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第58回グラミー賞

 3年ぶりにグラミー賞をテレビで楽しんだ。何と言っても、ケンドリック・ラマーのような革新的なアーティストのパフォーマンスにはワクワクさせられました。当然、最優秀アルバムも必至と思ってたら、何とテイラー・スウィフトとは。

 とにかく、ケンドリック・ラマーの「To Pimp a Butterfly」は最高にカッコイイ。リリックがすぐに理解出来る英語圏の人には、その内容の深さに共感できるだろうけど、サウンドだけでもスゴイって感じられる傑作と思う。ラマーは2012の前作「Good Kid, M.A.A.D City」も素晴らしい。私にはNas以来の天才ラッパーの登場に思えたっけ。

 ブルーノ・マーズとの「Uptown Funk」で最優秀レコードを獲得したマーク・ロンソンは、アルバム「Uptown Special」もなかなか。エイミー・ワインハウスのプロデューサーとしか認識してなかったけど、自身でもいいアルバムを作ってたことに去年驚いた。

 最優秀ロック・パフォーマンスのアラバマ・シェイクス「Sound & Color」も昨年よく聴いたアルバムの一つ。いわゆるロック系としては、彼らがダントツだった。ガレージ・ブルース・バンドみたいだった彼らが、セカンドでここまで成長するなんてスゴイ!

 そして、14年ぶりの新作「Black Messiah」で完全復活してくれたディアンジェロ、確かに素晴らしい内容なんだけど、やはり、昨年はケンドリック・ラマーが圧倒的でしたなぁ。
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by harukko45 | 2016-02-16 16:21 | 聴いて書く

デイヴィッド・ボウイ

 1月10日にデイヴィッド・ボウイが亡くなり、少しショック状態が続いた。その2日前にリリースされたニューアルバム「Blackstar」の素晴らしさにすっかりやられていたので、突然の訃報が信じられなかった。

 私がボウイの音楽に出会ったのは遅く、デビューからジギー・スターダスト時代の彼には全く興味がなかったのだが、ボウイ・ファンの友人から「『Space Oddity』だけでも聴け」との言葉をきっかけに、一気にはまり込み、続いて「Aladdin Sane」に惚れ込んだ。マイク・ガーソンのピアノにもガツーンとやられた。
 また、74年の「David Live」と75年の「Young Americans」では、当時まだそれほど有名ではなかったデイヴィッド・サンボーンを大々的にフィーチャアしていて、このサックス・プレイヤーに注目するきっかけになったし、今聴いても新鮮でユニークなボウイ流ソウル・ミュージック。

 77年からのベルリン三部作は、かなり実験的な世界に踏み込みながら、根底にはポップ・ミュージックを忘れなかったギリギリ感と、インチキ臭さがたまらん。
 で、カルト的な教祖さまで居続けるかと思いきや、83年の「Let's Dance」で世界的大ブレイク。MTV時代のボウイも文句なくカッコよかった。ここでも、スティーヴィー・レイボーンを大抜擢して、相変わらず才能あるミュージシャンを選ぶ、目利きの良さにも感心した。

 21世紀になっても創作意欲は衰えず、2002年「Heathen」2003年「Reality」の素晴らしさには感嘆と、心から敬意の気持ちでいっぱいになった。

 病気からの奇跡の復活と言えた2013年「The Next Day」のアグレッシブさにも驚かされたが、今回の新作で遺作となった「Blackstar」には、さらにさらに驚かされ、彼の飽くなき探究心と新しいものへのチャレンジ精神には、本当に感動した。それもただ挑戦しただけの問題作ではなく、結果として何度も聴き返したくなる魅力ある作品に仕上げたのだった。

 そして、バック・ミュージシャンに起用されたニューヨークのジャズ・ミュージシャン達、ドニー・マッカスリンらの演奏も素晴らしい。

 デイヴィッド・ボウイ、最後まで見事なキメ方に、もはや言葉はない。

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by harukko45 | 2016-01-19 17:55 | 聴いて書く

ハリー・ニルソン

昨年は、日本にも本格的に、音楽のストリーミングサイトがいろいろと登場して、新たな時代が始まった年だった。私は、数年前からGoogle Play MusicとSpotifyを使っていたので、日本でも早くこのサービスが始まるのを強く望んでいたのだが、すでに使い慣れているSpotifyが、未だサービス開始にならないのが残念でならない。Spotifyには、無料のシステムがあるから日本の音楽業界には受け入れられないのだろうか?
詳しい事情はよく分らんが、個人的には、いち早いSpotifyの日本への正式参入を強く望む。

さて、ということで、昨年中によくよく聴いた音楽を書き残しておきたい。

「Harry Nilsson」
昨年だけでなく、ここ数年、ハリー・ニルソンのほぼ全アルバムは常に手元に置きながら、聴きまくっていた。特に好きなのは、「Nilsson Sings Newman」。
これは一時期、毎日のように聴いてたなぁ。それにより、私はランディーニューマンの素晴らしさにも目覚めた次第。で、彼のアルバムも聴こうとなると、まずはSpotifyで聴くのが便利なわけ。全アルバムそろってるからだ。

さて、ニルソンはたぶん16枚のアルバムを出していると思うのだが、その中で好きなのは、67年「Pandemonium Shadow Show」、68年「Aerial Ballet」、69年「Harry」、70年上記の「Nilsson Sings Newman」、シュミルソン3部作の中では、72年の「Son of Schmilsson」、そして77年「Knnillssonn」って感じ。
ただ、絶好調だった72,3年頃までは文句なしの傑作ばかりだが、74年あたりから、彼の精神的不安、酒と薬物による体調の悪化とともに作品の出来も良くなくなっていく。でも、天才のやることにはどんなにドン底であっても、見つけるべき何かが隠れているのであって、ファンとして簡単に見捨てるようなことはせずに、とことん付き合って行くのだ。




