保田圭&矢口真里/大阪フラミンゴ・ジ・アルーシャ(2)

 前回からの続き。保田圭さんと矢口真里さんのカジュアル・ディナーショウのレポ後半です。

 m8.ジブリ・メドレー/1.君をのせて(天空の城ラピュタ)2.いつも何度でも(千と千尋の神隠し)3.テルーの唄(ゲド戦記)4.ルージュの伝言(魔女の宅急便)5.崖の上のポニョ
 私はジブリ関連をほとんど知らなかったので、今回それぞれの曲にきちっと向かう機会を得て、大変良い経験になったと思っています。元々は矢口さんが「ポニョ」をやりたいという希望から発展しての企画だったようですが、全体では10分の大作になってしまいました。

 "君をのせて"は本来長い前奏があって、この映画のファンにはそこから歌の部分につながるのがたまらんのでしょうね。しかし、今回は歌の6小節前からスタートしましたし、オーケストレイションを再現するのは不可能なので、ピアノ中心のバラードになりましたが、それでも幻想的で広がりのある世界はかなりイメージできたと思います。エンディングはそのまま使わせてもらいましたが、これがいかにも「映画的」なアレンジでさすが久石譲さんです。

 "いつも何度でも"は、ジブリ初心者の私でも知っている曲で、魅惑の3拍子に乗った綺麗なメロディを持っています。Aメロの部分が有名ではありますが、私はどうしても歌詞のない「ラララ」の部分を保田さんに歌ってもらいたかった。個人的にはここの部分こそ最も重要だと思っていますので、そこに向かって全体が盛り上がるように心がけました。
 オリジナルはクラシックの声楽風で高いキーに設定してありますが、保田さんの声の良さを生かす意味もあり、あえて低くしました。合わせる前は少し不安でしたが、彼女は見事にこちらの思惑以上に歌いこなしてくれて感激しましたし、洗練された大人な雰囲気も生まれたと思います。
 例の「ラララ」の部分は、シャンソンの伴奏をつけているような楽しさがあって大好きでしたし、保田さんの歌の巧さが光ったのでした。

 "テルーの唄"は一転して素朴な民謡風の曲。オリジナルの純粋な歌声が印象的なので、矢口さんにはなかなかやっかいな曲だったかもしれません。自分のソロ・コーナーでは意外な選曲と彼女のストレートな歌い方とのマッチングが面白かったのですが、ここでは曲自体が素朴なので、どうしても一本調子になってしまう危険がありました。
 確かに、最初のうちはそういう感じでしたが、場数を踏むことで成長を遂げる彼女は大阪でのラストで、実に気持ちのこもった歌を聞かせてくれました。バックは私のピアノのみだったのですが、弾いていて思わずゾクっとしました。
 
 ユーミンの"ルージュの伝言"は半音上げました。彼女達にはオリジナル・キーでは物足りなかったし、それまでのしっとりした部分からパっと華やかにしたかったからです。キャロル・キングの"Living Room Tour"での演奏を参考にさせてもらいながら、オールディーズ・ロックロール調はそのままに、3人の演奏でも十分に効果的だったと思いますし、それまではシーンと聞いていたお客さん達にも手拍子で参加してもらいました。

 このメドレーの最後を飾る"ポニョ"は文句のつけようのない傑作!だと言えます。演奏していて、こんなにワクワク、ウキウキ、ニコニコする曲なんか滅多にないですよ、ホント。もちろん、子供向けに素朴な曲作りにはなっていますが、いろいろと工夫とマジックが施されていて、随所で唸らせられてしまう濃い内容なのでした。これには、恐れ入りましたし、感動しました。ほんと、矢口さんの言う通りでした。もちろん、原曲よりもキーを下げて「大人向け」にしましたが、それでも「愛らしさ」は全く消えない名曲です。弾きながらニヤニヤ笑ってしまう自分を抑えられませんでしたね。

 m9.声
 大作メドレーを終えてのこのオリジナル曲も、なかなかの佳曲です。実はもしもメドレーが長くなってしまったら、ひょっとしてカットしなければならなかったのですが、保田さんが絶対に残したいと言っていたのもうなずけるのでした。彼女自身にとっては、「モー娘。」卒業後の曲なので、これを歌いたいという思いがより強かったのかもしれません。
 なので、大事に扱いたいと思ったのですが、やはり音数が足らない部分はあきらめなくてはなりませんでした。ここは一番悔いの残るところです。それと、どうしてもバラード的に歌いたいお二人と、グルーヴ感をキープしていたいバンドとで本番では多少ギクシャクした部分があったのでした。とは言え、曲の良さを台無しにはしていなかったと思います。

 m10.ここにしか咲かない花
 ショウの最後はコブクロの曲。バックだけでやっていると、全く面白みのない内容なのですが、ボーカルが入ってくると俄然盛り上がるのでした。それと、この曲はハモりのパートが多く、歌詞も長いので、彼女達にとっては一番の難曲だったようです。で、とにかくよく練習していました。ステージに上がるギリギリまで、リハーサルでの音をバックに何度も何度も楽屋で合わせていました。それだけ頑張っているのを近くで聞いている我々も自然と気持ちが入るというものです。なので、この曲は最後を締めるのにふさわしい出来になったと思います。
 特に最後の最後である大阪2回目では、二人のハーモニーにぐいぐい引っ張られて、こちらの気持ちも高ぶり、実に感動的なパフォーマンスだったと感じています。外で聞いていたスタッフも「ウルっときた」と言っておりました。
 彼女達も終わってから「歌いきった、やりきった」という満足感があったようです。頑張ったからこそ得た大きな成果だったのではないでしょうか。

 終演後も忙しいお二人とは、そのままお別れでしたが、とっても良い仕事をさせてもらったことに心から感謝しています。
 また、駅に向かう我々にも暖かい言葉をかけてくれたファンの方達にも大いに感謝したいと思います。是非また再会したいものです。
 そして、バンドのメンバーとは新幹線の中にて、ビールで乾杯してお互いの労をねぎらったのでした。
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by harukko45 | 2008-09-15 07:55 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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