ジョン・レノン・スーパーライヴ2007の詳細(8)

詳細(7)からの続き...

 長々としつこく書いてきましたスーパーライヴの詳細も最終回です。おつかれさま。誰がじゃい!辛抱強く読んでいただいた方々には厚くお礼申し上げます。

 さて、出演者全員がステージに集結、会場の皆さんとともにオノ・コードのパフォーマンス。毎年恒例だけど、何度やっても綺麗なもんだ。こんな単純なことなのに、毎回「オー」って声が出ちゃうから不思議。人が感動するためのきっかけって、複雑な難しいことじゃないって思うわけです。

e0093608_15522614.jpg 場内暗転の中、全員でオノ・コードによる「I Love You」の合図を送った直後に、斉藤和義さんの歌い出しで"Happy X'mas"(1971.12.1リリース)が始まった。斉藤さんは自らギターを演奏しながら歌ってくれた。オープニングでは十分にフィーチャアできなかったので、こちらではトップバッターをお願いしたってところでしょうか。いずれにしろ、あの声でこの曲が始まるとこちらもグッと引き締まる感じでした。

 その後の展開は、いつものように会場中を一つにする曲の強さに身を任せていたとでも言いましょうか。結局、曲のエネルギーが強ければ、ミュージシャンが恣意的な何かを企てることなんか意味ないんですね。何もしなくても、曲が導いてくれるのでした。

 で、いつもならこれでピースフルなムードが漂って...というところなんだけど、今回はもう1回盛り上げさせてもらいました。ジョンの70年代初頭における平和運動の象徴のような楽曲"Power To The People"(1971.3.12リリース)と"Give Peace A Chance"(1969.7.4リリース)をメドレーで。
e0093608_17301836.jpg これで、我々は冒頭の「屋上セッション」から、その直後にジョンが平和運動へ激しくシフトしていく姿を今回の大きなテーマとしていたことを表したのでした。
 あの時期、ジョンは明らかに「無宗教」と「社会主義」的傾向にあったと言えるし、それがゆえに危険人物としてFBIから監視対象にもなって、盗聴されるなどの迫害を受けていたのでした。

 正直、現代の認識から、その頃彼が考えていた左翼的傾向はあまりにも純粋すぎるものだったと言わざるを得ませんが、しかしながら、彼が常に願い主張していたことは「戦争の終わり」「平和への祈り」「愛ある世界」であって、それが、単なるイデオロギーを越えた人類共通の願いとして、成熟した人間の大いなる意識となりうることを、誰も否定することはできないと思っています。
 現に、もう30年経ち、21世紀になっても愚かな人類は戦争をやめないし、今や地球そのものさえも破滅させる道を歩んでいるのです。結局、何も学んでいない我々は、今再びジョンの歌声を聞き返しながら、自ら懺悔するのみなのでしょうか。

 いろんな意味あいを感じながらも、この2曲のメドレーにはものすごくこだわりを持って作りました。"Power To The People"には一昨年、小柳ユキさんとご一緒した時のアレンジをベースに、オリジナルにあった大音量のコーラスとデモ行進を表す足踏みのサンプリングを手弾きでインサートしました。これは、当時のプロデューサー、フィル・スペクターがレコーディングでおこなったことを再現したかったからです。それに煽られるように、アーティスト、オーディエンスを越えた多くの人に歌って欲しかったのです。
 少々、傲慢な意識の元にやったことですが、とにかく大声で大音量でそれを表現したかった。

 続く"Give Peace A Chance"も同じ気持ちです。ジョンの歌詞「平和にチャンスをやろう」は「平和を我等に」といった受け身の姿勢でなく、もっと積極的な主張であり、同時に一つ高い位置からの強いメッセージに思えるようになってきました。だから、あくまでそのサビ部分をシュプレヒコールのように繰り返しただけですが、バンドはどんどん先鋭的になって倍のテンポでのロックンロールになっていきました。こういう強いエネルギーを発散できるのがロックの特権だとも感じました。しばらく忘れていたものを久しぶりに思い出したように燃えてしまいました。かなり荒っぽい内容だったかもしれませんが、それでも良しです。

 そして、ヨーコさんの登場とスピーチ、何かいつもと違うムードでした。よくあるコンサートのアンコールにおけるバカ騒ぎではない、独特の暖かい雰囲気に包まれました。クラウスさんが日本語のMCで言っていた「ジョンはここにいます」が実感されるようでした。

e0093608_17323210.jpg で、"Imagine"(1971.10.8リリース)。こういう流れでこの曲のイントロを弾き出すのって、すごく気持ちのいいことだけど、同時に大変な重圧であると思いますが、十川さんはさすがに場をわきまえた、さりげない始まりと少しダークなトーンが良かったですね。
 全体にもあまり深刻ぶらない、何ともフンワリしたやさしい"Imagine"になりました。実はクラウス・フォアマン氏がこの時ベースを弾いていました。後で古田君が語っていましたが、「ハネていた」そうです。私はかなり頭に血が上っておりましたので、そこまで把握できませんでしたが、なるほど、そういう影響もあって、いつものようないかにもバラード然とした、ベタっという雰囲気にならず、常に「前進」していくような気持ちのいい軽やかな感じになったのか、と思いました。うー、最後にまた勉強になりました。

 個人的には何から何までうまくいったわけでなく、細かい部分では反省しなくてはならない部分もあります。が、最後までやろうとしたことをやりきったという満足感がそれを上回り、とてもうれしい気持ちになりました。パーティの席でも「バンドがすごく良かった」と何人かの方から声をかけていただきました。とにかく、今年も無事に終えることができてホっとしたというのが正直なところ、翌日一緒の仕事だった会長こと土屋さんも同じように「ホっとした」と言っていました。それだけ、我々バンド側の意識は同じだったかもしれません。

 素晴らしいトリビュート・バンドのメンバー、土屋潔さん、名越由貴夫さん、古田たかしさん、押葉真吾さん、十川知司さんには大感謝です。またすぐに、会いたいです。
 素晴らしいスタッフの皆さんにも大感謝ですし、プロデュース・センターの方々には大成功おめでとうございます、とも言いたいですね。
 そして、何より武道館にお越し下さり、我々に素晴らしいエネルギーを与えてくださった方々に厚く熱くお礼申し上げます。ありがとうございました!

P.S.
 このスーパーライヴ2007のTV放映が決まっていますので、お知らせしておきます。
12/29(土) 21:00-23:00 JCNグループ
1/1(火)22:00-23:55 BS朝日
1/3(木)21:00-23:00 (再放送)JCNグループ

JCNグループ各局の情報はこちらです。

どうも、長々お読みくださってありがとうございました。
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by harukko45 | 2007-12-19 17:52 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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