水越けいこ/名古屋TOKUZO&大阪FANJ

 水越けいこさんのツアーが終了し、昨日大阪から帰ってきました。まずは、名古屋・大阪それぞれのライブハウスにかけつけていただいた、たくさんのお客さんに感謝です。おかげで2カ所とも、とっても良いムードの中、充実したライブが出来たと思っています。なので、心からお礼を言いたいと思います。どうも、ありがとうございました。

 そもそも、スタジオでリハーサルを終えた段階で、「良くなる」と予感したのですが、そういうものは大抵は的中するものなのです。
 どこかに無理があったり、少々狙い過ぎ考え過ぎのセット・メニューやアレンジになっていたら、やはりどうしても「何とかせねば」的パフォーマンスになってしまい、それをうまくこなせても、何かしら人工的な感じが残るものです。
 が、今回はそういうあざとさが全くなかったし、極めて自然体で音楽が流れていて、その中にけいこさんが最初に提示したテーマが、きちっと貫かれていたのでした。ですから、ステージ・サイドでは緊張感とリラックス感が同時にあったし、力むことなく、ダラダラすることなく、終始ステージに集中できたのでした。
 
 というわけで、ちょっと本番を振り返ってみたいと思います。

m1.A Sonnet
 CDではストリングスがやっているイントロ部分を、少し即興的な部分も入れ、テンポもルバートぽくしてピアノでやってみました。そこにギターの田口(慎二)君がスライドで絡んできたので、ちょっとアーシーな感じも漂ったのでは。けいこさんが登場してからの本編でも、重心の低いノリを意識して、全体的にアメリカ南部っぽいサウンドをイメージしました。

m2.愛を聞かせて
 続けて、ボサノバ風。元のアレンジのセッション的な感じを生かして、こちらもその場の雰囲気に反応しながら演奏していました。なので、その日その日細かい部分で変化していきました。今回、(高橋)リョウ君にはアップライト・ベースを主に弾いてもらったのですが、この曲では間奏でジャズっぽいソロをフィーチャアして、いい効果を上げてくれました。

m3.花曇り
 そのまま、ギターの8ビート・カッティングで続きます。前2曲がしっとりとしていたので、この曲では抑えた表情の中にも、タイトなノリを意識してちょっと変化をつけました。元は80年代のポリス風なアレンジですが、今回のアコースティック・バージョンはなかなか新鮮でした。

 この3曲だけでも、すでに水越さんのキュンとする世界が会場中に広がっているのを感じました。けいこさんの声と曲が持つやさしさと大らかさは、今風で言えばまさに「オーガニック」ではないでしょうか。それでいて深く入っていけば、そこに寂しさや悲しさといった影の部分も表情として持っているのでした。

m4.水辺のみえる庭
 前のコーナーが「春」を感じさせるものなら、ここからはじょじょに新緑から梅雨の季節。この曲自体はドゥービー・ブラザーズ風の明るい(詞の内容はそうじゃないんだけど)アレンジなので、軽やかに気持ちよく進むように気をつけました。サビでは田口、高橋のコーラス隊が活躍してくれましたが、二人は他の曲でも、しっかりしたコーラス・ワークを聞かせてくれました。おかげで、この曲では私はマイケル・マクドナルド風アプローチに専念させてもらいました。

m5.Loneliness and Blue
 ある意味、とても水越けいこ色の強い楽曲であり、名曲の1つではないしょうか。シンプルな構成でありながら、味わいのある世界が含まれていて飽きません。まさにタイトル通りの表情なのですが、けいこさんの歌で聞いていると、妙な深刻さや暗さよりも、ある種の爽やかさを感じられるのが素晴らしいと思いますね。ただし、演奏している時はサビになると急激に気持ちが高ぶっていくのを抑えられません。

m6.雨だれ
 続けてやったこの曲は、m5と同様の世界ですが、より影の部分が表に出ていると言えます。でも、元のアレンジが極めてセッション風なので、演奏的には「雰囲気もの」ってわけですが、その内容に各メンバーが共感していないと、ただのダラダラしたものになってしまうでしょう。
何回か本番を重ねたり、ツアーで一緒に過ごす事で、こういった曲はよく熟成されていく典型ですね。

 MCをはさんで、次は「夏」のイメージで。今回のメニューでは比較的バラードが多いので、その中にあっては貴重のアップテンポ2曲をメドレーで。

m7.ブルースカイロンリー
 これはさっきのm5同様に、水越色強い曲の8ビート系代表ですね。ただ、今回の編成ではドラムなどのリズム担当がいない分、インパクト不足は否めないのですが、3人ともロック好きだったのが幸いして、R&Rのニュアンスをうまく強調できたと思いますし、この人数でも音圧とノリは十分イケてたと感じました。かえって各自の良さも出て面白かったです。

m8.夏草の道
 前曲のエンディングをカットして、そのまま突入。オリジナルのアレンジは、ライブでは再現不可能な過激なものなので、完全に別の形でトライしました。これは、数年前に私がピアノだけでバックをした時のものを参考にしています。
 で、全体的にはm7とかぶる部分もあるのですが、キメを多くしたりして変化を持たせました。

 このメドレーは、初日の東京では少し冗長な感じがあり、つなぎの部分をカットしましたし、バンドのノリが前に転がって行くウネリのようなものが生まれてきたので、この2日間はとっても良い出来で、実に楽しく盛り上がりました。うまく前半のピークを作ることが出来たと思います。

 後半に続く....
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by harukko45 | 2008-05-19 13:24 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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