おまけにハマちゃんは背筋用のエキササイズを自ら畳の上で我々に披露し、そのX字的動作に一同感動し、

それどころか、彼の奥さんも最近テコンドーの道場に通い、自宅で時々彼女の蹴りをうけているということを聞き、

じゃあ何ですか、おたくはおうちでマトリックスするんですか?となって、

俺の家じゃ、夫婦でそんなスキンシップはないな〜と羨ましくなった私は食べていた手羽先の唐揚げを皿に放り出した。

とその時、こんなにおいしいご馳走が並んでいる時にかぎって、ウエちゃんがいないなんてと、みんなで同情しつつ大笑いし、写真にとっておこうとなった。

タマちゃんが、ウエちゃんにメールを送ろうとケイタイを操作しはじめた。

 一方、埼玉県某所の植村宅では、ひとり愛用のMacintoshにむかう植村昌弘がいた。彼はほとんど昼夜逆転した生活を送っており、まさにこれからが一日の始まりなのだ。

 「メール・チェックでもするか。お、タマちゃんからきてるぞ。ん、今さっき送信したばかりってことは、宴会してるとこから送ってきやがったな。どれどれ。

 『福岡サイコー〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!。』

 なんじゃ、コリャ!それに最後に付いてる写真は何?タマちゃんの顔のアップじゃないか。妙に人を小馬鹿にしてる表情だな〜。俺がいないのいいことに、盛り上がってやがるんだな。すぐに返事してやる。」

 再び、【グリル・ド・しんちゃん】。

 「あ、ねぇねぇウエちゃんが返事よこしてきた。

 『くっそ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』

 ふ〜ん、何かいまいち。」
「そうね、ウエちゃんいまいちね。」
「サエちゃん、その手羽先をパクっとやってよ。写真撮ってウエちゃんに送るから。」

 でもって、植村宅。

 「何だ!また、送ってきたな。

 『手羽先サイコー、めんたいご飯サイコー、ハラミサイコー〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!。』

 クソ!懲りないやつらだ。あ、この手羽をパクつくサエコの写真、むかつく!俺が手羽先大好きなの知ってて送りつけてきたな。よぉ〜し、今度はサエちゃんに返信してやる!」

 そんでもって、【グリル・ド・しんちゃん】。

 「あ、あたしのところにウエちゃんからメールきたよ。

 『サエコ殺す〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!。』」

 「お、だいぶテンション上がってきましたね〜。では、だめ押しといきますか。」

 またまた、植村宅。

 「けっ!またきたな。なに〜。

 『濱田さんのドラムのことで盛り上がってまぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜す!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!。』

 ありゃ〜、あてつけのようにハマダさんのこと言ってきやがった。む〜、くやしいけどハマダさんうまいしな〜。にしても、この写真、なんでサエちゃんの隣にキクがいるんだ!それにやけに楽しそうにビール飲みやがって!むっちゃ、むかつくけどここんとこは冷静さを取り戻さねば、んん〜、でも腹立つぅ〜!」

 というわけで、【グリル・ド・しんちゃん】。

 「ああ、ウエムラさんからメールきましたよ、ほら。

 『キク殺す〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!。』」

 「あ、おれんとこにもきた。何々、

 『それにしても、初日からそんなに盛り上がっちゃって、大丈夫ですか?』

 なんだよ、いきなりテンション落ちてやんの。つまんないね。」
「うん、ウエちゃんつまんない。」
「サイテー。」
「じゃ、このメールには返事しないで無視!ケイタイも切っちゃお〜と。」

 「実は、アレキサンダー理論ていうのがありましてね。『どうやって楽器を演奏する人がもっともいい状態で筋肉運動をするべきか』ということが書いてあるんですけど、僕はそれを応用して、究極的にドラムの奏法を流れる円運動としてとらえていきたいと思っているんです。それによって、どこの筋肉を鍛えたらいいのかという話になってくるんですよ。」
「すごいね〜。ハマちゃんって。」
「ん〜、よく研究してるわ。」
「すごい、すごい。」

 この後、突然話は織田信長になってしまった。何で?いいんだよ、突然で。その内容は、、、

信長の建てた安土城をコンピューター・グラフィックで再現したのを見て、その先進性・芸術性にいたく感動した。

息子が本能寺の変の後、焼いてしまうなんて何ともったいなかったか。

もしも、信長が本能寺で生き延びて天下統一を成し遂げていたらどうだったか。

ひょっとしたら、キリスト教国家の可能性もあったか?

