オヨヨのリハーサル
2001年 02月 21日
我々ミュージシャンにおいては、税金は源泉徴収されておりますので、たいていの場合、申告しますといくらかの金額が戻ってくるのですが、これをボーナスじゃ!ボーナスじゃ!などと言ってパア〜ッと、飲んじまったりしますと、春になって今年度の地方税の徴収時期がやってきて、アーなんであの金を残しとかんやったろか!と地団駄踏んでも後の祭りじゃ〜、トホホホホ・・てな事を何度繰り返してきたことでしょうか。
今や21世紀、もうこんな後悔は二度としないように、すっかり大人になった、りっぱな社会人としてのミュージシャンの生き様を私自ら、各方面の方々に示して行かねばなりません。だから、私を誘わないでね、なんて弱ぇ〜んだな、これが、フー。
あ、そうそう、今日はリハでしたね。
実は今日のリハーサル、けっこう大変な内容なのです。前回お話してる通り、3月6日の岩手と22,23日の福岡ブルーノートのためなんですが、このブルーノート、ドラムの植村昌弘君(ウエちゃん)がどうしてもスケジュールが合わず、トラ(エキストラ)をたてることなってしまったのです。
今回は濱田尚哉君(ハマちゃん)にお願いしました。彼はDream Come Trueや稲垣潤一さんのツアーや数々のレコーディング・セッションをこなしている腕利きのでぇ〜く、じゃないドラマーで、ベースの六川正彦さん(マー坊さん)とも数多く一緒にプレイしてるし、私とも旧知の仲。ですから、彼は心配ないんですけど、ようするにこの日は、濱田セッションと植村セッションを両方こなさなければならず、四十を越えたミュージシャンを抱えるジュンコ・バンドとしては、体力面も精神面もキープしていけるかが問題なわけです。(すっぐ、遊びたくなっちゃうのよ、こいつら、ホント。あ、オレも四十越えてんだった!)
とはいうものの、ひさびさのジュンコ・バンド、やっぱりワクワクしまんな〜。早く音だそうゼ、デヘヘ。でも、始める前にこのバンドにおける、私のバンマスとしての仕切り方をお話ししましょう。
こういったバックバンドのまとめかたには、ひとそれぞれ、千差万別にありますが、例えば、
譜面をバッチリ書いといて、その通りに演奏してもらう
これは、急造のバンドで、なんとかヤッツケないといけないとき有効ですが、かなり独裁的カリスマ性を発揮しなければならず、けっこう疲れるわりにあんまり効果はでませんな。(クラシックとちゃうからね。)
次に、
な〜んも書いとかないで、適当にヨロシク!ってパターン
これは、集まったミュージシャンの質がよくないと、どうしようもないことになりかねませんぞ。一人でもボケがおりますと、バンドというのは、そいつのレベルにあってしまうので、困るのです。だから、最初ヨロシク!ゆうとっても、次第にイライラが募り、アーだコーだ、注文をつけるハメになり、やったら時間くってしまうことになりますよ。
あと、
テンポも音符もサウンドも、徹底的にCD通りヤレッ!って場合
これねぇ〜。気持ちはわかるし、いいときは緊張感が増したりもするんだけど、やっぱ、音楽は生き物だからねぇ。あんまりがんじがらめにすると、その場の即興的な表現が失われて、こぢんまりまとまっちゃうんだよね。ちょっと、つまんないんだな、これが。
じゃ、このバンドはどうするのか?
私のイメージだと、ロープで緩やかに囲いを作っておきます。
そして、その中で各ミュージシャンには自由にしてもらいます。もちろん最低の約束はありますよ。ただ、少々調子に乗って、ロープからはみ出しそうになったら、少し手綱をしめるわけ。あんまりの時はイエローカードを出します。でも、基本は各自のセンスを尊重します。
この場合は、ミュージシャンの質の良さはもちろんのこと、そこで演奏される音楽にいかに共感、共鳴しているかが問題になるのです。平たくいえば、この音楽スキ?アイシテル?タノシイ?の度合いが、バンド全体で高いレベルで保たれていなければ成功しませんね。
おかげさまで、この現場ではそれが出来るのです。これは楽しいよ!あ〜、音楽って!と思っちゃう。もちろん、このロープの内側には、大橋純子ミュージックのエキスに満ちあふれている状態になっているのです。各メンバーに感謝!
さて、ガタガタ言ってないで、そろそろ始めますかね。