ジョン・レノン・スーパーライヴ2007の詳細(4)

 詳細(3)からの続き...

 詳細も、もう少しテンポアップしたいところだが、書き始めるといろんなことが思い出されるので、だらだら長くなってしまいます。まだ折り返し点に行かないんだよね、全く。

 クラウス・フォアマン氏とのコーナーが終わり、我々トリビュート・バンドは再び休憩。休憩のたびにギターの土屋さんは喫煙所に直行、その後も行方不明になるので、舞台監督補佐のカツオちゃん(女子です)が毎回走って探し回っておりました。でも、間際になると何処からともなく登場するので、基本は放っとく事ですな。やっぱり彼はA型とは思えない超マイペース。

 さて、ステージではこのところ毎年参加してくれているLove Psychedelico登場。彼らは前日に武道館公演をおこなっていて、それも、そのまま泊まってればってぐらい遅くまで盛り上がったコンサートだったらしく、その熱気を持って"Instant Karma"と"Across The Universe"を演奏してくれました。

 年々、聞くたびに良くなっているなぁと感心してましたが、今年は何か「風格」みたいなものが出てきた感じでした。特に"Across The Universe"のアレンジはなかなか良かったし、Kumiさんのキャラにも合ってました。当初、彼らはどちらかと言えば「頭でっかち」風な売り出し方だったのですが、キャリアを積むうちに、骨太なロック・バンドとして着実な成長をとげています。海外をも含む、たくさんのライブをこなすことで、頭で考える新しいヴィジョンと表現する肉体が合致してきている、とでも言いますか。ますます期待のデリコです。

 そして、再び樹木希林さんがお孫さんお二人とともに登場。"Imagine"をお孫さんが歌い、希林さんが日本語訳詞を朗読するコーナーでしたが、前にも書きましたが、ほんとに素晴らしかったですね。ちゃんとした物語、映画、舞台劇になっていました。この朗読コーナーはいつもどうしても「つなぎ」のような色合いになりがちなのですが、今回は全く別次元の高いレベルのパフォーマンスになっていました。あらためて、希林さんに敬意を表したいと思います。それと、可愛らしいお孫さん達のアカペラ、武道館相手に堂々たるものでした。

 さぁ、この後、我々は怒濤の出ずっぱり。4人の強者をお迎えしての踏んばりどころが続きます。まずはCharaさんの登場。

e0093608_1833931.jpg Charaさんの1曲目は、ジョンの死後に発表された"Milk And Honey"に収録されている"Grow Old With Me"。この曲はジョンの死の前日1980年12月7日に完成しており、ヨーコさんに「一緒に年を重ねよう」と呼びかける歌だった。が、それは叶わなかった。これが、遺作となってしまったのだ。

e0093608_1835237.jpg "Milk And Honey"ではジョンのピアノとリズムマシンのみの自宅録音だったが、その後ジョージ・マーティンによるオーケストレイションが施された完成版も登場した。今回はそれをカヴァーした。(ベスト盤の"Working Class Hero: The Definitive Lennon"等で聞ける)

 Charaさんはどんどん自らアイデアを発して行くタイプで、たぶん彼女の頭の中にあるイメージは際限なく広がっていくのだろう。しかし、だからといって、我々もどんどんアプローチしていかなくては面白くはならないだろう。彼女の発想に、我々が応えていけるか、はたまた彼女の想像を越えるような展開にしていけるか?
 私としては、Charaさんのコーナーがコンサート中盤において大きなフックになってくれれば、と思っていた。それまでのサウンドから一転した世界、それがミニマムな世界なのか、ドカーンと爆発していくのかはともかくとして、同じバンドであっても違うカラーリングを音楽につけることができるのは彼女しかいないと感じたからだ。

 その思惑はほぼ的中したが、彼女のキャラクターは私のそんな予想を越えるものだったわけだ。Charaさんが歌った"Grow Old With Me"は実に美しかった。彼女がリハの時に語った「ゴシック調」を強く意識した私のストリングスのイントロから歌い出した彼女のウィスパー・ボイスに、一瞬鳥肌が立った。
 このコーナーではドラムの古田君が別のセットで音色の変化をつけ、こちらの意図をしっかりつかんでくれていたことも大きい。
 十川さんのオールドっぽいピアノと間奏のフルート音によるクラシカルなフレーズも効果的だったし、私はストリングスとホルンの音色で全体のムード作りに徹して、曲全体を引っ張る役目に集中できたのだった。とても満足する出来だったと感じた。

 そして、2曲目。"Give Peace A Chance"はジョンのオリジナル盤のようなフォーキーで、皆がガチャガチャやっている雰囲気にしたいとの意向に沿った。とは言え、Charaさんのこと、実際にやってみないと何がおきるかわからないわけで、当日のリハでも、その場その場での閃きで、ここにオルガンが、ここで盛り上げましょう、ここでアカペラに等々...。

 こういう即興的に反応していくのは大好きなので、大いに楽しんだし、それに、バンドメンバー各自がより音楽的に良くするための追求をしてくれていたのが有り難かった。ギターの2人はともにアコギで、オクターブ差のカッティングをして、アメリカ南部風というか、私には「馬小屋で録音するニール・ヤング」のイメージ(つまり「ハーヴェスト」の裏ジャケット)が浮かんだし、それに応えるかのような素朴なドラム・サウンドがムードを増長してくれ、十川さんはウィーリッツァー、私オルガンってのはThe Band風でもあり、ますます私好みになってかなり上機嫌にさせてもらったよ。メンバーの皆さん、どうも、ありがとう!

 でもって、本番でのCharaさんのパフォーマンス、面白かった!この人はものすごく繊細にいろんなことを考えているのだろうが、いざとなった時の覚悟の決め方が凄いね。こうでなくちゃ、アーティストって名乗れないでしょう。
 どこで、どうなっていくかなんてわからない。オーディエンスの反応も感じながら、瞬時に変わって行くから、我々は彼女の歌と動きから目が離せない。でも、それがワクワクドキドキにつながって楽しくってたまらなかったのでした。
 
 詳細(5)へ続く。
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by harukko45 | 2007-12-16 18:08 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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