少なくとも、ヨーロッパの王制に近い絶対君主制国家ではなかったか?

現在の日本には信長的なリーダーが求められるのでは?

じゃ、石原慎太郎や田中康夫はそれに近いのか?
 と、侃々諤々、話は盛り上がり、宴会はまだまだ終わらない。


 さて一方、埼玉県某所の植村宅では。

 「ありゃ〜、なんだよ!待てども返事は来ずかよ。む〜、これじゃ他の作業が手につかないじゃないか!あ〜あの手羽先うまそうだったな〜。食いてえな〜、もう。でもサエちゃんの写真はカワイカッタな〜。だけど、キクが横にいるのは許せんな〜。時間がたつほどむかついてくるよ、ほんとにもう。でも、濱田さんのドラムで盛り上がったのはほんとかな〜。やだな〜。なんかやな感じだな〜。返事もこないし。あ〜、でも手羽先食いたいな〜〜〜〜〜〜〜〜。」

 皆の衆、ご健闘を祈る。
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by harukko45 | 2001-03-26 10:02 | 日々のあれこれ

 3月22,23日と私達は福岡のブルーノートにて、ライヴをおこなった。2日間ともたくさんのお客さんが来てくれて、ほんとにありがとう。また、現地のPA/モニター、楽器、照明のスタッフの的確な仕事ぶりも素晴らしかったし、お店側の我々へのケアも申し分ない対応で、実に快適な時間を過ごすことができたのだった。あらためてお礼を言います。もちろん、こちらもそれに応えるべく、精一杯のパフォーマンスで来てくれたお客さんに喜んでもらえたのではと思う。では、その2日間を振り返ってみると、、、。

 22日11:50分羽田発のJAL便で福岡へ向かう我々だが、相変わらずテンションの高いのはベースのロクさん。オレンジのトレーナーに紺のベレー帽のいでたちで、ひときわ高らかな笑い声が空港内に響き渡るので、みんなが何処にいるのかはすぐわかるので便利(?)だの〜。

 それに比べて、重度の花粉症に悩むサックスのゴトウさんは、鼻炎の薬を飲んでるせいもあって、ボーッとしてる感じでやや元気がない。いつものスピード感あふれる軽口も、今日はキレがいまひとつ。でも、全然めげないのがこの人の凄さだから、ま、ほっときましょう。

 一方、ネエサンことバック・ボーカルのアッコちゃんは、宿泊先のホテルにプールがあることをめざとくチェックしており、ちゃんと水着を持ってきたとのこと。あいた時間に水泳して体力維持をはかるつもりらしいが、こちらとしては、水着とゴーグルをつけて今夜のステージにあがってくれるように必死で懇願するも、「え〜かげんにせぇ〜よ、このオヤジ!」と大阪弁で軽く一蹴されてしまった。ん〜、残念だ。

 14時にブルーノート着、もうすでに楽器もセットされていて、準備万端の様子。実は東京から空輸した機材がいくつかトラブルをおこして使えない状況だったのだが、今回唯一の東京側スタッフのキクことサウンド・クルーの菊田君(またをオリバー君、時にサル。)と福岡の楽器スタッフの素早い対応で、無事に乗り切れることができた。

 おや、前日はロバータ・フラックがやってたのね。ゴトウさんが昨日のセット・リスト(曲順表)を見つけてきた。ははあ〜ん、‘Killing Me Softly With His Song’‘Feel Like Makin' Love’それに、‘First Time Ever I Saw Your Face’もやったのか、さすがに名曲ぞろいだね。

 さて、初日のサウンド・チェックとリハーサルは割と入念にやって、ステージやモニターの感触をつかむことにした。途中、キャロル・キングの‘You've Got A Friend’を演奏してみたりして、本日のメニューも再検討してみた。PAスタッフとのコミュニケーションもうまく進み、さあ本番よろしく!17時近くに開場すると、すでに外で並んでいたお客さん達でみるみる満杯となっていった。イエ〜イ、ワクワクしてくるじゃないの!

