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ウェイウェイ・ウー/銀座スウィング・シティ

 先月後半は、ほとんどこの仕事のために費やしてしまいました。いやぁー大変だったけど、とってもためになったし、2月頭にやったサカイレイコさんのシャンソンに続いて、新しい分野にトライすることが出来て実に有意義でした。
 二胡奏者のウェイウェイさんとは、昨年彼女のアルバム・レコーディングで4曲アレンジを担当させてもらったが、ライブで競演させていただくのは初めて。それも、ジャズ・ライブハウスの老舗としてずっと君臨する銀座スウィングからのブッキングでありますから、驚きでした。
 私はこれまで、ジャズ系のライブ・スポットには全く顔を出していなかったので、何から何まで「お初」な感じでした。

 で、2月の旧正月を終えて、上海から日本に戻られたウェイウェイさんと打ち合わせしたところ、今回のテーマは「ロマンティック・メロディーズ」ということで、これまでのオリジナルものだけでなく、古今東西の「いいメロディ」を出来るだけたくさん披露したいとのアイデア、そして上がってきた曲目は、二胡で演奏したら面白くなりそうな作品ばかりでしたが、それでも曲数が30曲ぐらいになってしまった。
 まずは、その多さにちょっとビックリでしたが、演奏力が卓越しているだけでなく、全体をよく見渡すスマートな考え方をするウェイウェイさんの企画構成が、なかなか巧みな感じがして、私も前向きに頑張ってみました。

 というわけで、あまり大袈裟でないアレンジを少しずつ加えながら、1曲1曲あたっていったわけですが、それでも時間はかかるよ。なので、彼女と二人でのリハ、そしてバンドとのリハそれぞれ1回ずつを経て、どっぷりとウェイウェイ・サウンドに浸りきった2週間でありました。
 ウェイウェイさん自身は、二胡奏者として多方面で活躍されているし、別にジャズが売りのアーティストではありませんが、実際の演奏面において今回のようにスタンダードをベースにしたのと、場所柄もあり、おのずとジャズ的要素が高まったのでした。
 だから、私のように普段はロック系のライブハウスで無礼な演奏ばかりやっている輩には、大きな刺激とともにプレッシャーもかかるわけです。とは言え、ジャズが嫌いなわけじゃなし、昔はサックス吹きとしてジャズ・プレイヤーを目指したのだし、この際なりきってやろうじゃないの!って気分でした(?!)

 さて、そんな感じでのワダハル初参戦の銀座スウィング・シティ、ピアノとその上にシンセを一台おいて、75分2ステージ演奏させてもらいました。超満員のお客様で、ウェイウェイさんの人気のほどにも感動でしたね。
 で、その曲は、
1部:1.Danny Boy 2.Unchain My Heart 3.Killing Me Softly With His Song 4.Close To You 5.The Look Of Love 6.Alfie 7.What A Wonderful World 8.Mona Liza 9.「ニューシネマ・パラダイス」メドレー 10.The Way We Were 11.愛の讃歌 12.Fly Me To The Moon

 1部は西洋もので、m1~3は比較的R&B的な要素の強調と、少し「チャペル」的なイメージでやってみました。個人的には「燃え(萌えでなく)」ました。特にレイ・チャールズのm2はドラムの石川智さんが昔っぽいラテン・ジャズ風パターンをきめてくれて楽しかった。
 m4~6はもちろんバカラック、これは彼女のカヴァー・アルバム・バージョンを参考に、ところどころオリジナルの良さを注入してみました。特にm6はメロディとコードだけで感動する超名曲。
 m7~9は私とウェイウェイさんとのデュオ。私としては、こういう形でこういう曲だと、イタリア・ヴェネチアのサン・マルコ広場にあるカフェで聴いたバンド演奏を思い出してしまうのでした。何とも言えないサロン風な優雅さが二胡の響きにはあり、それが東洋的でもあるが、同時に古き良きヨーロッパも感じさせたんですね。もちろんウェイウェイさんの表現力が素晴らしいからです。
 それと、モリコーネ作の「ニューシネマ・パラダイス」はやはり敬意を表して、できるだけオリジナルのようなバッキングを試みました。「愛のテーマ」での私の弾き方がちょっとカタかったのが悔やまれるけど、全体としてはかなりうまく行きましたので、すごくうれしかったなぁ。

 m10を淡々とやった後に、11はピアフの名曲。これは、前半を「Georgia On My Mind」風にやって、後半は怒濤の正しいシャンソン的盛り上げでやりとげました。個人的には、今マイブームのピアフものだけに気合いが入っちゃう。でも、そのせいもあってか、かなりウケましたねぇ。二胡の演奏が歌に近いんだよね。だから、こういう一見「場違い」な曲でも全く違和感なく、とっても自然に感じました。
 実はこの後、「Your Song、Misty、枯葉」と用意していたのですが、意外に時間の過ぎるのは早く(?、盛り上がりすぎたすか!)、今回はカットしました。またの機会にね。で、最後のm12は誰もが知ってる名曲、今回はワルツ風のルバートからボサノバになって盛り上がる、って構想だったのですが、いきなりボサでノリノリにしてしまいました。でもここでは正解だったですね。

 とにかく、この盛りだくさんの1部がすごく楽しくうまくいって、臨時バンマスの私としては大いに肩の荷が下りた感じで、ホっとしました。続くっと。
Commented by ヤマケン at 2008-03-02 19:06 x
> こういう形でこういう曲だと、イタリア・ヴェネチアのサン・マルコ広場にあるカフェで聴いたバンド演奏を思い出してしまうのでした。

私もサン・マルコ広場やローマの裏通りのカフェで聴いた演奏が忘れられない一人です。
そんな感じを再現してくれているなんで言われてしまうと、無性に聴きたくなってしまいます。

いいライヴだったようですね、お疲れさま。
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by harukko45 | 2008-03-01 16:34 | 音楽の仕事 | Comments(1)

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる


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