保田圭&矢口真里/大阪フラミンゴ・ジ・アルーシャ(1)

 6日のスイートベイジルに引き続き、13日大阪にて保田圭さんと矢口真里さんのショウで演奏してきました。早朝の新幹線で現場入り、10時頃からサウンドチェックをし始めて2ステージをこなし、帰宅は0時を越えていました。いやぁ、なかなかのハードスケジュールでしたが、とってもいい仕事になったので、すこぶる満足しております。

 やはり、1度ライブをやったことでメインのお二人もバンド・メンバーもずいぶん気持ち的には余裕がありました。ただ、そういう時ほど落とし穴みたいなものがあるわけで、ある程度の緊張感は必要なのでした。
 会場のフラミンゴ・ジ・アルーシャはスイートベイジルに比べるとデッドな音で、最初はとても難しい音作りに感じましたが、リハーサルを進めるうちにじょじょに程よい感じに落ち着いて行きました。また、客席とステージの距離がすごく近いので、生々しい臨場感はステージ、客席お互いにビシビシ伝わるのでした。

 さて、以下セットリストにそって振り返ります。

 m1.真夏の夜の夢
 おなじみユーミンの93年の大ヒットですが、今CDを聞くと時代を感じさせる打ち込みオケがけっこうズルっときます。で、今回のバンド編成(キーボード、アコギ、パーカッション)での再現となると、必然的にラテン色が強くなるわけです。それと、オープニングとしてインパクトが欲しいという保田さんの提案があり、いろいろとアイデアを出しながら、まず曲の始まりにパーカッションによるソロを入れることになりました。佐藤ナオちゃんのフリー・ソロ、毎回真剣勝負の気合いが感じられて良かったですねぇ。
 その後の仕掛けを経て、オリジナルにあるルンバ調の印象的なリフにのせてメインの2人が登場となりましたが、この時には会場からの熱烈な手拍子もサウンドの一部にしっかりなっていました。

 m2.おもいで
 モー娘。のサードアルバムからの選曲で、カヴァー中心の今回のメニューの中では貴重なオリジナル曲であり、個人的にもすこぶる興味のわく楽曲でありました。というか、単純に好きですね。
 メロが切ない感じですし、コードの使い方もなかなかオシャレです。また、基本のビートはダンス系ですが、Bメロからからんでくるボイス風のサウンド(コーラスか)によるパターンがブラジリアン・テイストですごくかっこいいし、随所にキメとして登場するスパニッシュ風のアコギも効果的なブレイクになっています。
 なので、そういったお気に入りの部分をなるべく残せるようにトライしました。各メンバーがよく頑張ってくれたし、3人だけでもかなり良いグルーヴになったと思います。
 保田・矢口のお二人はさすがに慣れた歌いこなしで、イントロやエンディングでのスキャット・ワークも実に良かったです。

 m3.恋のヌケガラ
 美勇伝のデビュー・シングルですが、正直、楽曲的にはいま一つでしょう。石川梨華さんのバックをやった時に演奏した"ひとりじめ"の方が格段に良いです。でも、勢いをつけたいという意図には持ってこいのノリであることは確かです。それに、ナオちゃんがカホーンでガンガンに攻めてくれたので、かなりエネルギッシュになりました。オリジナルにあるエレキ・ギターのリフはもろにThe Policeなので、ちょっとパスして、タマちゃんにはシンプルにカッティングで勝負してもらいました。この2人が曲をグイグイと推進していってくれました。
 ボーカルがしっかりしている分、全体の出来も良かったのではないでしょうか。この辺は先輩としての面目躍如ってところかな。
 ファンの人達には意外な選曲だったらしく、反響も結構大きかったようです。そのせいか、どのステージでも熱狂的に拍手をいただいてうれしかったです。

 m4.友達の詩
 m5.Your Song
 ここから2曲、保田圭さんのソロ・コーナー。保田さんは、テレビで見ていた印象では常にイジられ役のように思っていましたが、実際には大変ナイーブな感性の持ち主だなと思いました。また、音楽に対する愛情とこだわりがすごく大きいことも感じました。
 楽器もいろいろ演奏できるし、何より「いい声」を持っているし、歌のテクニックもかなりレベルが高いのでした。
 そして選んだ2曲はいずれも難曲と言えましょう。しかし、そういう曲を理解する耳を持っていて、果敢に挑戦する姿勢が素晴らしいのです。

 中村中さんのm4は、MAKIさんのバックでもやったことがあったので、その内容はよく知っていましたが、今回はキーを半音下げてあります。オリジナル・キーでも彼女は歌いこなしましたが、より落ち着いたムードが出たので、こちらを選びました。微妙な心情の表現が難しく、「歌い過ぎて、押し付けがましくならないか」といろいろ試行錯誤しながら何度も練習していた姿が実に印象的でした。

 エルトン・ジョンの超名曲のm5は、スタジオでのオリジナル・バージョンがとても繊細でクラシカルな趣きがある傑作ですが、ライブでのパフォーマンスでは思いの丈をぶつけるようにパワフルに歌うエルトン・ジョンも素晴らしいです。保田さんは、実際に彼のライブでの歌に感激して「世界で一番好きな曲」となったということ。
 ただ、オリジナルよりもキーがずいぶん変わったので、ピアノの演奏面でちょっと違和感を感じてしまい、個人的にはところどころスムースにいかない感じもありました。まぁ、男性女性の違いから、こういう楽曲ではしかたない部分です。
 保田さんは、当初は少し力みがある歌い方でしたが、ステージを重ねるうちに力が抜けてきて、大阪の2ステージ目などはずいぶんリラックスした表情が良かったですね。演奏しながら聞き惚れちゃう瞬間がありました。
 
 m6.Tomorrow Never Knows
 m7.TSUNAMI
 ここからは、矢口真里さんのコーナー。2人の選曲の違いが面白いですね。矢口さんは思い切り濃いめの男性アーティストでした。(保田さんは中性的?)
 彼女はひょうきんでやんちゃそうなキャラで、確かにバラエティ向きだと思いますが、実はなかなか太い神経を持っていて根性の座った人だとも思いました。彼女は本番が一番良くなるタイプです。ソロ・コーナーではいつも心臓がバクバクだそうですが、それでも堂々たるパフォーマンスをやってのける度胸があるのには感心しました。

 ミスチルのm6は、個人的にはあまり好きなタイプの曲ではありませんでした。が、矢口さんの歌で接しているうちに、自分でも口ずさんでしまうようになるとは驚きでした。彼女の良さはいい意味でのシンプルさです。歌い方も素朴でストレートです。でも、それがくにゃくにゃしたようなオリジナルのもどかしさを一変させてくれたのでした。
 そのおかげで、かなり気持ちを込めて演奏に集中できたのでした。CDで聞くとバカバカしく思えるような大袈裟な転調部分など、結構夢中になって弾いてしまいましたし、ロックとしての潔さはミスチルよりも上(オリジナルは無表情な打ち込みがこれまた時代を感じさせてしまう。)ではないかとさえ評価したいと思います。

 あまりにも有名なサザンのm7に関しては、ひょっとしたら賛否両論になる可能性もある大胆な選曲とも言えます。しかしねぇ、これが意外に好きだなぁと感じてしまいました。編成的にオリジナルのようなゴージャスなサウンド(かなりブライアン・ウィルソン風)は不可能なので、思いっきりシンプルに、全体としては淡々とプレイするようにしていましたが、素直に語りかけてくる歌を聞いているうちに、じわじわと自然に盛り上がっていくのが面白かったのでした。

 さて、長くなるので続くっと...。
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by harukko45 | 2008-09-14 20:24 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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