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by harukko45 | 2016-01-06 16:47 | 聴いて書く

謹賀新年

2016年、明けましておめでとうございます。

一昨年の3月以降、ブログに向かう気力が落ち、そのままズルズルと放りっぱなし状態でしたが、今年からまたボチボチ書いていこうかと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

内容的には、前よりもずっと個人的趣味的な方向になるかもしれません。

ということで、まずは、この年末年始は音楽を聴きまくっていたので、その中で気に入ったものを書き留めておこうと思います。

 「クリスティアン・ツィメルマン+ベルリン・フィルハーモニーのブラームス・ピアノコンチェルト1番」
 ベルリン・フィルの映像配信サイト「デジタルコンサートホール」で鑑賞したもので、あまりの素晴らしさに3回も続けて視聴してしまった。ツィメルマンとラトル&ベルリンによるブラームス1番は2003年にCDがリリースされているが、今回のは2015年6月25日に収録されたものだ。

 ツィメルマンのピアノの美しさは変わらずで、より巨匠的な風格を持ち合わせた感じであり、何から何まで共感してしまった。それは、ベルリン・フィルの皆さんも同様のようで、ピアノとオケの一体感のレベルが非常に高く、まさに次元の違う演奏と言えた。特にコンマスの樫本さんの曲に入り込んでいる表情が実に印象的で、この時に生まれた高いレベルでの共感共鳴には、彼の力も大きかったに違いない。
 正直、指揮者ラトルの存在はそれほど強くなかった。実際にはツィメルマンとベルリン・フィルとの直接対話がこの名演を生んだと感じた。

 実は、昨年末に「デジタルコンサートホール」を見たのはラトル退任前の集大成とも言える「ベートーヴェン・チクルス」を聴くのが目的だったのだが、残念ながらシンフォニー全曲を聴くのはつらくなり、途中でリタイア。アーカイブを探していたら、この名演に出会った次第。

 そのラトルのベートーヴェンは、全体に急速テンポと明解なバランスによる極めて健康的でスポーツ的な印象。どんな状況でも見事にやり遂げるベルリン・フィルの筋力の強さには感動したが、音楽的に楽しめたわけではなかった。
 アーカイブにあったティーレマンとの「エロイカ」の方が、断然好みであり、心からベートーヴェンを楽しめた。面白いのは、両者どちらにも参加しているメンバーが多いものの、演奏の内容は全く別物だったということ。
 ラトルの時は「ベルリンって、すげぇうまいなぁ」と思うことが多かったが、ティーレマンにはそういうことではなく、「ベートーヴェンは、やはりすごい」と思ったわけです。

 「エルトン・ジョン&ヒズ・バンド 横浜アリーナ」

  WOWOWが、昨年11月18日に行われたエルトン・ジョンの来日公演を収録。その日に生中継をしたようだが、私は元旦に再放送を視聴。これが、これが、何とも素晴らしかった!

 現在、68歳であるエルトン・ジョン、何という充実したパフォーマンス!感動しまくりで、あっという間の2時間半だった。1曲たりとも緩んだ部分がなく、かといって緊張感でピリピリと張り詰めた演奏ではなく、とても自然にリラックスして、「あー、ロックっていいなぁ」と心から実感させられた内容であった。
 私自身、昨年からエルトン・ジョンの音楽を全て聴き直していた最中だったので、その辺のタイムリーさもあって、数々の名曲・ヒット曲の連続にただただワクワクしっ放しであった。

 とにかく、彼が変に若ぶることなく、良い意味でシンプルに、歌とピアノに集中しきっている姿に感動した。それが、嘘偽りのない自然な姿であり、だからこそ、全盛期を過ぎた「衰え」のようなものを、このライブでは全く感じることはなく、これぞ「復活」とさえ思わせるのであった。
 つまり、いい感じで年をとったとも言えるのでは。70年代の絶頂期でさえ、しばしば感じられた「力み」や「勇み足」がすっかり消えて、本当に力強く、なおかつ繊細で深いパフォーマンスをするアーティストであることを再認識させてくれた。

 ということで、またぞろ古いアルバムなんかも、改めて楽しく聴き直す今日この頃です。

 やはり、70年代のアルバムがどれもこれも傑作なんだけど、その中で最も好きなのは、ベタではあるけど73年「Goodbye Yellow Brick Road」となるかな。でも、デビュー盤69年「Empty Sky」から76年「Blue Moves」まで、一枚たりとも駄作はないわけで、いかにエルトンの才能の泉が枯れることなく湧きあがっていたかに唖然とするばかり。
 とは言え、個人的には70年の「Elton John」と71年の「Madman Across The Water」がちと苦手。ポール・バックマスターのストリングス・アレンジが大フィーチャアされてて叙情的なんだろうけど、エルトンのボーカルはその弦の森に埋もれているみたいで、聴いてて息苦しい部分もある。
 だから、バンドと一緒にロックンロールしてる彼のほうが断然好き。

 そんなエルトン・ジョンは明らかにワーカホリックで、80年代後半からは、だいぶエネルギー切れを起こしていた。サントラなどで活躍しつつ、少しアルバム制作のペースが落ちた2000年代になっても、いまひとつピンとくる作品がなかったのだが、2010年に「憧れの人」レオン・ラッセルとの共演盤で、何かが吹っ切れたのでは?
 このアルバム「The Union」は、どちらかというと、レオン・ラッセルに敬意を表して、エルトンが控えめにしている感じだし、常に頑張ってきたエルトンに比べ、早々と隠居みたいになったレオンのドロドロさが明らかにスゴイんだけど、そんな本物のレイドバック感に、ワーカホリック・エルトンは良い影響を受けたように思う。
 そんな勝手な憶測はどうであれ、2013年には「The Union」と同じプロデューサーによるエルトン自身の新作「The Diving Board」が登場し、個人的にはここでのエルトンは、実に深いなぁと思っている。

