幸治"It's A Swamp Time"

 昨夜のルネイジャのライブ終了後に、ルネイジャと同じヴィヴィット・サウンドから12月22日に正式リリースされる、幸治(Kohji Suzuki)のアルバム"It's A Swamp Time"の完成盤をいただきました。

e0093608_1414960.jpg このアルバムは、今年8月にギタリストでありプロデューサーである"Dr.K"徳武弘文さんの自宅に数日こもってベーシックを作り上げた苦心作であります。それが無事リリースにこぎ着け、その評判も上々で、すでに幸治さんご本人のライブ・イベントでも相当数売り切ってしまったとは驚き。
 あらためて自宅に帰って聴くうちに、この夏のレコーディングの日々の思い出がいろいろとよみがえってきましたし、そこにパッケージされた音楽の楽しさに心ウキウキって感じであります。

 このアルバムのメインであるKohjiこと鈴木幸治さんはカントリー、スワンプ・ミュージックの本場であるナッシュビルでレコーディングの経験も持つ素晴らしいシンガー、その声の魅力は今時貴重なピュアさであり、特にエルヴィス・プレスリーを敬愛してきただけに、自然に南部ぽいニュアンスにもあふれているのでした。
 それと、その音楽知識の豊富さには舌を巻いた。彼と徳武さんがこの手の音楽の話をし始めると、全然入っていけませんでした。ただただ、感心して聞き入るのみ。でも、すごく刺激になりましたし、ディープな南部音楽に浸れて新鮮な驚きの連続でした。

 具体的な作業手順は、徳武さんの自宅でお二人のアレンジの方向性をに沿って、ドラムやパーカッションをコンピューターで打ち込み、ラフな形でもグルーヴ感が見えたところでギター、ベース、キーボードでベーシックを録音。その後、私が持ち帰って打ち込みの修正とダビングを加えて第二段階。その後、スタジオに入って徳武さんが本格的にギターを録音し直し、幸治さんがボーカルを入れるという流れでした。
 曲の特性上、やはり生ドラムを使った方が良いと思ったのが2曲とギターと歌だけで仕上げたものをのぞき、他はすべてこの流れで作りました。

 収録された11曲それぞれにはいろいろと思い入れがありますけど、私のようなものよりも幸治さんのブログやアルバムに掲載されているご本人による解説を見ていただく方が興味深いし、その深い見識ぶりにも感動するでしょう。

 とは言え、私もちょっとだけ書いちゃうと。

"m1.Truck Driver"は徳武さんのオリジナルで、1994年の小坂一也さんのアルバムが初出でありますが、それを今回リメイク。
 特にこの時、スワンプ・ミュージックの巨人ジェリー・リードを意識していて、私も徳武さんからCDを借りてハマっていましたっけ。だから、この曲はそういう影響下で作られました。個人的にはトリプル・ドラムスの打ち込みにはかなりこだわったつもり。そのグルーヴが面白く仕上がったのでうれしかったです。
 そして、徳武さんが最高にご機嫌なギターをダビングしてくれて、これはこのアルバムの中でもベスト・トラックと言えるでしょう。
 このレコーディングの直後にジェリー・リードが亡くなったことを知り、やっとその素晴らしさに触れたばかりの私にはショックでしたが、同時に何とも言えない縁のようなものも感じたのでした。

"m2.Do You Know"は当初ボーナス・トラック的な予定だったのが、予想外の格上げ(?)。でも、私のピアノと徳武さんのアコギだけのシンプルな感じがなかなか良かったかも。

"m3.Angelica"は、今回カヴァーしたロイ・ハミルトンのバージョンがすごくかっこいいし大好きなので、それを再現するのにやっきになっていました。もうちょっと、楽にやっても良かったかもしれないけど、私の性分としてリスペクトすべきものへのアプローチはこうなちゃうのでした。でも、名曲であることに変わりなし。こういう曲を世に伝えようとする幸治さんの姿勢も立派。

"m4.Blue Lonesome Lady"は「ラストショウ」の有名曲のカヴァー。オリジナルよりもより洗練された感じに仕上がったのでは。女性コーラスを我が家で録ったのですが、うまくマッチングしてて良かったです。徳武さんのギター、これまたカッコイイ。

"m5.The (Elvis) Letter"は美しく、そして悲しみを誘う名曲。オリジナルのウェイン・ニュートン盤でのピアニストのプレイが素晴らしいので、大いに勉強になりました。これは完全に生で録りましたが、個人的にも好きなテイクに仕上がりました。

"m6.My Way Blues"は斉木良二さん、徳武さん、幸治さんによる新曲。これもドラムの打ち込みには幸治さんの意向に沿って、ずいぶんこだわりを持ってやりました。私が打ち込みをやっている間、お二人には長くお待たせしてしまった記憶があります。徳武さんは仮の段階でも強力なプレイをしておりました。その後、入れ替えたテイクはハードにやさぐれた感じがより強調されていて、これまた良い。

"m7.Ordinary People"は幸治さん単独のオリジナルですが、こちらは当初の予定通りでなく、偶然に任せながらやっていくうちに、R&Bっぽい方向性に。でも、最終的にはシンプルながら、トクさん、ロクさん、私、幸治さんの4人それぞれの色合いが良く出ていて面白い演奏だなと思います。

"m8.I Got A Feelin' In My Body"は御大エルヴィスのファンキーな曲。この曲では意外にギターよりもキーボード軍団が活躍することに。ちなみにクラビで70年代ファンクのエグさを醸し出してくれた稲垣剛規さんは普段は龍ちゃんラーメンのオーナーです!

"m9.I Cross My Heart"は、この中では一番カントリー的な仕上がりかも。これまたとっても良い曲なのですが、日本語カヴァーの許諾がギリギリまでおりなくて、幸治さんをずっとヤキモキさせていたのでした。でも、全体としてはいい仕上がりになりました。こういう歌の邪魔をしない、さりげない感じの出来に個人的にはすごく満足です。

"m10.My Blue Heaven"は超有名なスタンダード。今回は前述の小坂一也さんのバージョンを参考にして、生で録っていますが、スウィング・ジャズ調から一転ロカビリー調になるトクさんのアレンジが良いです。でも、演奏は結構難しかった。なかなか深いものがありますなぁ、ロックンロールって。

"m11.From A Winter Place"は元々徳武さんのインスト曲ですが、今回歌詞を新たにつけての収録。もっと作り込んだバージョンもあったのですが、あえてギターとボーカルのみの一発録音によるテイクが選ばれたのでした。なるほど、こういうシンプルでダイレクトな音作りの方が、説得力が増しましたね。正解。

 というわけで、是非たくさんの人に聴いていただきたいと思います。
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by harukko45 | 2008-12-17 16:57

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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