EURO2008/スイス2-0ボルトガル、トルコ3-2チェコ
2008年 06月 17日
すでに1位通過を決めているポルトガルは8人も先発を入れ替えたのだが、主力を休ませ、イエローカードの回避も念頭にあってのことだろう。だが、そのためにこれまでのような強さを見せることができなかったし、引き分けで無難に終わるということもできなかった。
まぁ、この試合に関しては、ポルトガルにとっては消化試合だけど、いま一つすっきりしない結果であり、準々決勝に悪い影響が残らないかと、少し心配になった。
ただ、開催国スイスが念願の初勝利で、クーン監督勇退試合を飾ったのだから、これはこれで良かったんでしょう。最初から、このぐらいのパフォーマンスを見せていれば、勝ち上がっていくだけの力は十分あるはずだったけど。
というわけで、この試合はどちらかと言えば丸くおさまったって感じだが、凄い事になったのは、もう1つの方。
チェコは開始から75分までは内容のある優位なサッカーをしていて、スコアも2-0。これで勝利は間違いないと思った。ところが、その後の15分間でトルコが3点取って逆転してしまうとは!
サッカーというスポーツの面白さ、怖さと言ってしまえば簡単だが、スイスのクーン監督同様、今大会での勇退が決まっていたチェコのブリュックネル監督には悔やんでも悔やみきれない夜となってしまった。
トルコの3得点の全てにからんだ右ハーフのアルティントップは素晴らしい活躍だし、同点逆転のゴールを決めたニハトはさすがエースとしての仕事をした。
だが、やはりどうしても言わなければならないのは、世界中のサッカーファンが驚いたであろう、チェコのGKチェフの凡ミスが、トルコの同点劇を生んだということだ。世界最高のキーパーの1人であり、チェルシーの守護神が、まさかまさかのファンブルで、ニハトにゴールをプレゼントしてしまったのだ。
そして、ブリュックネル監督によると、3点目は「崩壊」だそうだ。
その後、トルコのGKがコレルを突き飛ばして一発レッドで退場というおまけまでついたが、あまりにもショッキングな逆転劇をくらったチェコには、追いつくような気力も時間もなかった。
「この失望は当分引きずるだろうし、眠れない夜が続くだろう」とのコメントを残して、ブリュックネルのチェコが大会から姿を消すことになるなんて。