 そんでもって、昨年のライブでの素晴らしさ。本当に凄いなぁと感無量であります。
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by harukko45 | 2016-01-04 16:24 | 聴いて書く

グラミー賞2013

 毎年楽しみであるグラミー賞の発表が2月11日にあり、朝からテレビ中継に見入っておりました。でもって、今回はある意味で大きな転換点とも言えるイベントだったと感じました。つまり、昨年のアメリカ音楽業界では大きな地殻変動があったのだという証明。
 それが象徴的に表れたのが「最優秀アルバム部門」で、ノミネートされた作品がどれも力作・秀作揃いで、かなり面白い「アルバム・オブ・ジ・イヤー」となりましたわい。
 
 ここ数年のアメリカ音楽の傾向は、R&B/ヒップホップ&ダンス・ミュージック系vsアメリカン・アイドルを含むカントリー・ミュージック系による2分化が顕著だった。しかし昨年は、ずっと低迷していたロックがついに復権のノロシを上げ、大きなヴァイブを生み出すようになった。
 とは言え、今注目される各アーティスト達は、それほど時代性を意識せずに地道に音楽制作してきた人が多く、確実に支持者を増やしてきた彼らのことを、保守的だった業界関係者がついに認めるようになったと言う事かも。

e0093608_1552040.jpg まずは、ザ・ブラック・キーズ(The Black Keys)。彼らは2001年結成なので、もはや10年以上のキャリア。だが、俄然注目されたのは2010年の6thアルバム「Brothers」ぐらいからで、私もここから。これもかなり良いんですが、まだガレージっぽさ、オタクっぽさが強いかも。ところが、昨年出た7作目「El Camino」が文句なしでイイ!1曲目の"Lonely Boy"を聴くだけでもサイコー!PVもサイコー!ブラック・キーズを聴け!



 今回のグラミーでは、この"Lonely Boy"が『最優秀ロックパフォーマンス』『最優秀ロックソング』受賞。「El Camino」が『最優秀ロックアルバム』受賞。でもって、ギターとヴォーカルのダン・オーバックが『最優秀プロデューサー』をも取ってしまった。プロデュースということでは、「El Camino」だけでなく、ニューオーリンズの生けるレジェンド、ドクター・ジョンの最新作「Locked Down」が彼のプロデュースで、これまた良い。だからの受賞だと思うし、ブラック・キーズとドクター・ジョンのコラボでのパフォーマンスも楽しかった。おっと、ドクター・ジョンは『最優秀ブルース・アルバム』を受賞してました!



e0093608_15522853.jpg ブラック・キーズと比較されることの多いにジャック・ホワイト(Jack White)。これまでに、The White Stripes、The Raconteurs、The Dead Weatherとして素晴らしい作品を出し続けて、私は2000年以降の唯一無二の大天才として敬愛しているのだが、そのジャックが、昨年ついに初めての完全ソロ・アルバム「Blunderbuss」をリリース。これが、実にクールな出来で、もう。
 ただし、彼の場合はこれぐらいは軽々やってしまえるので、私には少し期待外れだったことも確か。彼にしては、ちょっと慎重な仕上げだったのでは、とも思う。だが、それでもかなりカッコイイのですがね。
 残念ながら、今回はノミネートのみで終わってしまったものの、授賞式でのパフォーマンスは圧倒的に凄くて、2010年以降のロックにおいても、彼の存在は最重要であること証明したのでした。ジャック・ホワイトを聴け!



グラミーでのパフォーマンスはコチラ

e0093608_15522548.jpg 3人目は唯一のブラック系である、フランク・オーシャン(Frank Ocean)。彼のデビュー・アルバムである「channel ORANGE」は本当に素晴らしい。だが、実は2011年のミックステープである「Nostalgia, Ultra」も良くって、個人的にはこちらの方が大好き。



 とは言え、今回賞賛されている「Orange」もきっとブラック・ミュージックの歴史に残る作品。とにかく、このところ「マッチョ」ばかりが売りだった気配のR&Bの流れを大きく変える力を持っている。彼の繊細で幻想的な世界は、ジャンルの垣根を越えてしまう豊さと深みがある。それに、何と言っても聴いていて「気持ちがいい」。
 今回は主要3部門を含む6部門にノミネートされる快挙だったけど、残念ながら『最優秀アーバン・コンテポラリー』『最優秀ラップ/ソング・コラボレーション』の2つのみの受賞だったのが「?」。

e0093608_15521351.jpg フランク・オーシャン同様に6部門のノミネートだったファン.(Fun.)は、『最優秀ソング』と『最優秀新人』を受賞。これで、アルバムも取ったらオジサンは怒っちゃうけど、まぁ、そうはならず。
 彼らは2008年の結成ながら、それまで個々にキャリアを積んできた人達で、最優秀新人賞と"We Are Young"で最優秀ソングを獲得した時のスピーチが「僕らは実は若くはないんだ。12年間音楽活動をしている。ファンのみんなのおかげでやってきました」。頑張ってやってきたことが見事に報われたのでした。
 ポップで親しみやすいメロディだし、歌もパワフルでウマイし、曲全体がミュージカルっぽい作りなのが特徴。どことなくクイーン風かな。アルバム「Some Nights」は楽しいし、元気いっぱいで良いんだけど、長く聴いていると疲れので、評価は微妙。ただ、ロックとしては久々に売れに売れて「ニッケルバック以来の歴史的快挙」とか「ロックバンドではコールドプレー以来」ということだから、受賞は当然か。



