ウェイウェイ・ウー/青森

 昨日は早朝の飛行機で青森に飛び、2月のスウィング・シティ以来の二胡奏者ウェイウェイさんとの競演でありました。今回は私のピアノとの2人だけ、場所は青森市内のホテルだが、ディナーショウ形式ではなく、200人以上の観客を迎えての約70分のコンサートだった。

 青森のある団体の女性部会が主催ということで、お客さん達もほぼ女性中心、そのおかげか(?)音楽に対する反応も良く、おなじみの曲では手拍子も自然に起こったりして、リラックスしたマチネー・コンサートとなりました。
 
 それと、前回バンド・スタイルでやった時は、ジャズやポップスの要素とのミクスチャー的な響きが強かったのだが、今回のピアノのバックだけというシンプルな形は、二胡の持つ多彩な表現力をより生かすことになったと感じた。要は、ウェイウェイさんの卓越した演奏に余計な装飾はなくても、十二分に聴き手を感動させられるってことなのだった。

 というわけで、私としてはウェイウェイさんの素晴らしい演奏を後ろで支えつつ、時には五分に渡り合うという気持ちでのぞんだのだが、個人的にはいろいろと不十分なところがあり、だいぶ反省しなくてはならない。

 さて、例によって本番を振り返って。
m1.草原情歌
 中国民謡で、元々はモンゴル系の素朴な恋の曲と思うが、ウェイウェイさんはかなり自由なスタイルで、より情感を込めて弾く。お父上がつけたコードの流れが洗練されていて、とても美しい。
m2.上海メドレー/夜来香(イエライシャン)〜蘇州夜曲〜上海ブギウギ
 ウェイウェイさんの出身地、上海にちなんだ曲のメドレー。1930年代、上海は東洋におけるポップ・ミュージックの中心地として栄えていたのだが、その当時の有名曲と服部良一先生の代表曲を演奏した。
 頭2曲はメロディを中心に、最後は楽しくいろいろ展開するアレンジになっているが、特に上海(東京)ブギウギはノリよく進めたので、会場から手拍子が沸き上がって、ずいぶん盛り上げていただいた感じ。私としては、1人でのバッキングとソロにいろいろ工夫を凝らしたつもりだが、全てが思惑通りってわけにはいかなかったかな。でも、大きな拍手をいただいて、まずは一安心。

 ちなみに、こういった曲だと日本人としては李香蘭の名前と歌が浮かぶが、私はウェイウェイさんとの競演をきっかけに同時期の中国のスターで名歌手、周旋を思い出した。10年以上前だが、上海ポップスにはまった時がり、何枚かCDを買った中で一番良かったのが周旋のベスト盤だった。興味のある方は是非聞いてみて欲しいし、この当時の上海音楽シーンの活気と高い実力を感じて欲しい。

m3.Close To You/m4.Alfie
 一転して、バート・バカラックもの。それも誰もが聞き覚えのある超名曲。特にm4はメロディとコードだけで感動もの。実際、バカラック自身もぼそぼそと歌いながらピアノをポロポロ、それだけで何も必要ない。ただ、彼の曲を演奏する側は異様に緊張を感じるのだ、それは私だけかもしれないけど。
 
 この後はウェイウェイさんのオリジナルが続く。
m5.China Blue/m6.Lovers In Red
 ウェイウェイさんの曲の中でも、特に哀感の漂うメロディの2曲で、m5は私がアレンジさせてもらったもの。なので、比較的思い通りの演奏になったと思うし、ウェイウェイさんが間奏を完璧に弾きまくってくれたので、いたく感動した。
 そして、BlueからRedへと哀感も移り変わり、母上に捧げた曲(m6)を演奏した。前回、バンドでやった時は、二胡の繊細な表現が少し埋もれてしまう気がしていたのだが、今回のようにシンプルにやると俄然その素晴らしさが浮き上がったと強く感じたし、激しい思いと哀しい情感とが融和して、私はすっかり入り込んでしまった。
 ところが、あまりにも夢中になりすぎた私はエンディングに向かうタイミングを見失い、せっかくのウェイウェイさんの美しいソロに水をさしてしまったのだ。これは、とんでもない凡ミスであり、大変申し訳ないことだった。

m7.For You〜この愛を/m8.Changing Partners
 この2曲は前2曲の「毒」を消して癒すような感じ。特にm7はいつまでも耳に残るような良いメロディを持っていて、とても好きだ。前曲での失敗を埋め合わす意味でも、しっかりした演奏を心がけた。
 m8はウーロン茶のCMでおなじみの曲。パティ・ペイジの大ヒット曲を中国語でカヴァーしたのをTVで初めて聞いた時には、「こりゃ、やられた!」と驚いたっけ。ウェイウェイさんのボーカルが二胡とはガラっと変わって何とも素朴なのがいいんですね、これが。

m9.Voygers/m10.新天地
 本編最後はノリのいい2曲で、特にm10ではこれまた盛大な手拍子をいただきました。ほんと、なかなか積極的に参加してくれるお客さん達でしたね。

 そしてアンコール。
En1.SAKURA/2.賽馬
 ウェイウェイさんの新曲バラードと中国曲を続けて。賽馬(さいま)は1960年代に作られた曲だそうだが、時間は1分30秒ほどなのに、実に盛り上がる驚きの名曲。"SAKURA"では洗練されたニュアンスでやさしい表情だったウェイウェイさんが、この曲では火のような情熱で、ハイパー・テクニックを披露した。本当に馬が走っているのが見えるよ。
 そして、バァーと盛り上がってのエンディングでは、完璧に馬の鳴き声に聞こえる二胡のサウンドに会場は大喜び、ひときわ大きな拍手喝采を受けたのだった。

 あっという間の時間だったが、内容的にはかなりの濃さであったことは確か。ただ、個人的には全然まだまだの出来に、思うのは反省ばかり。だが、それでもこちらの気持ちを高めてくれるような気がするのは、やはりウェイウェイさんの音楽家としての大きさに触れられたからだと思う。
 
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by harukko45 | 2008-06-25 17:45 | 音楽の仕事

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