アジア・カップ予選、イエメンに勝つには勝ったが、何とか勝ったって感じだろう。内容的には前任のジーコ時代のチームが退いて守るチームに手こずっている時と変わらないものだった。特に前半は同じような状況の繰り返しで、正直仕事から帰って録画を見ながら、寝てしまいそうになった。
 とにかく、攻めても攻めても相手DFがいっぱい、苦し紛れのクロスを上げても可能性を感じないものばかり、たとえFWに渡ってもシュートは外れてばかり。実は、見ている時はすでに結果を知っていたので、イライラすることはなかったが、テレビに映るオシム監督の不機嫌さの方に興味津々といった具合だった。

 後半、セットプレイで2点取って何とか面目を保ったが、オシムの選手交代(羽生、佐藤)がずばり的中したと言ってもいいかな。サントスはFKで2アシストだったが、それ以外は前の代表チーム時代を思わせるようなプレイが目立って、ちっともいいとは言えなかったし、遠藤もしかり。要はドイツ組が増えたことで、全体的にも前のイメージに近いサッカーだった。それで、ギリギリの時間で何とか勝利するパターン。
 もし、ジーコだったら「苦しい状況の中、最後まであきらめない気持ちを持って、勝ち点3をもぎとった!」と絶賛するだろうが、今のオシムは試合後の記者会見で、煮え切らないありきたりの質問ばかりのマスコミ関係者に愛想を尽かして、「皆さんが聞かないので、私からお話しよう。私は(今日の試合は)不満だ!」とぶちまけた。

 スポーツ・ニュース等で報道されている通り、オシムの分析では「アイデアのある攻撃ができていない。ディフェンス・ラインでのボール回しが遅すぎる。まるで各駅停車で、その駅も多い。その間に敵の守備は整ってしまう。これでは崩せない。FKも打ち合わせとは違う蹴り方をしていた。」等、苦言の嵐。
 はっきり言って、試合そのものよりもオシムの会見の方が、数段面白かったよ。もし、私が報道記者だったら、彼の会見はたまらなく楽しいだろうし、実にやりがいのある仕事となるだろうと思う。

 次の9月の中東でのアウェイ戦では、選手の入れ替えも示唆。常に選手達を刺激し、奮起を促す。それは、選手だけでなく、マスコミや我々サポーターにも刺激的だ。
 実際の選手が注目されないのは問題ではあるが、何だかんだ言っても今の現状ではオシム監督の言動に注目せざるを得まい。十分な経験と実績のみならず、豊かな知性と哲学を持ち合わせた外国人「教師」の登場は、サッカーのみならず日本の社会論や日本人論にまで波及していくかもしれない。
 目先の勝利は有るに越した事はない。が、彼が描く「日本化=世界化」サッカーという長期ヴィジョンへの道のりを見守ることはもっと大きな楽しみ与えてくれる気がする。
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by harukko45 | 2006-08-17 22:13 | スポーツ

 昨夜は東京湾をクルージングする船上での水越けいこさんのディナーショウだった。私としては、一昨日のような失敗を繰り返さないような演奏を心掛けなくてはならない。
 で、この日の私のテーマは「マケレレになる」こと。現サッカー日本代表監督、オシムさんが語ったコメントの一つに「私にアピールしようとプレイをする選手はいらない。必要なのは、人(あるいはチーム)のために走り、ある時は人のためにファウルをしてでも守り、ある時は人のためにゴールに向かって攻め上がれる選手。そういう選手を日本ではたくさん作らなくてはならない。例えて言えば、チェルシーのマケレレのような。」

 ということで、本日から心にマケレレの名札を刻み込んで、ステージに向かうワダハルでありました。

 m1.In The Stars
 スタジオ盤のテイクは非常にゆるい流れの中で、隙間の多い個性的なサウンドと、けいこさんの中では珍しい妙なコード展開による難曲。でも、もともとジャズぽいビートとムードなので、今回のオープニングには最適だった。それに、私のピアノだけだったのが逆に分かりやすい感じになったのでは。けいこさんのゆったりとした(あるいは、オットリとした)ボーカルの良さが生きたと思う。
 私も間奏からメロに戻る辺りがとてもうまく出来た。レイドバック気味のノリと船の適度な揺れのマッチングがすごく効果的だったんじゃないかな。