e0093608_15522243.jpg でもって、『最優秀アルバム』を受賞したのは、マムフォード&サンズ(Mumford & Sons)の「Babel」。これはかなり意外。昨年のアデルに続いて、またしてもイギリス勢とは。
 ただ、彼らはイギリスのバンドなのに、やっているのはアメリカのブルーグラス、カントリー&フォークをベースにしているし、ライブでのパフォーマンスもなかなか素晴らしいんですなぁ。そこら辺がアメリカでも熱狂的に受け入れられているのでしょう。
e0093608_19264080.jpg 何しろドブロ・ギターの神様で、あのUnion Stationのメンバーであるジェリー・ダグラスさんのアルバムにも呼ばれるぐらいだし、ライブでも共演してるし。
 私としてはちょっと力が入りすぎに見えるのと、「実はものすごくナイーブです」的ムードが、ちょっと引くんですけどね。

 でも、結局のところ売り上げが凄くて、全米チャートに6曲もランク・インし、ビートルズに並んじゃったんだから、これはもうかないません。ザ・ルミニアーズ(The Lumineers)なんかと共に、こういうバンドがまさにトレンドでもあるのでしょう。エコ志向というか、ナチュラル志向というか。



e0093608_18461319.jpg 「アルバム・オブ・ジ・イヤー」にはノミネートされてなかったけど、出来れば新人賞をあげたかったのは、アラバマ・シェイクス(Alabama Shakes)。彼らのデビュー・アルバム「Boys And Girls」は結構聴いてますし、大好き。ボーカルのBrittany Howardがサイコー。グラミーでは、ザ・バンドのリヴォン・ヘルム・トリビュートで、名曲"The Weight"をエルトン・ジョンやメイヴィス・ステイプルズとともに、堂々たる歌で聴かせてくれた。
 まだまだ、伸びしろのあるバンドだから、新人賞なんかで終わる感じじゃない。だから、結果オーライかも。アラバマ・シェイクスを聴け!



グラミーでの"The Weight"はコチラ
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by harukko45 | 2013-02-14 19:32 | 聴いて書く

D'Angelo 2000年のライブ

 昨年は、ディアンジェロが12年ぶりにライブに復帰しヨーロッパ・ツアーを敢行、アメリカでもいくつかのイベントに登場し、それらの映像もずいぶんアップされて、その内容の素晴らしさに狂喜乱舞したものだった。そして、待ちに待たされたニュー・アルバムも97%(!)完成したとの情報もあって、個人的にはジャック・ホワイトの初ソロ・アルバム、ノラ・ジョーンズのDanger Mouseプロデュースでのニュー・アルバムとともに、2000年代のお気に入りアーティストそろい踏み3部作になるはずだった。

 が、また、ディアンジェロにはだまされた(?)ようだ。「James River」は結局まだリリースされない。ということで、私はその代用(?)として、フランク・オーシャンの「channel ORANGE」を聴いていたのでした(いやいや、これも良い作品!)。

 ところが、最近になって2000年の「Voodoo」ツアー時の映像があることを知った。何たることか。それも、音質・画質かなり良し。でもって、この時の内容がもう圧倒的。いろんな意味で残念なことではないか、本当にこの天才は何をやっているのか!

 というわけで、このライブをここにリンクして、しばし溜飲を下げることにする。とりあえず昨年、ミュージック・シーンに復帰してくれたのだから、まずは喜ばなくては。そして、近々の完全復帰をじっと願うのであります。









July 16, 2000 North Sea Jazz Festival – The Voodoo Tour

D'Angelo: vocals, keyboards
The Soultronics:
Ahmir “Questlove” Thompson: drums
Frankie “Knuckles” Walker: percussion
Pino Palladino: bass
June Bervine (or sometimes James Poyser): keyboards
C. Edward “Spanky” Alford & Samuel “Norris” Jones: guitars
Anthony Hamilton, Shelby Johnson & Jack King: background vocals
Jacques “Brother Jacques” Schwarz-Bart: tenor saxophone
Russell Gunn (or sometimes Roy Hargrove): trumpet
Frank “Root” Lacy: trombone & trumpet

Sam Champ x Okayplayer – D’Angelo Live! [Mixtape]
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by harukko45 | 2013-01-26 19:19 | 聴いて書く

第54回グラミー賞

 今年のグラミー賞授賞式は、前日のウィットニー・ヒューストンの突然の死が全体を覆うような感じでした。特にR&B系のアーティスト達にはショックと悲しみが、少なからずパフォーマンスに影響を与えていたのかも。WOWOWの放送でゲストとして登場したパティ・オースティンが、そういった若いアーティスト達に激を飛ばすようなシーンがあったのは印象的でしたなぁ。
 WOWOWの特設スタジオに登場したゲストの中では、パティの他にもシンディ・ローパーがなかなかの毒舌で面白かった。特にラストのポール・マッカートニーらによるアビイロード・メドレーでのパフォーマンスで、6人の男性ギタリストがソロを回しまくるシーンを、「男、男、男、男...」これじゃまるで性差別よ、なんて言ってたし。この二人のオバサマの歯に衣着せぬ元気な発言に個人的には大いに盛り上がっちゃいました。

 とは言え、各パフォーマンス、今年はなかなか見所が多く、これはこれでかなり楽しめました。

 まずは、オープニングのブルース・スプリングスティーン、さすがです。サックスのクラレンス・クレモンズが昨年亡くなったのが、ほんとにさみしいが、それでもスプリングスティーンは立派に健在ぶりを示した。

 一昨年から大ブレイク中のブルーノ・マーズは、正直ヒットした曲がどれも好きになれない感じだったのだが、今回の50(60?)年代風に決めたパフォーマンスは楽しかった。まぁ、曲自体はたいしたことないんだけど、ノリの良さで飽きさせなかった。後半はジェームス・ブラウンになり切ったりしてたのもなかなかでした。

