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MLBワールドシリーズ第2戦/ボストン2-1コロラド

 第1戦のあまりにも一方的な試合に比べれば、今日の試合は投手戦による濃い内容の接戦だったのだが、全体の印象としては昨日以上にボストンの強さを感じさせるものだった。

 初回、デッドボールとホリデイのヒットによるチャンスから幸先よく先取点をとったコロラドだったが、その後3回以外は毎回ライナーを出しながら、シリングの巧妙な投球に拙攻を繰り返して、追加点を奪えない。今日のシリングはチャンピオンシップの時より良くなかったが、さすがのベテランは悪い時も悪いなりにまとめてくる。やっぱ、シブいよ。
 だから、ランナーが出てもあっけなくシリングにかわされていくうちに、コロラドの先発ヒメネスへのプレッシャーは高まっていったわけだ。

 ヒメネスは初回から素晴らしいボールを投げていて、ボストンは前の試合での打ち過ぎの悪影響かと思うようなあっさりした打撃で凡退が続く。この序盤におけるヒメネスの好投ぶりにボストン打線はかなり苦しむか、と思えた。

 ところが、3回裏2アウトから突然の連続フォアボールを出してから、何とも心もとない投球が見え始めたヒメネスは、その後不安定な状況が4回5回と続き、3回までのノーヒット・ピッチングが一転、トータル3安打5四死球で逆転されてしまったのだ。
 確かにいいボールを投げ込む力は十分感じたが、表情やマウンドさばきからは、強いエネルギーや闘志といったものが感じられなかった(昨日の凄いベケットを見ちゃっているせいもあるが)。そして案の定、ボストン強力打線はそんな純粋そうな若者(23歳)の心を見透かすように圧力を加えて、フォアボールをきっかけにチャンスを広げ、きっちり得点していった。
 先取点を取られてもヒョウヒョウと落ち着いて、相手をかわしていった40歳シリングと、プレッシャーに耐えきれず序盤の好投を無にしてしまったヒメネスとの差は、経験の差というところなのか。

 そして、この試合でもっとも素晴らしかったのは6回にシリングから引き継ぎ、1アウト1、2塁のピンチをピシャっと抑え込んだ岡島だ。今日の岡島のボールはどれもこれもイキイキしていて、見ててホレボレしてしまった。特に6回2アウトでの打者ホープを、カーブ、ストレート、スプリッターと投げ分けて三球三振に討ち取ったシーンは圧巻で、思わずゾクっとした。

 続く7回も相手の可能性と希望を消し去るような完璧さで3者凡退。そして、異例の3イニング目の8回、このケース、チャンピオンシップではうまくいかずにピンチを招いたが、今日の彼は「誰にも打たれることはない」っていうオーラで輝いていたね。
 タベラス、松井稼を連続三振。何と言っても松井との日本人対決はかなりの濃密さだった。松井は完敗で悔しいだろうが、この岡島の凄さには誰もが脱帽だ。ストレートを見せておいて、その後カーブの連投にかなり幻惑されたまま、最後のスプリッターに松井は全く合わせられなかった。岡島の完勝であったし、バリテックのリードも光った。

 ここで、面白かったのは、2アウトで岡島からパペルボンにスイッチされ、いわゆるボストンの勝ちパターンだったのだが、このパペルボン君は自分の前で岡島が2三振奪っていたのをかなり意識したか、今日3安打で1人気を吐いていたホリデイに、まるで昨日のベケットを真似るかのようにストレート攻め。確かに凄まじい豪速球を投げれるから、その気迫は十分に伝わるし、相手の3番打者(今期ナ・リーグの二冠王)を三振に仕留めれば、コロラドは一気にシュンとしてしまうってことだった。
 で、2ストライクまではまさにシナリオどおりなんだけど、ちょっと調子にのりすぎって雰囲気を感じた3球目、ど真ん中にストレート投げ込んで、それをホリデイは「なめんなよ」ってな具合に打ち返し、ピッチャーを強襲してセカンドが何とか止めたヒット。おまけに、パペルボンは打球を取りに行こうとしてバランスを崩し、マウンドで転んでしまうオマケ付き。ちょっと苦笑(?)

 実は、このシーンははっきり言ってコロラドの最後で最大のチャンスだったかもしれない。頭に血が上ってストレートによる力技を見せたくてたまらないパペルボンから、コロラド4番ヘルトンは今日無安打ではあっても逆転ホームランを打つ可能性があったし、そんな妖しい気配がその時に漂ったのだ。
 ところがところが、ヒットを打ってまんまとパペルボンの鼻をへし折り、少々気が大きくなっていたか、ランナーのホリデイ君は1塁ベースから緊張感のないままリードを取っていた。そこへ、パペルボンがファーストへ矢のような送球。さして大きなリードとは思えない感じだったのに、完全に気が乗ってなかったホリデイは帰塁できず、それどころか慌ててヘッドスライディングするも、手はベースにとどかず、何ともみっともない姿でアウト。突然として、コロラド逆転の予感は無惨にも消え去ったのだった。
 これにより、パペルボンは気分を良くし、最終回はまさに力で相手をねじ伏せて、完璧な締めくくりを果たしたのだった。ジャンジャン!

 さて、ボストンとしてはほぼ完璧な戦いぶりでの2連勝。現段階でのチーム力の差は大きい。コロラドには、その売りである若さと勢いを取り戻すための「何か」が必要になるだろう。とにかく、ホームでの打線の爆発しかない。投手に関しては、慎重に慎重に継投していくしかないだろう。相手打線はやはり強力だ。
 となると、第3戦での松坂がいろんな意味でのキーになる。クアーズ・フィールドで、松坂が炎上してコロラドの勢いを蘇らすのか、はたまた今年最高の投球で眠らせたままに出来たなら、ボストンの4連勝によるワールドチャンピオンが一気に現実化すると思う。
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by harukko45 | 2007-10-26 15:25 | スポーツ | Comments(0)

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