小沢氏辞任の衝撃と今後への不安

 私は、小沢代表の民主党による政権交代を強く願っていたが、今日それが崩れ去ることになった。

 衝撃とともに大きな失望と将来への不安を感じずにいられない。不安といっても、明日明後日に日本がダメになると言うことではないが、長い目でみてこの日本という国には結局、健全なる民主主義など実現しない、少なくとも私が生きている間には現在とあまり変わらないような政治状況が続くのか、と考えると、何とも言えない空虚感が漂うし、この国と民族の将来を憂う気持ちしか浮かばない。

 11月2日の自民・民主の首脳会談において、福田首相は自衛隊の海外派遣への基本概念について、かねてからの小沢氏の主張(国連決議で認められた活動に参加することに限る。特定の国の軍事作戦は支援しない。)を全面的に受け入れるという、大幅な譲歩と政策転換を打ち出し、民主への大連立を打診した。
 私はこのニュースに、「面白い」と思ったし、この流れが進んでいくことを期待していた。なぜなら、現在の衆参逆転のねじれ国会において、可決成立した法律はゼロ。国会の論戦は今や、年金スキャンダルから防衛省の接待疑惑にスポットライトが移っただけで、国民にとって重要な問題についての早急な政策は何一つ決められない状況だからだ。
 ある意味、これは民主党が参院選で勝利した時点で予想できたこと。そして、この混乱国会を作り出すことで、自民党に大幅な妥協を促すことにまんまと成功したわけだ。自民党の方から、政権に入ってくれと言ってきたのだから。

 少なくとも、自衛隊の海外派遣や年金、あるいはここ最近の原油高から来る物価上昇への対処といった、与野党の立場を越えた早急課題への政策協議ぐらい始めることは、全く悪い事ではないし、自らが主張する政策を実現可能にするチャンスでもあり、その成果が国民にとってプラスとなるならば、どの政党が政権を担当しようが問題ではない。そして、そこでの成果こそが将来の単独政権奪取への足がかりにつながるかもしれないのだ。

 しかしながら、民主党の幹部、また報道によれば各地方の民主党組織も、この「大連立構想」に反対。「小沢氏は党に持ち帰らず、その場で拒否すべきだった」との主張が大勢をしめた。また、各マスコミやテレビのコメンテイター達も連立への反対、批判ばかりで、この構想への賛同を主張するコメントはほとんどなかったのではないか。

 私はこの一連の流れに違和感を感じたし、この国の多くは「尊王攘夷」の志士のつもりなのか、と思ってしまうのだった。何だか、あまりにも純粋で青臭いイデオロギー論議のようであり、現実に対処すべき政治意識が欠如しているのではないだろうか。
 「大政翼賛会だ」などという批判は、共産党や社民党のような、もうすでに役割の終えた「何でも反対」政党が言うようなことであり、およそ21世紀における政治論とは思えないのだ。

 なるほど、小沢氏が民主党の役員会に「連立」を諮り、それが大反対にあったことで、自らが不信任にあったと解釈するのも理解できる。民主党は長く野党にいることで、自民党への対決姿勢をとる事はできても、あえて相手の懐に飛び込んで、自分達の主張を通して行く度胸やしたたかさに欠けるようだ。一体、何が国民にとって大事なのかを理解せず、次の衆院選のことしか考えていない民主党では、政権交代など絵に描いた餅にしかすぎない。

 なので、今回の小沢氏の辞任はあまりにも突然であり、深い失望を禁じ得ないが、彼が本日おこなった会見での内容は、理路整然として首尾一貫した主張であったと思うし、彼らしく筋を通した決断であった考えている。

 だが、小沢氏抜きの民主党はどうなるか。もはや、彼以上のオーラで党を引っ張っていける人材は見当たらない。また、小沢氏への「壊し屋」「わがまま」「無責任」との批判が巻き起こるのだろう。だが、私はせっかくのチャンスを自ら無に帰した現在の民主党は、後年この事態を大いに後悔することになると考える。

 そして、私はますますこの国にうんざりする。
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by harukko45 | 2007-11-04 18:50 | 日々のあれこれ

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