 19時に一回目のステージの始まりだ。‘Izm’でスタートし、‘永遠’‘たそがれマイラブ’とつづく。お客さんが入って、ステージ上に溜まりやすい低音成分が適当にすわれ、よりクリアにそれぞれの音が聞こえるようになり、とてもやりやすい環境になった。おかげでそれぞれの演奏にみんなが適宜反応して、生き生きとした即興性がうまれ、スッゲェ〜楽しくなってきたぞ!特に、ドラムのハマちゃん(濱田尚哉君)は絶賛に値する。クールな顔して実に余裕のあるプレイでなんとも頼もしい。懐深く俺達を包んで、ビートをプッシュしてくれている。

 ステージと客席が近いので、お客さんの表情がよくみえて、これもなかなかおもしろい。こちらへの期待で目をキラキラさせてる人や、適度のアルコールですっかりリラックスしてる人、最初からノリノリで手拍子してる人、それと驚いたのは、歌詞を一緒に口ずさんでる人が多かったこと。おまけに新作の“Time Flies”を手にしてる人もいたね。イヤ〜、感謝感激!それに、いろんな世代の人が集まってたな〜。あらためて、ジュンコさんのファン層の広さを実感したし、とっても励みになるよ、ほんと。

 ‘Disco Medley’では、ステージと客席が一体となる感触を実感できた。エンディング間際の【タマちゃんSHOW】では、いつも以上にキレまくったギター・プレイに、大喝采だ。まったく、いつもおいしいとこ持ってくよな!そして、今回ならではというわけで、次はエリック・クラプトンの‘Tears In Heaven’をアコースティック・ギターとキーボード、それにサックスという編成でやってみた。いかかでした?ジュンコさんが歌うこの曲もなかなかいいもんでしょう。おなじみのイントロ・フレーズが出ると、会場からも声がかかって、いい気分だ。

 しっとりとしたムードになって、さあ‘シルエット・ロマンス’だ。やっぱり、待ってました!ていう拍手がひときわ大きい。そして後半戦は、‘サファリ・ナイト’‘ペイパー・ムーン’‘シンプル・ラブ”だ。みんなもよく曲をしってるんだね、サビを自然と歌ってくれてる人がたくさんいた。もう、サイコーです。その熱気におされたわけじゃないだろうが、ロクさんのファンク・ベースがすさまじくねぇ〜か。なんか、危険なムードさえ感じるって気配。と、ギンギンに盛り上がった状態で、一回目が終了した。

 21時半からの二回目のステージまで、お客さんも入れ替わり、我々はお店が用意してくれた食事を頂くことにした(とってもおいしいイタリアン)。一回目の興奮を冷ますために、少し赤ワインもきめてみた。さすが、ワインは恋を語るに最もふさわしいお酒、あれ〜、ロマンチックな気分になってるのは私だけですか?おもわず、コーラスのサエちゃんとアッコちゃんに向かって、【君の瞳に乾杯】、なんちゃって。

 本日の第2回戦は‘Don't Think Feel It’でスタート。夜も更けてきて、お客さんも大人なムードでカップルも多く、しっとりとした感じだ。でも、最前列で一人で熱心に聴いてくれてる人もいる。ん〜、こういう人は結構細かいとこも聴き込んでるから、なかなか手強いかな?ヨッシャ!バッチっと決めたるぜ。

 ‘メロディ’がすごくいいグルーヴだ。この曲は21世紀の‘シンプル・ラブ’をめざした大事なレパートリーなんだ。まだまだ、みんなに広く浸透してないけど、演奏するたびに我々もどんどん良くなっていってる、まさに成長し続ける楽曲なのだ。それには‘シンプル・ラブ’から20数年たったジュンコさんの熟成された心情と、まったく変わらず保ち続けられた熱いスピリットが両方込められている。

 続く‘たそがれマイラブ’は一回目よりセクシーさが増したようだ。ジュンコさんのボーカルが色っぽく、何ていい曲だろうと思ってしまう。おまけにここ最近のゴトウさんのフルート・ソロは、非常にイキきっててスリリングだ。さすがである。

 狂乱の‘Disco Medley’にも所々渋みが加わって、みんなのビートが腰にグッとくる感じだ。やっぱ、多少のワイン効果があるのかな?そして、ビリー・プレストンの‘You're So Beautiful’を今回はピアノとサックスだけでやってみた。シンプルなコード・チャートのみなので、ほとんど即興的に展開していく。本来は男性から女性に捧げるバラードにあえて挑戦するわけで、なかなか神経を使うが、そこがまた楽しい。

