サカイレイコ/南青山マンダラ
2009年 02月 27日
ツイン・キーボードになったことで、クラシック・シャンソンの名曲では特にその効果が大きかった気がする。やはり、昔の作品には必ずストリングスやホーンが重要な味付けになっている。それに、鶴来さんがアコーディオンも巧みに弾くので、その時は私がピアノなどのベーシックな方にまわり、なかなか多彩な音になったと思っています。
永田くんもウッドとエレキとを持ち替えてくれたし、ナオちゃんはいろんな引出しからビートを繰り出してくれたのでした。
まぁ、これが初回のライブだったので、もちろん細かい部分等はまだまだではありましたが、もし何回か続けることができれば、面白い化学反応がいろんなところで起きそうな気がします。それだけ、今回のメンバーの組み合わせは私個人にとっても楽しく刺激的でした。
また、久しぶりにシンセの方に専念すると、ピアノでベーシックな役割の時よりも、ちょっと外から音楽を見ることができ、これまであまり気づかなかったことも理解することになりました。やはり、そういった全体を俯瞰しての把握は大事だなとあらためて感じました。私のように、音楽へすぐに入り込んで自ら興奮してしまう者にとっては、なおさらなのでした。
メインのレイコさんはこれまで以上に落ち着いた雰囲気でのステージングでしたし、弾き語りでの力強いピアノなどすごく印象的でした。それに今回のテーマを「スタートライン」としたことで、自ら新しい第一歩と位置づけて、これまでとは違った方向性へ大胆に踏み出そうという意欲を強く感じました。
ただ、偉大なるピアフを始めとするクラシック・シャンソンを極めるのか、自らのオリジナル・ポップスを追求するのかは、はっきりしていません。ですから、セットリストとしてはこれまでと同じの両者の折衷案的なものになりましたし、そのアレンジも大胆に変えて、一つの世界に統一するという次元には至りませんでした。もちろん、時間が許せばそういったトライをコツコツと続けるべきでしたが、現在の私自身にそれだけの余裕がなく本番を迎えてしまったのが、少々悔やまれます。
実を言えば、私としては、そろそろクラシック・シャンソンの再現から、その素晴らしさに敬意を表しながらも、ザックリとしたサウンドに大きくチャンジしたものをやってみたいし、それに彼女の毒気あふれるオリジナルと融合させたいとの野心を抱いたりもしたのですが、お互いにある種の「こだわり」が強いため、結局はオリジナルに戻ってしまう、もちろん、そのオリジナルを完璧に再現することでさえ、とても大変なことだ、となってしまった気がします。
ところで、そういった反省の弁と同時に、シャンソンの世界というのはやはり面白いなぁとも思っているわけで、特に今回は前回の青い部屋でやった時に引き続き、ゲンズブールの曲を取り上げたので、ますますその魅力が広がったのでした。重厚で完璧なピアフとは全く正反対の軽妙でインチキ臭く、全てに未完成なゲンズブールもえらくカッコイイです。だいたい、この二人の天才の音楽を同時にやることも大胆の極みなのか?
今の私はどちらにもリスペクトの気持ちが強いのですが、それが強すぎるとただのコピーでしかないわけで、いろんな意味で考えさせられます。ただ、結局は演奏を繰り返して行かないと発展はない。頭だけで考えていても、物事は全然進まない。音楽は体を使ってプレイしてなんぼですから。
などなど、少々雑多な記述になりましたが、昨夜来ていただいたたくさんのお客様には大きな拍手をいただき、心より感謝しています。どうもありがとうございました。
先月はたくさんご参加でお疲れさまです。
この日またお伺いしようと思いまして、入り口手前までたどりついたものの、仕事先から戻るよう言われ・・・入れませんでした。
レポート拝見しましたので、書き込みに立ち寄りました。
怒濤の2月が無事に終わり、少し一息つける感じになりました。書き込みありがとうございました。