2007年のMy Best Albums(1)/Alicia Keys"As I Am"

 ちょっと「My Best」なんて大見出しつけるほど、聞いたアルバムの絶対量が少なかった今年。正直、大見得きる程じゃないけど、年末になると必ず発表される各音楽雑誌の年間ベストアルバム評を覗いてみると、そんなに変わりはないってことは、良い事なのか大して褒められたことではないのか?
 まぁでも、「これは外せない」と思ってチェックしていたものが、一応高い評価を得ているというのは、まんざら嫌な気分じゃないわな。

 まずは、現代のポピュラー・ミュージック・シーンの中心であると言っていいR&B/Soul Music系。ここでは、新人でも歌の魅力が俄然光ったクリセット・ミッシェル(Chrisette Michele)を上げたいところだったが、12月になってアリシア・キーズ(Alicia Keys)がその他の作品を圧倒的に吹っ飛ばす傑作"As I Am"を発表したことにより、決まり。

e0093608_2351610.jpg このアルバム聞いて、文句つける人はまずいないでしょう。いてもかまわんけど、それよりも、この天才女性が作り出す音楽を存分に楽しむ方が、よっほど得ってもんです。
 デビュー作も前作もそれぞれ傑作ではありましたが、もっとすごくなるだろうとの思いを常に感じさせる人でしたから、当然この3作目への期待は相当大きかったのですが、何とも軽々と乗り越えてしまった感じ。ちょっと、70年代のスティービー・ワンダーの絶好調時を思い起こさせるものがある。

 全体的にすぐ感じるのは、彼女のボーカルがよりハスキーで力強くなっていること。それが、嫌な重さや暑苦しさになっていないところも良い。とにかく、前も上手かったけど、もっと上手くなった。で、捨て曲が全然ない。どれも、良い意味でのポップさがあると同時に、満足できるソウル度を保っていて、バランスがいいのだ。また曲の並びも良く、アルバム全体としての構成力が素晴らしいと思う。
 それと、サウンド・プロダクションが適度にラフな感じで終わっていて、余裕を待たせた仕上がりになっているのが好ましい。最近のポップスにありがちな、完璧すぎて聞いていて疲れてしまう、ってことにならない。その辺も、70年代のスティービーに近いと思った。

 とは言え、クラシックで鍛えられたピアノ演奏を始め、単なるソウル・ミュージックだけでおさまらない多様な音楽性を、誰とも違う独自の世界に見事にまとめてしまうところは、才能の凄さとしか言いようがない。ビヨンセと彼女が今のR&Bとポップ・ミュージックをリードする女性の代表だろうが、アーティストとしての幅と深みはアリシアが断然上だ。まだ26歳だが、もうすでにリスペクトの対象としてなりうる存在だと思う。
 それに、まだまだ凄い作品を作ってくるのでは、とまた思わせるところがニクイ。60分程の収録時間だが、聞いていてあっという間に過ぎ去ってしまった。それほど、軽々と傑作をものにしてしまったという印象だ。前作も「一家に一枚」と思ったが、この新作はそれ以上に「一家に一枚」であります。

You Tubeでもチェックしてみて

e0093608_3314398.jpge0093608_3293954.jpg おお、巷ではイギリスからのエイミー・ワインハウス(Amy Winehouse)が話題とか、グラミー賞でも主要4部門にノミネートね。でも、私はそれほどとは思いませんね。ジョス・ストーン(Joss Stone)と同じで、ちょっと狙い過ぎじゃないってぐらいのクラシック・ソウル調なのがどうも。歌のうまさや、かつてのジャズ歌手風のスタイルなら前述のクリセット・ミッシェルの方が断然好きです。
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by harukko45 | 2007-12-24 00:35 | 聴いて書く

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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