安倍なつみAngelicツアーの詳細(3)

 詳細(2)からの続きです。

m10.空 LIFE GOES ON
 "日曜日..."でどっちかと言えば大はしゃぎしちゃった後に、すぐこの曲やるのって、実は切り替えが難しい感じでした。短い時間(数秒?)の中で息を整えて、テンポを確認して、音色を変えて...と。
 
 でも、とにかくとっても大事な曲の一つだと思いますし、なっちさんの代表作とも言えるでしょう。イントロはすごくシンプルに始まっていくのですが、じょじょに楽器が加わって、何段階にもわたって曲自体が大きく広がっていく感じがよく出来ていると思います。
 そもそも、メロディの構成も面白い。何回か繰り返される「So,Life Goes On.」の部分がサビなのですが、ここがいろんな展開を経て太く大きな道になっていくというわけで、詞の内容もそのたびに意味合いが深くなっていくように感じられるのでした。

 最初は「アコースティック・コーナーの締め」という意味合いだったので、もうちょっと抑えめの感じでやっていましたが、リハを重ねていくうちにだんだんこの曲の意味みたいなものがわかってきて、よりスケールの大きな展開をめざすようにしましたし、それがなっちさんの意図とも合致しました。
 とは言え、あくまで「アコ・コーナー」の流れから、オリジナルにあるディストーション・ギターによるパワー・コードのバッキングはやりませんでしたが、それがかえって、曲とボーカルの良さをより浮き上がらせることになったのではないかなとも感じています。

 今この曲はある意味、アイドルとしてだけでなく、次のステップへの飛躍を宣言している曲とも言えるかもしれません。

inst:息を重ねましょう
 "空..."は前半の最後の曲であり、この後なっちさんは着替えのためにステージを去ってしまうのですが、その間をインストでつながなければなりません。で、彼女のオリジナル曲から演奏することになったのですが、これは微妙と言えば微妙です。なぜなら「あー、あの曲だ」って聴いてくれる人もいるでしょうが、その反面「なんだ、歌ってくれないのか」という反応も予想できるからです。

 さて、その評価は会場の皆さんにお任せするしかなく、私と徳武さんで、出来る限り曲の良さを壊さないようにまとめました。
 前後の曲とのキーの流れを心地よくするために、導入部は"夢ならば"のイントロ部分を使い、そこから"息を..."につなげました。でも、メロはまだ出さずに、トクさんの美しい音色のギターで引っ張ってもらいました。そして、オリジナル同様に半音上に転調することで効果満点となる、サビのメロディを私が弾いたのでした。そのバックでトクさんが心地よいバッキングを入れてくれました。
 そして、その最後のコードは次の曲の呼び水となるようにしました。
 
m11.だって生きてかなくちゃ
 この曲は大幅にアレンジを変えてもらいたい、とのことだったので、かなりガラっと変更していますが、なっちさんの要望でベースのパターンはオリジナルに近い形に戻しました。それでも、元々のバングラ風のダンス系ビートから、よりジャズ・ファンク色の濃い演奏になったと思います。これは、アレンジ云々よりも今回のメンバーの個性によるところが大きいでしょう。
 特にハマダ、ロクカワ&アサミのリズム・セクションが出す強烈なグルーヴと、ゴトウさんの妖しげに浮遊していくソプラノ・サックスのソロが、全体に緊張感の高い演奏に導いてくれたのでした。
 とは言え、サビ前など随所にはさまれているインド系のリフは、この曲のフックになっているので、やはり外せませんね。徳武さんが飄々とシタールもどきでリフを弾くのも面白かったなぁ。

 なっちさんにとっては、この曲も代表作に違いないわけで、黒の衣装に着替えての後半、まさに一気に盛り上がっていくぞ!という気迫をみなぎらせるパフォーマンスでありました。

m12.スクリーン
 MCの後、つんく氏作による新曲の登場です。なのですが、曲自体が仕上がったのが本当にギリギリで、我々はキーの変更を2回やりましたし、詞の完成も初日前日で、なっちさんも間際まで格闘していたに違いありません。
 レコーディングのアレンジも全てが完成していない状態のデモを、私が譜面にしたので、出来上がったCDとは微妙に違っています。なので、今回の演奏したバージョンはこのツアーのみになるのでした。そういった意味では興味深いとも言えるかな。

 内容的には「シャ乱Q」的要素が割と強くて、つんく氏も原点回帰的な心境なのかもしれません。また、極めて和風なイントロ・メロは私が琴の音色で、徳武さんのギターとユニゾンしましたが、CDではまた違ったシンセで仕上げたようです。
 とにかく、久々の新曲にご本人もスタッフも力が入っているのが伝わりました。ヒットにつながることを切に願いたいですね。

m13.メドレー(恋のテレフォンGOAL〜黄色いお空でBOOM BOOM BOOM〜OLの事情〜甘すぎた果実〜恋のテレフォンGOAL)
 今回のツアーのテーマの中に、「安倍なつみの集大成にしたい」との話がありました。そんな意味合いもあり、しばらく封印(?)していたらしいこれらの曲でメドレーを作ることになりました。
 基本的にはモータウン、EW&F、ファンク、ディスコといったR&B系のエッセンスで結びつく曲達だし、うまく行けばすごく楽しい内容になると思いました。

 また、よくありがちなメドレーのように、それぞれの曲を1コーラスずつ繋いでいくのでなく、"恋のテレフォンGOAL"を核にして、他の曲を絡めてほしいとのことでした。で、最初のバージョンでは"テレフォンGOAL"がもっといろいろな所に登場していたのですが、リハの中で検討するうちに"BOOM BOOM BOOM"が増量され、全体により派手さが増しました。
 その分、"OLの事情"がすごく短い印象になってしまいましたが、それでもあの「Crazy!」から「ドゥンベドゥンベ....」の所が最高においしいし、「(I'm) crazy for you.」をこのメドレーの通奏テーマにしたかったので、そこから"甘すぎた果実"の一番印象的な部分に持っていきたかったのでした。なので、"OL"を好きな方々、どうかご容赦を。
 
 ただ、最初はなかったソロまわしを挿入することになり、"甘すぎた..."への流れが多少無理矢理になったことは否定できません。でも、とにかく私としては、「CDで聴く最高のなっちの一瞬」とも言える「気がつけば...、好きで、好きで、好きで。Crazy for you.」をどんな形でもやりたかったのでした!
 それと、この"甘すぎた果実"は昔のディスコ風のアレンジやサウンドをうまくとらえていて、すごく良く出来た作品です。だから、イケイケどんどんの"テレフォンGOAL"との対比としての位置づけとともに、メドレー全体に品位を持たせる意味でも重要な曲だと感じました。
 そして、この曲のゴージャスなMFSB風のアンサンブルから一気に、「おバカな」"テレフォンGOAL"に再びなだれ込んでいき、後はグチャグチャに盛り上がったのでした。最後のエンディングで、「テンポをどんどん上げて行って!」とのなっちさんの要求で、我々はまさにゴール前でムチを入れられた競走馬になった感じでしたね。

つづく...
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by harukko45 | 2008-11-12 07:43 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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