9月のまとめ/仕事編(3)

 「9月のまとめ」とか書いておきながら、結局は一つ一つについてウダウダ書いているなら「まとめ」じゃないですねぇ。いやはや何とも。

 22日から24日にかけて、大橋純子さんの仕事で日本最大の客船「飛鳥Ⅱ」に乗り込んで、クルージング・ライブをおこなってきました。何しろ世界一周しちゃうやつですからね、その船内の凄さは想像以上でありました。それに実に快適でした。
 下世話な言い方しますと、中に入っちゃえば飲み放題食い放題(アルコールと炭酸飲料をのぞく)でありまして、スパとサウナ、プールにスポーツ・ジム、映画館にエンターテイメント・ステージなども設備されていて、その気になればかなり楽しめちゃうでしょうね。もちろん、海にずっと漂っていることを苦痛に感じないように、全てがレベルの高いサービスを伴って供せられるというわけであります。

 我々は23日の夜のショウのために乗船したわけですが、その他の時間は普通のお客さん達と変わらないサービスが受けられるので、これはかなりの役得と言えました。
 ですから、22日の夕方に乗船後はすぐに同室であったロクさんとともにビールを飲み、それからジュンコさんの部屋でシャンパンをいただき、その後メインダイニングでのフランス料理を堪能したあげく、マジックによるイリュージョン・ショウを鑑賞、そしてライブ・バンドの演奏付きのバーで飲んだ、というのが初日の流れ。

 続きまして、23日は少々酒の残る私でしたが、ロクさんに叩き起こされて(?)9時前から朝食バイキング、10時には必ずおこなわれる「避難訓練」に参加し(各部屋でライフジャケットを装着して、指定された救命ボート前に集合、点呼を受けた後、もろもろの説明を受けたのでした。)その後スパに行って温まっておりましたら、我らのスタッフであるアラタさんのご指導の元、サウナの正しい楽しみ方を勉強し、おかげで体も酒もすっきりした私は、そのまま昼食へ。これはメインダイニングで笊ソバ御膳をいただき、ちょっと食休みをかねてプールサイドでのんびりしたまま1時間ほど熟睡、目覚めすっきりでそのまま2時からのケーキ・バイキングで甘味とコーヒー・タイムというわけで、なかなか忙しかったなぁ(?!)
 
 遊んでばかりじゃいけません、3時半頃より前日イリュージョン・ショウがあった会場でリハーサル。いつもと違って4リズムのみの編成ですが、すでに正月のサンフランシスコで経験済みですし、クラブ・サーキットで十分こなれてきたレパートリーですので、それほど不安はありませんでした。ゴトウさんがいないので、「時代」でのソロ・パートのやりくりと「地上の星」のノリの確認が主なポイントでした。

 そして本番、リハの時にちょっと感じたモニターの物足りなさは解消されて、とても気分よく始めることができました。こういったことはお客さんが入ることで状況がずいぶん変わるわけです。私はサンフランシスコでの雰囲気を思い出しました。あまり大きな音量でがんがんやるのでなく、各自適度に抑えて、他のメンバーの生音を感じながら演奏していきました。なので、ステージ上のサウンドはとてもナチュラルな響きになっていました。
 それと、4人という編成が個人的にはとても好きです。オリジナル・アレンジのすべては再現できないのですが、その分スペースが生まれ、スペースが出来るとそこにタイミング良くしかければ他のミュージシャンも反応し、それがカオスをも生み出す。また、カオス化したものも人数が少ないので、すぐにバランスを取ることが容易なのです。
 だから、音楽にその場その場の即興的でイキイキした表情が加わる可能性が広がるのでした。ただ、音楽としての安定感や充実した音圧感は必要なので、ポップスの場合この4リズム(ドラム、ベース、ギター、キーボード)という基本体勢がやはり最もしっくりくると感じます。

 私の手の調子はかなり良くなっていましたが、一応テーピングして臨みました。これも3回目になるとずいぶん手慣れてきて、演奏中に問題はなかったです。でも、気がついたのはやはりジュンコさんの本番が一番指の運動量が多いのだなということでした。2ステージあったせいもあるでしょうが、終演後は少し指に違和感を感じたので、すぐに湿布しました。
 でも、気分はとても充実して良かったです。なぜなら、ジュンコさんをふくめた5人のパフォーマンスが、とてもしっくりと落ち着いていて、それでいて手慣れた曲でも常にトライする雰囲気に満ちていたからでした。たぶん、いつもと違う編成による新鮮さもあったと思いますが、大袈裟でカッコつけて言うと、「自由でありながら、しっかりと組織化されていた」バンド状況だったのでした。
 だから、音楽が豊かに感じた、それが演奏後の充実感を生んだ、という具合です。

 さて、終演後にかなり遅い夕食は、この日のメインダイニングで供せられたイタリアン・ディナー、それもゲスト・シェフとして乗船されていた有名店「アルポルト」の片岡氏によるものでした。料理だけでなくワインのチョイスも片岡シェフによるもので、これまた贅沢なことでありますなぁ。
 前菜の生ハムと果物の組み合わせが大変美味しく、オープニングとしてのインパクトも十分で、後への期待も膨らみました。続くトマト・ベースの冷製スープは逆にとても抑えた味で、トマトの素朴な味わいが良かったです。
 ただ、つづくペンネは味は確かに美味しかったですが、トマト・ソースだったので少々家庭的な感じがしました。もうちょっとびっくりさせてくれても良いかな?
 とは言え、次の魚は良かった。イタリアンではプリモのパスタが絶品で感動するのにセコンドの皿がシンプルな味付けでちょっと腰砕けするというのが多いもの。しかし、この魚料理はソースに工夫があり(ハーブ?だったか、もう忘れてる/思い出した!バルサミコを効かせたソースでした。)、とても満足しました。
 えー、この魚が良かったので、つづく牛ほほ肉の煮込みはまぁまぁってところかな。デミグラス・ソースが普通のものとはひと味違うとも思いましたが、高らかに歓喜のファンファーレを鳴らすってところには至らなかったか。たぶん、通常のお店ではよりアグレッシブな料理も用意されているのでしょうが、今回のシチュエーションではどのようなお客さんも安心して楽しめるメニュー構成になさったのでしょう。でも、お腹は一杯になりました。これはとても大事なことです。いくら挑戦的な料理であっても、お腹の空いた客を満足させなくちゃ意味ないですから。

 でもまぁ、仕事した後にこれだけの高級ディナーを堪能できたのだから、それだけでも有り難いと思わねば。

 翌朝もロクさんとともに和朝食をしっかり頂いて、無事10時に横浜港で下船いたしました。いやー、いい仕事だったなぁー!!
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by harukko45 | 2007-09-30 17:39 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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