 今年1月に亡くなったエタ・ジェイムズへのトリビュートで、アリシア・キーズとボニー・レイットの競演。うー、スライドが聴けなかったのは残念だったが、ボニー・レイットがやっぱり素敵だった。(シンディ・ローパーが「なぜ彼女にスライドを弾かせないの!」とお怒りでした/ちなみに、これはポールのパフォーマンスの時ですが。)

 クリス・ブラウン、ダンスは頑張ってましたが、興味なし。
 ジェイソン・アルディーンとケリー・クラークソンのデュエットも、フムフムなるほどって感じ。ヒップホップ・ダンス系vsカントリー系という2大勢力による図式は今年も顕著な特色でした。その谷間でロックは沈む。

 フー・ファイターズ、実は数日前に彼らの自伝映画と言える「Back And Forth」を観て、何とも興味が再び沸いてきていたので、けっこう期待してました。前から結構好きではあるんだけど、ここ数年はちょっと遠ざかっていたわけで。まぁ、とにかくガンバッテる!って感じがするバンドで、憎めません。なんだかんだ言ってもデイヴ・グロールの男気あるリーダーシップなしでは、ここまで来てないでしょう。

 リアーナとコールドプレイ、こちらは興味なし。コールドプレイも、ずっと売れ続けてすごいとは思うけど、どうにも彼らへの熱はすっかり冷めてしまった。そういえば、リアーナとクリス・ブラウンは元恋人で、暴行事件起こして破局したんだっけ。それでも、両方をステージに上げちゃうアメリカの芸能界はすごい。

 ビーチ・ボーイズ50周年再結成へのトリビュート。マルーン5なんか引っ込め!フォスター・ザ・ピープルは許す。そして、本家ビーチ・ボーイズの登場での"Good Vibration"には、いろんなことを全て抜きにして、感動です。メンバーはみんな化石のように固まってたけど。ダリアン・サハナジャをはじめとするブライアン・ウィルソンのバックバンドの面々が支えていたので、パフォーマンス的には安心して楽しめた。

 ブライアンの後に、ポール・マッカートニー。これも因縁付けかな。ポールははっきり言って怪物的な部分があるので、永遠に若いのでしょう。新譜のアメリカン・スタンダード集に合わせたパフォーマンスは、あまり好みじゃなかったけど、相変わらずレベルの高さは十分示しました。

 テイラー・スウィフト。いやぁ、やっぱ好きですし、このところ一段と美しくなりました。こういうパフォーマンスを常にコンサートでやっているんだったら、きっと楽しい。それから、彼女を紹介するために「前座」として歌ったザ・シヴィル・ウォーズ、かなり良かった。注目したい。

 ケイティ・ペリーは、元夫へのあてつけパフォーマンスだったそうだが、まぁ、元々期待してないので、どうでも良かったです。

e0093608_22172871.jpg アデル。2年前の素朴な感じも好きだったけど、今回は文句なしの6冠制覇。始まる前から「アデル・ナイト」を予想していた人は多かったし、まさにその通りになった。パティ・オースティンからも大絶賛のコメント(WOWOWでのインタビュー)だったし、「今まさにイノベーションを起こしているのよ」とまで言わせたのだから、凄い。ただし、喉の手術を受けた直後ということについて、パティは「発声が悪いから」と一喝。「オペラの発声を習うべき」とも発言していたのが、興味深かった。

 とは言え、「Adele 21」が良い出来なのは間違いない。なぜ、このアルバムが去年こんなにも売れたのかについての分析は、ミュージック・マガジンの1月号での長谷川街蔵さんの記事が面白かった。
 簡単に言うと、リベラルと保守に分断されたアメリカでは、ポップミュージックの世界も、ヒップホップ〜R&B〜ダンス系とカントリー〜アメリカン・アイドル系に分断されてしまっており、そのリスナーの壁を飛び越えたのが、イギリス人ボーカリストだったということ。どちらかの陣営のみターゲットにしたアーティスト達は知名度や露出度の割に売り上げには結びつかなかった。

 それに、派手な仕掛けやダンス中心のパフォーマンス(どうせクチパクだし)も、そろそろ飽きました。そこに、彼女のように、「歌のみ」で勝負してきたのは圧巻だった。

 グレン・キャンベルへのトリビュート。この日、一番感動した!バンド・ペリーとブレイク・シェルトンもすごく良かったですし、最後に迎えた御大グレン・キャンベルがなんと素晴らしかったことか!"Rhinestone Cowboy"に涙ですよ、涙。

 ジェニファー・ハドソンのウィットニー・ヒューストン・トリビュート。突然の悲報を受けて急遽行われたパフォーマンスだったろうが、よく頑張っていたと思うし、大役を見事につとめた。歌った"I Will Always Love You"はドリー・パートンのバージョンの方が好きだし、ピアノが一瞬違うコードに行ってドキっとしたが、それでも思わず聴きながら熱いものがこみ上げる瞬間があった。
 ウィットニー・ヒューストンは素晴らしいボーカリストだったし、本来ならクイーンとしてもっと長く君臨することのできる人だったと思う。

 トニー・ベネットとキャリー・アンダーウッドは、ピアノの方がうまくて素敵でした。「アメリカン・アイドル」出身のキャリー・アンダーウッドもこういうスタンダードがうまいことがよくわかりました。

 クリス・ブラウン&デイヴィット・グエッタ、フー・ファイターズ&デッドマウ5。これは企画だおれ。まぁ、こんなもんでしょう。無理して、若向きにしなくてもいいのでは。メジャーでやっても面白みはない。

