水越けいこ/名古屋TOKUZO&大阪FANJ(2)

 前回からの続き...

水越けいこさんのライブ後半、まずは田口君のギターのみのバックで2曲。

m9.グッバイ・ダイアリー
m10.窓景色

 伴奏がシンプルになればなるほど、けいこさんの内面的なものが色濃くなっていくのは当たり前なのですが、この辺はファンならずとも「たまらん」感じになります。特に、m10のサビでの、繊細な高音の部分など、まさにそれ! 詞の内容は悲しい別れではあるのですが、ずっと浸っていたい気持ちになるのでした。

 そして、私が交代してピアノのみで再び2曲。

m11.あ・な・た・に
 東京ではベッド・ミドラーの"The Rose"をリクエストとしてカヴァーしましたが、名古屋・大阪ではこの名曲になりました。いい意味でのフォーク・ソング風のメロディと何とも切ない歌詞が胸に痛い、実に魅力的な曲。でも、これは歌の力があっての世界。なので、本番ではけいこさんの歌声に聞き入りながらも、淡々とバックを務めることを心がけました。

m12.水彩画
 続けて、けいこさんとは実に相性のいい作曲家、伊藤薫さんの曲。これまた切ない曲で、まさに夏の終わりのムードが満載。1人でやるとなかなかやっかいな伴奏になるのですが、このツアーではかなり余裕を持って出来たし、タイトルが示すように、あまりしつこくなく仕上がったと思います。

 さて、再び全員が揃って、ここでちょっと「箸休め?」としてカヴァーを1曲。

m13.Amoureuse
 フランスのシンガー・ソングライター、ヴェロニク・サンソンの曲で、オリビア・ニュートン・ジョンによる英語バージョンをカヴァーしました。なかなか幻想的な曲で、けいこさんらしい選曲でした。私はヴェロニクのことをよく知らなかったのですが、スティーブン・スティルスの元奥様だったのですね。また、「フランスのキャロル・キング」とも呼ばれるらしい。うーむ、まだまだ勉強不足でした。ちょっと、これを機会にチェックしてみたいと思います。

m14.Please
 続けて、オリジナルに戻ってこの曲。基本は3連のオールディーズ・バラード風ですが、これもサビで3声のハモになるところがミソでした。そして、季節のテーマは深まる秋へ。詞の内容も心なしか深みを持ってくる感じです。
 m13も道ならぬ恋を予感させる内容でしたが、これはその続編ともなっているのでした。だから、同じ別れであっても「大人」を感じさせるものなのでした。こういった曲への理解度も、やはり続けてやっていくことで深まった言えるでしょう。

 そして、いよいよ終盤の冬のコーナー。

m15.少し前、恋だった
 テーマは冬で、夏の恋の思い出を懐かしんでいるのに、何とも爽やかで明るい曲調が好きです。明るいから、かえって寂しさもより募るわけです。が、演奏面ではなかなか雰囲気を出すのがむずかしかった。ただ、ライブも終盤、あまり重くやるよりも、少しテンポを上げてノリを出し、前向きにやるようにしてみたら、ピタっとはまった感じがしました。

m16.雪の子守唄
 前曲のエンディングは、この曲のイントロに余韻が続くようにしてみました。で、この曲も心が晴れ晴れしてくるような可愛らしさがあって好きですね。じんわりと暖炉の火が灯って行くように、じょじょに希望みたいなものが見えてくる感じがあります。
 オリジナルのアレンジを尊重しながら、間奏はビートルズの"In My Life"風のピアノでしたが、私はハープシコードにストリングス・シンセで通してみました。ハープシコードとアコギにアップライト・ベースというサウンドがよりヨーロッパ中世からバロック風の雰囲気があって、気に入ったからでした。

 そして、本編最後は個人的には今回の最大注目曲。再び季節は春を迎えるのでした。

m17. 葡萄棚の下で
 けいこさんご本人が「初めて思ったように書けた曲」と言われる、これは確かに名曲ですし、矢野誠さんの個性的なアレンジも興味深い傑作です。いや別に、何かしでかしている訳じゃないけど、何とも不思議な雰囲気がずっと漂っているのがたまらんのでした。
 ベーシックはカントリー風のサウンドで、これが実に今っぽい気がします。リョウ君のツービートが気持ちよかったし、田口君のアルペジオがマンドリン的なアプローチでしたし、私は少しペダル・スティールっぽいニュアンスをトライしてみました。音数は多くないですが、意外に派手な仕上がり、本編最後にふさわしいものになったと思っています。

 で、このふんわりと、じんわりとライブのエンディングを迎えたのが、普通にありがちな感じでなく新鮮でした。
 そして、アンコールにお応えして、けいこさんが弾き語りを2曲、バンドとともに2曲やりました。

en1.さよならのテーブル
en2.Sing a song
en3.星の子守唄〜en4.Too Far Away

 会場の皆さんにも手伝ってもらった"星の子守唄"から"Too Far Away"をつなげてやったところは、個人的にも好きな流れでした。それに、この曲は常に、何かしらの感動をこちらにも与えてくれるのでした。

 そして、ありがたいことにダブル・アンコールをいただき、東京と名古屋では私のバックだけで"Boy"をやりましたが、大ラスとなった大阪では、最後に盛り上がろうというけいこさんの提案で、"ブルースカイロンリー"をフル・コーラスで。いやー、これは文句なく楽しかったですね。会場の皆さんもノリノリで盛り上がってくれてほんとにうれしかったです。
 
 というわけで、約2時間半のライブでしたが、充実した内容のおかげで、あっという間に時間が過ぎ去ったように思いましたし、全体としても日に日によく熟れていくのが感じられて、豊かな喜びに浸る事が出来たのでした。
 それと同時に、これで終わりはもったいないって気持ちも。でも、たぶんまた再会することがあるでしょう。
 
 終演後の打ち上げでは、メンバーとスタッフ2人の6人全員で楽しい時間を過ごしました。短い時間でしたが、実にいい仲間でした。是非、またご一緒したいです。
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by harukko45 | 2008-05-19 16:51 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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