 さあ、それからは‘シルエット・ロマンス’‘サファリ・ナイト’‘シンプル・ラブ’とお馴染みな曲でイケイケなのだが、特に後2曲でのロクさんが一回目に引き続き、すさまじくファンキーなプレイで血管きれそうだ。もう止められない勢いで、ついに‘シンプル・ラブ’の間奏は通常のギター・ソロを吹っ飛ばして、ベース・ソロとあいなった。これには、バンド内大爆笑のバカウケだった。私も次のコードを忘れそうになるぐらいヤラレてしまったよ。まいった、まいった。

 アンコール、そして今日の最後はポール・マッカートニーの‘My Love’で、おお、また今日もやりきってしまったぜ俺達!楽屋でお互いをたたえ合い、労をなぎらいながら、ビールで乾杯だ。あ〜、ライブのあとのこの一杯がたまりません。でも、まだまだ明日もあるぞ、と釘を刺しつつも、今日は久々の博多の夜じゃ!パァ〜っといくぞ〜。
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by harukko45 | 2001-03-25 16:05 | 音楽の仕事

Screaming In MORIOKA Part 2

 前の曲の熱気がまだ収まらない会場が、ざわざわしている。次のフレーズを弾き始める私の左手の小指が、鍵盤に触れるまでの時間は、ほんの10秒足らずだろう。だが、永遠というものがあるなら、この瞬間をいうのではと感じることがある。音楽は時間に司られた芸術だから、その小指で【C音】を弾いたら最後、決められた【THE END】に進んで行くだけだ。故に、この弾き始めるまでの時間はことのほか長く、特別に感じられるのだ。

 「なに、かっこつけてんだよ、このトウヘンボク!アンタよ、前にウケねらって、‘Disco Medley’でアフロ・ヘアーのカツラつけて演奏した時のこと思い出せよ、ヘヘェ〜ン、思いだしたか?

 エンディング終わって拍手万雷を期待してたアンタはよ、アッケにとられて静かにしてる客に泡食ってよ、あわてて次を弾き始めたじゃないか、エ〜。そん時ドウナッタ?

 かぶってたカツラ取り忘れて、アフロ・ヘアーのまんまで‘シルエット・ロマンス’やってなかったか?それどころか、妙に曲に入り込んじまって、その頭をブンブン振ってよ、ベートーベン先生にでもなったつもりかよ!

 最後の最後まで気が付かず、完全に曲が終わってからタマちゃんに、『ワダさん、カツラ!カツラ!』っていわれて、たいそうビックリしてたじゃないか。ああいうのを、‘穴があったら入りたい’て言うんじゃないか?」

Oh! Shit.何て事を思い出させるんだ!おお、しまった!もう15秒くらいたったかもしれない。集中、集中!

 私の弾くシンプルなアルペジオに誘導されて、着替えが終わった【純白の純子】さんが再登場だ。もちろん‘シルエット・ロマンス’を歌うために。

 この曲はジュンコさん最大のヒットであり、これにより日本レコード大賞の最優秀歌唱賞を受賞したわけで、これが目当ての人も多いはず。最近はカラオケで一般の人たちもよく歌う一曲らしいが、実は意外とむずかしい。

 作曲は来生たかおさんだ。そもそも来生さんの曲は、彼のボヤキ、イヤ失礼!、独り言をめんめんと綴っているのだが、ここに来生えつこさんのロマンチックで激しく燃える女心の詞がのっているわけで、この両方をちゃんと表現するには、たいそうな歌唱力が必要なのだ。もちろん伴奏も、ロマンな気分で含みを持たせたいが、あんまり弾きすぎてはクサくなってしまうし、かといってアカデミックにきちきち弾くのもおもしろくない。この辺のバランスは常に課題だし、音楽の道は実に険しいの〜。しかし、なんといっても本家本元の歌、たっぷりとご賞味ください。

 さて、ライヴは生き物。今夜は思わぬ所にハイライトが訪れる。次は‘ビューティフル・ミー’とジュンコさんが告げると、お客さんから声があがった。ん〜、いいね、この曲知ってるんだね、聴きたかったのね、待ってました!って感じなのね。好きだな〜、そうやって真剣に音楽を聴いてきた君の姿勢が。オジサンはうれしいのだ。この名曲のことをちゃんとわかってる人がいてくれるなんて。