 ニッキー・ミナージュ。演劇的な部分は面白かったけど、全体としては「なんだかなぁ」でした。

 そして、アデルが6冠達成した後に、大ラスは再びポール・マッカートニーで、自身のバンドを引き連れての「アビーロードBサイド・メドレー」の「ポール部分」ラスト3曲。これは、ビーチボーイズの"グッド・バイブレーション"と同じで、まず、なんだかんだ言ったって、圧倒的に音楽レベルが高いってこと。でもって、結局、これらの偉大な楽曲を越えるようなものをポップミュージックは未だに作れていないって結論。
 60年代に魔法のようなポップスを作った、かつての(今も)スター達は、ついに70才へ。正直、この日の出来はそんなに良くはなかったし、スプリングスティーンやジョー・ウォルシュ、デイヴ・グロールを加えてのいかにもグラミーっぽい演出がダサかった。でも、"The End"の抗し難い素晴らしさに、文句なんて誰が言えるかってこと。

 などなど、と要らぬ御託を並べながらも、大いに楽しんだ今年のグラミーでした。
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by harukko45 | 2012-02-14 23:11 | 聴いて書く

 (水越けいこさんのツアー詳細(5)の中で、脱線として書いていた、ボズとTOTOについての部分をこちらに移しました。前のだと、少々バランスが悪くなってしまったので。)

 以前にBS-TBSで、ボズ・スキャッグスの"We Are All Alone"を取り上げて、掘り下げる番組(Song To Soul)が放送されたのですが、まさしく、この曲を含む「Silk Degrees」セッションこそがTOTO誕生のきっかけですし、また、水越けいこさんと私とで、一度だけこの曲をライブでカヴァーしたこともあったので、なかなか興味深く見入ってしまいました。

e0093608_16174091.jpg インタビューでは、ボズ本人を中心に、1976年の傑作アルバム「シルク・ディグリーズ/Silk Degrees」のアレンジャー&共同コンポーザーであったデイビット・ペイチも多くを語ってくれました。
 で、面白かったのは、アルバムのプリ・プロダクションとして、ボズがペイチの家に泊まり込んで、ずっと二人で曲作りをしていたことです。そこで、生まれたのが"Lowdown"や"We Are All Alone"というわけです。朝起きて、すぐにピアノに向かい、ボズのイメージを聞いて、ペイチがコードを刻んでリズム・パターンのアイデアを出す、そこにボズが歌いながらメロディを組み立てる。そんな作業を延々と繰り返していたようです。

 その後、レコーディングは快調に進んで、ご機嫌なトラックが完成していたのですが、"We Are All Alone"のみ、歌詞がどうしても出来ず、締め切りギリギリにまで追い込まれたとのこと。で、その期限が来ても書けなかったボズは、マイクの前に立ってようやく言葉が降りてきた、って言っておりました。ほんまかいな?まぁ、追いつめられないと浮かばないって感覚は、私にもあることですから、よーくわかります。

 だが、驚いちゃうのがそれからで、実は歌詞が出来ない事で頭が一杯だった彼は、リズム・トラックのレコーディングの時から、本気で歌っていなかったとのこと。だが、実際に本番の歌入れで合わせてみたら、キーが高かったことに気がついたって言うんだから。
 でも、もうキーを低くすることは出来ない。なので、数小節歌っては休み、歌っては休みでレコーディングを何とかやり終えたとのこと。これは、にわかに信じ難いのだが、もし本当なら、あれだけのミュージシャン達が揃っていても、そんなドジな話があるのねぇと、ちょっと安心するかも。

 ただ、キーが高くて苦しい状態で歌ったことで、あのたまらないほど切ないムードが出たのだったら、それこそ神様の贈り物だってことです。

 そして、ここでのセッションに結集していたのが、David Paich, Jeff Porcaro, Steve Porcaro, David Hungateで、そのままTOTOへと発展するのです。
 とにかく、デイビット・ペイチのアレンジャーとしての能力の高さも十分に示された傑作「Silk Degrees」は全米2位の大ヒットで5xプラチナ・アルバムとなり、グラミーも取った("Lowdown")のでした。私もかなり聴き込み、惚れ込みましたよ、当時。

e0093608_16135889.jpg そもそも、サンフランシスコのブルーズ・ロック系のミュージシャンだったボズ・スキャッグスが、バンドでの活動をやめて、LAのスタジオ・ミュージシャンを使ってのレコーディングを始めたのは、1974年の「Slow Dancer」からで、このプロデューサーがジョニー・ブリストル。モータウンで活躍した彼の見事なプロデュースのおかげで、ルックスも音楽も野暮ったかったボズはいきなりスタイリッシュに変身したのでした。

e0093608_17284425.jpg 正直、昔に聴きすぎて、ちょっと飽きちゃった「Silk Degrees」よりも今は「Slow Dancer」が好きです。こちらの方がソウルフルなんですね。ちなみに、私が初めてみたジャケットは右上なんだけど、別ジャケ(左)も存在する。個人的には水着スタイルの方が「っぽい」感じで好きだなぁ。
 それから、ペイチが先の番組で、"We Are All Alone"のストリングス・アレンジについて言及していて、これは彼の父であり、有名なアレンジャーであるマーティ・ペイチ氏にたのんだそうで、ここでは、マーティ氏がチャイコフスキー風の3オクターブのボイシングをしているのだそうだ。その効果は素晴らしく、息子デイビットは「このサウンドの素晴らしさは、前のアルバム(「Slow Dancer」)のストリングスと聴き比べれば、よくわかるはずだ」って自慢してました。
 なるほど、マーティ氏のアレンジの美しさはよくわかりますし、見事ですが、前作でのH.B. Barnumさんのアレンジは、まさにR&Bって感じで、これも好きですなぁ。

