ジョルジュ・プレートルのニューイヤー・コンサート
2008年 01月 03日
それにしても、これまでの最高齢、そして初のフランス人指揮者登場、この組み合わせを聞いて最初「何で?」って疑問に思った私でしたが、やっぱり80歳越えても現役でいらっしゃる方の技は違うということに深く感動いたしました。
しょっぱなの"ナポレオン行進曲"の立派な響きで、まずはガツンときました。実にエネルギッシュでした。すぐに高齢者の演奏を「シブイ」ってことにしたがるもんですが、ぜんぜん「そんなの関係ない!」って勢いでした。それも、ただ力技でねじ倒したのでなく、十分豊かに音を響かせて広がりを持たせていたのは、素晴らしかった。
また、"とんぼ"(長渕じゃないよ、ヨーゼフ・シュトラウスの美曲!)など、とっても映像的で詩情あふれる美しい表情を見せてくれたし、それでいて繊細さにこだわりすぎて、小さくなりすぎる最近の表現へのアンチテーゼとも言える堂々とした指揮ぶりにも魅了された。
"皇帝円舞曲"や"美しく青きドナウ"といったおなじみの曲での「大きな歌い方」も素敵で、こういう風格とも言えるものはいわゆる「普通人」には出せないものだなぁと思ってしまうのでした。その大きさが全体に安心感を聴き手に与えて、何とも言えぬ楽しさにつながっていたように感じました。("美しき..."の出だし、明らかに次の"ラデツキー行進曲"と間違えて振り出したのはご愛嬌、ご本人も笑っていた。)
クライバーやハーディングのようなキレの良さや洗練されたフォームは全くないけど、だからといってノリが野暮ったいかというとそんなことはない。逆に、腰の入ったグルーヴ感ってものがあるのでした。この辺は繰り返しになるけど、まさに「年齢なんか関係ない!」ってところです。
だから、"トリッチ・トラッチ・ポルカ"のような「行ってシマエ!」的な曲でも、最近の多くの安全運転指揮者は優等生演奏で、アクセルとブレーキを同時に操作してしまうが、今回のプレートル氏は実に豪快な演奏で、久々に盛り上がったなぁ。
そしてそれ以上に、一部の最後にやった"天国と地獄のカドリーユ"は圧巻だった。いわゆる「フレンチ・カンカン」のあれですが、もうかなりのハイテンションでオケにムチをいれ、ウィーン・フィルが弾きまくっていたのが面白かったし、それでいて音色が優雅なのがさすがでありましたし、見事にさばききったプレートルの技とウィーン・フィルの力が光ったのでした。
とりあえず、私がこのコンサートを見始めた1991年からの中では、92年クライバー、2006年のヤンソンスとともに最高に楽しく、心から堪能させられた内容でありました。
ところで、来年はダニエル・バレンボイムですか。もうすでに期待できないと考えております。(彼はものすごく素晴らしいピアニストですので、そちらに専念していただきたいのが、私のかねてからの希望です。)
昔、ウイーンフィルの主席オーボエ奏者にオーボエを教わったことありますよ。とてもすばらしい方でした。
生の練習風景も見させていただきました。本番よりも練習風景のほうがはるかに貴重な機会だったようです。(当時はあまり価値がわかっていませんでした)
ヨーロッパなどでは、オーケストラのリハーサルを安い値段で公開することが多いですね。僕も一度見た事があります。面白いですよね。
それと、たぶん、ニューイヤーコンサートはNHKが再放送すると思いますよ。
ウインナオーボエという特殊な楽器を吹かれていたので、とても貴重な機会でした。
今は定年で退団されています。
公開リハーサルはお得で良いですよね。
ウィーンフィルの演奏会の本番はオペラ以外は生で観た事がありませんが、いつか行ってみたいものです。
ウィーン・フィルの演奏会は現地でも日本でも、なかなか見れませんね。僕は5年ぐらい前に1度だけ幸運にも定期演奏会を観れました。でも、今はオペラの方が好きなので、それも安いギャレリー席を狙って予約するって感じです。
いやぁー、この手の話はつきません。
うらやましいです!!!
ウインナオーボエはリードも楽器も、運指もまったく違いましたね。
見た目はクラリネットみたいですね。
驚いたのは、ウインナオーボエを製作しているのは、日本のヤマハだということです。ネットで検索したら百数十万で日本で売っていました。値段は普通のオーボエと変わらないので意外でした。
日本企業が関わるのが良いのか悪いのかはともかく、伝統の音色が失われないように頑張っていただきたいです。
ピアノ自体、「奏者を選ぶ」と言われて弾きこなすのがむずかしいが、音色が魅力的、という評が多いようです。
僕は一度だけしか、ベーゼンを弾いたことがないのですが、やはり最初受け付けてくれない感じでした。でも、しばらくつき合ってもらうと、だんだん受け入れてくれて、楽しかったです。やはり、豊かな響きで、何とも言えない甘さがあると思いました。
ヤマハはいろいろ研究熱心な会社だから、とことん調べまくるでしょうね。でも、日本企業、日本人職人の腕の確かさが、世界中の伝統を残すのに役立つという流れは今後も増えて行くかもしれませんね。