 ‘ビューティフル・ミー’の作曲者は、我らのプロデューサーでもある佐藤健さんだ。彼はご存じのようにジュンコさんのレパートリーのほとんどを手がけ、大橋純子の音楽のイメージを築き上げた人だ。ケンさんの曲の特徴は、ある種の幾何学的な要素があり、計算された構成力と洗練された和声とリズムを持っている(その代表作は‘シンプル・ラブ’‘サファリ・ナイト’‘クリスタル・シティ’などなど)。だからといって、決して技巧的なだけなのではない。熱い感情や情熱は氷付けにされて、曲の小節と小節の間に隠されている。中に秘められているのだ。だから、彼の曲は都会的なクールなムードが漂っているわけなのだ。

 しかし、この‘ビューティフル・ミー’は、そのケンさんが普段と違い、心のおもむくまま、感情にまかせるままに創ったと思える作品なのだ(本人に確認は取ってませんが、)。「ねえ私 子供の頃から〜」で始まるBメロを、みなさんはどう聴くだろうか?胸がキュンとしない人は感受性に問題ありと、独断と偏見で診断させていただきます!そして、山川啓介さんの素晴らしい詞!(歌詞をチェックしよう。)じんわりと心に広がりを与えてくれていませんか?私も大好きだ。みんなはどう?

 こういう時は、演奏しながら曲に聴き入ってる状態だ。ただただ、作品自体に身を任せているのだが、曲のパワーが演奏者を自然とあるべき方向に導いてくれるからだ。ん、ん、あったかい拍手をアリガトウ!

 さあ、あとは一気にいこう。‘メロディ’‘サファリ・ナイト’‘ペイパー・ムーン’はこのバンドの真骨頂を示す曲達だ。もちろん、この日も燃えに燃えてぶっとばした。Oh,yeah!俺達の熱演に、盛岡のお客さんも鳴りやまない拍手で答えてくれているじゃないか!(Everybody,SCREAM!)

 熱唱、熱曲のお手本‘愛は時を越えて’を終え、アンコールに応えて‘シンプル・ラブ’だ。昔から大橋純子を聴いてる人ならわかるだろうが、この曲こそ【大橋純子そのもの】であり、今もそれはちゃんと続いている。ここでも又、Bassが肝だ。アルバム“Rainbow”では福田郁次郎さんの素晴らしいプレイが聴けるが、現在それを見事に再現し、なおかつ自家薬籠中の物としているのは、六川正彦さんしかいない。彼でなくてはこうはいかないのだ。

 コンサートの最後、‘My Love’でジュンコさんが【Hi-G音】を見事に決めて、彼女のポリシー‘出し惜しみはしない、全部出し切る!’は、ここに達成され大団円となって、すべてが終わった。盛岡のみんなに大感謝。

 さて、大成功に終わったコンサートの後は、飲んでバカやって大騒ぎして、緊張感から自分たちを解放する。この日も夜遅くまで、大いに盛り上がった。次の朝、私とロクさんは他のメンバーとは別れ、多少酒の残った身体を引きずりながら、「おくさま」のレコーディングに向かった。かくもミュージシャンの生活とはシンプルなのだ。演奏し、終わって酒飲んで、次の場所へ移動し、また演奏する。この繰り返しなのだが、これがやめられない。
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by harukko45 | 2001-03-10 16:06 | 音楽の仕事

Screaming In MORIOKA Part 1

 暗闇から突然、パーカッションが鳴り響く。それが、ループとなって5小節目からE.Pianoによるトランス系のリフが、グルーヴをつくっていく、これがショウのイントロダクションなのだ。12小節目のDrumsのFill Inをきっかけに、13小節目から全員でビートを刻み始めるが、この時GマイナーからE♭マイナーへ転調して一瞬テンションを高めているのがミソなのだ。

 しかしそれもつかの間、Tempo120で17小節目には再びGマイナーに戻るのだが、前とちがってブラスのラテン・ファンク調のにぎやかなリフがこの曲のムードを一気に盛り上げ、開放感で満たしていく。このサウンドにのって、ジュンコさんが登場する。このあたりの六川さんのBassを聞き逃すな!(screaming 1)いいグルーヴだ。それに負けじと、ウエちゃんのドラムがグイグイとくる。タマちゃんのギターのカッティングもいつもながら小気味良い。ク〜、たまらん。

 1曲目‘Izm’は上々の滑り出しだが、まだまだかたさがあるようだ。というより、「やってやろうじゃないか!」の気持ちが少々勝ちすぎているのだ。ジュンコさんは、モニターが聴きづらいのか、普段の声ののびではないぞ。む〜、すこしクールダウンするか?と意識し始めた2コーラス目、またまたBassがすさまじい勢いじゃないか!(screaming 2)今日のロクさんはアメリカのナッシュヴィルから帰ったばかりのせいか、気持ちもからだも超絶的に絶好調とみた。ヨッシャ、ここはアンタに乗っていこう!