 さて、ボズはこの後、アダルト・コンテンポラリーの代表的存在として君臨。特に日本での人気は高く、日本特有の呼称であるAOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)のキングとなったわけです。私も、78年の初来日時に武道館に行きました。上下真っ白のファッションで、やったら姿勢が良かったのを覚えています。

e0093608_14405766.jpge0093608_14405159.jpg ペイチの代わりにマイケル・オマーティアンと組んだ、77年の「Down Two Then Left」、デイビット・フォスターと組んだ80年の「Middle Man」もプラチナ・アルバムとなり、リリース当時にはよく聴きましたなぁ。
 私は、デイビット・フォスターがプロデュースに関わっているものは、基本的に苦手、はっきり言って嫌いなのですが、例外として、アース・ウインド&ファイアーとの仕事(「I Am」「Faces」)と、ボズとの仕事(「Middle Man」)は文句無くカッコイイと思います。

 とは言え、やっぱり「Slow Dancer」に戻っちゃいますね、どうしても。

 さて、TOTOは「Silk Degrees」以後もスタジオ・ミュージシャンの仕事とバンド活動を両立させ、共に大成功を収めていきました。

e0093608_1863497.jpg 78年のファーストは日本でもかなりの衝撃を持って迎えられた記憶があります。日本の洋楽ファンは、ジャケットの裏にクレジットされたミュージシャンの名前を見て、そのアルバムの価値を計っていた時代ですから、LAの若手売れっ子スタジオ・ミュージシャンがバンドとしてデビューするというのは、もの凄いインパクトでした。2曲目"I'll Supply The Love"のAメロでのリズム・パターン(ダダッタッタダッタ)と3曲目"Georgy Porgy"のサビのコード進行にしびれまくりました。

e0093608_187264.jpg 翌79年のセカンド「Hydra」はすごく好きでしたね。今聴いても、かっこいいと思うし、アルバムとして一番充実していると思う。彼らはいったいAORなのか、ロックなのか、って批判はずっと言われ続け、「産業ロック」とまで揶揄されるのですが、ある意味、そんなのどっちでもいいじゃんって思わせるのが「Hydra」です。こういう路線ならネオ・プログレ・ハード・ポップ・ロックって感じで、ずっと支持できたのになぁ。今思えば、2ndまではデイビット・ペイチが音楽的な主導権を握っていたのが、この後じょじょに合議制になっていったのだろう。

 この直後、80年に彼らは初来日し、私も観に行きました。演奏は素晴らしかった。でも、ルックスが最低でした。ぜんぜんロック・バンドじゃなかった。一番カッコよかったのは、ベースのデイビット・ハンゲイトで、彼のクールさは素敵でした。

e0093608_1872038.jpg 81年の「Turn Back」は、よりロックなザックリ感を目指したのが明らか(ジャケットもなめてるし)。ライブっぽい音で、健康的なアメリカン・ロック・バンドという姿を示したかったのだろう。そういった意味では演奏うまいし、全く文句なしの好盤だけど、それだったら、ヴァン・ヘイレン聴いた方がもっと楽しいかな。やっぱり、彼らはちゃんと頭使って、作り込む方向で行って欲しい。でも、"Goodbye Elenore"は最高。これ1曲で、全て許す。あと"English Eyes"かな。

e0093608_7122898.jpg 82年の「TOTO IV」は、完全にAOR路線に変更。しかし、それが時代にはピタリあってたし、そろそろ大成功したいという意欲に満ちていた感じが伝わる。それほど、とことん制作にこだわったに違いない。
 で、どうのこうの言っても、"Rosanna"でしょう。ポーカロのドラムはつねにいいけど、この曲ではさらにカッコイイし、サビ前のキメでのブラスには、もうお手上げでしょう。
 その後も完成度の高い曲が続くけど、"Rosanna"が良すぎて、個人的にはそれほどピンとこないまま、ラストの"Africa"まで行ってしまう。でも、この曲は素晴らしいです。
 とにかく、「TOTO IV」は3曲のヒットを生み、グラミーを6部門受賞という快挙をなしとげた代表作となり、彼らはこの世の春を味わうのでした。

 しかし、この大成功が逆に彼らの分裂、低迷、悲劇への道に結びついてしまう。

e0093608_156739.jpg ボーカルのボビー・キンボールの脱退は、まぁ何とかなるかと(主要な曲はペイチとルカサーがリード取っていたから)思うけど、個人的にはベースのデイビット・ハンゲイトの脱退は、かなり魅力半減につながった。
 そして、84年の「Isolation」以降のアルバムはセールスが一気にガタ落ち。ところが、日本だけちゃんと売れてたんだな。日本のファンは偉いなぁ。ただ、私はTOTOへの興味はこの時点でかなり薄れてしまいました。それは、ボズ・スキャッグスについてもそう。だいたい、ボズなんか「Middle Man」後に活動休止して、レストラン経営に専念してたんだし。

e0093608_1562514.jpge0093608_1561649.jpg とは言え、80年代後半にかけてのTOTOのアルバムは、どれもそんなにひどくはない。結局、スタジオ・ワークのプロフェッショナルが集まったバンドだけに、それほど質は落ちなかった。また、日本のファンはきっちりとこの辺のアルバムを聴きこんで、高く評価している人も多いようだ。でも、好きかって言ったら、ノーです。ここ最近、あらためて聴き直しましたが、やっぱりダメでした。これなら、「Hydra」に「Turn Back」します。基本的に今の私には、この2枚がTOTOです。