m2.海潮音(みしおね)
 去年出した曲で、私がアレンジさせてもらった。なので、よくわかっているのだが、ピアノだけでやるのはちと寂しすぎる感はあるかな。当初は、もっと大げさな弾き方で盛り上げていたが、ちょっとやり過ぎていた感じだったので、極めてシンプルにまとめてみた。それで正解だったと思う。歌とのバランスはとても良かったが、割と即興的に弾いていたので、最後のまとめにちと不満が残る。

m3.夏草の道
 曲自体はけいこさんらしい8ビートのポップ・チューンなのだが、スタジオ・テイクはライブでは再現不可能な間奏とエンディングになっており、今やるのは少し抵抗があるので、今回用にリ・アレンジした。とは言え、これも私一人なのだから、その場で少しずつ変更していき、本番でもAメロのバッキングをホール&オーツ風の8分刻みに瞬時に変えた。それで、全体のメリハリがはっきりして、なかなかいい判断だったと思う。
 けいこさんに「詞の内容が生きたアレンジになった」と言っていただき、私上機嫌。

 さて、ここからヴァイオリンの下川美帆さんを迎えて3人で。
m4.恋しくて
 ビギンのヒット曲のカバー。ほとんどオリジナルのムードでやってみた。ま、私が一番自由度が高いけど、ここは「マケレレ精神」で、お二人をしっかりと支えなくては! けいこさんの歌声って今風に言えば「癒し系」の典型じゃないかな。こういうゆるさがすごく似合うのだった。
 そして、ミホちゃんがまたいい音色を出してくれました。フレーズのニュアンスも素晴らしかった。いつもだと、少しチャチャをいれてしまいそうですが、ここはしっかりバックに回ってお二人の美女をフューチャーいたしました。

m5.The End Of The World
 そのまま続けてスタンダード曲へ。これも極めて有名な曲なので、シンプルに徹する。ピアノとヴァイオリンのマッチングは伝統的に悪い訳がない。

m6.15の頃
 伊藤薫さんらしいキュンとさせる詞とメロ、それにけいこさんの声でほぼ完璧なので、バックは常に控えめに。スタジオ・テイクはコーラス・ワークが凝っているので、適度にカットしてスリムにしたバージョンでやった。

m7.踊り子
 来ました!踊り子ね。けいこさんの詞がいいんだよね。それをあの声で聴くとタマラんわけだな。それと、佐藤準さんによる極めてヤンチャなアレンジがしびれるのだった。最近のJ-POPにはこういうアレンジする人はいないな。やっぱり昭和の音楽は面白いよ!それに比べれば今は皆「保守的で優等生的」。
 ニューオリンズ風とビートルズ風と歌謡曲風が入り交じって、ジャグ・バンドにラグタイム・ピアノからアナログ・シンセまで登場し、変拍子も使ってエンディングを盛り上げる。それでいて、ちゃんとジャパニーズ・ポップスの世界でまとめられている。
 全体にどのジャンルの音を持って来ても、すべて「インチキ臭く」処理するのが素晴らしいのだった。
 なので、敬意を表して、ほぼ忠実に再現するよう頑張ったね、たった2人で!ちょっと危なっかしいところもあったけど、お客さんの盛り上がった手拍子にも助けられて、すごく楽しかったよ!

m8.二人
 これは最近のけいこさんの名バラードの一つ。私がアレンジして、六川さんや徳武さんと録ったのがスタジオ盤だ。ま、アレンジャー権限により、ほぼそのままやっておりました。

m9.ほほにキスして
 本編最後は、初期のヒット曲を楽しくお贈りしたが、けいこさんのアコギを入れて3人でやったのはなかなか変わったサウンドで新鮮だった。音が足りないとこが良いわけで、妙なバランスになって面白かったのだ。

En.A boy
 けいこさんの新曲で、まだCDで発表はしてないけど、そのうちお披露目するかな?私にはとっても好きな1曲で、ご子息への深い愛情がこもった名曲だと思う。私も気持ちを込めてアレンジさせてもらった。ライブではピアノだけでやったけど、いいエンディングになったと思う。途中、けいこさんはサビに入り損ねたけど、そこはバンドじゃないからお互いにうまく合わせられた。

 さて、私としても「マケレレ精神」で良いパフォーマンスに貢献出来たと思うが、それをより自らの血と肉にするべく今後も続けられるようにしたいと思う。
 そして、水越さんの音楽の豊かさ優しさにも感動したステージだった。
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by harukko45 | 2006-08-17 05:01 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる