安倍なつみAngelicツアーの詳細(4)

詳細(4)からの続きです。

m14.ザ・ストレス
 メドレーのエンディングは「ブギャー!ジャン!」って感じだから、まだ曲が終わってない気分なんですね。なので、そのままのテンションでこの有名曲にヤクザのように乱入するのでした。

 森高千里さんのヒットは1989年でしたか。彼女自身の存在感が強かったので、やけに印象に残っている楽曲です。ピンクのウェートレス服で歌ってました。で、私としては昔のバージョンのイメージがやたらと強いのですが、この「なっちバージョン」もなかなかの仕上がりです。

 ただ、"だって生きてかなくちゃ"に続いて、これまたバングラ・ビートのイントロなんですよね。バングラ風は別に嫌いじゃなく、かつてはえらくハマった方なんですが、やっぱり時代のハヤリスタリを感じてしまう。"だって..."が楽曲とバングラとがとってもマッチしていたのに比べると、"ザ・ストレス"の方はちょっとあざとく感じちゃうのでした。
 でもまぁ、森高盤にも「中近東バージョン」というのがあったからなぁ。

 しかし、その部分が終わってからのシンプルなディスコ・ビートにのったボーカル部分はすごくいいし、サックスとクラリネットのダビングによるアンサンブルがとてもいい出来なのです。クレジットを見たら、ホーン・アレンジとオール・サックスは竹上良成君でした。
 彼のことはずいぶん昔から知っていましたが、このようなところで名前を発見するとは驚きでしたし、その良い仕事ぶりに感心しました。

 それと、間奏後の大サビの部分でのコード展開がジャズっぽい裏コードを駆使して、まるでウェザーリポートのようでもあり、原曲よりもオシャレになりました。これもカッコイイです(ここら辺は上野圭市さんのアレンジ)。

 今回、全体のサイズは少し短めになりましたが、私のシンセとゴトウさんのソプラノ・サックスで竹上君の書いたサックス・アンサンブルを出来るだけ再現しました。結構大変でしたけど、うまく決まると弾きながらゾクゾクしました。
 それと、ここでも我らがファンク・ブラザーズが最高のグルーヴを提供してくれました。私がほとんどシンセにまわることで、コード感が薄れる心配があったのですが、野太いビートのおかげで、全くそんなことはなく、かえって隙間の多いサウンドがよりクールでカッコ良かったです。

m15.大人へのエレベーター
 さて、"ザ・ストレス"が終わると、私個人にもバンド全体にもある種の開放感が生まれます。それだけテンションの高い楽曲が立て続けに来ていたからに他ありません。
 そこで、この実におおらかな8ビートのミディアム・ロックと出会える時の幸せ感は何とも言えないのでした。
 このあたりからは私はアレンジ面ではあまり手を加えていません。ほぼ、これまでのなっちコンサートで他の先輩達がやっていた方向性に沿った形であり、いくぶんリラックスした気持ちで演奏するのを楽しませてもらいました。
 なっちさんも会場の皆さんも、ほぼ同じような気分だったのではないでしょうか。コンサートも終盤、ぐーっと盛り上がってきた思いをここで、パーっと解き放つような瞬間だったと思います。

 こういう時に、ほんと「ロックっていいなぁ」って実感します。

m16.小説の中の二人
 さぁ、本編最後はこのバラードでした。全体にはあまり小細工のない普通さが、今時のJ-Popでは逆に新鮮な感じのする曲です。そういえば、詞の内容もストレートだし、ピアノのイントロが韓流っぽいのもそういった流れからかも。

 これまではストリングスのアンサンブルをHDで流して、一緒に演奏していたそうですが、今回は同期なしという方針でしたので、本来あるストリングスのところは、フルートで補ってもらったり、私も音数を多くしたりしました。また、舞台のサイズの関係上、生ピアノを置くことがかなわなかったので、デジタル・ピアノでの演奏になりましたが、その分、同時にシンセ・パッドの音源を使うことで、何とか音の厚みをキープしようと思いました。

 この曲のエンディングでなっちさんがスーっと去ると、会場から大きな拍手が起こるのですが、最後の音をしめて、我々バンドが引き上げる時にも再び大きな拍手をいただけたのは、とてもうれしかったですし、すごく暖かい気持ちになりました。

EN1.月色の光
 全員でツアーTシャツに着替えてのアンコールでの1曲目。前にも書いたかもしれませんが、この曲は前から馴染みがあります。作詞のMAKIさんは今も定期的にライブをやっている仲間だし、作曲の安岡君とも一緒にプレイしました。その時にこの曲を演奏したこともあるのでした。

 だから、やはり思い入れは強くなります。なっちさんが再登場するまで、本来の曲のイントロの前にもう一つ導入部を付け加えて、印象的なフレーズが聞こえた時になっちさんの姿が見えるようにしました。
 この曲は東洋風、特に戦前の上海歌謡的な古風さ、優雅さを持っているので、それを生かすような響きで全体が包まれるように頑張ってみました。

 月の世界から天使が舞い降りて、なんてムードが生まれれば最高なのですが、どうだったでしょうか。

EN2.愛しき人
 本当に最後の最後、この曲をなっちさんとファンの皆さんがどれほど大事に思っているかは本番をやることで理解できました。まるで、お互いの存在に感謝しあうかのような楽曲だったのですね。
 だから、先の"大人への..."以上に会場との一体感を感じることが出来て、こちらも感動しました。特に最終公演ではスタッフのサプライズで紙吹雪が降ってきたりして、「あーこれで終わりだなぁ」って、少しシンミリとした気持ちにもなりました。

 そして、エンディングではそれまでのコード展開から転調して、徳武さんには最後の「弾きまくり」をお願いしました。ここでのソロがまたいつもカッコよくてしびれました。


 さて、長々と「Angelicツアー」コンサートの詳細を書いてきましたが、最後まで読んでくれた方々には厚くお礼申し上げます。もちろん、その中にはコンサートに実際に来てくれた方々が多くいらっしゃるでしょう。ほんとにほんとにありがとうございました。
 ただ、良かった良かっただけではいけないので、個人的な反省も書いておきたいと思います。それは最終日のパフォーマンスに多少悔いが残ることでした。
 10月中はコンスタントにステージが組まれていましたが、残念ながら中野公演の前は2週間あいてしまったことや、ファイナルであることで気合いが入りすぎて、ちょっと空回りしていたかも、と言い訳もできますが、やはり最高の出来とはならなかったことへの反省はしっかりとしなくてはいけないのでした。

 とは言え、このブログにコメントをいただける方々をはじめ、なっちファンの皆さんのいろいろな励ましの言葉にはいくら感謝しても足りません。
 また、短い期間でしたが、一緒にステージを作ってきたバンド・メンバー、スタッフの面々にも感謝です。
 そしてそして、何よりもとっても充実したやりがいのある時間を与えてくれ、またその自らのパフォーマンスで我々を堂々と引っ張っていった、安倍なつみさんに感謝と敬意の気持ちを贈りたいと思います。
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by harukko45 | 2008-11-13 04:50 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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