 TOTOの最大の悲劇は1992年のジェフ・ポーカロの死です。この素晴らしいドラマーがいなくなってしまっては、もはやTOTOにはなりません。まして、デイビット・ペイチがかつてのような精彩を放たなくなってきていたので、もはや聴くことはなくなってしまいました。

e0093608_15413434.jpg ということで、私の知るTOTOは、92年の「Kingdom Of Desire」までです。ジェフ・ポーカロが参加した最後のアルバムであり、リードボーカルはすべてスティーブ・ルカサーになってしまいました。相変わらず、演奏はうまいですし、曲も悪くないです。だからこそ、かえって共感できない部分が残ります。音楽って不思議です。なんか、最後までいい演奏をし続けるジェフのプレイを聴いていると、この直後の突然の死を考えて、やけに痛々しく感じます。

 ボズ・スキャッグスとTOTOは2008年に来日してジョイント・ライブを行ったとのこと、知らなかった。ボズはこのところはジャズのアルバム出してたし。みんな、年取るとジャズやりたがるんだなぁ、彼は2枚も出してるけど、正直、私には微妙です。

e0093608_1954135.jpg e0093608_19554410.jpg やっぱ、「Slow Dancer」に戻ります。いやいや、どうせなら、60年代後期から70年代初期のサンフランシスコ時代まで遡った方が楽しいな、きっと。
 1969年の「Boz Scaggs」はマッスル・ショールズでの録音で、ブルーズに根ざした秀作。1971年の「Moments」も良いです。こっちの方が今っぽい。
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by harukko45 | 2011-10-21 00:00 | 聴いて書く

 2004年に亡くなった指揮者カルロス・クライバーのドキュメンタリー"I Am Lost To The World"をNHK-BSプレニアムが昨夜放送した。多くの関係者、楽団員らのインタビューとその当時の貴重な映像と音によって構成された内容は実に興味深く、謎に満ちたこの天才指揮者の一生を少しでも垣間みることが出来るのは、ファンとしてとてもうれしいことだ。(別制作のもう一つのドキュメンタリーである"Traces To Nowhere"も来週放送予定)

 特に、冒頭から随所に挿入される「トリスタン」の指揮ぶり(バイロイトのオケピットでの隠し撮り?)が、もう凄い。また、オーケストラとのリハーサルにおいて、巧みな比喩を使った表現で、楽団員に説明するシーンはすごく面白いし、それでいて実に繊細緻密なこだわりに感動してしまう。だからこそ、いざ本番になった時の、バレエのごとく踊るような華麗な指揮ぶりが、ますます魅力的に思えてくる。それは、彼がまさに音楽の化身となった瞬間であり、この美しさに私はメロメロになってしまう。
 もちろん、見た目の良さだけでない、その指揮から生み出される音が、他を圧倒的に引き離す素晴らしさだからこそ、彼の虜になってしまうのだった。

 その一方で、日頃の気難しい性格や、極度の神経過敏さ、父への大いなる敬意とコンプレックスについての話や、それが引き起こす数々のトラブルは、まさに天才ならではの伝説と思いつつも、やはり、それによって失った貴重な音楽的財産も大きかったことが悲しく感じられた。
 彼は、その才能の凄さに比べて、あまりにも残した作品が少なすぎた。

 さて、ドキュメンタリーの後に、1986年の来日時に収録されたバイエルン国立管弦楽団とのベートーヴェンの4番と7番、アンコールでのヨハン・シュトラウス「こうもり」序曲とポルカ「雷鳴と雷光」、1996年のミュンヘンでの同じバイエルン国立管弦楽団とのベートーヴェン「コリオラン序曲」、モーツァルトの33番、ブラームスの4番が続けて放送された。

 まずは、86年のは彼の「絶頂期」とも言える時期の演奏だけに、ずっと興奮しっぱなしだった。7番はロックなんか吹っ飛んでしまう。アンコールの2曲も最高。インタビューの中で「オペレッタが一番難しい」と語っていたのが印象的だったが、これほどまでに精微に練られていながら、強烈なインパクトと推進力を失っていない演奏というのはもの凄い。これで、興奮しないなんてあり得ない。人見記念講堂での観衆の熱狂ぶりは当然だった。

 そのちょうど10年後のミュンヘンはDVDで持っているのだが、クライバーの生前最後の正規映像であり、彼自身の老いぶりが著しく、その重苦しさから、一度見ただけでしまい込んでしまったもの。だが、昨日は引き続き見てしまった。正直、「コリオラン」と「33番」では、やはりクライバーの老け具合、体調の悪さが気になって、見ているのが辛くなるし、音楽自体にエネルギーが乏しい部分が随所に感じられて残念な気持ちになった。
 ところが、ブラームスの4番では、これまで感じた事のない「寂しさ」がひしひしと伝わってきて、彼自身の心とブラームスの音楽が見事に一体化していたことに気づかされた。もう、夢中になって聞き入って(見入って)しまったのだが、そのエンディングのあっけなさまでが、何とも切なく感じられるとは、本当にまいった。

e0093608_20381123.jpg 彼が死の直前、その1年前に亡くなった夫人の故郷にある別荘(そこが彼の臨終の場所)に向かう時、その車中では彼がウィーン・フィルと録音したブラームス4番が流されていたという。


 
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by harukko45 | 2011-04-03 19:01 | 聴いて書く

ブルーハーツ/旅人

 ブルーハーツはそんなに好きじゃないですけど、1993年の「旅人」はインパクトありました。ホリエモンのツイート見てたら、むっちゃ聞きたくなったので、YouTubeで。



 というわけで、
 intro(G/G/G/G)
 プルトニウムの風に Oh 吹かれていこう(C/C/Am/Am/F/G/C/C)
 プルトニウムの風に Oh 吹かれていこう

 旅人よ 計画通りに いかないことが たくさんある(FG/C/FG/C/FG/C/FG/C)
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by harukko45 | 2011-03-29 02:39 | 聴いて書く

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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