 間奏に入るとMiles Davisの‘So What’風に展開して、後藤さんのT.Saxのソロが始まる。彼はとにかく音色がいいし、ブレスのタイミングがいい。だから、フレージングがなめらかでよく歌う。彼はこの日、「マウスピースとマイクの相性がいまいちだ。」とか、「また、メチャクチャなソロ吹いちゃった。」と笑い飛ばしていたが、いやいやご冗談を、まったくもって、ご機嫌なソロなのだ!(screaming 3)こういうサックス吹きは日本では稀有な存在だといつも思う。

 ポップ・ソングにしては少し長めの間奏(しかし必要なのだ!)のあと、ジュンコさんがコーラスふたりを引き連れ堂々たる歌いっぷりだ。そうそう、きたきたぁって感じで、一気呵成にエンディングへ突撃するのだった。

 ‘Don't Think Feel It’‘永遠’と最新作の“Time Flies”からの曲が続くが、これらは各プレイヤーの演奏はほとんど決められている。つまり、アレンジメントされたサウンドを大切にしながら、Vocalを引き立てていくことが重要で、シンプルなプレイを心がける。特に‘永遠’は「歌謡曲的大橋純子」を求める人と「シティ・ポップス、R&B的大橋純子」を求める人との橋渡しと成る曲で、アレンジした私もお気に入りの一曲だ。【フォルクローレ歌謡曲風哀愁メロディのティンバランド風チキチキ・ビート添え】はいかがでしょうか?

 この流れはつぎの‘たそがれマイラブ’に引き継がれていく。おなじみのこの曲は、日本のポップス界を代表する作・編曲家の筒美京平さんの名曲だが、オリジナルのアレンジがいまひとつ気に入らない。そこで、このところのライヴでは、ジュンコさんお気に入りのボサノヴァの味わいを取り入れて、A.Guitarを中心に演奏している。タマちゃんのコードの刻みがジュンコさんの歌にまとわりついて、ゆったりとした、それでいてセクシーなムードを演出している。間奏のFluteが今日は心に響くよ、後藤さん!さすがに経験豊富を自他共に認めるだけのことはある。

 盛岡のお客さん達(満杯で立ち見の人もいた)もだいぶリラックスして楽しんでいる様子だ。じゃ、こっちも楽しくノラさせてもらうよ。ということで、70〜80年代のDisco ClassicのMedleyが始まる。さて、聴いてた人、何曲知ってたかな?正解は‘愛のコリーダ’‘Got To Be Real’‘Sunshine Day’‘I'm Every Woman’‘Boogie Wonderland’でした。へへぇ〜、なかなかいい選曲でしょ!こういう曲に理屈はいらないよ。楽しまなくっちゃ!お、一緒に歌ってる人もいるね。手拍子も大歓迎さ。(Everybody,clap your hands,COME ON MO・RI・O・KA!)

 ロクさんはもちろんのこと、普段インテリを標榜してるウエちゃんことゲバゲバ植村君も、やったらこの手のビートがごきげんなのだ。そうか、彼は知能指数の高さと音楽的才能が一緒ではないことを証明している(?)んだ。そして、全編に渡ってファイトしまくるジュンコさんの熱いVocalとそれにピッタリとフィットしたAB Dekohs(サエコ&アッコ)のハーモニーをどうぞご堪能あれ!

 にしても、この‘Boogie Wonderland’はバカだね〜。このバカ騒ぎぶりは尋常じゃない。この止まらない勢いは、ついに【タマちゃんショウ】となって、終焉を迎えるのだが、、、ありゃ、こら!おい、タマちゃん!タマガワ!ユウイチ!そこの広島人!だめだ、こいつジミ・ヘンばりに歯で弾き始めたわい。カァ〜、いつもより多く弾いております。(Everybody,SCREAM!)

 しっかぁ〜し!こっちの心配など物ともせず、見事に決めおったな、オヌシ!でかした、でかした!バカうけやないの、ヤッタゼ!(How you feel all right? OH YEAH!)

 まだまだ、ショウはこれから。後半戦もヨロシク!
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by harukko45 | 2001-03-09 16:07 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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